安倍政権は「女性の活躍」をアベノミクスの成長戦略の柱に掲げており、実業家としても活躍する米大統領補佐官のイバンカ・トランプ氏がアベノミクスは「ウーマノミクス」だと評価するなど、日本における女性の活躍に期待が高まっています。ウーマノミクスとは、「ウーマン(女性)」と「エコノミクス(経済)」を掛け合わせた造語で、女性活躍による経済成長を目指す考え方です。今回は女性活躍の中でも、開業したい女性のために、女性が活用できる助成金・補助金に加え、女性の起業や開業を応援する支援制度についてまとめました。

 

そもそも助成金?補助金?支援制度って?

開業するには、そのための資金が必要です。資金調達の手段としてクラウドファンディングや、銀行などから創業融資を受ける方法もありますが、それ以外でも資金の調達方法があるならぜひ使いたいですよね。まずは助成金と補助金の違い、また支援制度についてを以下にまとめました。

助成金

助成金は国や地方自治体から支給されます。支給要件を満たせば基本的に受給が可能で、返済の義務はありません。申請するには支給要件が満たされていることを証明する書類の整備が必要で、会計検査院による検査はありません。助成金の支給は基本的に後払いになるので注意が必要です。

補助金

補助金も支給元は国や地方自治体で、助成金と同様に返済義務はありません。補助金は助成金と異なり、なぜその事業が必要なのかを書類などでアピールする必要があります。また不正受給などを防ぐため、補助金を申請の通りに使ったことを証明する書類が必要で、会計検査院による検査があります。こちらも支給は基本的に後払いになるので注意が必要です。

助成金と補助金はどちらも共通して返済義務はないものの、後払いになるので、はじめは自身で資金を用意する必要があります。

支援制度

支給元は銀行や企業、財団などで、コンペティション形式(コンペ)で奨励金が出るものや、融資が受けられるものがあり、返済の義務はそれぞれ異なります。コンペティション型では、開業するにあたって構想をより深められ、同じ志を持った仲間と出会えるなど貴重な人脈を形成することができるというメリットがあります。また融資の場合も、一般的な銀行からの融資よりも条件が良い場合があります。

 

では具体的に制度をご紹介します。
女性に特化していなくても、開業時にぜひチェックしていただきたい制度もあります。

開業したい女性が活用できる助成金

若手・女性リーダー応援プログラム助成事業(公益財団法人 東京都中小企業振興公社)

東京都内の商店街で開業予定で、現在事業を営んでいない女性または39歳以下の男性を対象に、事業所整備費として最大400万円、実務研修受講費として最大6万円、店舗賃借料として1年目:12万円、2年目:10万円の助成を受けることができます。商店街のシャッター街化を食い止める狙いがあり、助成対象期間は交付決定日から1年間(店舗賃借は2年間)です。

女性起業家支援事業(公益財団法人 ひょうご産業活性化センター)

兵庫県内で起業や第二創業を目指す女性のうち、審査委員会で有望なビジネスプランであると選定された方に対し、新しいビジネスプラン開発や新事業展開を行うための経費の一部を助成してくれます。空き家を活用しない場合は、起業に要する費用として最大100万円。空き家を活用する場合は、起業に要する費用として最大100万円と空き家活用に要する費用として最大100万円、合計最大200万円が助成されます。

雇用関係助成金(厚生労働省)

事業主を対象にした厚生労働省の助成金で、条件によって様々な助成金を活用できます。40歳以上の方が起業により自らの就業機会を創出するとともに、従業員として中高年等を雇入れる事を対象とした生涯現役起業支援助成金があります。また起業後活用できるものとして、男女平等な雇用機会を設けることを目的としたもの、雇用環境の改善などを促す目的のもの、また人材育成の為のものをはじめ、8ジャンル・全75種類の助成金があり、それぞれ支給要件や支給額などが異なります。

地域中小企業応援ファンド(スタート・アップ応援型)一般財団法人 中小企業基盤整備機構

中小機構と都道府県などが一体となって組成ファンドの運用益を原資とし、地域の活性化につながる取り組みや新規事業を助成金という形で支援しています。新商品開発や販路開拓など、幅広い経費を助成対象とし、複数年にわたる事業に助成するファンドも存在しています。原則として、受け取った助成金は返済不要です。

 

