沖縄市・コザのゲート通りにあるZazou。ベーカリーにカフェ、アパレル、雑貨が一体となった、ほかにはないお店です。

沖縄県沖縄市の中心街。通称「コザ」と呼ばれるエリア。ここに、ベーカリーとセレクトショップを融合させたユニークなお店があります。店名は「Zazou(ザズー)」。国際色豊かなコザで、35年にわたり親しまれてきたお店です。

ベーカリーとしてスタートしたZazouですが、15年前からアパレルや雑貨の販売を展開。食とアパレルという二つの軸を走らせることで多くのファンを魅了し続けています。

焼きたてのパンの香りが漂う店内に並ぶのは、リネンのワンピースやカジュアルウェア、雑貨、食品など。カフェスペースも併設し、お茶を飲んでくつろぎながら、店内に展示された品々を手に取りたくなるような空間です。パンと洋服と雑貨。一見異なる商品たちが、お互いの魅力を引き立てる唯一無二の世界観を作っています。

小さなベーカリーが、どのようにお客様に育てられ、物販を売上の柱へと成長させてきたのでしょうか。長く愛されるお店づくりの秘訣や、スーパーデリバリーを活用した仕入れの工夫について、Zazouの店主、安村さんにお話を伺いました。

「人にあげたくなるパン」コザのお客様に育てられた店づくり

──Zazouは、どのようなお店ですか?

安村さん:Zazouの基本はベーカリーなのですが、パンだけにとどまらず「生活を楽しく彩る」というコンセプトのもと、洋服や雑貨なども取り扱っています。

──どうしてベーカリーを始めようと思ったのでしょうか。

安村さん:コザには私の実家があり、よく見知った場所でした。もともとここは洋服屋さんだったのですが、店主の方が帰国することになって、この店舗のスペースが空いたんです。

そこで「このあたりにはないパン屋さんをやってみよう」と、気軽な気持ちで始めたのがきっかけです。最初は、カウンター5席ほどのテイクアウトメインのお店でした。

Zazouのベーカリーコーナー。人気のパンは早々に売り切れてしまうことも多い。

──ベーカリーにカフェだけでなく、アパレルや雑貨も扱うようになったのはなぜですか?

安村さん:いずれもお客様からの要望によるものです。今のアパレルやカフェのスペースは、以前は隣接する洋服店がありました。その店舗が空くことになったんです。かねてからお客様より「カウンターではなく、落ち着いたテーブル席でお茶をしたい」とのお声をいただいていたこともあり「それなら空間を広げてカフェにしよう」と店を拡張しました。

さらに、そのスペースがもともと洋服店だったことから「洋服も見てみたい」というご希望もいただきました。そこで、カフェスペースに加え、アパレルと雑貨の売り場を作ることにしたんです。

アパレルコーナーは、「Zazouの隣に住んでいる女性の部屋」をイメージしています。パンを買ったり、コーヒーを飲んだりしながら、誰かの部屋を訪ねたような気持ちで洋服や雑貨を眺めてもらえたらと思っています。

落ち着いたテーブル席でコーヒーやお茶を楽しみながら、アパレルや雑貨を眺められるカフェスペース。

──長年お店を続けてこられたのは、コザという土地の影響もありますか?

安村さん:とても大きかったと思います。このお店は、嘉手納基地の第2ゲートから100mも離れていません。アメリカ人やイタリア系、フランス系など、多国籍なお客様が常に行き交う通りなんです。

オープン当初から、外国人のお客様がたくさん来てくださいました。「母国で食べていたパンが食べたい」と、たくさんのリクエストをいただき、それらの声に応える形で、商品のバリエーションを広げていきました。

もし那覇など別の場所にお店を出していたら、今とはまったく違うパン屋になっていたと思います。

──お客様の声から生まれたヒット商品もあるそうですね。

安村さん:いくつもあります。代表的なのは「デニッシュボックス」ですね。きっかけは、パンを購入されるときに「箱に入れてほしい」とおっしゃるお客様がとても多かったことです。

不思議に思っていたら、あるお客様から「あなたたちのパンは、人にあげたくなるパンなんだよ」と言われました。そこで初めて、Zazouのパンにはプレゼントとしての魅力もあるのだと気づきました。それならと、あらかじめ箱詰めして提供する「デニッシュボックス」を発売したところ、これが大ヒットとなり、定番商品となりました。

お客様の要望に応える形で生まれたヒット商品「デニッシュボックス」。確かにプレゼントしたくなる素敵さです。

──お店を続けていてよかったと感じるのは、どのようなときですか?

