算数というタイトルを見て、この記事を飛ばそうとするあなた!ちょっと待ってください。

絶対にためになる記事です。なぜなら、「+-×÷」の4種類しか使わない算数で答えられますから。皆さんが小売業という仕事を選ばれたからには数字はどうしても必要なものになります。だって、売上予算、日割り予算、在庫枚数、発注金額、値下げという具合に皆さんの周りには数字がたくさんあります。

金額管理

売上高や在庫高を金額(円)の増減=高低でつかむ方式の「商品管理」をいいます。一般的にダラーコントロールとも呼ばれ、個別単位の管理ではなく、グループ別の「合計管理」で使うことがほとんどです。例としては「販売金額は50万円」「在庫金額は100万円」と、金銭管理は数字の後ろが「円」で表現されます。

数量管理

商品(品目)ごとに売上高や在庫高を販売枚数(個数)、在庫枚数(個数)の数量の増減=多少でつかむ方式の商品管理をいいます。「販売枚数は50枚」「在庫枚数は100枚」という表現で、数字の後ろに「枚」や「個」が付きます。金額で管理する合計管理に対して、「数量管理」は「個別管理」である点が特色。「円」と「枚」の違いが分かりましたか?

【検定項目1】月度指数

<<計算式>>  月度売上高÷年間売上高×100%

毎月(月間)の売上げが年間(12カ月)の総売上高に対して何%の構成比であるのかを知る指数です。これは「月度指数」が高い月度ほど在庫高や売上高に注意が必要で、その指数に合った商品在庫の増減や売場づくり、適正な人員体制を組む必要があります。

【検定項目2】シーズン指数

<<計算式>>  シーズン売上高÷年間売上高×100%

売上高をシーズン(季節)ごとの構成比(%)に区分した指数です。ここでいう季節は春、夏などを意味します。一般的には8シーズン=春、夏、盛夏、晩夏、秋、冬、防寒、梅春を基本にします。当然ながら「月度指数」同様に「シーズン(季節)指数」の高い時期は商販(商品部と販売部)一体となる事前の計画と実施、修正が求められます。

【検定項目3】客数

<<計算式>>  売上高÷客単価

「客数」とは言葉の通り「お客さまの人数」をいいますが、さまざまなとらえ方があります。

例えばショッピングセンター内の店では、
1.店の前を通過する客(通行客)数
2.店に入ってくる客(入店客)数
3.商品を購入した客(買い上げ客)数

このうち店で使う「客数」は、3を意味することがほとんどです。しかし、1→2への入店率、2→3への購入率をアップさせることが客数アップにつながるということが分かると思います。

【検定項目4・5・6】客単価

<<計算式>> 売上高÷客数

「1人のお客さまがお買い上げになった金額は幾ら?」というとらえ方を「客単価」といいます。このときの客数は、商品を購入した客数(前述の3)で計算します。ここで理解してもらいたいのは、売上高=客数×客単価という計算式が原型にあるということです。皆さんが日々悩んでいる売上げアップは「客数」か「客単価」のどちらか、または両方を上げればよいのです。

【検定項目7】予算

会社は、利益を出さないと皆さんの給与や家賃を払えないので倒産してしまいます。そこで、会社経営では営業活動を全社計、店別、部課別、期間別(年間、半期、四半期、月度等)に具体的な目標数字で表した予算をつくります。「営業予算」には売上高、仕入れ高、月末在庫高、荒利益高等があります。人件費や家賃等を含む「経費予算」は「営業利益予算」の範囲内で予算化されます。当初計画の「営業予算」がクリアできないなら「経費削減」等の対応もあります。

【検定項目8】日割り(日別)予算

店長が一番注意深くにらめっこしなければならないのが「その日に幾ら売るか」=「日割り(日別)予算」です。1カ月の30(31)日間を「昨年の販売実績」に基づいて予算化します。そのときの注意事項としては、基本的に「同じ月日」ではなく「同じ曜日」=「同曜日対比」で毎日の売上予算を決めます。「日割り予算」をマラソンに例えると、42.195km(30日間)を2時間10分(月予算800万円)で完走(達成)するために何km地点(何日まで)をどれくらいのタイム(幾らの売上げ実績)で通過するかを走る前(当月前)にシミュレーション(予算化)するようなものです。

【検定項目9】昨年対比(昨対)

<<計算式>>  今年実績高÷昨年度実績高×100%

今年の実績と昨年の実績を比較したときの比率(%)をいいます。例えば今年の売上げが950万円、昨年が1000万円の場合には「昨年対比は95%(計算式:950万円÷1000万円×100%)」となります。小売業の「昨年対比」は「昨年」と「今年」があるすべての数字に適用され、「在庫」「仕入れ」「荒利益高」「棚卸しロス」「客数」等で頻繁に使われるので、覚えておきましょう。

【検定項目10】商品在庫

店が商品を販売するための商品の総在庫(総売価)をいいますが、店頭以外の売場に出ていないストック場所やバックヤードにある商品も含まれます。
「商品在庫」をとらえるときには「枚(個)数」という数量=発注や売価変更、振り替え、返品等、「円」という金額=部門別、店舗別、会社等で把握します。注意が必要なのは「商品在庫」は「売場の陳列スペース」と「売上予算」に応じた「適正在庫(数量と金額)」を持つことで、商品在庫は、多過ぎても少な過ぎてもいけません。

