お店における集客や販売促進の活性化に役立つと言われるPOP。お店のテイストや印象、販促シーンにあわせて手作りで手軽にできるPOPの活用方法についてお伝えしていきます。POPがお店の印象や商品に適切にマッチする時、POPは貴店の優れた販売員としての役割を担います。
POPとは?
「Point of purchanse advertising」の略語。お客様が買い物をされる場所で、お店や商品の特色を訴える広告のこと。
目次
売り場のポイント別に押さえたいPOPの種類
1.ガイド・サイン
設置ポイント: お店のエントランスや軒先
活用方法: 黒板やパネルを利用して設置する。店頭のアイキャッチとしての役割を果たし、店頭集客として使えます。
2.フェア・イベント(催事)・季節案内
設置ポイント: 店内外の目立つ場所
活用方法: ポスターやブック、冊子など形式は様々。季節や催事におけるフェアにおいて空間演出を含めて作成します。売り場全体での取り組みを行うことで、活気のある売り場づくりにつながります。
3.商品のご案内
設置ポイント: 該当商品あるいは商品群の近く
活用方法: 商品カード(ショーカード)、プライスカード、A4冊子などを活用し商品の訴求を行います。一目見ただけでは伝わらない商品背景などをお伝えし、ショップスタッフの代わりに無言のセールスマンとして商品説明を行います。
4.メッセージ・サービスサイン
設置ポイント: レジ周りやご案内用途に応じて検討
活用方法: 既存の商品販売だけではない、付加価値サービスをご案内する際に活用します(例: ラッピングサービス承ります/トップスもご試着いただけます/お似合いのストールカラーお選びいたします…等)。
Let’s TRY!POPづくりの基本
誰でも手軽に作れ、非常に高い効果を発揮するPOP。積極的にお店に取り入れていくことで、売り上げや集客の向上につながります。視覚的に訴求しやすいツールだからこそ、基本を大切に考え、販売タイミングにあわせて作成してみましょう!
POPが果たす役割
1.無言のセールスマン
POPを活用することで商品やお店の持つ特性情報を提供することができるため、お客様のお買い物の意欲を促進させます。
2.売り場を活気づける
季節感のある売り場の雰囲気向上や、売り場のこと起こしや催事における活性化につながります。
POPづくりの流れ
1.訴求ポイントをまとめよう
商品や催事フェアなどPOPとして宣伝したいものの訴求ポイントをまとめましょう。
(例)タイトル&キャッチコピー、項目情報(商品名、価格、商品スペック、商品写真など)、背景情報など
2.優先順位を決めよう
POPで訴求したいポイントの優先順位を決めましょう。この際、全体のイメージもなんとなくふくらませてまとめてみましょう。
(例)1:季節感/フェア感、2:商品背景、3:商品群
3.レイアウトを考えよう
[1.]でまとめた優先順位を基に、白い紙に鉛筆でスケッチしてみましょう。一番伝えたいことを大きく書いたり、空間余白を設けることによりお客様に伝わりやすいPOPにすることができます。※イラストや写真などを入れたい場合はレイアウト決定の際に用意しておくと、写真と全体像とのバランスが取れ、作成するタイミングにおけるイメージのずれなくスムーズにいきます。
4.材料を用意し、仮のレイアウトを決定しよう
作成に入る前にPOPを作成する際の台紙やパネルなどにレイアウトで決めた内容を乗せ、調整を行いましょう。実際の文字の大きさや全体の空間余白のバランスを見ていくことで、イメージどおりのできあがりに近づきます。
5.POPを作ろう
必要な材料を使いPOPを作りましょう。
<<制作事例>>
商品:カードスタンド
店舗:ナチュラル雑貨店
コメント:落ち着いた色調で柔らかな彩りの店舗。ショーカードもアンティークで落ち着いた印象にしてそろえてみました。
材料:バジルカードストック(ペーパーインテリジェンス)/スタンプ(こどものかお)/インク(ツキネコ)
案内:春のブランド案内
店舗:エレガンスアパレル店
コメント:春の訪れとともに様々な装いが増えてきたので店内にご案内の見開きPOPを作成。企業さんに商品のデータをいただき、写真にしてみました。
材料:バジルカードストック(ペーパーインテリジェンス)/写真(Boujeloud)/インク(ツキネコ)
お悩み解決!キャッチコピーの作り方
POPづくりにおいて重要なのがキャッチコピー。 誰しもキャッチコピーの作り方には悩んでしまうものです。お客様の心を動かすキャッチコピーの考え方、作り方のポイントを学びましょう。
キャッチコピーづくりのポイント
1.ターゲットを明確に
お客様の年齢層、お客様との距離感を考えることがまずは大事です。ターゲットにされる方に合わせた言葉のニュアンスに気を配りましょう。(例)10代~20代の女性、ファミリー客、ワーキングママなど
2.お客様の意向に添って考えましょう
健康志向、コミュニケーション志向、利便性の追求、トレンド感など来店されるお客様の視点に立ち、お客様の意向に添った内容を考えましょう。
3.リズム感と遊び心を大切にしましょう
言葉遊びをすることで、軽やかで心に響くキャッチコピーづくりを心がけましょう。 頭韻、脚韻も手法として活用できます。
(例)気取らぬTシャツ、気取り屋の彼へ
4.親しみやすく印象的な言葉で遊んでみましょう
擬声語、擬態語、数字を使用し親しみやすく印象的に言葉で遊んでみるのもキャッチコピーの手法として活用できます。
(例)太陽サンサン お出かけ休日、ほんの3分リラクシングタイム
5.ネガティブな表現は禁物!