開業したい女性が活用できる補助金

創業補助金

新たな需要や雇用の創出を促し、日本経済を活性化させることを目的とした補助金で、新たに創業する者に対して補助率は1/2以内、また外部資金調達がない場合は最大100万円、外部資金調達がある場合は最大200万円までの補助金受給が可能。

小規模事業者持続化補助金(日本商工会議所)

卸売業・小売業またはサービス業(宿泊業・娯楽業を除く)の場合は、常時使用する従業員数が5人以下。またサービス業のうち宿泊業・娯楽業または製造業その他の場合は、常時使用する従業員数が20人以下の小規模事業者が補助対象者です。経営計画に基づき商工会議所の支援を受けながら実施する販路開拓等のための事業、もしくは販路開拓等とあわせて行う業務効率化(生産性向上)のための事業を対象に上限50万円の補助金を受給できます(補助率2/3)。
ただし、従業員の賃金を引き上げる取り組みや海外展開の取り組みをする事業者などには上限が100万円になります。また、複数の小規模事業者が連携して取り組む共同事業の場合は上限が500万円になります。この補助金は期限が決まっているので、注意が必要です。

 

開業したい女性が活用できる支援制度

女性新ビジネスプランコンペティション(日本政策投資銀行)

女性経営者による開始5年以内の事業(第二創業を含む)で、事業としての大きな成長性や、新規性あるいは大きな付加価値が期待できるビジネスプランが対象です。受賞者には最大1,000万円の事業奨励金が支給され、成功に導くための事業支援を受賞後1年間してもらえます。

一般財団法人 日本起業アイデア実現プロジェクト

20歳以上の新しく起業をしたい女性、若しくは新しいアイデアで事業拡大をしたい女性を対象に選考を行い、最大5名に「グランプリ」として支援金200万円を無償で支給されます(支援金は選考決定後、原則として6ヵ月以内に株式会社を設立し、その会社に支給)。女性であれば、学生、主婦、ビジネスパーソンなどは不問ですが、応募者およびその関係者に反社会勢力との関係がないこと、また事業は営利事業に限ります。(ボランティア活動は対象外)

女性起業家大賞(全国商工会議所女性会連合会)

事業を営んでいない女性が経営者(個人事業主)もしくは法人の経営者として事業を開始し、創業から10年未満の女性経営者を対象にした顕彰です。創業から5年未満対象のスタートアップ部門と、創業5以上10年未満対象のグロース部門があり、それぞれビジネスモデルや成長性などを基準に選考されます。最優秀賞はそれぞれの部門から1名ずつ、表彰状と副賞として20万円が支給されます。優秀賞は10万円を各1名に、奨励賞は5万円を各2人に支給されます。全国商工会議所女性会連合会は全国に22,000人の女性経営者ネットワークを持っており、そこの一員になれるというのは、人脈形成という意味でも大きな魅力です。

女性、若者/シニア起業家支援資金(日本政策金融公庫)

開業前または事業開始後おおむね7年以内の女性が、新規開業や事業開始後に必要とする資金のために利用可能。融資の限度額は7,200万円まで、うち運転資金として4,800万円までの融資が受けられます。
東日本大震災の影響により離職し、岩手県、宮城県及び福島県内において創業する方は、女性、若者/シニア起業家支援資金(東日本大震災関連)を利用可能です。また平成28年熊本地震の影響により離職し、熊本県内において創業する方・熊本県内において創業する方は、女性、若者/シニア起業家支援資金(平成28年熊本地震関連)を利用することができます。

ちふれ 女性起業家支援制度

女性向け化粧品大手の「ちふれ」が手掛ける、挑戦する女性を支援する独自の制度です。
「夢実現のために頑張る女性を応援したい。」という理念のもと、日本国内で新しく設立する会社において、女性の視点で考えた夢のある営利事業を対象に審査し、採用されると資本金と貸付金を合わせた最大1,000万円の融資を受けられます。また企業セミナーやスキルアップセミナーを開催し、起業に必要な会計財務の知識や実践的な経営課題を解決するために必要な知識を学ぶことができます。

 

さいごに

いかがでしたか?
今回ご紹介した助成金・補助金・支援制度は金額や返金の有無、また条件などは違えど、共通するのは女性が活躍するための仕組みであることです。
ぜひ今回ご紹介した助成金・補助金・支援制度を活用して輝いてください!

 


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