今年の春、琵琶湖のほとりにオープンしたカフェ「ラメストリア」。目を引く爽やかなブルーを基調とした外観と、リゾートを思わせるような空間の店内はスタッフによるDIYで作られています。こちらのカフェでは本格的なスパイスカレーやオリジナルのスペシャリティコーヒーのほか、思わずオーダーしたくなる懐かしいプリンなどを提供しています。

未経験からカフェを立ち上げ、スパイスやコーヒーの研究をしながら地元でも人気の店舗になっているラメストリアの開業秘話を伺いました。

「カフェ開かへん?」がきっかけで退職、DIYで開業へ

ラメリストアの店長、松本さんは以前キャンプ施設に勤務していました。アウトドア好きと、琵琶湖が大好きなことが高じて滋賀県内のキャンプ施設で働いていましたが、ラメリストアのオーナーに「一緒にカフェ開かへん?(開かない?)」と声をかけられたのがきっかけで前職を退職し、未経験からお店を開業しました。

もともとオーナーは居酒屋や牡蠣小屋、ラウンジなど別の飲食店を経営していましたが、カフェをやりたい想いが昔からあり、以前そのお店でバイトをしていた松本さんにタイミングをみて声をかけたそうです。とはいえ、二人ともカフェの経営に関しては未経験。お店のコンセプトやメニュー作り、店内の内装などもほとんど自分たちで作りました。

「オーナーに声をかけてもらったのが、ちょうどコロナウィルスで県内の飲食店も休業要請があった時でした。こんな時に何を言い出すんだろう?と思いましたが、その真剣な表情と、このタイミングで新たな事業に挑戦しようとしている姿に心を打たれて一緒にお店を作る決意をしました。」

そのあとすぐに勤め先に辞表を出し、二人でテナント探しを始めました。琵琶湖のほとりに空き物件を見つけ、そこから業者にリフォームをしてもらい、土台ができた後はオーナーと店長の松本さんを中心にDIYで自分たちが描くお店を作り上げました。

「できるだけ自分たちで作りたいと思い、壁にペンキを塗ったり椅子の木材にニスを塗って雰囲気を出したり、タイルも自分たちで全部仕上げたんです。やったことがないことばかりでしたが、業者の方に教えてもらったりしながら完成させました。」

(右写真奥にはアンティーク調のゴールドウォールミラー 大型が、手前にはダイニングチェア JUGLAS / ユグラ(籐・ラタン家具)がインテリアのアクセントとして置いてあります。)

カレー屋やコーヒーショップを巡り、独学で味を研究

ラメリストアの看板メニューはスパイスカレーとオリジナルのスペシャリティコーヒーです。スパイスカレーは、以前からオーナーが独自にスパイスを研究していることからお店のメインにしました。

「オーナーの構想の中にスパイスカレーを出すというのが以前からありました。ただ、私はスパイスの知識がなかったので何件もカレー屋さんに足を運び、どんなスパイスを使っているのか、どんな味の違いがあるのかといった事を調べて回りました。」

京都や大阪など、人気のお店から知る人ぞ知るお店などあらゆるカレー屋巡りをしたそうです。そこでスパイスの面白さや魅力に気付いたという松本さん。その後、オーナーの研究してきた組み合わせなどとあわせて、ラメリストアの味を完成させました。

(この日は3色カレーをいただきました。滋賀の郷土料理である赤こんにゃくが入っていたり、豚ミンチがたっぷりと入っていたりと、見た目だけでなく味も惹かれるカレーでした!)