「不便さが感じられない」よりは「大助かり」といったように、ネガティブ表現ではなくポジティブ表現に努めましょう。また、広告文案には法的規制があります。薬事法やその他の規制には留意して努めましょう。
6.文章は簡潔にまとめましょう
販売される商品やご案内の特性によって文章量を調整しましょう。日用品生活雑貨など消費期間が短いものは、簡潔で短い文章が効果的ですが、じっくり検討して購入していただきたいものには説明をしっかり添えることをおすすめします。
7.セリングポイント(商品の売りとなるポイント)を明確にしましょう
商品の機能、品質、嗜好デザイン、仕入背景など販売の際の売りとなるポイントをしっかりとまとめましょう。
キャッチコピーに使える言葉集をまとめてみよう!
キャッチコピーで使えそうな語録をまとめてみました。キャッチコピーづくりとは自分の中にある言葉をメッセージに合わせて効果、情感、配列などをもとに構成するものです。 個人でネタ帳のようにまとめることで、日頃のPOP作成の際の時短につながります。
衣料品・宝飾品に使えるキャッチフレーズ事例
自然な光沢素材 ・個性あふれるコーディネート ・今季トレンドカラー ・都会的で明るい色調 ・入念な仕立て ・シャリッとした質感 ・軽ろやかで機能的な ・TPOに合わせて使える ・フォーマルな装いにも ・落ちついた色合い ・さらりとした手触り ・ボディラインをすっきり見せる ・ドレスアップに ・シンプルでスポーティー ・細身のシルエット ・伸縮性、吸湿性に富んだ ・この秋のワードロープに欠かせない ・ざっくりと編みこまれた ・洗練されたデザイン感覚 ・気軽なお出かけに ・1枚はほしい ・若々しい魅力 ・ソフトな風合い ・軽快な装いに ・機能重視の ・小粋なカジュアル ・お家でジャブジャブ洗える
耐久消費財・文化用品に使えるキャッチフレーズ事例
信頼性あふれる ・最新のスタイル ・技術革新の ・省エネ設計 ・確かな性能を誇る ・トップメカニズム ・新時代のエース ・使い勝手の良さで好評 ・操作は簡単 ・スリムなボディ ・斬新な設計 ・革新の技術 ・先進のハイクオリティ ・新しい暮らしの提案 ・場所を取らないコンパクト設計 ・収納力抜群 ・組み合わせ自由 ・独特の風格 ・最高の仕上げ ・伝統が育んだ優雅な ・マッチしやすい自然色 ・重厚な格調美 ・多目的に使える
化粧品・日用品に使えるキャッチフレーズ事例
はりのある若々しい輝き ・スキンケアのエッセンス ・個性豊かに ・自然な仕上がり ・きめこまやかに ・適度なうるおい ・滑らかな素肌 ・みずみずしさを育む ・おだやかな作用 ・快い感触の ・使って便利な ・毎日の台所仕事に
お客様の目を惹く!POPレイアウト・デザイン
POPを作る上で重要視されるポイントの一つはデザイン。お店の印象とPOPのデザインが統一されていることはとても大切です。お店の雰囲気とマッチするようにデザインテイストを統一することで、自然とお客さまにも訴求しやすいPOPになるでしょう。
POPレイアウト・デザインのポイント
1.レタリング・フォント
イメージにあった字体を選定して見やすく訴求していきましょう。
2.レイアウト
全体の余白を計算してすっきりと可視性高く配列していきましょう。
3.カラーコンディション(色の選定)
POPのテーマやご紹介する商品、季節に応じて適切な色を選びましょう。
4.イラスト・写真など
商品や季節感を活かしてシンプルに配置しましょう。
字はお店の心を表す…フォント選び
字は人の心を表すというように、お店の心も表します。フォント(字体)選び一つでお店の雰囲気とマッチするかどうかは歴然。手書きによる表現も最近は見直されていますが、お店の印象にあったフォント選びを心がけましょう。
1.ゴシック体
定番のフォント。スタンダードにどんなお店でも活用できます。
2.POP体
元気でリズミカルな印象のフォント。カジュアルで親しみのあるアイテムを取り扱うお店によく合います。
3.行書体・明朝体
落ち着きのあるエレガントな印象のフォント。和風のお店やアンティークなスタイルのお店など落ち着いた印象のお店によく合います。
4.手書きフォント
自然な手書きを表現したフォント。ナチュラル雑貨やてづくり雑貨などぬくもりを感じるお店によく合います。
手書きPOPづくりに最適!マーカー使いのコツ
あたたかみのある雰囲気で最近見直されている手書きPOP。 手書きで使えるマーカー使いのコツを学びましょう。
1.丸芯ペン
普通のペンで書くのと同じ要領で書いていきます。ペン先が丸いので丸い印象の字体などでアレンジして書くと、かわいらしく丸みのある字になります。
2.角芯ペン
