フェアトレード(Fair Trade)とは、英語訳で「公平・公正な貿易」という意味。公平で安定的な取引によって、立場の弱い発展途上国の生産者や生産者たちの生活を改善し、自立を目指す貿易の仕組みです。

貧困の解決だけでなく、女性や子ども、先住民といった不利な立場に置かれる人たちの権利を守ることや、自然環境を守ったり、伝統工芸や技術を後世に伝えていく側面も持っています。

フェアトレードを通して遠く離れた発展途上国の人々とのつながりを感じたり、社会問題の解決だけでなく環境問題の危機の解決にも貢献できます。知れば知るほど魅力的な側面を持つフェアトレード商品の仕入れにあたり、フェアトレードについての知識とフェアトレードを扱う人気企業7社をご紹介します。

フェアトレードの商品を扱うときに知っておきたいこと

フェアトレード商品の仕入れにあたって、まず抑えておきたいのが認証ラベルの存在です。フェアトレードには国際的な認証制度があり、商品にわかりやすくマークがついているものもあります。逆に独自の基準でフェアトレード商品を展開している商品もあるため、フェアトレード商品はどういった背景があるのかを知っておくと、店頭での販売時もお客様への接客やPOPづくりにも役立ちます。

認証ラベルの有無

フェアトレードの商品を手に取ってみるとパッケージや札にフェアトレードの認証マークが付いている商品があります。フェアトレードには国際的な認証があり分かりやすいラベルがある一方で、フェアトレード製品ではなく団体や企業ごとにを認証したり、団体や企業独自の基準でフェアトレード商品を展開している場合があります。どんな認証があるかを抑えておきましょう。

(1)製品ごとに認証する

製品ごとの認証は「国際フェアトレード認証ラベル」があり、日本では特定非営利活動法人フェアトレード・ラベル・ジャパン (通称:フェアトレード ジャパン)が行っています。

画像:特定非営利活動法人フェアトレード・ラベル・ジャパン(公式HP)より引用

フェアトレード ジャパン(法人正式名称:特定非営利活動法人フェアトレード・ラベル・ジャパン)とは、Fairtrade International の構成メンバーとして日本国内における、国際フェアトレード認証ラベルのライセンス事業、製品認証事業、フェアトレードの教育啓発活動を主に行っています。(引用:特定非営利活動法人フェアトレード・ラベル・ジャパン

フェアトレードジャパンは、ドイツに本部を置くフェアトレードを推進していく国際組織で、製品ごとにフェアトレードを認証しています。フェアトレード認証事業者や認証製品については国際フェアトレード認証製品よりご覧ください。

[紹介団体]特定非営利活動法人フェアトレード・ラベル・ジャパン

(2)団体(企業)ごとに認証する

フェアトレードの団体や企業ごとに認証する「WFTO(世界フェアトレード連盟 :World Fair Trade Organization)」があります。WFTOマークはフェアトレードを主な事業とし、生産者の労働条件、賃金、児童労働、環境などに関して基準を満たすことを認められた加盟団体だけが取得できる団体認証のマークです。

フェアトレード団体であることを保証するマーク。WFTOに加盟し、生産者の労働条件、賃金、児童労働、環境などに関して基準を満たしていることを認められた団体が取得するマークです。取得後も、自己評価と相互評価、外部検証を通じて確認が行われています。このマークは、団体の貿易活動が持続可能であり、改善に向けて継続的に努力していることを示しているのです。(引用:People Tree(公式HP)活動の透明性が保証される世界フェアトレード連盟(WFTO)マーク

スーパーデリバリーに出展している企業では、ピープルツリーシサム工房が認証を得ています。

(3)団体・企業独自の基準

団体や企業がそれぞれ独自の基準を設けてフェアトレードの仕組みを取り入れてる商品も多くあります。

第三者機関が認証したマークがついていると、かんたんにフェアトレードであることを伝えられるので便利です。ただ、フェアトレードを正しく理解したり、より多くの人に興味を持ってもらうためには、取引された商品の背景やフェアトレードで得られるメリットも伝えるようにしましょう。

