少子化が問題となっている今、新しく小学校ができるほどファミリー層が増えている街があります。それは神奈川県横浜市港北区です。街の開発が活発化しているこの港北区で土日限定でオーガニックな食品を量り売りするお店「weekend YOKOHAMA」が去年11月にオープンしました。お店に訪問させていただき、店主の氏家さんへお店を開くまでの経緯や量り売り時のポイントやエシカルな商品の販売で意識していることを伺いました。

目次
小さな出会いがつないだ、量り売り店のはじまり

──このお店を始められた経緯を教えていただきたいです。
氏家さん:もともとオーガニックや環境問題に関心があり、会社員をしながら独学で勉強していました。IT系の会社員として働いていたのですが、何か違うことを始めたい気持ちがだんだん強くなり、2018年に転職し、こちらの会社にて仕事を始めたことがお店を始めたきっかけです。
──現在の会社はどのような会社ですか?
氏家さん:今働いている株式会社プリーズコミュニティさんは地域に根差した仕事をする掃除業の会社で、当時はまだ駆け出しの5人ほどの小さな組織でした。社長は地域貢献にとても熱心な方で、店頭で平日の午後に駄菓子を販売したり、月に一度子ども向けの勉強会やたけのこ掘りなどのイベントを開催していました。私はそのような地域の取り組みに触れながらブログを書いたりする仕事をしています。
──量り売りに興味をもったきっかけはありますか?
氏家さん:元々環境問題に携わることをしたかったのですが、何から始めていいかわからない状況でした。その時にたまたまテレビで山梨の量り売りのお店を見て、量り売りに興味を持ちました。

──そこからお店を開いた理由を教えていただけますか?
氏家さん:以前からお店を開きたいという夢がありました。「環境を良くするために」という目的で始めるとくくりが大きくなってしまいハードル高く感じてしまうけど、小さく始めてここの地域にまず伝えていこうという形ならできるかもと思い始めたからです。
──土日だけお店をされているとのことですが、どのように運営されているのでしょうか?
氏家さん:社長にお店を開きたいことについて相談したところ、土日であればぜひこの会社のスペースを使ってくださいと言っていただいたんです。平日は株式会社プリーズコミュニティさんのパートスタッフとして仕事をし、土日だけこの会社のスペースの一部を借りて、お店をしています。毎週会社の中に商品を並べる什器などを倉庫から持ってきて設営しています。
──素敵な経緯ですね。プリーズコミュニティさんの温かさも感じます。

「やってみたい」から「続けられる」へ。量り売りの工夫
── 量り売りにはどんな苦労がありますか?
氏家さん:保健所の許可をもらうまでが簡単ではありませんでした。飲食店であれば保健所の許可も出やすいのですが、プリーズコミュニティさんは掃除業なので、開封済みの食品を売ることの許可が難しかったんです。毎週土日に設営するため、保管倉庫の温度管理も気を使っていましたが一発OKは出ず、常温の食品に限って販売することで許可を得ました。

── 量り売りは一度開封することが多いので難しいですね。量り売りでは消費期限が気になってしまうことが懸念点として挙がると思いますが、何か工夫はされていますか?
氏家さん:はい、しています。1つの容器が空になるまでは新しい商品を入れません。20g以下になったら自分で消費しています。そのため扱うものは自分でも食べたいものが基準としています。
── 扱う商品の幅を広げる予定はありますか?
氏家さん:洗剤の量り売りもやってみたいですが、現時点での商品だけでも設営が大変なので今は控えています。設営には1時間半かかっていますし、夏は暑さで保存が難しい商品があるため、7月中旬から9月中旬までお休みとさせていただく予定です。
── 量り売り販売を続けていくうえでのアドバイスはありますか?
氏家さん:京都にある”斗々屋さん”での量り売りに関する講座では「量り売り以外に何かビジネスを持っているか」がすごく重要だと教えられました。店舗の賃料もかかるので、量り売りだけで始めると商売として続けることが難しいそうです。ありがたいことに、この場所はうちの社長が無料で貸してくれているので、店舗費用がかからず続けられています。
「エコ」という言葉で、エシカルをそっと届ける

── オーガニックな食品の他にフェアトレードのファッション雑貨なども販売されていますが、商品を提案される際、「エシカル」という言葉は使っていますか?
氏家さん:実は「エシカル」という言葉はまだ伝わりにくいので、「エコ」と言うことが多いです。来店のハードルを下げるために、エシカルを前面に出さず、気軽に来ていただける工夫をしています。
── エシカルに関心がある方がいらっしゃることもありますか?
氏家さん:はい、あります。エシカルに関心がある方には、時間をかけてしっかり説明しています。なので、このお店ではエシカルに興味がある方もない方も来やすいように配慮しています。
ワンちゃんおやつと看板・チラシの工夫で集客

── お店にはどのようなお客様が来られるのでしょうか?
氏家さん:今は周辺地域の知人や友人がメインですが、この辺にはオーガニック系のお店がないため助かっているといって来てくださっている常連さんもいらっしゃいます。その方は通りがかったのがきっかけで来ていただきました。
── ワンちゃんのおやつなども置かれていますが、ワンちゃんを連れた方も来られますか?
氏家さん:隣が動物病院なので、よく来られます。魚の骨など人間が食べられない部分をフードロス削減のためにプレスしたものなどをワンちゃん向けのおやつとして生産しているところから仕入れて、量り売りしています。
── ワンちゃんのおやつの量り売りは初めて見ました。
氏家さん:ワンチャンおやつを量り売りするメリットは、ワンちゃんによっておやつが合う合わないがあるのでちょっとずつ試せるという点ですね。パッケージ代もかからないので安くちょっとずつ買えて人気です。犬連れの方々の憩いの場にもなっています。
──お店の集客で工夫していることはありますか?
氏家さん:やはり看板が大切です。通行人の目に入る向きに置くことを意識しています。チラシはただ平置きするより丸めて立てておくほうが圧倒的に手に取っていただけました!

気づけば、オーガニックに出会えるお店へ
──最後に、今後どのようなお店にしていきたいか伺いたいです。
氏家さん:今のようにずっと間借りをするのは大変なので、いずれは自分の店舗を持ちたいです。犬と一緒に過ごせるカフェ兼コミュニティスペースのような場所にしたいですね。お客様にとって居場所のようなお店になり、気づけば自然とオーガニック商品を選んでいる…そんなお店にしたいと思っています。
──氏家さんの夢が叶うことを願っています!本日はありがとうございました!
weekend YOKOHAMA
住所:神奈川県横浜市港北区箕輪町2-5-3スプリングス日吉1F
営業時間:土、日 11:00〜16:00
Instagram:https://www.instagram.com/weekend_yokohama/

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