年の瀬が近づくにつれ「来年はどんな一年になるだろうか?」と気になるのは私だけではないはず(笑)ご商売をされている方ならどなたでも気になるのは、未来の状況です。

生活行動カレンダー ’20―365日の生活者マーケティング
[引用情報元]生活行動カレンダー ’20―365日の生活者マーケティング(Amazon.jp)

そんな時、個人的に参考にしている一冊が株式会社クレオが発行されている「生活行動カレンダー」です。

生活行動カレンダーとは…40年に渡り「生活者」を見続け、研究してきた株式会社クレオのノウハウを活かしたマーケティングブックです。社会動向の変化に伴って生まれる生活トレンドや新しい暮らし行動を、生活者の立場に立った“生活者視点”で描いているのが特徴です。リアルな生活者の意識行動を歳事・行事などの「ハレ」の行動と衣食住などの「ケ」(日常生活)の行動に分類し、12カ月のカレンダー形式でまとめ、マーケットチャンスを提案しています。 (引用元:株式会社クレオHPより

今回は、その中の来年の1年がどのような年になるかを予測している「2020年生活TIDE:生活文化ルネサンス」の一節を引用して、卸・仕入れサイト「スーパーデリバリー」のトレンド傾向などを探っていきたいと思います。

2020年はどんな年?生活文化ルネサンスから考える…スーパーデリバリーのトレンド動向予測

2020年生活TIDEとしてクレオが発表しているのが以下の8つです。

1:グリーンモラル
2:シェア文化
3:自己実現ライフ
4:シングルマジョリティ
5:スマート・エコノミー
6:エモーショナル・ショッピング
7:プラスフード・マーケット
9:スペシャル・セル

キーワードだけを伺うと、耳なじみのない言葉に「うちには関係ないわ…」と思われがちですが(汗)ひとつひとつ細かく解説して考えてみると、あらゆる小売・事業の方にも身近なものとしてとらえられるので、説明していきますね。

環境商材・消耗品への意識高まる「グリーン・モラル」な考え方

グリーン・モラルとは、人や社会、地球環境へ配慮する動きのことを言います。

レジ袋有料化で高まる脱プラスチックな考え方

2020年は、レジ袋有料の義務化がスタートします。また、2015年国連サミットで「SDGs(持続可能な開発目標)」が採択されたこともあって、脱プラスチックや食品ロス制限への取り組みはますます広がりを見せるのではないか?ともいわれています。

かといって、すぐには実施は難しいですが、身近なところからはじめる小さなエコ活動だったらできる小売・事業者も多いのではないでしょうか?

例えば、カフェ・飲食店ではドリンクに使われるストローをプラスチックのストローから紙製ストロー、植物原料由来のストローに変えてみる。テイクアウトのカップをマイボトル提案としてオシャレなボトル(水筒)の販売をしながら、テイクアウトカップのゴミ削減のご協力について伝えてみる。

ビニール袋を使っていた物販店では、紙製袋の導入をしてみる。何度もお店で使っていただけるような、海外の雑貨店やスーパーマーケットのようなオリジナルの布製プリントのショッパーの提案販売をはじめてみるのも一案です。

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人にも優しく動物にも優しく「エコファー」「グリーンダウンプロジェクト」

今年の冬あたりからアパレルメーカーなどでは「来年からリアルファーは扱わず、エコファーにすべて切り替えます」といったお声を伺う機会が増えてきましたが、そういった会話の中で、少しずつ地球・人・動物などに配慮した原材料や製造工程、販売方法に共感を呼ぶ時代なのだな…と実感しています。

また、羽毛などのダウンを扱うアパレルや布団メーカーが集まって発足された「グリーンダウンプロジェクト」という羽毛(ダウン)製品のリサイクル活動はご存じでしょうか?

