来店後、後日フォローとしてお手紙を書くことがあります。が…「お客様と何を話しただろうか?」そうならないために今回はフォローアップレターや、後日顧客リストを振り返った時に困らないように、接客中にやるべきことをまとめてみました。
目次
接客中に聞いておくべき5つのこと
まずは、ここに挙げた項目を中心にお客様との会話を広げてみましょう。そして、接客中に「記憶」しましょう。お客様が帰られたらすぐに記憶したことを顧客カルテに記入して保管することをおすすめします。聞き出し項目はたくさんあるので、自店のお客様像を想定して必要な項目を決めておくとよいでしょう。最低でも3つは選んで実行することで、お客様に対して親近感のあるDM・レターが送れます。
1 洋服の好みの聞き出し
好みを聞き出すことで、お客様のワードローブが見えてきます。また「私は△△色が似合わなくて悩んでいます」などの声も聞くことができます。
どんな色が好きなのか?
どんなテイストが好きなのか?
(1) その日のお客様のスタイリングを見て褒める
(2) お客様の好みのテイストを質問する
「今日は今年流行のマリンスタイルで決めていらっしゃいますね。すてきです。普段どんなテイストが多いのですか?」
どんなブランドやデザイナーが好きなのか?
どんなアイテムが多いのか?
(1) その日のお客様が着ているアイテムを言葉にする
(2) お客様が持っているアイテムを聞き出す
「今日はかわいらしい花柄のチュニックブラウスを着ていらっしゃいますが、普段からチュニックブラウスが多いのですか?」
今後、チャレンジしてみたいスタイリングは?
(1) その日のスタイリングを言葉にする
(2) 今後の流行のスタイリングをいくつか提案する
(3) お客様の反応を聞く
「今日はTシャツとデニムを合わせてカジュアルな感じですよね。小花柄のかわいらしいワンピース、ジレとのコーディネート、エスニック、マリンスタイルなどいろいろありますが、今後チャレンジしてみたいスタイルはありますか?
2 パーソナルな内容の聞き出し
どんな仕事をされているのか?
(1) 服装やイメージ、買物時間や曜日からそれとなく仕事を聞いてみる
(2) 仕事の大変さや面白さを聞き出す
「「すごくおしゃれですよね。それに平日にショッピングができるのは、もしかして美容師さんですか?」
「美容師さんって、食事もいつ取れるか分からないし、労働時間が長くて忙しいと聞きますが、本当なのですか?」
家族構成はどうなっているのか?
(1) 左の薬指の結婚指輪をチェックする
「すごくお若く見えますが、もしかしてご結婚されているのですか?」
「お子様がいらっしゃるとおっしゃっていましたが、お子様はおいくつですか?」
どんな趣味を持たれているのか?
(1) 流行りの習い事や趣味の話題を投げ掛けてみる
「今は料理教室がはやっているのですよね。すごい人気で順番待ちだそうですよ。何か習い事などをされていますか?」
「私はサーフィンが大好きで休みにはいつも海に行きます。だからこんなに真っ黒に日焼けしてしまっています。お客様も何かされていますか?」
どんな雑誌を読んでいるのか?愛読誌によりお客様の好みが理解できます。
「毎月読んでいる雑誌はありますか?」
3 近々の予定の聞き出し
近々遊びに行く予定の場所や日程
(1) 行く場所を聞く
(2) 日程を聞く
※(1)だけで終わらせないようにしましょう。日程を聞いておけば、旅行に行く前や帰ってきたときなどにタイミング良くDMを届けられます。その方がお客様の喜びも増すでしょう。
「カジュアルな感じでコーディネートされましたね。夏休みも始まりますが、どこかへ旅行されるのですか?」
「うわー、うらやましいですね。いつから行かれるのですか?」
結婚式や入学式などの具体的な場所や日程
※遊びに行く予定と同様です。結婚式などの当日にDMが届くようにします。
4 用途の聞き出し
近々遊びに行く予定の場所や日程
(1) 何とコーディネートされるのかを聞く
(2) 家にあるものを聞く
※これにより、プラス1点購入してくれるケースもよくあります。
「このブラウスはショートパンツなどとも合いますが、何と合わせますか?」
「ほかには、どんな感じのボトムスを持っていらっしゃいますか?」
5 その他情報の聞き出し
お客様が好きそうな話題を広げる
お客様が「そうそう」などと前のめりになり、会話が弾んだら、お客様の好きな話題だと思ってください。顧客カルテに記入してもらう際に住所や職業について詳しく聞いてみる。
住所を見てコメントを入れます。
家が近いとか友達が住んでいるなどという共通点があれば、何となく親近感を持っていただくことができます。
お客様の悩みを聞き出し共有する
ファッションを楽しむ上での悩みを話してくれるお客様ばかりではありません。言わない方にも実は悩みはあるのです。さりげなく聞き出しましょう。
「最近、気になっていることや悩まれていることなどはありますか?」
「今まで挑戦してみたかったのだけれど、何となく着られなかった色やデザインはありますか?」
情報収集後は「記憶」と「記録」
接客中にお客様から言われた言葉を記憶しておき、その会話をDMの中に盛り込みましょう。当然「私のためのDM」「こんなことまで覚えていてくれたのだ」と感動してくれます。
「何かいいかも」と喜んでくれたときの会話
「想像していなかったけれど、このコーディネートも何かちょっとすてきかも!いいよね」などと言われた内容をすべて記憶しておきます。その会話をすべてDMに盛り込みます。
「一度チャレンジしてみる」と言われたときの会話
これは、チャレンジしてみたけれど失敗だった、よかったのどちらかに分かれます。そのためアフターケアの言葉を入れておくことが大切です。
「○○が悩みです」とコンプレックスを話されたときの会話
コンプレックスは必ず覚えておいてください。これを解消してあげるとお客様はすごく喜びます。そして満足度も高くなります。DMの中にアドバイスを入れておくと、大変喜んでいただけるし、再来店の確率が高まります。
満面の笑顔になられたときの会話
笑顔が増す場面とはテンションが上がっている状況です。限られたDMの文面に何を書くのかは大切です。せっかくなら喜んでいただいたシーンを盛り込んだ方が効果的ですよね。
「すごい!」と驚嘆してくれたときの会話
まとめ…何か一つでも会話の中に取り入れて行動を!
ここに挙げた項目を中心にお客様との会話を広げてみましょう。そして、接客中に「記憶」しましょう。お客様が帰られたらすぐに記憶したことを顧客カルテに記入して保管することをおすすめします。聞き出し項目はたくさんあるので、自店のお客様像を想定して必要な項目を決めておくとよいでしょう。最低でも3つは選んで実行することで、お客様に対して親近感のあるDM・レターが送れます。
[記事提供元]ファッション専門店の20~30歳代ショップスタッフに支持されている月刊総合専門誌「ファッション販売」
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