埼玉県越谷市、東武スカイツリーラインの蒲生駅から歩いて約5分。住まいやアトリエ、店舗が集まる「WAnest(ワネスト)」の一角に、セレクトショップ「ベル・カテナ(Belle Katena)」があります。
店内に並ぶのは、アパレルやバッグ、靴、アクセサリー、職人が手がけた一点もののジュエリーなど。「これが主力商品」とあえて決めず、その時々の出会いを大切にしながら、少しずつ店の景色を作ってきました。お客様に楽しんでほしいのは、ここでしか出会えないものとの「一期一会」です。
現在の場所へ移ってから11年以上。知り合いもお客様もいない土地でのゼロからの出発、コロナ禍、商品の入れ替えやオリジナルブランドへの挑戦を経ながら、地域のお客様に愛される店へと育ってきました。
先入観にとらわれずに商品を見る仕入れの姿勢、暑ささえ来店のきっかけに変える販売の遊び心、そして、小さな店を長く続けるために大切にしてきた「灯」とは。店主の安味哲志さんに、ベル・カテナが歩んできた11年間と、店づくりへの思いを伺いました。

「ちょっと他にはない」が見つかる、一期一会のセレクトショップ
──ベル・カテナは、どのようなお店ですか?
安味さん:小さなセレクトショップです。アパレルやアクセサリー、バッグ、靴、ジュエリーなどを扱っていますが、特定のジャンルを主役にするというより、その時々の出会いを楽しんでいただける店にしたいと思っています。
商品を選ぶときも、単に自分が売りたいか、お客様が欲しがりそうかという二択では考えていません。作り手とのつながりや、商品が生まれた背景も大切にしながら、「このクリエイターの作品なら、うちのお客様にも喜んでいただけるのではないか」と考えて仕入れています。
──お店ならではの商品もあるのでしょうか?
安味さん:自分たちで立ち上げたプライベートブランドがあり、バッグや靴、アクセサリーなどを作っています。ジュエリーでは、職人が一つひとつ手仕事で仕立てた一点ものもご紹介しています。ありきたりなものをたくさん並べるというより、小さな店だからこそできる出会いを作りたいんです。
──お客様からは、どのようなところを喜ばれていますか?
安味さん:「他にはないものが見つかる」と言っていただくことが多いですね。それから、うちには長く店に立っているベテランのスタッフがいます。商品を見に来るだけではなく、そのスタッフに会いに来ることを楽しみにしてくださるお客様も多いです。
ベル・カテナは、商品と人、その両方との出会いを大切にしているお店です。

お客様ゼロの土地へ。気に入った空間から始まった第二章
──お店を始めた経緯を教えてください。
安味さん:もともとは母が、東京の板橋でセレクトショップを営んでいました。僕が店を引き継ぐタイミングで、たまたまご縁があり、この場所を見つけたんです。店の形は受け継ぎましたが、場所を移し、自分の店として新しく始めることになりました。
──それまで縁のなかった土地へ移ることに、不安はありませんでしたか?
安味さん:もちろんありました。当時の僕には自分のお客様が一人もいませんでしたし、蒲生にも来たことがありませんでした。ただ、どうせゼロから始めるなら、思い切って場所も変えてしまおうと。この空間がとても気に入ったので、苦労するなら、自分が気持ちよく挑戦できる場所でやりたいと思ったんです。
建物自体もできたばかりで、まだ存在をほとんど知られていませんでした。お客様もいない、土地勘もない、建物も知られていない。本当に何もかもゼロからのスタートでした。恐怖も不安もありましたが、そこまで何もないと、かえって「やるしかない」と開き直ることができた気がします。
──11年の間には、店の形も変わってきたのでしょうか?
安味さん:いろいろ変えてきました。移転当初はいったん洋服の扱いをやめましたが、洋服が好きなスタッフが加わったことをきっかけに、もう一度始めました。アートのイベントを開いたり、オリジナルブランドを立ち上げたりもしています。
特にコロナ禍は、店そのものの存在意義を問われた時期でした。続ける気持ちを失わないためにも、自分たちから新しいものを作り、動き続ける必要がありました。オリジナルブランドへの挑戦は、店を支える商品を作るだけでなく、自分たちのエネルギーを保つための取り組みでもあったと思います。

