ハーブティーが苦手な人でも飲みやすい!と思うオーガニックハーブブランドの「SONNENTOR(ゾネントア)」。高品質のハーブを使い、その巧みなブレンド力で誰もがおいしく飲みやすく、そしてユニークなオーガニックハーブブランドです。
今回は、日本の総代理店である「株式会社おもちゃ箱」が取引先向けに開催したオーガニックブランドセミナーの「ゾネントア来日セミナー」に参加してきた様子をご紹介します。
セミナーのテーマは「EUナンバー1、オーガニックハーブブランドがサスティナブル時代に果たす役割とは」です。40年に渡るブランドの歴史やこれからのビジョンなど、商品背景や思いまでくわしくお聞きすることができました。
目次
オーガニックハーブティーが大人気の「SONNENTOR(ゾネントア)」社はどんな会社?
ゾネントア社は1988年にヨハネス・グートマンによって設立されました。場所は、ヨハネスの地元オーストリア北部の田舎です。「この地の太陽で育てられたものを世に出したい」という思いで創業されました。
1988年の創業当時は、現在のようなオーガニック市場のマーケットはなく、まずは一歩ずつ市場を作っていく必要がありました。ゾネントア社はオーストリアで初めてオーガニック認証を取得しています。ゾネントアのハーブティーはとても人気がありますが、現在その種類は750種類にもなっています。
ロゴに描かれた笑う太陽は、太陽に対する尊敬と感謝の意味
ゾネントアのロゴと言えば、ゲラゲラと笑う太陽が印象的です。
よく見ると周りには24本の線があります。これはヨハネスの地元、ヴァルトフィアテルの伝統的な農家のドアに刻まれていて、自らと家族のために働く小作人の象徴です。自由を求める権利、自ら道を選ぶ信念といった意味を持ち、自分や家族のために働く自立した農家であることの証です。
そして貴重な太陽の恵みの恩恵を受け24時間太陽が見守っているよ、というメッセージが込められています。
ゾネントアが大切にしていること
ゾネントア社が大切にしていることは、「パートナー」「地元の人たち」「お客様の声」「徹底的なサスティナビリティ」です。
原材料を提供してくれるパートナー農家を大切に
オーストリア国内でのパートナー農家は1988年の設立時には3軒でしたが、2023年には150軒に増えています。最初の3軒の農家は今でもパートナーとして生産を継続してくれています。農家の数も増えていますが、オーストリアのパートナー農家の耕作面積も1988年は約3ヘクタールでしたが、2023年には約1,000ヘクタールにまで広がっています。
ゾネントアでは土壌に適した農業をサポートしながら、高品質なハーブを作ってもらうパートナーを増やしてきました。
生産者に直接還元、フェアトレードで生産者と取引
ゾネントアはオーストリア北部にありますが、その地域だけでは生産できる作物の種類は限られてしまいます。そのため、世界中から良いものを集めるべく、ルーマニア、アルバニア、ニカラグア、タンザニア、ニュージーランド、中国、スペイン、コソボなどの国々でパートナーを探してきました。生産者とは長年の信頼関係とフェアトレードな取引で結びついています。
フェアトレードといっても認証の取得はあえてせず、直接的に公正な取引をすることで認証を取得することでかかる費用を生産者に直接還元しています。
30~40キロ圏内の地域の人々を雇用して手作業
ゾネントアの設立当初は会社のあるオーストリア・シュプレーグニッツ村で1人だけで会社を営んでいましたが、2023年にはオーストリアで370名、チェコで170名の雇用をしています。ゾネントアでは30~40キロ圏内の地域の人たちの雇用を積極的に行っています。そして人の手で作業することを大事にしています。お茶などの箱詰めは今でも人の手で行っています。
ヨーロッパには直営店を展開、お客様の声に耳を傾けるコミュニケーション戦略
ゾネントアはオーストリアを中心に直営店があります。実店舗やオンラインショップ、SNSなどお客様と接する機会を積極的につくってお客様の声を大切にしています。
ゾネントアショップは35店舗、オンラインショップも展開
ゾネントアショップは2023年6月時点で35店舗。オーストリアに27店舗、ドイツに4店舗、チェコに4店舗です(フランチャイズも含む)。直営店の売上は15%程度ですが、お客様と対面で直接会話できる店舗はスタッフにとっても非常に大切な空間です。
設立当初はハーブティーと調理用ハーブで全25種類でしたが、2023年現在は高品質なお茶、ユニークなスパイスブレンド、季節限定商品などでなんと約750種類にも増えています。お客様からの声を大切にしてきたことが豊富なラインナップにつながっていると言います。
一方、オンラインショップの売上が伸び続けています。2012年には2.6%だった売上比率が2023年には8.4%になっています。コロナ禍で増加したことをきっかけにその後もオンラインショップは成長を続けています。
輸出については、50を超える国々へ輸出しています。ドイツ、オーストリア、チェコといったドイツ語圏内が多いですが、その他のヨーロッパ諸国にも輸出しています。ちなみに日本は8位の輸出量です。
SNSの拡大を活用してお客様との情報共有や意見交換でよりよいライフスタイルを提案
