先日、ライブ配信をしたsisam（シサム工房）／FAIR TRADE + designは、フェアトレード製品を取り扱う企業です。今回はライブ配信を通じて、「フェアトレード製品がどうして世の中に流通することになったのか？」「フェアトレードを取り扱う意義」「シサム工房の取り扱うフェアトレード製品の特色」そして「おすすめのフェアトレードのアイテム」を教えていただきました！

商品を仕入れる際の参考になる情報が満載。ぜひご覧ください。

［紹介企業］sisam（シサム工房）／FAIR TRADE + design

シサム工房のライブ配信を見逃された方へ

「商品を買う時の視点」を持つことでフェアトレードへの理解は深まる

「フェアトレード」という言葉を聞いてみなさんはどのような印象をお持ちでしょうか？「コーヒー豆」や「カカオ」など特定の農作物のイメージや「公平な取引」というキーワードなど断片的なイメージがある方も多いことでしょう。そこで、今回はライブ配信の冒頭で「sisam（シサム工房）／FAIR TRADE + design」ならではの視点で「フェアトレードについての解説」と「シサム工房の取り組み」「フェアトレードの意義」についてお話を伺いました。

シサム工房とは？

[参考情報]シサム工房（公式ホームページ）

シサム工房は、1999年に京都の郊外で小さなフェアトレードショップとして生まれました。創業時から一貫してチャリティではなく『事業』としてフェアトレードに取り組み、商品の質やデザイン、空間にこだわったオリジナル商品の開発を行っている会社です。

社名の「シサム」は、アイヌ語で『良き隣人』と言う意味です。人種や性別、文化、宗教などの違いを超えて、多様な人々が共存する「思いやりに満ちた社会」を目指すべく、世界中の人と『良き隣人』でありたいと願って名付けました。

また、同社のビジョンとして「お買いものの力で、思いやりに満ちた社会を作る」というポリシーを掲げています。お買いものは「どういう社会に一票を投じるか」を自らと社会に問いかける行為でもあり、社会を変えるきっかけになると信じています。

現在は関西を中心に8店舗を展開しており、アパレルやコーヒー、キッチンツールやインテリアなど生活雑貨の販売とともに、フェアトレードの概念や商品の背景などを、お客さまにお伝えしております。

シサム工房が取り組むフェアトレードのカタチ

フェアトレードとは「途上国に暮らす方々の自立を、公正価格での商品購入によって支援する」ことですが、支援の仕組みが継続的に機能することが何よりも重要です。賃金など金銭面だけではなく、現地で働く人々のニーズ…例えば、学校・病院・労働環境・綺麗で安全な水などの提供にも応える仕組みが揃って、初めて『フェアトレード』と呼ぶことができます。

シサム工房は、より現地の困りごとを知るため、アジアを中心に6カ国13のN G O団体を通じ、情報や注文をやりとりしながら生産者を支えるシステムを取っております。

[参考情報]シサム工房（公式ホームページ内：フェアトレードのこと）

上図のように、生産者・現地NGO・シサム工房・あなた（卸先さまや消費者さま）と、４つの要素でフェアトレードは成り立っており、１つでも欠けると仕組みは成立しません。このようなリレーションシップのもとに行われるフェアトレードは「どこの誰が、どのように物を作り、どうなっていくか」が良く分かる流通の仕組みとなっています。

フェアトレードには、２つの商品認証があります。１つは「国際フェアトレード」にて認証されたものです。製品を1つ1つ審査して、フェアトレード認証を行います。もう１つは「WFTO」という認証マークです。世界フェアトレード機関（WFTO）に加盟しているNGO団体や、団体に加盟していなくても認証に値するような団体に与えられるマークです。このように認証された商品を、シサム工房では扱っています。

ドの商品を仕入れる3つの方法/フェアトレード商品で社会課題の解決と思いやりのある社会を目指すシサム工房さんを取材しました

あなたのお買い物の視点が変わると世界もちょっとずつ変わる

フェアトレードが必要な背景として、2013年に起こった「ラナ・プラザビル倒壊事件」を事例として挙げていただきました。アジア諸国などでは、安い賃金で長時間・無保険で、安全管理も怠った過酷な環境でのものづくりが行われています。また、ファッション業界が抱える「ごみ問題」なども、背景の１つとなっています。

また、世界中で横行している「児童労働」も大きな問題の１つです。児童労働とは、15歳未満の義務教育を妨げる労働や、18歳未満の法律で禁止されている危険かつ有害な労働を指します。コットン農場を例に説明すると、労働力の60%が子供で、そのうち70%は女の子となっています。そして、コットン畑で働く子どもの85%以上が学校に通っていないと言われています。

このように『フェアじゃない労働』が起こる原因は、根本的な貧しさや子供・女性への差別など現地の問題に加えて、 “安さを追求しすぎる先進国の姿勢”にあると言われています。労働賃金でコストカットを行うため、弱い人たちがどんどん追い詰められていくとのことです。