グリーンダウンプロジェクトとは…回収した羽毛をリサイクルし、限りある資源の有効活用を目指します。不要になった羽毛を焼却せずにGREEN DOWNとして再利用することは、二酸化炭素排出の削減につながります。GREEN DOWNは清潔で、安心して使用できる素材であることを広く生活者に知ってもらい、羽毛の回収と再利用への取り組みを会員企業や団体などと協働し社会に浸透させることをミッションとしています。(引用元:グリーンダウンプロジェクトHP

ダウンジャケットや羽毛布団など羽毛製品をリサイクルして生かすプロジェクトです。実は再利用可能だったのか…と知ることで、身近なことでも新発見があります。

羽毛だけでなく、お店で扱っている身近なアイテムなどもお客様が使ったその先まで一度考えみませんか?その先には、あなたの店・サービス・事業ならではの配慮の感じられる提案ができるかもしれません。

モノの価値は「所有」から「利用」へ「シェア社会」

「今どきの若い人たちは車に関心がなくなった」そんな風に年配の方から伺うことが増えてきた昨今。しかしながら、ミニカーで夢中になって遊ぶ2歳の息子を見て思うのは…「若い人たちは本当に車に興味がなくなったのだろうか?」という感想を抱きました。

そんなことを思いつつ、今年の11月東京モーターショーを家族で訪れた際に、20代から30代の方々もたくさん来場されている姿をみて、個人的には、「自分のモノ」ではなく「いつでも利用できるモノ」へと変わっただけであって、車に興味がなくなったというわけではないのだなと感じました。

最近は、車に限らず、自転車、洋服、インテリア、家具などモノだけでなく、遊休施設・空き部屋、オフィスなど空間に至るまで「シェア」の対象は都心を中心に、暮らしのあらゆる場面で広がりを見せています。事業の発想としてこういった流れをとらえておくのは大切そうですね。

自分らしい暮らし方・働き方を模索する「自己実現ライフ」

自己実現ライフとは、自分らしい生活や家族の理想的な暮らし方を模索して、自己実現しようとする人のこと。「自己実現」という言葉を伺うと「なんだか意識が高そう…」と思ってしまうのは私だけかもしれませんが…(苦笑)

かくいう2児を子育て中の私も「1時間の時短勤務中」であり、状況によって「在宅勤務」を選択する日もあったりと、ワークライフバランスを意識した働き方を自然と取り入れています。

会社や人によっては、田舎暮らしを楽しみながら仕事をする「リモートワーク」を主軸に置いた働き方をされている会社や、決まった場所に定住しない「アドレスホッパー」という生活のあり方を選択される方もいらっしゃいます。働き方も暮らし方もいろいろな選択肢が広がる時代なのですね…。

ひとり時間を楽しむ「シングル・マジョリティ」

国政調査(平成27年)によると、単身世帯は全世帯の約35%となり、3世代に1世代になりました。また、近年生涯未婚率が上昇していることもあり、単身世帯、独身者、それからシングルマザー、シングルファザーの子育て家庭も増加傾向にあり、社会における中心が「シングル」とも言える構造にあるそうです。

また、家族で暮らしていても、ある程度年齢を重ねるにつれ、一人ひとりが別々の商品を購入するということも増えていて「シングルユース」「パーソナルユース」という提案ニーズがますます高まっています。

お店・サービス・事業によっては、このような背景を意識して、「おひとりさま」が利用しやすい伝え方を意識してみるとよいかもしれませんね。

スマートフォンでの消費はあたり前の時代「スマート・エコノミー」

ネットショッピングだけでなく、キャッシュレス決済やサブスクリプションサービスなどスマートフォンを媒体としたサービスが広がるとともに、生活者の買い物、生活スタイルも大きく変化しています。

かくいう私も、日常的な食料品や消耗品はネットスーパー、子供たちの保育園の出欠や保育時間の依頼は出欠席予定管理サービス、おしゃれ着の洗濯は宅配クリーニング、季節ものの衣料品は衣料品保管サービスなど…思い起こすだけで日常的にスマートフォンを経由したサービスを使わない日はないくらいに使っています!

あなたの日常の中にも少なからず、自然と生活スタイルの中でスマートフォン経由で利用されているサービスは多いのではないでしょうか?

スマートフォンは今や、20代では9割弱、60代でも4割強の生活者がスマートフォンを利用しているともいわれています。スマートフォンの普及とともにEC市場は拡大傾向にあり、2020年に5Gサービスが商用化され、ますます加速しそうですね。

リアルに体験できることに価値がある「エモーショナル・ショッピング」とは?

