旧国立銀行の出張所だった古民家を改装し、量り売り販売をしている「量り売り からはな百貨店」さん。オーガニックカフェやレンタルスペースも併設し、地元の方だけでなく遠方の方も多く訪れている魅力たくさんのお店です。江戸時代のレトロな町並みを残した大分県大分市の戸次本町通りにあります。地元を中心とした多くの生産者さんのオーガニック食材を量り売りしています。今回は、お店を運営し街づくりにも貢献する店主の井藤さんに開業までの経緯や量り売りの良さについて伺いました。

開業へ導いたのはオーストラリアで触れたエシカルなライフスタイル

店主の井藤さん

──量り売りのお店を始めた経緯を伺いたいです。

井藤さん:きっかけは、オーストラリアのバイロンベイという町で量り売りが当たり前のライフスタイルに触れたことです。私はサーフィンが目的でその町に住んだのですが、たまたまバイロンベイがオーガニックなものを大事にする町だったんです。また、住んだのは20年ほど前だったのですが、スーパーやその他のお店では量り売りが当たり前でした。

──海も近く自然が豊かな町ということなので、環境やオーガニックなライフスタイルへの意識が高い方も多いそうですね。

井藤さん:そうですね。町はファストフード店を無くしたりもしていました。もともとバイロンベイは昔はヒッピータウンで古いアートの町でもあったので、私自身最初はエシカルな町というイメージはありませんでした。

──サーフィンを目的に住んだ町がのちのち量り売りのお店を開業するきっかけになるとは、驚きのきっかけですね。そこから量り売りのお店を開きたいと思った理由は何だったのでしょうか?

井藤さん:量り売りを日常にしたいと思ったからです。帰国後、12年間大分市の田ノ浦ビーチで量り売りのマーケットを開くイベントを主催していました。歌や音楽の催し物も開催されておりビーチクリーンも行うような大きなイベントです。年に1回開催し、3,000人ほど来場されるのですが、メディアでの宣伝などはせずに口コミだけで出店者も年々増えていったんです。このイベントを通じて、量り売りを年に1回ではなく日常的にしたいと思い、2022年6月にお店を開きました。

カフェやレンタルスペースも併設

──量り売りの販売スペースの他にカフェも併設されておりますが、どのような料理を提供されているのでしょうか?

井藤さん:実は火曜日から土曜日まではそれぞれ違うテナントの方々がオーガニックな食材を使ったランチを提供していて、ドリンクとアイスクリームは私のお店で提供しているんです。ランチを楽しんだ後そのままここで買い物をして、ゆっくり過ごしていただくことができます。

ランチを提供しているカフェスペースの一部

──お店全体がお家のリビングのようにとても温かくて落ち着いた雰囲気で長居してしまいそうです。2階のスペースはどのように利用されているのでしょうか?

井藤さん:2階はレンタルスペースになっています。20畳あって広いので、地元の方々がヨガをやったりイベントをする際に利用いただいています。

量り売りの購入は「楽しい」から始まる

量り売りの方法をお店の各所に掲示

──実際に量り売りを始めて、お客様の反応はどうでしょうか?

井藤さん:まず「楽しい!」から始まります。「ゴミが出なくて良い」や「安くて良い」などが理由で量り売りで購入される方はほとんどいらっしゃいません。買っていただいておいしいからとまた来ていただき、自然とお客様のお家のものが量り売りになっていくのが理想です。

──ほしいものを必要な分だけ量って買えるという量り売りは、お子さんも一緒に楽しめそうですね。お客様の年齢層はどのあたりが多いでしょうか?

井藤さん:若い方は少ないですが、子育て世代から60代、70代の方々がいらっしゃいます。場所柄もありますが車で来られる方が多いです。地域の常連さんが豆腐などを買いに来てくださったりもしますが、旅行目的でいらっしゃる方が多いです。

チョコレートからチップスまでお菓子も幅広く量り売り販売

──旅行目的の方々はどのようなところからこちらのお店を見つけていらっしゃるのでしょうか?