また、昨今広がりを見せているSDGs（国連が目標として掲げた「持続可能な開発目標」）の17項目のうち、15項目（貧困・教育・経済・平等・公正など）がフェアトレードと関わりを持っています。

お買いものが社会貢献につながっていくフェアトレード。金額に関わらず、その先で喜んでくれる人の顔が浮かぶのが理想であり、長期的な支援につながっていきます。是非フェアトレードを皆様のビジネスの中に取り入れていただけたら嬉しいです。

［紹介企業］sisam（シサム工房）／FAIR TRADE + design

春らしい着こなしをフェアトレード製品で楽しむ

「sisam（シサム工房）／FAIR TRADE + design」の商品でコーディネートし、春らしい装いの提案をしていただきました。

シックな重ね着スタイルを楽しむ今年の春の着こなし

［掲載商品］スタンドカラーロングシャツワンピース /ハンドニットカントリーベスト /ひざ切替えパンツ/オーガニックコットン野の花木版ショール

寒暖差が大きい季節のコーディネート『シックな重ね着にふわりまとう春の花』です。表情のあるヘンプコットンのワンピースをコート風に羽織り、インナーの縦ラインを強調することで着痩せ効果が期待できます。ちょっとした春のおでかけに、世代を問わず着ていただけます。

［掲載商品］スタンドカラーロングシャツワンピース

スタンドカラーにすっきりしたシルエットの、マニッシュな印象の一着です。ボザム（胸の部分）の切り替えがポイントで、ボタンを閉じるとワンピースとして着られます。アームの下にマチがあるので、重ね着をしてもモタつきにくく、袖入れがしやすい仕様になっております。両サイドにはポケットが付いており、アウターとしてもおすすめです。

ネパール製のコットンと麻で作られており、麻100％よりも肌触りが柔らかく、使いやすいのも特長です。麻は無農薬で育ち、刈り取るまでのスパンが短いことから、エコ素材として注目されています。

表面のシャリ感と光沢がナチュラルな柔らかさを醸し出しているので、洗いざらしで着ても、アイロンをかけてきちんと着てもサマになります。裏地はありませんが、薄手ながら透け感の少ない生地なので、春から夏にかけてのお出かけにおすすめとなっております。

［掲載商品］ハンドニットカントリーベスト

春夏に大活躍しそうな「ハンドニットカントリーベスト」は、前身ごろに入ったアラン模様が素敵な手編みの商品です。ゆったり目に作られたベストは、ネパールの女性たちがコットンの糸で編み上げました。コットンなので通気性も良く、これからの季節におすすめです。サマーニットとして、タンクトップの上に1枚で着ることもできます。

カラーは、チャコールグレーとベージュの２色をご用意しました。襟元・アーム・裾がリブ編みになっており、伸縮性があり脱ぎ着がしやすくなっています。合わせやすい素材と色味なので、他のアイテムとのコーディネートもしやすい一着です。同シリーズのカーディガンもあるので、アンサンブルで着こなすのもおすすめです。

シサム工房では、女性たちが在宅で製作できる手編み製品を多く打ち出しています。手編みは時間と手間がかかり、均一に編む技術も必要です。作り手の思いや工程をご購入者さまに感じてもらえるよう、生産者ごとに写真などのタグを必ずつけるようにしています。

［掲載商品］ひざ切替えパンツ

しっかりとした素材ながらも柔らかさも併せ持つ「ヒザキリカエパンツ」は、膝とヒップの切り替えがオシャレな立体感のあるパンツとなっております。

太すぎず細すぎず、どなたでも穿きやすいシルエットには着痩せ効果も期待できます。大きめのポケットにはヒップアップ効果もあり、後ろ姿も可愛らしく見えるよう工夫をしています。

ウエストがゴムなので脱ぎ着もしやすく、穿き心地も楽チンです。紐も付いているので、結んでしっかり固定することもできます。世代やシーンを問わず、様々な方にお求めいただける商品となっております。

［掲載商品］オーガニックコットン野の花木版ショール

蓮・サルビア・桔梗・金蓮・ガクアジサイ…日本の暖かい時期に咲くお花があしらわれた「ノノハナモクハンショール」は、オリエンタルな雰囲気漂う、コットン製の大判ストールになります。

絵柄はシサム工房のスタッフがデザインし、現地の職人が１つ１つ手彫りした木版をスタンプのように押すことで美しい色彩に染め上げていきます。

布地は手織のオーガニックコットンで、首元でも色々な巻き方がお楽しみいただけます。薄手で使い勝手が良いため、ターバンとして頭に巻くのもおすすめです。使うほどに馴染み、長く使っていただけるので、ギフトにもおすすめです。

色はライトイエローとネイビーの２色で展開しています。ライトイエローは爽やかな、ネイビーはハッキリとしたオリエンタルな色調となっております。

爽やかなアンサンブルコーディネートを楽しむ

［掲載商品］オーガニックコットン翼（つばさ）カーディガン/オーガニックコットンRELAXボートネックカットソー/タイプライターボリュームスカート/雨音ネックレス/ホグラ（がまの葉）バッグ/ブロックプリント柄巾着バッグ