スマートフォンの普及とともにEC消費が広がっています。その一方で「実物を見て手に取り納得したい」「楽しみながら買い物したい」という人と人とのふれあいや、体験を求めている「エモーショナル・ショッピング」ニーズも顕在化されているそうです。

ちなみに、エモーショナルとは「感情的に」という意味です。感性に訴えかけて購買に結びつける…リアルだったり、お客様とのつながりなくして生まれない購買行動です。難しく考えることなく、ポイントは日々の業務の延長線で楽しみを広げていくことが大切だと思います。

例えば、イベントであれば、コーヒー好きな店主が焙煎したコーヒーの淹れ方講座とともに、コーヒーに合う食べ物を一緒に提案してくれる体験会(ペアリング)を開催するのも一案。コーヒーを暮らしの中に取り入れるのがもっともっと楽しくなりそうだと思いませんか?コーヒーを淹れるたびにお店をきっと思い起こしてくれることでしょう。

お洋服店でも入荷した際にお客様と一緒に試着体験を楽しまれるのも一案。お友達とショッピングを楽しむようなひと時はとても楽しいですよね…。など日常の延長線にある楽しみをいかにお客様と一緒に楽しんだり、その楽しみをお届けできるかがカギになると思います。

キーワードはワクワク感、驚き、発見や見た目の楽しさなどです。今あるお店・サービスの延長でできるお客様の感性に働きかける提案をしていきたいですね。

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食の提案がお店の集客販促に「プラスフード・マーケット」

プラスフードマーケットとは、「食品」をお店や売り場における集客・販売促進のためのアイテムとして取り入れることです。

例えば、インテリア・雑貨店やお洋服店、それからヘアサロンなど…これまで食品になじみのなかった業種業態の方が食品販売や飲食の提供を行うことを言います。

このような既存の商品サービス×異業種を掛け合わせた複合型提案は、飲食業界でも「ミクストラン」と呼ばれ注目もされており、その他の業界でも注目を受けていることからますます「食品ジャンル」は注目されるのではないかな?と思っています。

[関連ジャンル]食品

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 つながりの中で「あなたから買いたい」が生まれる「スペシャル・セル」

近年、大衆(マス)と呼ばれる消費者はいなくなり、マスマーケティングやマス市場は消滅したともいわれています。最近ではエイジレス、ジェンダーレスとも言われ、年代や性別の区切りも難しければ、家族構成もシングルの比率がぐっと高まりることでこれまでのセグメント(細分化)は読み取りにくい傾向にあります。

そんな中、注目されているのが個人の趣味や価値観を軸として、生活者がSNSなどでつながりを拡大し「スペシャル・セル(特別な集団)」を形成しているというもの。

スペシャル・セルは個人の体験やニーズがSNSで発信され、それに共感する生活者が集まり情報交換を重ねながら拡大していくと言われています。従来のマスに比べてひとつひとつのボリュームは大きくはないが、消費への影響力が強いことから、来年以降ますます注目されるマーケットであるとされています。

そのような流れもあり、書店では最近、SNSを通じて購買につなげる書籍として、「僕らはSNSでモノを買う(著者:飯髙 悠太 )」や、「共感SNS 丸く尖る発信で仕事を創る(著者:ゆうこす)」。それから、スーパーデリバリーでも以前講演をしていただいた、短パン社長こと奥ノ谷圭祐氏の「いいね!を購入につなげる短パン社長の稼ぎ方(著者:奥ノ谷圭祐)」が商売に生きるビジネス書として今注目を浴びている。

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まとめ

今回は株式会社クレオが発行されている「生活行動カレンダー」に掲載されている「生活文化ルネサンス」から来年の消費生活のキーワードをピックアップしてみました。

2020年は東京オリンピックの開催もあり、前回の東京オリンピックから半世紀が過ぎ、アナログからデジタルへの進化を時代とともに感じる一方で、経済的・文明的な豊かさを基軸とした時代から心の豊かさ・文化的な豊かさを求める時代への節目の一年ともいわれています。

大きなことは無理でも日々の中で目の前のお客様とその先の幸せを考えながら、ビジネスや商売生活に生かしていきたいと思いました。

生活行動カレンダー ’20―365日の生活者マーケティング
[引用情報元]生活行動カレンダー ’20―365日の生活者マーケティング(Amazon.jp)

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