芯の平らな部分が紙に平均的に接するように手首を動かしながら書いていきます。しっかりとした安定感のある字体で力強い訴求の字になります。太い芯のものもあり、字の強弱がとてもつけやすいです。
3.筆ペン
筆先をうまく利用して強弱をつけることで線を自由に表現することができます。筆ならではの面白い動きがある文字を表現できます。
レイアウトの基本とポイント
POPのレイアウトは、ベースとなる台紙にいかに見やすく、読みやすく配置するかです。レイアウトにおける基本ポイントを学びましょう。
1.伝達情報を整理しましょう
訴求内容の詰め込みすぎは禁物。レイアウトを決める前に必要事項を整理し、優先順位を決めましょう。
2.すぐに目につく計算をしましょう
文字の大きさ、色合いの強弱(コントラスト)を付け、紙面にメリハリを作りましょう。
3.全体のバランスを考慮しましょう
余白のバランスや安定感のある配置を心がけましょう。
4.視線の流れを計算しましょう
人が自然に目を追うような流れを意識して配置しましょう。横位置の場合、左上から右下へと視線がZ型に自然に流れるように考慮します。
5.紙面に躍動感をもたせましょう
左:単調に文章を書いたパターン。全体的に文字を並べているので読みづらく、商品の良さが伝わりにくい印象を受けます。
右:POP例1を改善したもの。すっきりと余白が取れ、文言の強弱が取れているので商品の良さが伝わってきませんか?
POPテーマにあったカラーの選び方
お店にもテイストやテーマにあった色があるように、POPもテーマにあった色を選択することが大切です。
1.お店のテイストや季節テーマにあった配色グループを選ぼう
四季折々に感じる色、お店にあった色など色の配色グループには様々なテイストがあります。
まずは4つの配色グループの特徴を学び、お店の持つテイストや季節に応じた相性の良い配色グループを選びましょう。
[カラーテーマ]
春の新緑やお花畑のような黄みかかった温かみを感じる配色例
[季節に合った活用シーン]
春の店頭に使える華やかなカラー群
[カラーテーマに合った店舗像]
カジュアルで可愛いスタイルのお店に相性が良いです。
[カラーテーマ]
霧雨のミストかかったアジサイのスモーキーでグレイッシュな配色例
[季節に合った活用シーン]
夏の店頭で清涼感を表す爽やかなカラー群
[カラーテーマに合った店舗像]
ビジネス用品などシンプルで上品なスタイルのお店に相性が良いです。
[カラーテーマ]
秋の山々を彩る深みのある紅葉やアースカラーの落ち着きのある配色例
[季節に合った活用シーン]
秋冬の店頭で温かみのある表現に使える落ち着いた印象のカラー群
[カラーテーマに合った店舗像]
ナチュラル、エスニック、アンティークテイストのお店など個性的なお店に相性が良いです。
[カラーテーマ]
冬の夜空に輝く星のようなキリッとしたクリアな配色例
[季節に合った活用シーン]
セールなどインパクトのある催事表現に使えるメリハリのある印象のカラー群
[カラーテーマに合った店舗像]
モダンでスタイリッシュな印象のお店や、シャープでエッジのきいた印象のお店に相性が良いです。
2.1つのPOPに使う色数は絞り込みましょう。
1.で絞り込んだカラーグループが決まったら、同一カラーグループ内から1つのPOPで使う色は3色~4色程度に絞り込みましょう。POPで活用する色数を絞り込むことで、伝えたいことをシンプルに伝わります。
<多色使いの例>
たくさんの色を使っているのでPOPそのものは目立ちますが、訴求ポイントがぼやけた印象に見えます。
<色数を絞り込んだ例>
すっきりとシンプルに訴求ポイントが伝わってきます。
写真・イラスト・モチーフ活用術
以前は文字だけの演出が主流でしたが、最近は写真やイラスト、モチーフなどを使ったPOPも増えています。アイキャッチとしての活用はもちろん、商品の活用事例の提示など訴求内容に応じて効果的に取り入れていきましょう。
母の日フェアのPOP。
立体的なお花や、心をこめたハートをモチーフとして追加しています。
材料:バジルカードストック(ペーパーインテリジェンス)/カーネーションフラワーパンチ(呉竹)/フラワー飾り下段3つ(ペーパーインテリジェンス)/リボン(ペーパーインテリジェンス)
お店と販促テーマに合わせた、フォント、レイアウト、カラー、イラスト・写真を活用することで自然とお客さまにも訴求しやすいPOPになるでしょう。
※掲載している記事、画像につきまして、使用上問題のある場合はご連絡いただければ削除など対応いたします。
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