大地に降り注ぐ、恵の雨のような優しい青が特徴の『ブルーと雨音のアンサンブルコーディネート』です。スカイブルーを基調に、雨のような音を奏でる「アマオトネックレス」を重ねました。

外側のカーディガンはニット素材、インナーはカットソー素材で作られており、どちらもオーガニックコットン製となっております。アンサンブルでのコーディネートがおすすめです。

［掲載商品］オーガニックコットン翼（つばさ）カーディガン

鳥が大きな翼を広げたようなシルエットが印象的な『翼カーディガン』は、大きくとったアームホールで、どんなインナーも受け止めてくれる安心感があります。

袖がたっぷりしているのにモタつかず、腕を閉じるとボリュームを感じない絶妙なバランスが嬉しい商品です。外側にコートなどのアウターを着たとしても、柔らかいので袖の出し入れもスムーズです。

インド産のオーガニックコットンの編地はふわふわで、肌の弱い方も安心して着ていただけます。ショート丈なので、ボリュームのあるボトムスとも相性がいいです。

［掲載商品］オーガニックコットンRELAXボートネックカットソー

そしてインナーに合わせたのは『リラックスボートトップ』というカットソーです。先ほどのカーディガンと同じスカイブルーのトップスとなっております。

綿が木に付いた状態で染めているので（綿染め）、ニットとカットソーの異素材アンサンブルにも統一感が生まれます。また、綿染めならではの様々な色が混ざった「メランジカラー」は、まだらな風合いが独特の味を醸し出しています。

身幅はたっぷり220センチで、ざっくりとしたリラックスシルエットとなっております。七分袖なので、インナーとして春先から着られるのはもちろん、日焼けや冷房対策にちょうど良い袖丈になっています。

前裾は短めで、裾のアーチラインが細見え効果を演出します。前と後で着丈の差を付け、後ろはしっかりお尻が隠れる丈となっております。また、後ろ身頃には境目がないので、体の線が出にくく、背中に入入れた切り替えが肩の丸みをシャープに見せてくれます。パンツでもスカートでも、ボトムズを選ばずコーディネートできます。

［掲載商品］タイプライターボリュームスカート

ハリのあるメンズライクな生地と、女性らしい丸みのあるフォルムが絶妙なバランスを織りなす『タイプライターボリュームスカート』は、ゆったりしつつもスッキリした印象の一着となっております。

切り替えによって広がりと甘さを抑えたバルーンシルエットと、インド産の高密度なタイプライター生地が、ちょうど良い甘さと辛さを演出しています。カラーはベージュ・グリーン・チャコールグレイの3色展開で、ウェストはゴム紐、両脇にはポケットがついています。

［掲載商品］雨音ネックレス

バリの工芸品「ガムランボール」の技術を使って作った『アマオトネックレス』は、動くたびにシャラシャラという優しい音色が降り注ぐ、身につけているだけで癒される商品となっております。

ボール型のトップは、表面に繊細な銀細工が施され、内側は空洞になっております。その中には小さな真鍮の玉がたくさん入っており、微かな音を鳴らしています。

チェーンの長さが58センチで、ちょうどトップが胸元にくる長さになっています。後ろの繋ぎ目には、リサイクルガラスのポイントがついています。軽くて付け心地も良いので、大切な人へのギフトにもおすすめです。

［掲載商品］ホグラ（がまの葉）バッグ

シサム工房の隠れ人気アイテム『ホグラバッグ』は、バングラデッシュ産のガマの葉で編まれた素朴なバッグです。

硬めの素材感としっかりした作りにより自立可能なので、ピクニックなどにもおすすめです。洋服はもちろん、着物姿で持っていただいたり、インテリアとして飾っていただくのもオシャレです。SとLの、使いやすい2サイズ展開となっております。

［掲載商品］ブロックプリント柄巾着バッグ

ホグラバッグのインナーバッグとしておすすめしたいのが『ブロックプリントキンチャク』です。薄手ながらしっかりした作りで、畳んで嵩張らずに持ち運んでいただける使い勝手の良い商品です。巾着なので、お子さまの体操着入れなど単体でも使っていただけます。マチも広めなので、旅行の小分けバックなどにちょうど良く使っていただけます。

こちらもの柄も、木版職人さんによって1つ1つスタンプを押すように仕上げられました。今期のデザインテーマである「原風景」にまつわる、山や植物の柄が可愛らしいノスタルジックな印象の巾着バックとなっております。

製品背景を知るともっと仕入れは楽しくなる

シサム工房のライブ配信を通じて紹介された商品をまとめてみました。フェアトレードの製品を扱うということは、商品が作られる思いのバトンを引き渡していくということだと改めて思いました。

お客様に作り手の思いをつなぎ、その先で幸せを作り出すのも商売の在り方のひとつです。

仕入れた商品はどのような思いで作られてきたのか？そんな思いに触れる機会の大切さを感じるライブ配信でした。