京都市の四条通りから縦に少し入った、静かな通りにあるお酒とカフェとおうちごはん&雑貨店・ギャラリーの「まんまキッチンシッポ」。1年半ほどまえにオープンしたお店の店名や看板はオーナーの佐藤さんが飼っている猫がモチーフになっています。

店内ではランチやお茶、お酒を楽しめるほか洋服や雑貨の買い物も楽しめます。常連の方も含め、来店されるお客様の好みに合いそうなものからオーナー自身が着たい・欲しいと思ったアイテムが揃っている店内。ついで買いを楽しむお客様にも好評なようで、日に日に物販コーナーが充実している様子。今回は「まんまキッチンシッポ」にとっての物販の役割やお客様の反応について伺ってきました。

ほっと一息つける隠れ家のようなカフェ

「いつか自分でカフェをやりたい」と以前から考えていたオーナーの佐藤さん。飲食の経験はなかったものの「やるならもう今しかない!」と思い立った翌日には勤め先の会社に退職を伝えて今の物件を探し、そこから数か月で現在のお店をオープンしました。もとは住居だったマンションの一室を解体してレイアウトも自分で一から考え、念願だった自分好みのカフェ&雑貨店をスタート。

「ここに来ればひと息つけるような、自分の居場所があるような、そんなお店が作りたかったんです」という佐藤さん。「まんまキッチンシッポ」は一人でも気軽に来店できる雰囲気で、店内ではランチからカフェメニュー、そしてお昼からでもお酒が楽しめます。

また店内では食事以外にちょっとした買い物も楽しめるよう、入り口から雑貨やアパレルの物販コーナーになっています。カフェ目的で来たお客様たちが食事の合間や帰り際に手にされることが多いのだとか。

猫雑貨から始めた物販

店舗の入り口から続く物販コーナーには知人作家さんなどによるハンドメイドのアクセサリーやインテリア雑貨からスーパーデリバリーで仕入れた服飾雑貨やお皿などのキッチ雑貨、そしてバッグや洋服が並んでいます。またカウンターにはチョコやクッキーといった菓子類なども置いてあります。

お店をオープンした当初から物販を取り入れてきた「まんまキッチンシッポ」ですが、最初はお店のコンセプトに合わせた猫雑貨から扱い始めました。

猫モチーフの食器類なども当初から扱い始めていた商品のひとつ。限られたスペースで「見ているだけでも楽しい」雑貨類を陳列し、徐々にアイテムを増やしていきました。アパレル類は佐藤さんが自分も来たいなと思うアイテムをチョイス。40~60代の年代のお客様が多いとのことで、サイズ感も比較的ゆったりしたものやボトムスの丈感も短めのものを意識したブージュルードのアイテムなどが並んでいました。

佐藤さん曰く「常連になってくださったお客様と話していると好みもだんだんわかってくるので、”このあたりは好きだろうな”と思って仕入れると本当に買ってくださることが増えてきました」とのこと。何気ないお客様との会話や観察が仕入れにも役立っているようです。

物販商品の価格帯は雑貨だと1000円前後がメイン。アパレルはもう少し上ですが、あくまでもカフェ雑貨店ということもあり高額な価格帯はお客様のニーズに合わないため、アイテムによって価格を調整して販売しています。また店舗があるのは京都の中心地ということもあり、近隣には雑貨店やアパレル店も多く並んでいます。そんな環境のなか、ここで手に取ってもらうためにも他店舗ではあまり見かけない商品や手にしやすい価格帯を揃えることが差別化の一つになっています。

こちらの店内入り口の小さな個室はカーテンをおろせば試着室に早変わり。洋服はサイズ感が気になる方も多いため、このスペースを利用して買い物を楽しんでもらっているとのこと。

カウンターにあるチョコレート類も、もともと佐藤さんが好んで食べていたブランドのもの。ランチやカフェに立ち寄ったお客様が帰り際に購入されるのはもちろんのこと、コーヒーと合わせてその場で召し上がることもあるのだとか。

売上の柱として重要な物販

佐藤さんは物販コーナーが店舗の売り上げを作るうえで重要な柱になりつつあると感じています。食品と違って賞味期限などがなく在庫をストックしておけることや客単価もあがること、また常連のお客様の好みもわかるようになると購入率があがることなどから、店舗の運営や集客のためにも一役買っています。

店舗の魅力の一つとなりつつある物販。買い物を楽しむお客様もいらっしゃることや、常連のお客様も飽きないように商品の鮮度には気を付けています。

「ここで購入された洋服を着てお店にいらっしゃったときに、ほかのお客様と被ってしまうとちょっと嫌じゃないですか。なので、1点物の感覚で購入してもらえうように同じアイテムは扱わないようにしていますし、なるべくいつきても新しいものがあるように心がけています」とのこと。

そのためスーパーデリバリーも毎日時間があればこまめに新商品などをチェック。仕入れに行くとなると店舗を閉めなければならず、飲食の仕込みなどで時間が割けないため隙間時間を活用して常に新しい商品を探して仕入れています。

トイレの前などちょっとしたスペースや壁も活用してディスプレイ。バッグ類はコンパクトなサイズよりも比較的大きめサイズが売れるのだとか。

人がつながるイベントも楽しめるカフェ

集客のひとつにもなっているのが、店舗で開催しているイベント。「まんまキッチンシッポ」では「お財布診断」や「星詠みの会」、ハンドマッサージの会」などのイベントを予約制で開催しています。近隣のカフェではマルシェなどを催している店舗もあるそうですが、佐藤さんには開業時から「人がつながる場所を作りたい」といった想いがありました。そこで大勢で賑やかなイベントよりも人と人がゆっくりと繋がれることができないかと考えていたところ、お店のお客様と一緒にイベントを開催できることとなり、そこから紹介などを経て様々なテーマの催しを実施。今はいずれも人気で毎回予約がすぐ埋まるほどの人気なんだとか。

お客様同士のつながりも増えていくにつれて店舗に足を運んでくれる人も徐々に増えている「まんまキッチンシッポ」。まだオープンして1年半ということもあり、ランチメニューやカフェメニューも日々改良中とのことですが、どれも”家庭の味が楽しめる”と観光客だけでなく一人暮らしの方などにも重宝されている様子です。

未経験から開業した佐藤さんですが、カフェや雑貨店が多いなかでも物販をうまく取り入れて常連客や来店者を増やしている様子は店舗運営のヒントにもなりました。イベントなども今後続いていくようなので、気になる方はぜひ立ち寄ってみてくださいね。

まんまキッチンシッポ

京都府京都市下京区富小路通綾小路下る塗師屋町101−2 Casa富小路 101

インスタグラム:https://www.instagram.com/sippo0707/

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