カレー同様にコーヒーについてもそれほど詳しくなかったそうですが、こちらも様々なお店を訪ねて歩き、その結果ラメリストアオリジナルのコーヒーを販売できるようになりました。

「コーヒーも飲むのは好きだけど、豆のことやエスプレッソマシンのことは何も分からない状態でした。なので、カレー同様にコーヒーについても勉強したり、作り方も研究しまくりました。コーヒーだけじゃなくてラテに使う牛乳も何種類も飲んで、どの組み合わせがいいのか試したり。牛乳を飲みすぎて気分が悪くなったこともあります(笑)。」

コーヒー豆のことやマシンの操作方法などは、大阪のコーヒー豆屋さんに一から教わったそうです。時にはオンラインで画面越しに教わることもあったそうですが、そのうちスタッフの中にコーヒー店でのバイト経験がある人が加わり、今ではその方に教えてもらうこともあるそうです。

クラウドファンディングを活用してオリジナルコーヒーを開発

ラメリストアでは自宅でもお店の味が楽しんでもらえるよう、独自にブレンドした豆を使ったオリジナルのラテベースやドリップパックを販売しています。実はこのラテベースなどは、クラウドファンディングを活用して開発しました。

エスプレッソマシンはオーナーがいつかカフェを開業するときのために以前購入していたそうですが、豆引きのミルやオリジナルブレンドを作るための豆が必要だったり、店頭で使うお皿などの備品、物販をするコーナーのテーブルなど、開業にあたって必要ものがたくさんありました。

それらをクラウドファンディングという形で資金を集め、購入しました。

キャンプファイヤーのクラウドファンディングのサイトにはラメリストアを開業するにあたっての経緯や想いを綴り、資金を出してくださった方にはリターンとして半年間のドリンクフリーパスや3か月間のカレーフリーパスチケットなど、様々な商品を用意しました。結果としてある程度の資金が集まり、オリジナルブレンドコーヒーやラテベースを用意することができました。

物販コーナーにはコーヒー以外にも、信楽焼のプレートやマスクアクセサリーなども販売しています。

集客&オーダーはインスタグラムから

ラメリストアには20代~40代の女性客が足を運んでいます。開業する際には若い世代の方をターゲットにしたそうですが、実際には年齢層は幅広くなっています。すぐそばに観光スポットの浮御堂などもあることから、その帰りにお店に立ち寄る方もいらっしゃるほか、インスタグラムを見て来店する方も多く、オープン当初から集客はほぼインスタグラムだけで行ってきました。

「お店のことをインスタグラムで知って来てくださる方は多いですね。お店のインテリアなどもすべて自分たちで考えて作ってきましたが、メニューなども写真映えなども意識してきたところはあります。

実際にインスタグラムを見てお越しくださった方の中には、オーダーする際に投稿されている写真を見て『これと同じのをください』と注文される方もいますよ。」

ハッシュタグ「ラメリストア」で検索すると、とてもお洒落な写真が沢山投稿されています。DIYの内装だけでなく、プリンに立ててある旗やストローの色、お皿などすべてが写真映えするようになっているのも、インスタグラムで人気が広がっている理由ではないでしょうか。

次はカヌレ専門店をオープン!

今月12月の中旬、ラメリストアから車で5分程度の場所に「カヌレ」専門店をオープンする予定とのことで、新たな業態に挑戦し続けるオーナーや店長。

たまたまスーパーの一角に空き店舗があったとのことで、現在ラメリストアでも販売している焼き菓子もふくめたテイクアウトのお店をオープン予定です。

また、ラメリストアでもオープンから半年以上経つことからそろそろお客さんにも目新しさを提供するため、新メニューも考案しているそうです。

同じ飲食業であっても客層や提供するメニュー、形態が異なるなか、お互いの知識や視点を取り入れながら店づくりをしているラメリストアは、店舗の雰囲気だけでなくスタッフの方々もとても楽しそうに働いている様子が伺えました。つぎはぜひカヌレ専門店にも伺ってみたいと思います!

(公式インスタグラムでラメリストアの姉妹店としてカヌレ専門店をオープンすることを告知。ラタンのベンチ席がある左のカウンター席にはリキュール類も陳列されており、カレーとジンを一緒にオーダーする方もいるらしく、オーガニックのジンを提供しています。)

ラメリストア

住所:〒520-0242 滋賀県大津市本堅田1丁目18−10

HP:https://lameristorebiwako.com/

インスタグラム:https://www.instagram.com/lameristore/

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