財布のひもが固い、反応が薄い、迷うなど、最近のお客さまはなかなかに難易度が高い方が多いものです。しかーし皆さん、そんなタイプのお客さまがいらしたら、案外簡単にあきらめてはいませんか?これはもったいないこと!!まだやれることはあるのです。

1.一度では買わない

次回来店しやすい雰囲気づくりに全力
<特徴>
下見を重ねたり、試着まではしても購入はしない。”吟味スイッチ”がたくさんあり、「まだいいかな…」と思ってしまう。
<有効接客>
試着までいったのだからと焦らずに、「仲良くなろう」と考えて接客する。また来ていただきやすい雰囲気をつくってお帰りいただく。
<NG接客>
「もうちょっと考えてみます」が決まり文句。ここでガンガン勧めたり、態度を急変させて「あっそうですか」と冷たく言い放つ。

2.値段にこだわる

「お買物上手」と伝え値段を基準に勧める
<特徴>
「これは幾らですか」「○○○円かぁ」など、まずは値段に食いついていくタイプ。自分の中で「これには幾らまで」と決めている。
<有効接客>
これも案外多い。とにかく値段で押していく。2つで迷われた場合、基本は安い方をお勧めし「お買物上手」「目利き」などと褒める。
<NG接客>
高い商品の良さを説明しようとしたり、安いものはその程度の価値などと、お客さまの価値観を正すような発言。

3.おとなしくて無口

共感の意思を示してコミュニケーション
<特徴>
一言声を掛けても反応が鈍く、日常会話などをしようとしてもあまり乗ってこない。しかし、店を出ていくこともしない。
<有効接客>
距離感を意識し、声のトーンも少し下げ、ゆっくり落ち着いた口調で話す。質問を重ねるよりも「それ、私も好きです」と伝える接客。
<NG接客>
このタイプは難しいと頭から決め付けたり、ささっと一通りのアプローチをした後、お客さまに興味を持つのをやめてしまう態度。

4.気候に翻弄されている

読めない気候の中で先物のお勧めは禁物
<特徴>
現状一番多いかも。不安定な気候、気温が続き、買う気持ちは多少あるものの「どうしていいか分からない」と内心困っている。
<有効接客>
一番は、”今から着られて、しかも長く着られるもの”をお勧めすること。これには、素材はもとより色の説明も十分に必要。
<NG接客>
「あと2週間もすれば着られます」のように先物

5.イマドキの優柔不断

最初に確認すべきは事前に何店回ったか
<特徴>
実は自分のことがよく分からず、そもそも何を着ていいのか分からない。店によって言われることが違うため、さらに迷ってしまう。
<有効接客>
まずは店を何店回ったかを確認。最初の店であれば相談に乗るというスタンスで。数店目であればやや強めに提案し決めていただく。
<NG接客>
説明しても色よい返事がもらえないため、スタッフが面倒になったりあきらめてしまうのが最もNG。そういうタイプと割り切る。

6.好き嫌いははっきり

お客さまの好きな商品に賛成していく姿勢で
<特徴>
自分の気持ちが明確でほとんどぶれない。話はきいてくれても「でも嫌い」と一言。好きもはっきりしているので対応は比較的楽。
<有効接客>
お客さまのいうがままに動き、好きな商品に賛成していくのがベター。できればそのイメージに合うプラスアルファの1点をお勧め。
<NG接客>
好きな商品に「あっ、そうですか」などと気の乗らない返答や、嫌いな商品に「これ売れてるんですよ」とお客さまの意に反した提案。

7.思い込みが強い

お客さまのアイデアを実現する提案を
<特徴>
自分なりの強い考えがあるので「これはこう着るもの」と頭から信じている。販売員の言うことにはあまり耳を貸さない。
<有効接客>
合わせたいと思う手持ちのものがあれば、試着の際にできるだけ近い商品も一緒にお渡しし、着装イメージを確認していただく。
<NG接客>
お客さまの着こなしアイデアに「え?」と疑問を感じ、表情や口に出す。「こういったコーディネートをお薦めしています」もNG。

8.素材にこだわる

取り扱い方法の柔軟な説明が鍵
<特徴>
基本的に「自分で洗う」ことが大前提。ジャケットや大物以外は自分で対応するため、取り扱いが難しいものは購入しない。
<有効接客>
洗濯機がNGでも手洗い可能なものが多い。洗い方や注意点を具体的に伝え、「自分もそうしている」と一言付け加えるとさらによい。
<NG接客>
しゃくし定規にとらえ「洗濯は避けてほしい」もしくは「ドライ表示なので何かあった場合は自己責任でお願いします」と一言。

9.体形コンプレックス

理想のイメージを確認して商品を決定
<特徴>
販売員から見たらさほどでもないが、試着をされても体形を気にして「こんなんじゃない…」と否定的な意見を言う。
<有効接客>
試着の際、お客さまの”理想の仕上がり”を伺う。目立たなくしたいのか、他に目がいく方がよいのかなどで提案商品の方向を決める。
<NG接客>
お客さま自身の気持ちを置いてけぼりにし「皆さんこんな感じです」などと根拠もなく「大丈夫です」という一般論を伝えること。財布のひもが固い、反応が薄い、迷うなど、最近のお客さまはなかなかに難易度が高い方が多いものです。しかーし皆さん、そんなタイプのお客さまがいらしたら、案外簡単にあきらめてはいませんか?これはもったいないこと!!まだやれることはあるのです。

 

[記事提供元]ファッション専門店の20~30歳代ショップスタッフに支持されている月刊総合専門誌「ファッション販売」

 

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