茨城県の下妻にあるスペシャリティコーヒーのカフェ「BLACK BIRD」。古民家をリノベーションした店内ではこだわりのコーヒーやオーツミルクを使ったミルクコーヒー、そして地元のお菓子などが楽しめるほか、ヴィンテージアパレルやクリエイターブランドのアパレル販売などもしています。今回は人気のメニューや開業話のほか、地元の魅力を発信するフリーペーパーの編集活動についても伺いました。

街の魅力に惹かれて移住、リノベーションカフェをオープン

「BLACK BIRD」のオーナー堀田さんがカフェを開いたきっかけは、前職でこの街を訪れたことでした。建築士として官公庁の仕事をしていた時、下妻を訪れた際に街の魅力に惹かれ「ここに移り住みたい」と思ったそう。同時にサラリーマンを辞めて自分でお店を経営してみたいと思い、伝手で今の物件を紹介してもらい、リノベーションをすることに。

飲食業の経験はバイト時代だけだった堀田さん。そこで都内の珈琲店「 Raw Sugar Roast 」で指導を受けて豆のことからコーヒーの抽出方法などを教えてもらい、1年ほど準備期間を設けて「BLACK BIRD」をオープンしました。

堀田さん:内装はゼロベースから作りました。天井を外したりキッチンスペースを作ったりとお金と時間を費やして今の形にしましたね。家具も市役所で不要になったものをもらったり、アンティークなものを買ったり。その傍らコーヒーの抽出を学んだりして準備してきました。

ポップアップスペースを用意してヴィンテージアパレルも販売

店内入り口には、クラシックな雰囲気や個性的なデザインのアパレルがディスプレイしてあります。こちらは知り合いのクリエイターブランドの方の商品や、ヴィンテージアパレルを扱っている方がポップアップストアとして「BLACK BIRD」で販売しています

堀田さん:私自身もポップアップなどにも出店してコーヒーの販売をしているのですが、そういったイベントなどで繋がった方たち「うちのポップアップスペースに商品を置きませんか?」と声をかけて場所貸しをしています。洋服だけじゃなくて絵本を置いたり、店内のスペースを活用してイベントを開催したりとスペシャリティコーヒーを飲みながら素敵なものに囲まれた時間を過ごしてほしいなという想いがあって、いろんな方とコラボをしてます。

お店の雰囲気にもあったアパレル商品はテイクアウトのコーヒーを待つ間にもお客さんを楽しませてくれるアイテムになっています。ジャンルは異なっていても、オーナー同士で繋がってそれぞれの商品やお店を紹介しあうことで、新しいお客様の目に留まる可能性も広がりますね。

カウンターの前にはご近所の農家さんが収穫された野菜や地場産の食品なども販売しています。量販店などにはあまり置いていない商品は珍しく、お試しに買えるサイズも手に取ってもらいやすいですね。

メニューに欠かせないマイナーフィギュアズの「オーツミルク」

お店の人気メニューのひとつが、オーツミルクと使ったミルクコーヒー。いろいろなオーツミルクを使った中でもマイナーフィギュアのものが一番おいしくてクセもなく使いやすいとのことで、店内でミルクを使ったメニューにはすべてマイナーフィギュアのオーツミルクを使用しています。

堀田さん曰く「スーパーで売っている牛乳などを使うと家庭の味になっちゃうんですよね。せっかくお店にきて飲んでいただくのだから、ここでしか味わえないものを出したいと思ってオーツミルクを愛用しています。」とのこと。

オーツミルクは美味しいだけでなく、豆乳などと同じように常温保存できる点も魅力のひとつ。食品の場合は容量が多いと消費できるか気になって仕入れのハードルがあがったり、保存場所がなくて小ロットじゃないと扱えない・・という悩みもありますが、こちらの商品は未開封なら12か月の賞味期限が設けてあります。堀田さんも仕入れた際は「使い切れるかな?」と思ったそうですが、メニューに使ってみると「思いのほか消費が早くて、24本入りのロットで仕入れたけど半年しないうちに使い切りましたね。」とのこと。

一般的な牛乳を使うよりもコクがあり、ほのかな甘みも感じる仕上がりにしてくれるオーツミルク。人気の「ミルクコーヒー」を初めて飲んだお客様はその味にはまり、リピートをする方も多いのだとか。私も実際にいただきましたが、砂糖とは違うさっぱりとした甘さと飲み心地がとっても美味しくて、リピーターが多いのもうなずけるほどの味わいでした。暑い夏の日も氷を入れるとゴクゴク飲めちゃう美味しさで、思わずお代わりしたくなるほど!

こちらはアイスコーヒーとラテ。堀田さんがこだわった豆をつかっているだけあって、フルーティーで飲みやすく、美味しいコーヒーとラテでした。これも暑い日には一気に飲み干してしまいそうな美味しさ。コーヒーはマシンドリップとハンドドリップ、そしてコールドブリューと抽出を選べます。丁寧に抽出されたコーヒーを涼し気なスケルトンのカップでたっぷりと味わえる、至福の時です。

下妻の魅力を発信するフリーペーパーも発行

実は堀田さん、「BLACK BIRD」を開業する前から下妻の情報を載せたフリーペーパーの編集にも取り組んでいます。仕事で下妻に通うようになり街の魅力を多くの人に知ってもらいたいという想いから、未経験にも関わらず始めたフリーペーパーの仕事。一緒に手伝ってくれる仲間にも恵まれて現在は年2回ほど発行しています。

「BLACK BIRD」もフリーペーパーの編集を通して今の物件を紹介してもらい、「カフェとかやってみたら面白いかも」という想いから始まりました。

資金をクラウドファンディングで募り、知人数人と情報を集めたり、撮影も経験者の協力を得るなどして本格的な誌面の冊子を発行。

SNSやインターネットでの情報発信が主流となっていますが、紙だからこそ手元に残るという魅力もあるという堀田さん。特にお店の宣伝もチラシを配布しているとのことで「SNSだとどんどん情報が流れていく中、チラシは目に留まる機会が多いから印象にも残りやすいし、意外と集客のツールとして効果があるなと感じています」とのこと。

店内のリフォームから提供するメニュー、お店のディスプレイや情報の発信までいたるところに堀田さんの「味」が感じられる店内。こだわりがたくさん詰まった自分のお店を作りたい、そんな方はぜひ「BLACK BIRD」を参考にしてみてはいかがでしょうか。

まるで海外のポスターかのようなパネル写真は、地元の農業の方たちの普段の様子。ローカルに馴染んだお店の様子が伝わってきます。

BLACK BIRD

住所:〒304-0056 茨城県下妻市長塚53-3

Instagram:https://www.instagram.com/blackbird_smt?igshid=OGQ5ZDc2ODk2ZA%3D%3D&utm_source=qr