フェアトレードが普及した先にある良いこと

店頭でお客様にフェアトレード商品を販売する際に、フェアトレード商品を購入することでどのようなうれしいことがあるかをお伝えしてみましょう。

貧困の解決につながる

フェアトレードは経済的弱者である生産者に対して継続的で公正な取引が行われるので、経済的に困窮する人々が安定的な生活を送れるようになります。

環境を守る

農薬や化学肥料の使用を制限し、有機(オーガニック)農法にすることで、土壌や水の汚染がなくなります。生物多様性が保たれ、自然環境を守る持続可能な生産方法が実現できます。発展途上国では、字を読めないことで農薬の正しい使用方法を知らない人も多く、農薬を使わないことは環境負荷軽減だけでなく、生産者を健康被害から守ることができます。

「伝統文化の継承」

身の回りにある材料や古くから伝わる技術を製品に活かしているものが多く、伝統文化を継承することにつながります。

このように、社会的・経済的な解決だけではなく、環境や文化を大切にできるのもフェアトレードの良いところ。つまり、フェアトレードは一石何鳥にもなるお買い物なのです。

フェアトレード商品を扱う人気企業7選

フェアトレード商品は、コーヒーやチョコレートといった食品だけでなく、ファッションやインテリア、雑貨など幅広い商品があります。自店にあった商品をぜひ探してみてください。スーパーデリバリーで人気の企業・メーカーを7社ご紹介します。

1.ピープルツリー

ピープルツリー」は、フェアトレードを通じてエシカルで人と地球にやさしい商品を提案する、フェアトレード専門ブランドです。

看板商品の秋冬限定フェアトレードチョコレート以外に、ようかん、ハーブティー、ドライフルーツなどの食品や、オーガニックコットンやリサイクルサリーなどを素材に用いたレディースファッション、丁寧な手仕事が光るインテリア雑貨など、ライフスタイル提案できる幅広い商品を展開しています。

原材料や素材も厳選されたものが使われており、思わず手に取りたくなるかわいらしく洗練されたデザインやパッケージで、スーパーデリバリー会員からの評価も高く人気です。

▼ピープルツリーをもっと知りたい方はインタビュー記事をご覧ください

2.sisam(シサム工房)/FAIR TRADE + design

京都からフェアトレード製品を届ける「sisam(シサム工房)/FAIR TRADE + design」。

「作り手よし、売り手よし、買い手よし、社会よし、地球環境よし」の”五方良し”を目指す企業です。

デザインの良さ、品質の良さ、使い勝手の良さで、スーパーデリバリーで仕入れている会員事業者からも熱い支持を受けています。

商品には丁寧で繊細な手仕事の心地よさを感じ、伝統技術や職人の技が光るフェアトレードならではの魅力を見つけられます。ファッションはレディースだけでなくユニセックスで楽しめるメンズラインも展開。木製カトラリーやフィリピン産のフェアトレードコーヒーも人気です。

▼シサム工房をもっと知りたい方はインタビュー記事をご覧ください

3.第3世界ショップ(プレス・オールターナティブ)

日本で初めてフェアトレード事業を始めた「プレス・オールターナティブ」。現在は地域の諸問題を事業で解決するコミュニティトレードに取り組み、生産者のパートナーとして切磋琢磨しながら「第3世界ショップ」というブランド名で商品を展開しています。

厳選した素材や味わいだけでなく、パッケージのデザイン性も好評な「Artisanシリーズ」は、フェアトレードとアートが融合した、魅力的なシリーズです。さまざま障がいを持つ人が好きなこと・得意なことで活躍し、 嬉々として創造的に暮らせる社会を目指して活動する福祉施設/アトリエ 「嬉々!! CREATIVE」の個性的なアーティストたちが手がけるパッケージは、ギフトにもピッタリです。

