4つのタイプでお客さまを理解する

お客さまのファッションやメークは、自分自身へも他者へも影響を与えています。メークやファッションには、[1]自分らしさの確認や強化、またはこう見られたいという気持ちを表す側面と、[2]それを他者に伝えたいという情報伝達の側面があります。

派手タイプ

●明るく元気でめげないキャラクター『キューティ・ブロンド』のエル・ウッズみたいな感じ!?類似性・共通性の心理法則を駆使して明るく接しましょう

●明るく華やかなこのタイプのお客さまは、外向的で話し好きが多いようです。お客さまの話の聞き役に回って、いろいろな情報を引き出しましょう

●新しいものにも挑戦する冒険心がいっぱいなタイプ。トレンドの服飾雑貨は新しもの好きにはたまらない。お手持ちのバッグを褒めてテンションをアップしてもらいましょう

ハイテンションで外向的なので明るく接しよう
「勝負服」というものは大体派手です。赤やオレンジ、黄色など、暖色系で彩度の高い色が選ばれる傾向にあります。なぜなら気持ちが盛り上がる色だからです。ファッションは自分への影響とともに、他者にも影響を与えるものなので、自分自身の気持ちもハイテンション、同時に周りも明るく華やかな雰囲気にする心理的効果を生むことになります。赤や黄色、プリント物などの明るく華やかなファッションを好む人は外向的で新しもの好きで、冒険心があり、目立ちたがり屋の傾向があります。

ブランドタイプ

●ブランド品は仕立てが良かったり、デザインが凝っていたり……、素材感が良いウエアは一目瞭然です。「素材が良いお召し物ですね」と褒めましょう

●「すてきですね、どちらのものですか?」という声掛けから、そのすてきなものを選べるお客さまがすてき、さすが!という流れにつなげていけば、まんざらでもないはずです

●このタイプのお客さまには、アイテムとしては服飾雑貨が断トツ人気です。新作バッグの情報はキャッチしておき、「それすてきですね、今年の新作ですね」というお声掛けを

自分の価値を高めたい気持ちあり丁寧に対応しよう
人は高級ブランドを身に着けたり、持ったりすることで、無意識のうちに自分自身の価値を高めようという傾向があります。心理学ではこれを「ハロー効果(後光効果)」と呼びます。あるものや条件で後光が差しているように立派に見えたり、すてきに見えたり、偉く見えたりする効果があるからです。ブランドショップの接客応対は丁寧です。ブランド品を持つお客さまの心理には、大切に扱われたいという気持ちがあるからです。「特別なお客さま」「大切なお客さま」として丁寧に接しましょう。

エレガンスタイプ

●人は社会で認められる服装を選ぶので、フリルやリボンの付いた服を好むお客さまは女性らしいタイプ。お召しになっているもので性格を推測しましょう

●心理学では「外見の良い人」は得をすることが分かっています。安心感のあるファッションを好む人には、安心感のある接客で対応するとよいでしょう

●白や青を好む人は、礼儀正しくて知的であるという傾向が強いそうです。こうしたお客さまに対して、類似性・共通性を発揮するためにも礼儀正しく、知的に接しましょう

安心感を求めているのでニーズの把握を
ファッションは自分が単純に着たいと思うものだけを着るのではなく、他人からの目や社会的な役割、また「こう見られたい」「こんな人になりたい」という願望も表れていたりします。きれいめエレガンス系ファッションを好む人はかわいらしいもの、女性らしいもの、優しいものが好き。しっかり者の中にもどこかに甘えたい、頼りたいという部分を持っています。通勤対応のファッションのアドバイスはよくお客さまの話を聞きましょう。ニーズをしっかりつかんだ、安心感のある対応を望みます。

カジュアルタイプ

●仲間と同じファッションが安心、でもその中でどうすれば個性を出せるかを工夫しています。こうしたお客さまには、着こなしのバリエーションを提案しましょう

●カジュアルタイプは、レイヤードルックだけれど、あるカテゴリーの中での着こなしルールを守っています。雑誌を活用して接客をすると納得してもらいやすいでしょう

●雑誌で見たもの、ディスプレーで見てすてきだったもの、お薦め商品が気になるタイプです。「○○が人気です」といったお薦めトークを駆使して購買意欲を高めましょう

同調行動に弱い人気のあるものをお薦めしよう
人格、社会的アイデンティティ、価値……、ファッションはさまざまな情報を伝達します。カジュアルタイプはギャル系からガーリー系、ナチュラル系など幅広いですが、学生、社会人、ヤングミセスなど社会的アイデンティティをまずはキャッチ。同じタイプのファッションはお互いに好印象を持つことが分かっています。お客さまの仲間も大体同じようなタイプの方が多いはず。仲間と行動することが多いので同調行動を取る傾向にあります。雑誌に掲載、店で人気という情報発信をしましょう。

 

[記事提供元]ファッション専門店の20~30歳代ショップスタッフに支持されている月刊総合専門誌「ファッション販売」

 

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