ゾネントアではWEBとリアルの両方でコミュニケーション戦略を取っています。
お客様に仕事ぶりを見てもらうことも必要と考え、本社に訪問されたお客様を受け入れ、オーガニックを学ぶ体験型滞在施設も運営しています。パーマカルチャーツアー、キッズヴィレッジ、エコなゲストハウス、オーガニックレストランがあり大人も子供もオーガニックを学ぶことができます。チェコの工場ではハチミツやお茶ジャムなどの作り方を工場見学できます。
SNSでは広告を利用せず、双方向のコミュニケーションツールとしてお客様からの感想、ご意見、アンケートを活用しています。インスタグラムは25~34歳がメイン、フェイスブックは35~44歳の年代のお客様がメインになっています。媒体によって年齢層が異なるので、マーケットの傾向を年代別にそれぞれの媒体から知ることができます。コロナ以降は特に免疫への関心が高まっており、こうしたお客様の興味関心もSNSからキャッチすることができました。
WEBやリアルの両方の機会でお客様と積極的にコミュニケーションをとり、より良い会社になるために大切なことを知ったり、お客様との情報交換や意見交換によって、よりよいライフスタイルの提案には何が必要かを考えています。
ゾネントア社のサスティナブルなアクション
ゾネントアでは2008年から大きな金額の投資をしてパッケージのサスティナブル化プロジェクトを行っています。内容は以下のとおりです。
・すべての箱でFSC認証紙を使用
・ティーバッグの外装セロファンの使用をやめて香りの保存性を高める改良
・プリントに使うインクを堆肥化可能なインクに切り替え
・容器にあるプラスチック製の窓を廃止
・ティーバッグにはバナナと木の繊維が原料の無漂白紙を使用
・スパイスバッグには木が原料のホイル紙を使用
プラスチックフリーのパッケージを実現
ゾネントアのハーブティーは、プラスチックフリーのパッケージを実現しています。
セミナーでは「何かをやめることを大切にしている」という言葉がありましたが、具体的には以下のような実践です。
・ホッチキスをやめて縫ってティーバッグを閉じる
・紐に油を塗るのをやめる
・漂白をやめる
改めてハーブティーをじっくり見てみると、ティーバッグの袋が真っ白ではなくナチュラルな色のままであったり、ティーバッグにホチキスが見当たりません。ティーバッグをお湯に浸けてしばらくたっても表面に油も浮かんでいません。
商品自体は小さいものの、日々の生産量を積み重ねていくと大量になります。そんなことはしたくない!とゾネントアは考えてプラスチックフリーのパッケージが実現しています。プラスチックフリー以外にも、もし赤ちゃんがパッケージを噛んだり飲み込んでも毒性がない安全なインクを使用するなど、環境への配慮や安全性も大切にしています。
必要な電力の約50%をまかなう独自の太陽光発電システムやオーストリア初の電気トラック
ゾネントア社では独自に約4,000平方メートルの太陽光発電システムを導入していて、必要な総合電力の約50%にあたる年間500,000 kwhを生産しています。エネルギーの自立は、他国にエネルギー供給を頼る必要がないため価格変動に影響を及ぼさないというメリットもあります。社用車として電気自動車12台、電気スクーター2台、充電ステーション約30か所を設けています。
昨今ではサスティナブルな企業活動を実施するだけではなく、社会や消費者にきちんと伝わるようにすることが大切な時代です。実は以前からこうした太陽光発電の活用を行っていましたが、サスティナビリティな活動は商品を選ぶお客様にとっても重要な情報であると考え、積極的に公開しています。
カーボンニュートラル、100%エコな包装、パーム油不使用であり、職員のトイレには雨水を活用しています。サスティナブルな投資としては、2022年に日本の技術も活かした木造のハーブ倉庫を作りました。3,000平方メートルでオーストリア最大の木材倉庫でコンクリートも使わない建物です。
その他には、お客様から「まだディーゼル車なの?」とフェイスブックの投稿でいただいたお声から、オーストリア初の電気トラックを導入しました。工場~倉庫~お店をすごく静かに走る電気トラックが運送を担っています。
農家、地域、環境を大切にしながらオーガニックハーブティーやスパイスを作り続けるゾネントアの商品をチェックしよう
セミナー会場では、「ゾネントアの『守護天使のお茶』ってとっても飲みやすくておいしいよね」という声や「今までハーブティーが苦手だったけど、ゾネントアを飲んでハーブティーへの認識が全く変わって好きになりました」という声が聞こえてきました。
ハーブの専門企業であり、その品質や味わいやユニークさはもちろんのこと、現代のライフスタイルやニーズに合わせた商品づくりと発信力が人々に興味関心を抱かせているようです。スーパーデリバリーでもオーガニック専門店や健康や美容に対して意識が高いサロンなどから絶対的な人気を誇る「ゾネントア」ですが、今回のセミナーに参加して支持される理由を知ることができました。
質の高いハーブを楽しめるとスーパーデリバリーでも人気の「ゾネントア」。その安定した品質は長年積み重ねてきた国内外の農家との信頼関係、お客様の声を大切にくみ取る謙虚でありながら行動的な姿勢、そしてサスティナブルな企業活動の連続による社会的評価の積み上げであると思います。