こんにちは、リオです。

不動産の売買において年々取り入れられることが多くなっているホームステージング。ホームステージングとは、片付けや掃除、インテリアを含めたトータルコーディネートで空き家や中古住宅を魅力的に演出して、物件の売買を効率化させる手法です。一言で言えば「早く・高く物件を売る」ことができる仕掛けです。

ホームステージングを施された物件は、多くの場合不動産サイトにて掲載されます。SUUMO・O-uccinoなどが代表的なサイトですね。また、サイトに掲載されなくても、チラシなどの紙媒体でお客様に案内されるケースもあります。
そこで一番重要なのが「画像」です。

弊社は物件撮影を行っているため、よく不動産サイトを見ているのですが、「この画像だと内見を希望してもらいづらいなぁ」「せっかくステージングしたのに魅力が伝わりづらいなぁ」と感じるケースがあります。

そこで!
少しでも家の魅力が伝わるような撮影をするために、弊社の物件撮影サービスでも心がけている撮影ノウハウ(基本編)を今回はご紹介します。今回は基本のキなので、カメラ初心者の方を対象に、ここだけは押さえて欲しいポイントをお伝えします。


記事の監修は、弊社の物件撮影を担当しているカメラマンの信田です。趣味はエレキギター。

 

物件撮影をする際に押さえておきたい4つのポイント

1.撮影する高さ・位置
2.カメラの縦位置と横位置
3.被写体の違和感
4.生活動線を意識する

 

1.撮影する高さ・位置

撮影する時は、ついつい自分の目の高さから撮影してしまいがちです。その結果、「上から見下ろした」写真になってしまい、ゆがんだ画像になってしまいます。
物件撮影の基本は「水平・垂直」を保つこと。これを意識してやってみましょう。

【Before】高さ・位置を気にしない場合(目線から撮影したパターン)

少しわかりづらいので、線を引いて解説します。部屋の縦のライン(ドア、壁など)と比べると、実際の画像は下すぼみになっていて、ゆがみのある画像になっています。その場合は部屋の縦のラインを垂直に合わせることにより改善できます。

改善後はこちら↓↓↓

【After】高さ・位置に気をつけたパターン(水平・垂直を意識した画像)

遠近感が緩和され、ゆがみのない画像になりました。

一般的に水平・垂直が保たれていないゆがんだ画像は、安定感がない、気持ちが悪いなど、違和感を与えてしまいます。
必ず水平・垂直を意識するように撮影をしましょう。

 

2.カメラの縦位置と横位置

今度はカメラの構えです。普通にカメラを構えた状態で撮影すると、横長の写真になります。これが「横位置」です。
一方、カメラを90度回転して撮影すると、縦長の写真になります。これが「縦位置」です。
広い場所は横位置で撮影し、狭い場所や高さを強調したい場所は縦位置で撮影しましょう。

【Before】バスルームを横位置で撮影

カメラの構えは”横向き”が一般的ですが、狭い場所だと写したいところがクローズアップできなくなります。その場合は、”横向き”を”縦向き”に変えて撮影してみましょう。

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【After】バスルームを縦位置で撮影

入り口の壁が入り込まず、写したい場所を目一杯アピールできるようになりました。

バスルームのような横幅のない場所に関しては、横位置よりも縦位置で撮影したほうが、物件そのものを正確に写し出すことができます。
このようにトイレ、廊下、玄関などのような横幅のない場所高さのある場所に関しては、縦位置で撮ることにトライしてみましょう。

 

3.被写体の違和感

次はカメラの先にある「被写体」です。

 (1)余計なものの写り込み(ラベル、私物、撮影者など)
 (2)被写体が整えられていない(カーテンの開閉、クッション・イスの位置など)
 (3)ステージングをみせる

など、「被写体の違和感」をなくしましょう。「そんなの当たり前!」と言われてしまうかもしれませんが、結構ミスをしてしまうポイントです。
カメラを構える前に、被写体が正しい位置にセットされているかをチェックしてから撮影しましょう。