安村さん:国籍も年代も職業も異なる、さまざまな方たちと触れ合えることです。普通に暮らしていたら、なかなか出会えなかったような方とも、お店を通じてつながることができました。

自分たちでは気づかなかった良さを、お客様が教えてくださるのはとても嬉しいし、励みになります。Zazouは、そんな素敵なお客様たちに育てていただいたお店だと思っています。

「あのお客様に似合いそう」を仕入れる。飲食×アパレルの両輪がつくる安定経営

──洋服を仕入れるときは、どのような点を大切にしていますか?

安村さん:まず考えるのは、沖縄の気候です。沖縄は夏が長いので、11月頃まで薄手の商品が動きます。逆に、厚手の重衣料はほとんど売れません。一般的な季節感にそのまま合わせるのではなく、実際に着られる期間を考えて仕入れています。

ただ流行のものだけを揃えるのではなく、Zazouのお客様が喜んでくださるものを選びたいと考えています。品質を重視される方がとても多いので、クオリティの高さも重要です。

「Zazouで買った服を着ていると、必ず誰かに褒められるのよね」と、お褒めの言葉をいただけたりすると、私たちも本当に嬉しいですね。

──具体的に、特定のお客様を思い浮かべて仕入れることもありますか?

安村さん:「これは、あのお客様に似合いそう」と、思い浮かべて仕入れることはよくあります。

そう思って仕入れた商品は、やはり気に入って購入してくださることが多いんです。お客様個人の好みや、普段どのような服を着ているかを把握できるのは、小さなお店だからこその強みだと思います。

洋服に合わせてコーディネートできる雑貨を見せる陳列。

──逆に「売れると思ったのに売れなかった」ということもありますか?

安村さん:もちろんあります。「これは絶対に売れる」と思って、ある程度まとまった数を仕入れたのに、思うように動かなかった商品もありました。

──そのような時はどうするのでしょうか?

安村さん:すぐに諦めるのではなく、スタッフみんなで「どうしたらこの商品の魅力が伝わるか」を考えます。置く場所を変えたり、見せ方を変えたりなど、工夫を凝らして地道に価値を提案し直しています。

ディスプレイは、常に新たな魅力を伝えるべく、見せ方・魅せ方を考える。

──商品の見せ方によって、お客様の反応は違うのですか?

安村さん:まったく違います。陳列する場所やマネキンを変えただけで、「こんな商品があったんですね」と気づいていただき、売れることもよくあるんですよ。

もともと「よい」と思って仕入れた商品です。すぐに売れなかったとしても工夫することで、新しい価値を作れることがあります。お客様に商品の魅力を届けられるように、売り方を考え続けることが必要ですね。

──店舗外での集客・情報発信で工夫していることはありますか?

安村さん:情報発信としてはInstagramをメインに活用し、新商品の入荷やお知らせを発信しています。店舗外での接点づくりとしては、ふたつあります。

ひとつめは沖縄自動車道の売店での販売です。購入いただいたことで来店されたお客様も多くいらっしゃいます。

ふたつめは、ふるさと納税ですね。当店からは、沖縄市産業まつりで最高金賞をいただいた『コザ レトロアップルパイ』をはじめ、クッキーや焼き菓子などを返礼品として出品しています。リピーターの方も多く、これをきっかけに来店された方もいらっしゃいました。

沖縄市のふるさと納税返礼品となった『Zazou コザ レトロアップルパイ』。沖縄原産のカラキ(シナモンの一種)と、沖縄の黒糖を効かせたフィリングのリンゴがぎっしり詰まった食べ応えのある品。

1枚から試し、売れたら追加すればいい。物販を売上の柱にしてくれたのはスーパーデリバリー

──スーパーデリバリーを知ったきっかけを教えてください。

安村さん:約15年前、カフェとアパレルのスペースを始めるときに、インターネットで仕入れ先を探したのがきっかけです。スーパーデリバリーは商品ラインナップが豊富で、商品のクオリティやセンスも高いと感じました。

「自分たちのセレクトでオリジナリティが出せる」と実感し、初期から利用しています。

現在はアパレルだけでなく、食品や雑貨などの仕入れにも活用しています。一つのサイトで幅広いジャンルを探せるので、ほとんどスーパーデリバリーを中心に仕入れています。

──特に便利だと感じるのは、どのような点ですか?

安村さん:少ない数量から仕入れられることです。商品によっては1枚から注文できるので、「少し冒険かもしれない」と思う商品もテスト的に仕入れられます。

売れたら追加注文。売れなければその分だけで終える。こうすれば最初から大きな在庫を抱えずに済むので、仕入れの不安を減らせます。

もちろん、いつも仕入れているブランドの新商品はいつも確認しています。お店の鮮度を保つためにも、小さく試しながら新しい商品を取り入れられるのは、とても大きなメリットですね。

服飾雑貨に加え、ワインやオリーブオイル、お茶など食品も一部扱っている。

──スーパーデリバリーの手続きや管理についてはどう感じていますか?

