沖縄県那覇市。国際通りや牧志公設市場から歩いた先にある「のうれんプラザ」は、長年にわたって地域の台所を支えてきた場所です。

その1階に、コーヒーや沖縄県産のジュースを味わいながら、食品や雑貨を選べる小さなお店があります。店名は「楽音(Rakune)」。沖縄のシークヮーサーや塩、全国各地のおいしい食品、季節の雑貨やちょっとした贈りものなど、店主が心を動かされた商品が所狭しと並びます。

商品選びの基準は、「自分たちが本当に好きか」「目の前のお客様に喜んでもらえるか」。自分たちの「好き」を起点に商品を集め、お客様の声を取り入れながら、少しずつ楽音らしい店へと育ててきました。

コロナ禍での開業、地域への恩返し、そしてスーパーデリバリーを使った「宝探し」のような仕入れについて、オーナーの比嘉 安江さんと、義理の娘で開業直後から店を支える比嘉 茉鈴さんにお話を伺いました。(※以下、安江さん、茉鈴さん)

那覇市・のうれんプラザ1階にある「楽音(Rakune)」。

「感謝しながら人生を楽しむ」という思いを込めた店

──楽音は、どのようなお店ですか?

安江さん: コーヒーや沖縄県産のシークヮーサージュース、ハイビスカスジュースなどを提供しながら、食品や雑貨も販売しているカフェ&雑貨店です。

沖縄の商品はもちろん、全国各地で出会った食品や、自分たちが食べたり使ったりして「これは良い」と思ったもの、応援したい作り手の商品などを置いています。

──「楽音」という店名には、どのような意味がありますか?

安江さん: 私が大切にしているのは、「感謝しながら人生を楽しむ」ということです。人生は一度きりですから、後悔するより、できることに挑戦しながら楽しみたい。その思いを込めて、楽しい音と書いて「楽音」と名付けました。

私は、前身の農連市場があった頃からこの地域で育ちました。子育て中には、市場のおばあちゃんたちに何度も助けていただいたんです。今度は自分が地域へ恩返しをしたい。地域の方や観光で訪れた方が、ほっとできる場所にしたいと思っています。

──店内には本当にたくさんの商品がありますね。

茉鈴さん: お客様から「ちょっとしたプレゼントを探している」「手土産になるものはない?」と相談されることが多いんです。

のうれんプラザに「どんなアイテムがあったら皆さんが困らないか」を考えながら商品を増やしていったら、今のような品ぞろえになりました。小さなお店ですが、「ここに来れば何か見つかる」と思っていただけたら嬉しいです。

沖縄の商品や全国各地から集めた食品、季節の雑貨が並ぶ店内。

コロナ禍で踏み出した、地域への恩返し

──お店を開業したきっかけを教えてください。

安江さん: 楽音を始めたのは、コロナ禍の真っただ中でした。空港から人が消え、のうれんプラザにも空き店舗が増えていた時期です。お店を始めるには厳しいタイミングだったと思います。でも、人生はいつ何が起きるかわかりません。「やっておけばよかった」と後悔するより、できるときに挑戦したいと思いました。

これまで私は旅行会社や観光関係、営業の仕事を経験してきました。その経験も生かしながら、幼い頃からお世話になった地域へ恩返しができればと考え開業しました。

──最初から現在のようなお店を考えていたのですか?

安江さん: 実は、当初は実家の海産物を置く予定でした。ただ、のうれんプラザには同じような商品を扱うお店がすでにあります。そこで、「周りと同じことをするのではなく、ここに何があったら喜ばれるだろう」と考え直し、自分たちが好きなものや紹介したいものを一つずつ集める方針に変えました。

看板も手作りで、できる範囲からのスタートです。最初から完璧な店を作るのではなく、お客様の反応を見ながら少しずつ形にしていきました。

──続けてこられた理由は何でしょうか?

安江さん: 一番は、お客様に恵まれたことです。私たちは小売のことを何でも知っていたわけではありません。お茶や茶香炉、商品の使い方など、わからないことをお客様が教えてくださいました。

お客様が先生になり、一緒にお店を育ててくださったような感覚があります。そして、開業から約2か月後に義娘の茉鈴さんが加わり、一緒に歩んでこられたことも大きいですね。

茉鈴さん: そばで見ていると、安江さんは自分が「好き」と思う気持ちをとても大切にしています。その思いを商品や接客として形にし、お客様に届けていくところが、この仕事の面白さだと感じています。

開業直後から二人で店を育ててきた比嘉 安江さんと比嘉 茉鈴さん。

「好き」とお客様の声で育てる、宝箱のような品ぞろえ

──商品を選ぶときに大切にしていることは何ですか?

安江さん: 食品は、まず少量を仕入れて二人で試食します。「おいしいね」「きれいだね」「これはワクワクするね」と、自分たちの気持ちが動いたものを店頭に並べます。自分たちが本当に良いと思っている商品だからこそ、お客様にも自然な言葉でおすすめできると思っています。

──特定のお客様を思い浮かべて仕入れることもありますか?

安江さん: あります。お一人のお客様から「こんなものが欲しい」と相談されたら、その方のために商品を探します。

七夕に浴衣を着て店に立っていたところ、「私も浴衣が欲しい」と言われ、すぐに探して仕入れたことがあります。茶香炉を使う方から相談を受け、合いそうな茶葉を探したこともありました。

大きなお店では難しくても、個人店なら、お一人のために動くことができます。目の前のお客様の顔を思い浮かべながら商品を選べることは、小さなお店の強みだと思います。

──販売面では、どのような工夫をしていますか?

