
接客を通じてお客様から教えていただいた情報は、リピーターづくりの大切な宝物です。その声をDMに盛り込むだけで、「どのお客様にも同じ内容を送っているのかな」と思われがちなDMが、「私のために書いてくれた!」と感じてもらえるハートフルなメッセージに生まれ変わります。書く手間は同じです。せっかくなら、読んだお客様の心に届いて、また来店したいと思ってもらえる一枚にしましょう。
今や顧客へのアプローチは、手書きのDMだけではありません。LINEやInstagramのDM、メールなど、デジタルツールを活用する販売員も増えています。ツールは変わっても、「お客様一人ひとりに向き合う姿勢」が伝わるかどうかが、リピートにつながるかどうかの分かれ目です。この記事では、手書きDMを基本に、デジタルメッセージにも応用できるポイントをご紹介します。
目次
- 1 【マナー編】まず押さえておきたい基本のポイント
- 2 【購入商品編】買ったあとのフォローがリピートを生む
- 3 【おすすめ商品編】「見たい」「欲しい」気持ちに火をつける
- 4 【パーソナル編】服以外の話が、関係をより深くする
- 5 【目立つ編】手に取ってもらってナンボ、パッと目を引く工夫を
- 6 【感謝編】感謝の気持ちは、5行かけてしっかり伝える
- 7 【販売員からの提案編】クローゼットの中まで想像した提案を
- 8 【久しぶりのお客様編】「会いたい」気持ちをそのまま伝えて
- 9 【頻繁に来てくれるお客様編】「また新しい発見がある」と感じてもらう
- 10 【サンキューDM編】初来店・初購入のお客様に、1日1枚を習慣に
- 11 アパレル・雑貨の卸・仕入れは「スーパーデリバリー」
【マナー編】まず押さえておきたい基本のポイント
字は丁寧に書く
字が上手かどうかより、丁寧に書かれているかどうかの方がずっと大切です。雑に書かれたDMは、どんな内容でも「あ、適当に書いたんだな」と伝わってしまいます。逆に、字が得意でなくても、一文字一文字ていねいに書かれていれば、その気持ちがお客様に届きます。
お客様の名前を3回以上入れる
冒頭だけに名前があっても、「中身はきっと他の人と同じだろう」と思われてしまいます。冒頭・本文・締めと、最低でも3回はお名前を入れましょう。名前が増えるほど「私のために書いてくれた」という実感が増します。LINEやメールでも同じで、こまめに名前を入れるだけで文章の印象がぐっと変わります。
店名・ブランド名は読みやすく表記する
英語やフランス語表記の店名・ブランド名は、お客様が正確に覚えていないことも多いです。外国語表記+カタカナ、またはカタカナのみで添えておくと、より親切です。
お連れ様のことにも触れる
お客様にとって大切なお連れ様のことを覚えていてくれる販売員は、それだけで信頼感が生まれます。「ぜひ次回もご主人様と一緒にいらしてくださいね」のような一言を添えるだけで、距離がぐっと縮まります。
問いかけの文章を入れる
すべてが一方通行の肯定文だと、どこか押しつけがましい印象になることがあります。「最近お仕事はいかがですか?」「あのとき気になっていたジャケット、試してみましたか?」など、問いかけの形を入れると、「気にかけてもらっている」という温かさが伝わります。
会話をそのまま「 」で再現する
お客様が話してくれた内容をそのまま会話文として書き込むと、あの日の接客シーンがよみがえります。「『このスカート、旅行に持って行こうかな』とおっしゃっていましたよね」のような一節が入るだけで、グッと記憶に残るDMになります。会話文は2回以上入れると効果的です。
前回の来店シーンを具体的に入れる
おすすめ商品や来店促進の内容ばかりになりがちですが、それだけでは「セールスレター」になってしまいます。前回の接客での話題を具体的に入れることで、「ちゃんと覚えていてくれた」という安心感が生まれます。
前向きな言葉・さりげない褒め言葉を使う
「楽しかった」「ワクワクした」「ぴったりでした」といったポジティブな言葉を意識して使うだけで、文章全体の雰囲気が明るくなります。さりげない褒め言葉も、読んだお客様の気持ちをほっと温めてくれます。
【購入商品編】買ったあとのフォローがリピートを生む
購入後のDMで最も大切なのは、「買って終わり」ではなく「その後どうか」を気にかける姿勢です。
「着心地はいかがですか?」「コーディネートに迷ったらいつでも相談してくださいね」の一言があるだけで、お客様はそのお店を「安心して頼れる場所」として認識してくれます。特に初めて購入してくださったお客様には効果的です。
また、購入していただいた商品のイラストや写真を添えると、「あのアイテムのことだ」とすぐに思い出してもらえます。たくさん購入してくださる常連のお客様ほど、どの商品のことを書いているか分かりやすくなるので、ぜひ取り入れてみてください。LINEやデジタルDMなら商品画像を添付するだけで簡単に対応できます。
【おすすめ商品編】「見たい」「欲しい」気持ちに火をつける
おすすめ商品は、文章で説明するだけでなく「目で見える形」にすることが大切です。カタログ・写真・フライヤー・イラストなど、視覚的に伝えることで「欲しい」という気持ちが高まります。デジタルツールを使えば、商品ページのURLを貼るだけで商品画像をすぐに見てもらえます。