【検定項目11】仕入れ

【月間仕入れの場合】
<<計算式>>  (月末在庫高+月間売上高+売価変更額)-月首在庫高

商品は「仕入れ」があって、店に配送され、陳列されて、お客さまに買っていただける状態となります。商品の仕入れには、基本的に2つのルートがあります。一つは本部の商品部(バイヤー)がシーズンの初回導入やスポット品、セール品、要望商品等を投入します。もう一つは、売場担当者が「商品台帳」に基づいての商品発注(追加含む)をする仕入れがあります。「仕入れ」は「売上高」や「在庫」の増減に応じて、仕入れ額をコントロールすることが大切です。

【検定項目12】値入(高、率)

<<計算式>>
値入れ高=売価ー原価
値入れ率=値入れ高÷売価

商品の売価を決める上で荒利益に関係する大変重要なものであり、商品を仕入れるときの利益(儲け)予想額をいいます。単純に「値入れ」の高いことが確かに望ましいのですが、小売業では「商品を販売した段階で荒利益に変わる」(売れてナンボ)ので、お客さまが「納得してお買い上げになる売価」が前提です。仕入れ時にどんなに値入れが高くても、滞留品やシーズン晩期の値下げ対象となり、荒利益の低下になるようでは、何の価値もありません。

【検定項目13】売価変更(高、率)

<<計算式>>  売価変更率=売価変更額÷売上高

商品を適時なタイミングで適正な価格(売価)に変更することをいいます。企業によっては「値下げ」「見切り」「処分」という言葉でも表現しています。主なケースは以下の3つです。
1.シーズンでの衰退期や処分期の対応
2.市場の変化や競合店対策から自店の販売シェアを拡大するため
3.その他=取り扱いの不注意(滞留、不振、汚損等)

【検定項目14】荒利益(高、率)

<<計算式>>  荒利益高=売上高ー原価

商品を販売したときの利益(儲け)のことです。注意したいのは売価変更(値下げ)した商品が売れた場合、元値より売上高が下がるのは当然ですが、原価は変わらないので荒利益(高、率)も当初の値入れ額よりは下がるということです。小売業では「荒利益高」の範囲内で「経費」を使うことになりますので、重要な数字です。

【検定項目15】商品回転日数

<<計算式>>
(平均在庫高÷期間売上高)×営業日数(一ヶ月なら31日か30日)
※平均在庫=(期首在庫+期末在庫)÷2

「今ある総在庫を全部売り切るために必要な日数」のことです。単位は「日」で数字が小さいと売り切るための日数が少なく、数字が高いほど売り切るための日数が多いということになります。

【検定項目16】商品回転率

<<計算式>>  期間売上高÷平均在庫高

「ある一定期間に今ある総在庫が何回転したか」の比率のことです。単位は「回転」で数字が高いと在庫は早く売れて、数字が低いほど遅く売れることを意味します。よく見ると、2つの数式のポイントは割算の分母と分子が逆になります。「商品回転日数」が小さいときは「商品回転率」が大きく、大小は相関関係にあります。

【検定項目17】交差主義比率

<<計算式>>  商品回転率×荒利益率

売場では商品が入荷して陳列し、早いタイミングで販売すると「商品回転率」の良い商品となります。そして、売れた商品の「荒利益率」は高い方が利益に対する貢献度は高くなります。そこで考えられるのが「商品回転率」×「荒利益率」の数値が高い方が商品の優位性が高いということになります。この計算式を「交差主義比率」(交差比率)といいます。小売業では「商品回転率」「荒利益率」のどちらかだけで、良しあしの判断をしないようにしましょう。

【検定項目18】1坪当たり効率

店には売場面積の大小があり、売上げの高低では自店の本当の実力が分かりません。そこで、その実力を知るために1坪当たりの数値をさまざまなカテゴリーの効率を分析する指標として使います。

【検定項目19】棚卸ロス

店では商品在庫高の出し入れを各種伝票で管理します。それは「納品伝票」や「返品伝票」「売価変更伝票」等です。帳簿で在庫を把握して日々の「売上高」を差し引き「帳簿上の商品在庫」=「帳簿在庫」を確定させます。その「帳簿在庫」が正確かどうかを検証するために売場の商品「実在庫高」を調べるのが「棚卸し」という作業で、「実在庫高」と「帳簿在庫高」の差を「棚卸しロス」といいます。本来、その差額はゼロであることが望ましいのですが、伝票計上、検収検品、売場での商品管理、売上げ計上の不適正等により「棚卸しロス」は発生します。

【検定項目20】管理経費

小売業では「売上高」が高くても安心はできません。なぜなら、すべては「荒利益高」の中からさまざまな「管理経費」を支払って「最終利益」が残るのかにあるからです。「管理経費」は「人件費」「広告宣伝費」「店内装飾費」「電話代」等で、店で比較的管理しやすいものです。また重点的に管理する必要がある「1次管理経費」と「(社内外)家賃」「本部負担金」「リース料」「減価償却費」等の店を運営していくのに必要な「2次管理経費」があります。これらの「管理経費」は皆さんが商品を販売することによって、お客さまから頂くお金の中から支払われるのです。

 

[記事提供元]ファッション専門店の20~30歳代ショップスタッフに支持されている月刊総合専門誌「ファッション販売」

 

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