本格スリランカカレーを手軽に楽しめる「カレーの壺シリーズ」や、ニットや刺繍や山羊革の小物などファッションアイテムも展開しています。

▼第3世界ショップ(プレス・オールターナティブ)をもっと知りたい方はインタビュー記事をご覧ください

4.エンゼルスター

フェアトレードのオーガニックコットンをはじめ、新生児・ベビー・子供服を展開する「エンゼルスター」。安心安全の日本製ベビー・子供服のアパレル企業です。

環境にも配慮し、赤ちゃんのお肌にも優しい、サステナブルなベビーアイテムを展開しています。

オーガニックコットンの製品には、フェアトレードにも積極的に関わっている日本オーガニックコットン流通機構のNOC認証のカードがついています。プレゼントにもピッタリです。

NOCマークは、無農薬有機栽培綿を100%原料として使い、糸や生地の生産および、最終製品の加工段階までNOCエコ加工基準に沿って、化学的な処理をせずに仕上げられたことを示しています。

商品ページより引用

5.齊藤コーヒー

地球温暖化によるコーヒーの2050年問題やコーヒー豆づくりの裏側にある貧困や児童労働などの問題をフェアトレードを通じて解決していこうと取り組む1948年創業の「齊藤コーヒー」。

齊藤コーヒーが所在する名古屋市は2015年にフェアトレードタウンに認定されており、齊藤コーヒーはフェアトレードの活動やサステナブルコーヒーの普及に取り組んでいます。商品には国際フェアトレード認証ラベル(FLO認証)が付いており、フェアトレード製品であることがわかりやすいので、お客様にフェアトレードを知ってもらうきっかけになったり説明しやすいポイントです。

フェアトレードを通して生産者が豊かになることで、コーヒー豆を作る生活環境、労働環境、自然環境が良くなり、より美味しいコーヒーができると考えています。

500gの業務用コーヒー豆もあり、カフェやレストランなど飲食業にもおすすめです。

6.makixmaki(マキマキ)

日本では珍しいカンボジアで作られるフェアトレード製品を扱う「makixmaki」。カンボジアのNGO「Woman for Woman」というフェアトレード認証を取得した工房で現地の女性たちによってひとつずつ丁寧に作られています。

ストールやマフラーとして使えるカンボジアの万能布「クロマー」や、シルクの上質な色や質感が魅力的な手織りシルクやコットンの素材をつかったオリジナルデザインのバッグや小物雑貨が揃っています。

7.スプリング

「作る人、売る人、使う人、みんなを幸せに。」を目指し、インドで一つずつ丁寧に作られているアクセサリーブランド「MAYGLOBE(メイグローブ)」は、アクセサリーメーカー「スプリング」のブランドです。

華やかで個性的なデザイン性と快適な着用感の魅力以外に、ビジネスを通して生産者であるインドの農村の女性たちの雇用の創出や働きやすい労働環境の整備やトイレの整備、教育支援などを行っています。

MAYGLOBE(メイグローブ)」の華やかなデザインは、インドの首都デリーから車で2時間ほど離れたインフラが未整備の村で継承されてきた伝統の手工芸品の技術が応用されています。祖母から母へ、母から孫へと継承されている技術を日本人が好むデザインに転換してアクセサリーにいかしています。

フェアトレードで伝統工芸の歴史をつなぎ、女性たちの雇用や現金収入を増やす。そして、身に着ける人はファッションを楽しめる、世界をつなぎ、みんなが笑顔になるアクセサリーブランドです。

フェアトレードの仕入れならスーパーデリバリー

スーパーデリバリーでは、フェアトレードの商品を集めた「フェアトレード特集」を開催しています。作る人も売る人も買う人もみんなが笑顔になる、フェアトレードの商品を店頭で展開してみてください。