服は「生もの」、販売には遊び心を
──商品を仕入れるとき、何を大切にしていますか?
安味さん:仕入れは楽しいですが、失敗の連続でもあります。売れると思って選んでも、思ったように動かないことはいくらでもあります。以前は「うちの店のこだわり」を強く意識していましたが、今はむしろ、仕入れのときに自分の気持ちをできるだけまっさらにすることを意識しています。
こういう店だから、こういう商品でなければならない。そんな先入観を取り除き、フラットな気持ちで商品を見る。そうすることで、これまでなら見過ごしていたものにも心が動き、新しい出会いをつかめるようになりました。
──仕入れた商品を販売するうえで、工夫していることはありますか?
安味さん:洋服は腐るものではないと思われがちですが、実は「生もの」なんです。季節や気分、そのときの空気に合ったスピード感で動かしていかなければなりません。ただ、売れ残ったらすぐにセールにするのではなく、見せ方や届け方を変え、楽しんでいただきながら次につなげることを考えています。
ここ2年ほど続けているのが、前日の最高気温を翌日の割引率にする企画です。たとえば前日が35度なら、翌日は35%引き。越谷の夏はとても暑く、本来なら小さな店にはお客様が来にくい時期ですが、「昨日は暑かったから、明日はお得かも」と来店を思い出していただくきっかけになります。販売にも、こうした遊び心を持ち続けたいですね。
──通りすがりのお客様が多い立地ではない中、どのように店の存在を伝えてきましたか?
安味さん:SNSでの発信を続けるほか、最初の頃は「ベル・カテナ ニュース」というハガキサイズの情報誌を毎月作り、ご縁のできたお客様へ郵送していました。ここは、ふらっと通りかかった方が自然に入る場所ではありません。だからこそ「ここへ来る理由」を作り、一度来てくださった方に忘れられないよう、コツコツと届けることが大切でした。
──これまでに仕入れた中で、特に思い入れのある商品を教えてください。
安味さん:初めて自分で仕入れた「ボルダーオパール」です。ジュエリーについて何も知らないところから勉強を始め、展示会で石を選びました。金額のこともありますから、何十分、何時間と迷って決めた宝石です。
大きな石なので、普通ならペンダントにするのが定石です。最初に上がってきたデザインもペンダントでした。でも、記念すべき最初の石を無難な形にするのは違うと思い、思い切って大胆なリングに仕立てました。その選択に、ベル・カテナらしさが表れている気がします。お客様にご紹介するときは、ついこの話に熱が入りすぎてしまいますね(笑)。

サイトを開けば、いつでも展示会。1点仕入れで出会いを広げる
──スーパーデリバリーを知ったきっかけは何でしたか?
安味さん:展示会へ行く時間を十分に取れないことが悩みでした。インターネットが広がり始めた頃に、「オンラインで使える仕入れの仕組みがあるのではないか」と検索し、見つけたのがスーパーデリバリーです。当時は今ほど卸サイトの選択肢も多くなかったので、「やっぱりあった」と、すぐに使い始めました。
──実際に使ってみて、特に魅力を感じるのはどのようなところですか?
安味さん:出展企業も商品も多く、サイトを開くだけで、毎回展示会へ出かけているような感覚になれることです。僕は最初から「これを仕入れる」と決めず、まずスーパーデリバリーを開いて、「何か心に引っかかるものはないかな」と探し始めます。目的を絞らずにたくさんの商品を見ることは、リアルな展示会ではかえって難しいので、ネット仕入れならではの魅力だと思います。
──小さなお店にとって、使いやすいと感じる点はありますか?
安味さん:商品によっては1点から仕入れられることですね。初めて扱う商品をいきなり多く仕入れるのはリスクがありますが、1点なら試しやすい。新しい出会いを店頭に持ち込むハードルを下げてくれます。
画像がきれいで、商品の詳細な説明も充実しているため、オンラインでも選びやすいと感じます。他の卸サイトと比べても、商品を判断するための情報が見やすく整理されている印象があります。
──展示会やクリエイターさんとの直接取引とは、どのように使い分けていますか?
安味さん:通常の仕入れでは、まずスーパーデリバリーを見ることが基本の流れになっています。そのうえで、サイトでは出会えないものを展示会で探したり、クリエイターさんから直接仕入れたりします。入り口を一つに限定せず、それぞれの良さを組み合わせることで、効率とベル・カテナらしい品ぞろえの両方を保っています。