(1)余計なものの写り込み

私物(カバン)やPOPが写り込んでいる。

 


撮影者やラベルが写り込んでいる。

余計なものが写っていると人は気になってしまうもの。
特にやりがちなのが私物です。レンズカバーやカメラケース、カバンなどが多いです。
また、鏡のある場所や狭い場所を撮影する場合、撮影者(特に影!)も写ってしまうケースがあります。
仕方のない場合もありますが、なるべく写らないように心がけましょう。

 

(2)被写体が整えられていない

レースカーテンの閉め忘れに気をつけましょう。

あえてレースカーテンを開けて撮影する場合は良いのですが、多くの場合はレースカーテンを閉めて撮影する場合が多いです。
レースカーテンを閉め忘れると、窓の向こうの景色(車・通行人・電柱など)が見えてしまったりすることがあります。
きちんと閉めることはもちろん、ヨレなどのないよう整えておきましょう。
また、カーテンのほかにはソファーやベッド上のクッション、またダイニングのイスの整え忘れもありがちですので気をつけましょう。

 

(3)ステージングをみせる

1の「撮影する高さ・位置」でお伝えした水平・垂直を意識しすぎると、生活に必要な設備やシーンを見せることができなくなってしまいます。せっかくステージングをしているので、撮影にも反映させましょう。
その場合は水平・垂直にとらわれずに、少し上から撮影してみましょう。

改善後はこちら↓↓↓


少し上から撮影をしてみました。ステージングの訴求力が上がりましたね。


1で「水平・垂直が大事」とお伝えしましたが、生活設備があったりホームステージングを施している場所は、水平・垂直のルールを破って撮影することも大事です。
「部分を見せる」画像の場合には、水平・垂直のルールに捉われずに撮影しましょう。

 

4.生活動線を意識する

物件撮影は部屋を撮影することに気をとられがちです。
一方、物件を購入する側としては、お部屋の中だけではなく生活の流れ(生活動線)がどうなっているかも部屋の把握と同時に必要としています。
お部屋の中+生活動線が伝えられれば内見アップに繋がりますので、写真撮影の構成にも気をつけてみましょう。

【Before】部屋のみを撮影した場合

それぞれのお部屋を撮影した例です。ひとつひとつのお部屋はよく撮れていて、お部屋の画像としてはこれでOK。しかし、生活の流れ(生活動線)がわかりづらい...そんなときは、部屋と部屋の「つなぎ」があれば解決できます。 

改善後はこちら↓↓↓

【After】部屋とその周辺も撮影した場合

キッチン・リビング(②)に行くまでの廊下の画像(①)を入れたり、
リビング(③)の横にあるお部屋(⑤)の導線を意識した引きの画像(④)を入れてみました。このように、お部屋とお部屋の「つなぎ」の画像を入れることによって、生活動線を感じやすい画像になりました。Beforeに比べて、住むイメージがぐっと湧いてきますね。


ポイントとしては、お部屋の画像に加え「お部屋+その周辺」を撮影しておくのがポイントです。
これならお部屋からお部屋への流れも分かり、部屋の中を行き来するイメージもグッと湧いてきますね。

生活動線は非常に重要な要素です。
ほとんどの物件案内には間取り図がありますが、画像でもきちんと表現し、画像から住むイメージを膨らませられるようにしましょう。

 

さいごに

お読みいただきありがとうございます!
今回は、物件を撮影するための基本的なポイントを4つ紹介しました。

普段カメラに触れる機会の少ない方にとって、物件の撮影はハードルが高いですよね。さらに「伝わる撮影」となるともっとハードルが高いです(泣)。
そんな方は、まずは今回紹介した4つのポイントを意識して撮影してみてください。思った以上に良い写真が撮れると思います。

今回は広角レンズ(広い範囲を撮影できるレンズ)を使いましたが、物件撮影をする場合は広角レンズを使用することをオススメします。
理由としては、空間を撮影できる範囲が断然に上がるからです。
確実に表現の幅が広がります!

 

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