安村さん:一度登録すれば、さまざまな企業の商品を同じサイトから仕入れられるのでとてもラクです。出店企業ごとに契約を結んだり、口座を開設したりする必要がないし、商品の在庫状況も画面上で確認できます。

アパレル、食品、雑貨など、異なるジャンルを扱っていても、仕入れ先を一つの場所で確認できるので、とても管理しやすいですね。

──物販を始めたことで、売上にはどのような変化がありましたか?
安村さん:以前は飲食の売上だけでしたが、ここに物販の売上が加わりました。多いときには、物販が店全体の売上の3〜4割を占めることもあります。

パンだけ、洋服や雑貨だけで完結しない循環が生まれているからです。
最初はパンをきっかけに来店した方が、洋服や雑貨を見て購入されたり、逆に、洋服を目当てに来店し、パンも買って帰られる方もいらっしゃいます。

──飲食と物販を一緒に展開したことで、お店の魅力に奥行きが生まれた感じですね。

安村さん:飲食とアパレルには、それぞれ違うメリットがあります。食品には賞味期限がありますが、焼きたてのパンの香りや美味しそうな見た目といったライブ感があり、それを目的にお客様が来てくださいます。

一方、洋服には賞味期限がありません。魅力さえあれば年間を通していつでも購入していただけます。双方の商品に魅力を持たせることが、売上の安定とリスク分散に繋がっています。

性質の異なる二つの売上の流れを持つことは、経営を安定させるうえでも大切です。飲食と物販を両輪で動かしてきたことが、Zazouを長く続ける力の一つになっていると思います。

カジュアルな着こなしにぴったりのロゴTシャツを見やすく陳列。

自分のお店だからこそできる挑戦をしてほしい

──これからお店を始めたい方に、伝えたいことはありますか?

安村さん:一つの商品や事業だけに限定せず、相性のよい別の商品を組み合わせることも考えてみてほしいです。それぞれ性質の異なるものを展開することで、経営上のリスクを分けることができます。

それぞれのメリット・デメリットを理解し、お互いを引き立て合うような軸を持つことをおすすめしたいですね。

物販は、最初から大量に仕入れる必要はありません。少ない数から試し、お客様の反応を見ながら増やしていけばいいと思います。自分のお店だからこそできる組み合わせを考えながら、自分らしい店づくりに挑戦してほしいですね。

「さまざまな方に出会えたことがお店を続けてきた財産」と語る店主の安村さん。

──今後、Zazouをどのようなお店にしていきたいですか?

安村さん:今来てくださっているお客様を大切にしながら、新しいお客様にも魅力を感じていただけるお店にしていきたいです。

これまでとは違う商品も少しずつ扱ったり、Zazouを知っていただく機会をもっと増やすべく、いろいろな情報発信にもチャレンジしていきたいです。

──最後に、読者の方へメッセージをお願いします。

安村さん:コザのゲート通りは、クラブなどが並ぶ夜の街というイメージを持たれることが多いと思います。でも、昼間には昼間の魅力があって、素敵なお店もたくさんあるんですよ。

ぜひ昼のゲート通りを歩いて、コザの違った表情を楽しんでみてください。そしてZazouにも足を運んで、パンやコーヒーを召し上がりながら、洋服や雑貨をゆっくり見ていただけたら嬉しいです。

沖縄県沖縄市・コザのゲート通りにあるZazou。35年にわたり地域で親しまれてきたパンに加え、カフェ、アパレル、雑貨、食品などを展開しています。

「生活を楽しく彩る」をコンセプトに、パンを買いに来た人が洋服と出会い、洋服を見に来た人がパンも買って帰ることで生まれる好循環。唯一無二の、Zazouならではの空間を楽しんでください。

Zazou(ザズー)

住所:〒904-0004 沖縄県沖縄市中央2丁目15−1

電話番号:098-934-2380

営業時間:11:00~売り切れ次第終了

定休日:月曜日・火曜日

Instagram:https://www.instagram.com/zazou_okinawa/

オンラインショップ:https://zazou1989.base.ec/

ショップの開業準備・仕入れならスーパーデリバリー

スーパーデリバリーは、アパレル、雑貨、食品、文具、店舗什器・備品など、ショップづくりに必要な商品を仕入れられる事業者向け卸・仕入れサイトです。

小ロットから注文できる商品も多いため、Zazouのように、まずは少ない数を店頭に並べ、お客様の反応を見ながら追加発注できます。新しく物販を始めたい方や、現在のお店に別の商品ジャンルを加えたい方にも活用しやすい仕組みです。

「自分のお店に、どのような商品が合うだろう」と考え始めたときが、新しい店づくりの第一歩です。まずはスーパーデリバリーで商品を探し、小さな仕入れから、自分らしいお店の可能性を広げてみてください。

(ライター:美里茉奈)