セレクトショップとは、オーナーやバイヤーが独自のセンスで商品を選び、販売する小売店のこと。特定のブランドやメーカーの商品に限定されないのはもちろん、アイテムもアパレルから雑貨、食品、本、電化製品など、ジャンルを横断し幅広く扱っているのが特徴です。

そこで今回は、セレクトショップを開業するまでの流れをステップごとにご紹介します。

すべての基本!お店のコンセプトを決める

コンセプトとはお店のオリジナリティや強みを定め、どんなお店にするのかを決めること。
お店作りはすべてこのコンセプトに従って決めていくため、お店づくりの基礎となる重要な要素です。

店舗めぐりをしよう

コンセプトを考える際にぜひ行いたいのが”店舗めぐり”。まずは自分好みのお店をめぐってみましょう。他のお店と比べることで自分のお店の個性や強みが見つけやすくなります。実際に、お店を開業した方のほとんどがこの”店舗めぐり”をしていて、行ってみたところ数店舗のオーナーさんと仲良くなっていろいろ教えてもらった、という方も。

お店のキャッチコピーをつくる

「どんなお店なの?」と聞かれたときに端的分かりやすい言葉で「こういうお店です。」と答えられるようにしましょう。例えば商品仕入れ時に取引先のメーカーに説明したり、融資担当者にお店の説明をする際など、お店の説明を行う場面は多々あります。また集客においても口コミで拡がりやすくなるなどの効果も期待できます。

ショップ名を考える

コンセプトやキャッチコピーを決めると同時にショップ名も決めましょう。注意したいのは、決めた店名が既に別のお店で使われていた場合。先方から「店名を変えてくれ」と言われるかもしれません。その店が店名を商標登録していた場合、相手の言うとおり名前を変える必要がでてくる可能性があります。そういった万が一の事態を避けるため、事前に同じ店舗名がないか調べておくのがベター。特許情報プラットフォームで無料で調べることができます。ショップ名が無事決まったら商標登録しておくのもいいかもしれません。

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開業資金の調達

資金調達の方法としては自己資金、親族・知人から借りる、日本政策金融公庫などの外部からの融資、クラウドファンディング、助成金・補助金などがあります。特に返済不要の助成金・補助金は利用できるなら活用しないと損。各自治体が独自に出しているものもあるので、ぜひチェックしましょう。

店舗の開業にかかるお金として、大きくは『物件周りの費用(敷金・礼金・仲介手数料・各種保険など)』、『内外装費用』、『仕入れ費用』、『店舗備品費用(レジ、什器、梱包資材など)』、『販売促進費(広告など)』があります。一番金額がかかったとよく言われるのが仕入れにかかる費用です。商品の仕入れには資金の7割を費やしたという方も。
また、お店開業後の運転資金を残しておくことも大切です。たとえば開業時にほとんどのお金を使ってしまい運転資金が1か月しか残ってない…という状態はかなり危険です。開業後、数か月は売上がなくても運営を続けられるよう計画とシミュレーションを行いましょう。

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お店の立地・物件を選ぶ

繁華街などの商業地域や駅前、商業施設は人通りも多く集客しやすいですが家賃は高い、一方で住宅地は集客が限定されますがライバルが少なく家賃も安いなど、立地はそれぞれメリットデメリットがあり特性がさまざまです。
またお店のコンセプトに合っているかどうかも重要で、扱う商品が高級ラインでお客様にゆっくり時間をかけてショッピングを楽しんでもらいたい、というのであれば、繁華街や商業施設よりも閑静な住宅地が合っているかもしれません。
出店したいと思う地域については、家賃相場だけでなくさまざまな時間帯に訪れてみて、どんな人がいるのか、人の流れがどうなのか、競合店はいるのかなど確認しましょう。

物件探しに関しては、自分でネットで探しつつ不動産屋さんに希望の条件を伝えておき当てはまる物件が出たら紹介してもらう、というパターンが多いようです。そして物件が決まった後はできるだけ早くオープンできるよう準備を進めましょう。物件が決まった後に「さてどうしようかな」だと、収入はないのに家賃だけがどんどん出て行ってしまうので注意です。

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内外装の依頼先を決める

物件が決まったら、内外装を依頼するパートナー探しです。事前に実績と評判をチェックし数社から相見積りを取るようにしましょう。理想のお店をつくるためには双方のイメージに差異がでないよう、言葉で伝えるだけでなくイメージに合った画像を用意するのもオススメです。

また、できる箇所は自分たちでDIYするのも手。壁のペンキ塗りは自分たちでやりました、というお話しはよく聞きます。中には試着室を作ったという方も。費用も抑えられるし、自分たちでやることで愛着も増します。ただし電気、ガス、水道まわりは必ず専門業者に依頼を。

