年々と市場拡大しているペット業界ですが、コロナ禍でペットの需要は一層高まっています。それに伴い、トリミングサロンやペットショップ、ペットグッズといったペット関連商品やサービスも増えています。今回は増えつつあるトリミングサロンやペットグッズ、そして新しく始まっているペットサービスについてご紹介します。
目次
ニーズが高まるトリミングサロンやペット関連サービスとは
いま、日本では犬や猫の飼育頭数が15歳未満の子どもの数を上回るほど増えています。加えて、新型コロナ禍で在宅時間が長くなったことから飼育者需要が高まり、その数は一層伸びています。また、それに伴いペットに関連するサービスの市場規模も年々増えています。矢野経済研究所によると、2019年度は前年度比101.7%の1兆5,705億円と推測されており、2020年度は前年度比103.4%の1兆6,242億円になると見込んでいます。この背景には、新型コロナウイルス感染拡大による外出自粛で在宅時間が長くなり、ペットに癒やしを求めようと犬や猫などを飼い始める人が増えていることが挙げられます。また、ペットを新規に飼う人が増えたことでペットのケア関連用品の需要も伸びています。
(出展:矢野経済研究所(2021)ペット関連総市場規模推移と予測)
トリミングサロンのサービスとは
ペットブームの影響でペットフードやペット用品などの物販需要も増えていますが、トリミングサロンやペットホテルといったペットケアのニーズも高まっています。
トリミングサロンとは、動物のケアを行う場所です。主に犬や猫を対象にしたサービスで、ブラッシングやシャンプーからヘアカットや爪切りといったお手入れをしてくれるペット専用の美容サービスです。特に犬は種類や季節によって毛量が異なり定期的なケアが必要です。例えば下半身まわりの毛が長い場合は、排泄時に便や尿がついてしまい不衛生になってしまいます。口元も同様に、長いままだと食べカスなどがついて臭いの元となります。
ほかにも、肉球の間の毛が伸びていると滑り止めの役割が半減し、ケガをしやすくなります。このように見た目を整えるだけではなく犬の衛生面を整えたり、ケガから守るという意味からトリミングはペットにとって必要なサービスとなっています。
トリミングサロンの市場規模や需要とは?
ペット産業は大きく4つの市場に分かれます。ペットフード末端市場、ペット用品末端市場、生体+サービス分野、ペット医療市場で成り立っています。トリミングサロンは生体+サービス分野に含まれ、ペット業界の市場規模のうち約50%を占めています。
ペットを飼育する人が増えている中で、高齢化社会や核家族化によりペットも家族の一員として扱う傾向が強くなっています。また、医療の発展によりペットの寿命も長くなっています。そのような影響からペットのケアにも手厚くサービスを求める飼い主が多く、トリミングの需要は拡大しています。
トリミングサロン自体もこれまではペットショップや動物病院に併設されているのが主流でしたが、最近ではペットホテルや移動式のペットサロンなども増えています。また、価格帯もリーズナブルなサロンから高級サロンまで選択肢が広がっています。
新しく増えているペット関連サービスとは?
ペットブームの影響から、ペットに関連する新しいサービスが出てきています。ペットフードやペット用品といった必需品の多様化のほか、ペットの長寿命化や飼い主の高齢化からペットシッターや老犬ホームといったサービスへのニーズも高まっています。また、ペット同伴で宿泊できるホテルやカフェも増えており、既存の事業者がペット飼育者に対して新たにサービスを提供する景色が広がっています。
細分化が進むペットフードやペット用品とは
ペットフード市場では年々、食の多様化が進んでいます。人間同様にペットも高齢化がすすむにつれて、飼い主のペットに対する健康管理意識が高まりつつあります。なかでも健康に配慮したプレミアムフードのニーズは高く、「無添加」「オーガニック」といった自然派食品やサプリメントの商品が増えています。ほかにもペット用のフルーツグラノーラや、特定の病気に対処するための「療法食」など健康志向を反映した商品も各種メーカーから出ています。
ペット用品も食事同様、ケアに時間をかける飼育者が増加しており、オーラルケアやブラシ、耳掃除やセルフトリミングなどのボディケアに関する商品が増えています。コロナ禍で衛生用品の需要も高く、自宅で過ごす時間が長くなった分ペットの生活環境を改善する動きも見られます。
レジャーや医療に関するペットサービスとは?
ドッグカフェやペット同伴のカフェ、ホテルなども年々増加しています。ペットを飼う人が増えていることから、気がねなく犬連れで食事ができ、気軽に時間を過ごせるとして人気を呼んでいます。犬用のメニューを充実させている店舗もあり、差別化に繋げる動きも見られます。
ペットの高齢化に伴い増えつつあるのがペット保険サービスです。ペットには人間のような健康保険制度はなく、医療費は全額自己負担となるため、ペット保険が注目されるようになりました。ペットの長寿・高齢化がすすむにつれて病気やケガのリスクも上昇しています。自費負担では高額なるケースも珍しくなく、ペット保険のニーズは年々高まってきています。
注目が集まるペット関連事業
最近のペットブームに関連して様々なペット事業のニーズが高まっています。コロナ禍で外出自粛による新しい生活様式の広がったことが要因のひとつですが、飼育者需要は今後もしばらく続くと言われています。企業の中にも新たにペット関連事業に参入する動きも出ており、トリミングサロンを含め今後も注目が集まる市場となっています。
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