井藤さん:だいたいの方はインスタグラムで見つけて来てくださいます。

──SNSの影響は大きいですね。様々な方がいらっしゃると思うのですが、お店で買ったものを持って帰るときはみなさん何に入れていますか?

井藤さん:何に入れても良いとお伝えしているので、みなさんお好きな入れ物を持参されたり、お店に置いているリユース瓶や紙に包んだりしています。

リユース瓶を集めて無料で提供

──お店に置かれているリユース瓶は、どのように集めているのでしょうか?

井藤さん:主にお客様が使っていた瓶を持ってきていただいてお店で洗浄して置いています。その瓶を使っていただいた場合は、またそれを次回持ってきて買い物していただいても良いですし、持って帰っても良い、返しにきても良いということにしています。

エシカルを伝える前にまず「おいしい」と思ってもらうことが大事

料理に必要な材料もたくさん揃っています

──量り売りで商品をご提案する際に、お客様にオーガニックについてや持続可能な生活などエシカルな要素を説明されることはありますか?

井藤さん:最初から説明することはありません。お店に来てくださる方の中でオーガニックに興味がある方は少なく、お店の作りなどが面白くて来てくださる方が一番多いです。なので、提案するときはオーガニックは全面に出さず「おいしい」をまず大事にしています。エシカルな要素はお客様に聞かれた時だけお話ししています。

──まずおいしいを伝える、食品を提案するときは一番大事ですね。仕入れる商品を選ぶときに意識していることはありますか?

井藤さん:他にないここでしか買えないもの、おいしそうなものを選んで仕入れています。他にも、周りから勧められたものを仕入れることもありますし、特に開業当時はお客様から要望があったものを仕入れることもありました。

──ジャンルとしては食品がメインでしょうか?

井藤さん:メインは食品ですが、今後は量り売りのお店でもあるので量り売りのラインナップを増やしていきたいと思っています。

食品の他には洗剤やお掃除に使える重曹なども量り売り

──井藤さんが思う量り売りの良いところは何だと思いますか?

井藤さん:私は「環境に負荷をかけない」をテーマにしているので、プラスチックの個包装をなくすためにも量り売りは最適です。量り売りはゴミを減らすことができますし、必要な分だけ買うことができるので便利という点も良いと思います。特に、洗剤のプラスチックボトルはリサイクルすることができないため洗剤の量り売りはとても良いです。

量り売りが当たり前な世の中にしたい

──最後に、今後どのようなお店にしていきたいか井藤さんの思いを伺ってもよろしいでしょうか?

井藤さん:私は量り売りがどのお店にもあったら良いなと思っているので、このお店を通じて量り売りの楽しさを感じてもらい、量り売りを広めるきっかけとなるお店にしていきたいと思っています。量り売りは仕入れの難しさも課題ですが、昔は当たり前だった量り売りを今のマイバッグのように当たり前なものにしていきたいです!

──お店を運営されている方へ向けて量り売りを始めるきっかけにもなると良いですね。本日はありがとうございました!

量り売り からはな百貨店

住所:大分県大分市中戸次4343-1
営業時間:火~土 10:00~16:30
Instagram:https://www.instagram.com/hakariuri_karahana

エシカル商品の仕入れならスーパーデリバリー

スーパーデリバリーでは、オーガニック、フェアトレード、リサイクル、アップサイクル、ヴィーガンなどエシカルな商品を多数取り扱っています。事業者であれば業種問わず、会費無料でエシカル商品の仕入れが可能です。自分の利益だけでなく、お客様の健康や豊かな生活、そして環境や社会を想いやるエシカルなアイテムをお店で仕入れて販売してみませんか?まずは1点・小ロットでお試しでの仕入れもOK。卸価格で商品を購入いただけます。