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さぁ商品を仕入れよう!仕入れ先の開拓だ

お店のコンセプトをもとに扱う商品を決め、どんどん仕入れ先を開拓していきましょう。仕入れの方法については大きく分けて以下の3つです。

メーカーと直接取引をする

メーカーと取引するにはギフトショーやIFFなどの合同展示会に行って取引交渉をしたり、気になる商品があれば商品タグからメーカー名を把握しネットで連絡先を調べて直接電話する、という方法があります。メーカーや企業によって取引条件(最低ロット数や掛け率)は異なります。ただし、開業前だと実績がないため取引してもらえないパターンも。

問屋から仕入れる

問屋とはメーカーと小売の間に位置し、メーカーから商品を仕入れて小売に販売する業者のこと。複数のメーカーの商品を扱っていることと、即納品のためタイムリーな仕入れができるというのが魅力。東京は日本橋横山町・馬喰町、大阪なら船場が問屋街として有名です。ただし商品数は限られてしまいます。

ネットの仕入れサービスを利用する

ネットで商品の仕入れができるサービスもあります。直接手にとって商品を見ることはできませんが、1度には見切れないほどの商品数の多さと24時間365日仕入れが可能のため、忙しい開業準備中でも隙間時間を利用した仕入れができます。また実際にお店に商品を並べてみたら全然足らずに棚がスカスカ!どうしよう!というよく聞くアクシデントにも対応してくれる心強い味方となるでしょう。

ぜひ仕入れサイト『スーパーデリバリー』をご利用ください。一般的に仕入れ先は多ければ多いほどよいと言われています。スーパーデリバリーには1,200社以上のメーカーが参加し、67万点以上の商品が出品されています。

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什器・店内インテリアを調達しよう

扱う商品のジャンルによって必要となる什器が変わります。雑貨をメインにしていても、アパレルも扱うのであれば洋服をかけるハンガーやバーが必要です。そのため什器の最終決定は仕入れる商品を決定してからにしましょう。
また、商品にお金をかけたいので什器は節約した、という方が多く、リサイクルショップで探したという方や前のオーナーさんに譲ってもらったという方も。開業準備の時期は常にメジャーを持ち歩き、良さそうな什器があれば長さを測ってお店に置けるか確認していた、という方もいるのでメジャーの携帯はオススメです。

備品も重要!準備漏れがないか再度チェックを

店舗で使う備品は準備を忘れると地味に困るもの。お客様にも迷惑がかかるかもしれません。店舗をオープンした後のシミュレーションを頭で行いながら足りないもの、あったほうがよいものを書き出して漏れがないようにしましょう。
必要な備品の一部をピックアップしてみました。

レジ周り

レジ、キャッシュトレー、電話、パソコン、印鑑・朱肉、ペン、領収書、ショップカード、カードたて、プリンター、電卓、クレジットカード対応機器、LAN、ごみ箱、輪ゴムなど

ラッピング用品

ショッパー、OPP袋、ラッピング用紙、梱包材、緩衝材、リボン・紐、セロテープ、ハサミ、カッター、メッセージカード、ホッチキスなど

その他

試着用フェイスカバー、玄関マット、傘立て、ハンガー、音響機材、掃除用具、イーゼルなど

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店舗のPRも忘れずに!WEBサイト・SNSを準備

今の時代、ウェブ上でお店の情報を検索できないというのは由々しき事態です。ウェブサイトやSNSはお店をPRするのに非常に有効なツールであり、日本だけでなく世界中の方々にお店を知ってもらうチャンスにもなります。

実際に、お店の開業準備の段階からその様子をブログなどでアップしてお店のPRをしていた方や、SNSでオーナーの人柄を活かした投稿をして集客につなげている方もいます。今は無料で簡単に開始できるサービスも多くでているので、ぜひ活用しましょう!

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開業に関わる届け出を提出する

個人事業主の開業には「個人事業の開業・廃業等届出書」の提出が必要です。また確定申告の際にさまざまな節税効果がある「青色申告」を選ぶために「青色申告承認申請書」も提出しておきましょう。

「個人事業の開業・廃業等届出書」

いわゆる”開業届”です。新たに事業を開始する際に提出が必要な書類です。申請書は最寄りの税務署でもらうか、国税局のサイトからダウンロードできます。
事業開始の日から1か月以内に、所轄の税務署に持参又は送付により提出します。

「所得税の青色申告承認申請書」(※青色申告の場合)

こちらも申請書は最寄りの税務署でもらうか、国税局のサイトからダウンロードし、所轄の税務署に持参又は送付により提出します。
新規開業の場合は事業開始の日から2か月以内に提出すればOKですが、開業後のバタバタで忘れないように開業届とセットで提出することをオススメします。

加えて、仕事とプライベートのお金がごっちゃにならないように、個人事業用の銀行口座も開設しましょう。また、お店で人を雇う場合は別途手続きが増えるので注意です。

さいごに

自分が描いた理想のお店が実現していくのは楽しくないはずがありません。
そのお店の開業準備は1回しか体験できないこと。ぜひ楽しんで開業準備を進めてくださいね!

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