ファッション好きなお客様は、買う予定がなくてもたくさんの商品を「見る」こと自体を楽しんでいます。おすすめ商品は複数紹介する方が喜ばれます。
さらに「スタッフの間でも大人気です」「先週入荷してすぐ売れていました」といった他のお客様やスタッフからの評判を添えると、購買意欲がぐっと高まります。これはSNSの口コミ文化とも親和性が高く、デジタルDMでも有効な手法です。
【パーソナル編】服以外の話が、関係をより深くする
仕事・趣味・ご家族の話など、服以外の会話をDMに盛り込むことで、販売員とお客様の関係が「売り手と買い手」を超えたものになっていきます。
親しくなってきたお客様には、苗字ではなく下のお名前で書くのも効果的です。特に主婦のお客様は下の名前で呼ばれる機会が少なくなりがちで、「ひろ子様が選んでくださった……」のような表現にするだけで、ぐっと親しみが増します。
あえて商品のことをまったく書かず、お客様のパーソナルな内容だけで構成するDMも効果的です。まるで友人からの手紙のような印象を与え、「来店してみようかな」という気持ちを自然に引き出します。
また、お客様が普段よく行くお店や好きなブランドの情報を入れることで、「自分のことをちゃんと知ってくれている」という親切なイメージを持ってもらえます。
【目立つ編】手に取ってもらってナンボ、パッと目を引く工夫を
どんなに内容が良くても、手に取ってもらえなければ意味がありません。カラーペンで色を加えたり、文字の大きさを変えて強調したりするだけで、見た目の印象がぐっと変わります。ショップオリジナルのショッパーと同じデザインや絵柄を取り入れると、「あのお店だ!」とひと目でわかる手作り感あふれるDMになります。
デジタルDMの場合は、件名や冒頭の一文でいかに興味を引けるかが勝負です。「〇〇様へ、先日のあのワンピースのことで……」のように、パーソナルな内容から始めると開封率・返信率が上がります。
【感謝編】感謝の気持ちは、5行かけてしっかり伝える
感謝の言葉は「ありがとうございました」の1行で終わらせないことが大切です。入店からお買い上げまでのシーンを具体的に振り返りながら、どれだけうれしかったかを5行程度で書くことで、感謝の深さが伝わります。
「〇〇様がニコッと笑顔でお選びになった瞬間、私もとても幸せな気持ちになりました」のような一文が書けると、お客様の心にしっかり残ります。
【販売員からの提案編】クローゼットの中まで想像した提案を
購入していただいた商品に合わせられるアイテムを提案する際は、今までのイメージとは少し違う新しい一面を引き出せるような商品を選ぶと、「こんな着こなし方もあるのか」という発見につながります。
また、以前購入していただいた商品と合わせられるアイテムを提案できると、「あの服、まだ持っていてくれたんだ」とお客様はとても喜んでくれます。クローゼットの中で眠っているアイテムに再び光を当てる提案は、信頼関係をさらに深める一手になります。
【久しぶりのお客様編】「会いたい」気持ちをそのまま伝えて
しばらく来店がないお客様へのDMには、「会いたい」「お話ししたい」という気持ちをそのまま書きましょう。「最近、〇〇様のお顔を見ていないので、私はとても寂しいです」のような率直な表現が、意外と心に届きます。その方を想像しながら選んだおすすめ商品も添えると、より温かみが増します。
LINEやInstagramのDMなら、気軽に「最近いかがですか?」と一言送るだけでも、久しぶりの接点になります。返信がなくても、「気にかけてもらっている」という記憶は残ります。
【頻繁に来てくれるお客様編】「また新しい発見がある」と感じてもらう
足繁く通ってくださるお客様へは、前回の購入商品とかぶらない新しいイメージを提案しながら、同時に「あの商品と合わせるとさらに使えますよ」という活用提案も入れると、「この販売員に相談すると毎回発見がある」という信頼につながります。
【サンキューDM編】初来店・初購入のお客様に、1日1枚を習慣に
初めて来店・購入してくださったお客様への感謝と、「またいつでも来てくださいね」という気持ちをしっかり伝えましょう。「お話しできてとても楽しかったです」「またゆっくりお洋服を見せてください」のような一言が、次の来店のきっかけになります。
DMを送ったからといって、必ず来店につながるわけではありません。でも、記憶に残ることが大切です。「近くに来たときに寄ってみようかな」と思ってもらえれば、それで十分なのです。
手書きDMでも、LINEやメールでも、まずは1日1枚・1通から始めてみてください。続けることで、自然とリピーターが増えていきます。販売員側もお客様の顔をしっかり覚えておくことが大切です。せっかく来店してくださっても、覚えていなかったら寂しい思いをさせてしまいます。顔と名前と、交わした会話を覚えていること——それが、最高の「おもてなし」です。
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