小さな店には、店主の「今」が映る
──これから、ベル・カテナをどのようなお店にしていきたいですか?
安味さん:今は、どこにいてもインターネットで何でも買える時代です。だからこそ逆に、「ここでしか買えないもの」をもう少し作っていきたいと思っています。自分たちのオリジナル商品や、作り手と一緒に生み出す一点ものなど、ベル・カテナだから届けられるものを深めていきたいですね。
──これからお店を始めたい方へ、伝えたいことはありますか?
安味さん:店を大きくしていくのか、小さな店として続けていくのかで、運営の考え方は変わると思います。僕は小さな店を続ける立場ですが、そこでつくづく感じるのは、店主のその時々の「今」が、良くも悪くも店にそのまま反映されるということです。
だから、続けるための「灯」を消さないことが大切です。もちろん、何も考えずに店を続けられるわけではありません。それでも、自分の中にエネルギーを持ち続けるには、店主自身がどこかで店づくりを楽しむことが必要だと思います。自分が楽しめなくなったときが、店を続けられなくなるときなのかもしれません。
──最後に、ベル・カテナを一言で表すと、どのようなお店でしょうか?
安味さん:ちょっとした非日常の中で、良い出会いが見つかる場所です。建物自体にも他にはない空気があり、店へ入るには少し敷居が高そうに見えるかもしれません。でも、その一歩がお客様にとっても新しい一歩になり、そこでお互いに出会って、楽しい時間を過ごせたら嬉しいです。
ベル・カテナ(Belle Katena)
越谷市蒲生にあるセレクトショップ。アパレル、バッグ、靴、アクセサリー、一点もののジュエリーなど、ジャンルを限定せず「ちょっと他にはないもの」を紹介しています。商品や作り手、お客様との一期一会を大切にし、オリジナルブランドやイベントにも取り組んでいます。
ベル・カテナには、安味さんがまっさらな気持ちで出会った商品と、11年以上かけてつながってきた人たちとの物語があります。蒲生を訪れたときは、WAnestの非日常的な空気ごと味わいながら、自分だけの一期一会を探してみてはいかがでしょうか。
住所:埼玉県越谷市蒲生茜町23-2WAnest D4
営業時間:11:00-19:00
定休日:水曜
Instagram:@belle.katena
動画でチェックするお店の想い
ショップの開業準備・仕入れならスーパーデリバリー
スーパーデリバリーは、アパレル、アクセサリー、生活雑貨、食品、店舗什器・備品など、ショップづくりに必要な商品を仕入れられる事業者向け卸・仕入れサイトです。多くの出展企業の商品をオンラインで比較しながら、自分のお店に合うものを探せます。
商品によっては1点や小ロットから仕入れられるため、まず店頭で試し、お客様の反応を見てから追加発注することも可能です。これからショップを始めたい方や、展示会へ行く時間を確保しにくい方、新しい商品との出会いを増やしたい方は、ベル・カテナのように「まずはサイトを開いて探してみる」ところから始めてみてください。
ー卸・仕入れサイトスーパーデリバリーとは─
https://www.superdelivery.com/
(編集:染谷 昌利)