茉鈴さん: 七夕には浴衣を着て短冊を飾り、クリスマスやお正月には季節に合わせて店内を変えています。来店される方だけでなく、のうれんプラザで働く皆さんにも季節を感じてもらえたら嬉しいです。

──印象に残っているお客様とのエピソードはありますか?

安江さん: アイルランドから新婚旅行で来られたお客様に、沖縄のもずくをお出ししたことがあります。とても喜んでくださり、帰国後には「日本の料理を作って食べたよ」と写真を送ってくださいました。

沖縄の食文化が海を越えて伝わり、その後もつながりが続いたことが本当に嬉しかったです。海外から初めて来た方も、二度目に来てくださったときには、「おかえりなさい」と迎えたくなります。

季節に合わせて表情を変える店内。

1個から試せるから、「お一人のため」の仕入れができる

──スーパーデリバリーを知ったきっかけを教えてください。

安江さん: インターネットで仕入れ先を探している中で見つけました。私は決してデジタルに詳しい世代ではありませんが、探究心はある方です。いろいろ検索するうちにたどり着きました。

たくさんの商品が並んでいて、自宅にいながら宝探しができるような感覚でした。

──実際に使って、特に便利だと感じた点は何ですか?

安江さん: 一番の魅力は、1個から仕入れられる商品があることです。仕入れについて何もわからなかった私でも、いきなり大量の商品を抱えずに、新しい商品へ挑戦できました。お店が終わってから自宅で商品を探し、注文できることも助かっています。

沖縄では送料が課題になるため、送料無料の条件やキャンペーンも確認しています。季節ごとの特集や、前年の同じ時期に仕入れた商品を振り返れることも便利です。

茉鈴さん: 小ロットで仕入れられるので、一人のお客様からの相談にも応えやすくなりました。あらかじめ予定していなかった商品でも、お客様の声をきっかけに探せます。

大勢に向けた商品だけでなく、目の前のお客様のために仕入れられることが、私たちのような個人店には合っていると思います。

──他の仕入れ先とは、どのように使い分けていますか?

安江さん: 商品は、人と同じように出会いだと思っています。

長年愛用してきた沖縄のシークヮーサーは、販売元に何度もお願いし、熱意を伝えて扱えるようになりました。伊平屋島の塩や、就労支援施設で作られているシフォンケーキなども、作り手との出会いや、応援したいという思いから仕入れています。

作り手を知り、ぜひ紹介したいと思った商品は直接仕入れる。新しい商品や季節商品、お客様から依頼された商品はスーパーデリバリーで探す。それぞれの良さを生かして使い分けています。

作り手との直接の出会いと、スーパーデリバリーでの「宝探し」を組み合わせた品ぞろえ。

沖縄の良いものを、いつか世界へ

──今後、どのようなお店にしていきたいですか?

安江さん: まずは二人とも健康で、仲良く、今の店を続けていきたいです。そのうえで、いつかは商品を仕入れるだけでなく、沖縄の商品を紹介する側にも挑戦したいと思っています。

沖縄には、シークヮーサーや天然塩をはじめ、まだ全国や海外で知られていない良い商品がたくさんあります。その魅力を日本全国、そして世界へ届けるサプライヤー側になれたらという夢があります。

茉鈴さん: これからも、自分たちが良いと思えるものや、お客様が「こんなものを探していた」と喜んでくださる商品を探し続けたいです。商品との出会いを楽しみながら、楽音らしい品ぞろえを育てていきたいと思います。

──これからお店を始めたい方に、伝えたいことはありますか?

茉鈴さん: まずは、自分が本当に好きだと思えるものを見つけることが大切だと思います。その「好き」を大切にして伸ばしていくことが、自分らしい店づくりにつながるのではないでしょうか。

安江さん: 人生は一度きりです。無理のない範囲で、「ダメで元々」と少し開き直りながら、悔いのないように挑戦してほしいです。

最初からすべてを完璧にそろえる必要はありません。私たちも手作りの看板から始め、商品を一つずつ集め、お客様に教えていただきながら店を育ててきました。小さくても一歩を踏み出せば、その先で出会う人や商品が、自分では想像していなかったお店を作ってくれると思います。

──最後に、楽音を一言で表すと、どのようなお店ですか?

安江さん: 人と人、商品と人が、楽しい音のようにつながるお店です。

沖縄を思いきり楽しんで、国際通りや壺屋やちむん通りの近くにお越しの際には、ぜひ楽音にもお立ち寄りください。家族を迎えるような気持ちでお待ちしています。

楽音(Rakune)

沖縄県那覇市の「のうれんプラザ」1階にあるカフェ&雑貨店。沖縄県産の飲みものや食品、全国各地から集めた食品や雑貨、季節のギフトなどを販売しています。

「感謝しながら人生を楽しむ」という思いを大切にし、地域の方から観光客まで、幅広い人が集まる居場所を目指しています。

食品や雑貨が所狭しと並ぶ楽音の店内で、商品や店づくりについて話し合う安江さんと茉鈴さん。二人の日々の会話から、楽音らしい品ぞろえが育まれています。

住所:沖縄県那覇市樋川2-3-1 のうれんプラザ 1F
営業時間:09:00-17:00 日曜定休

Instagram:https://www.instagram.com/rakune999/

ショップの開業準備・仕入れならスーパーデリバリー

スーパーデリバリーは、食品、雑貨、アパレル、文具、店舗什器・備品など、ショップづくりに必要な商品を仕入れられる事業者向けの卸・仕入れサイトです。

小ロットから仕入れられる商品も多いため、新しい商品を少量で試し、お客様の反応を見ながら追加発注できます。これからショップを始めたい方や、自分の「好き」を生かした品ぞろえを作りたい方は、スーパーデリバリーでお店に合う商品を探してみてください。

(文:染谷昌利)