岐阜県に有機JAS認定の自社農場「母袋(もたい)有機農場」を持つ、国産オーガニック化粧品メーカーの「ネオナチュラル」。自然由来の成分で、肌本来が持つ力を引き出して、お肌を育てていくための化粧品をメインに展開している企業です。自然由来の成分を使った日用品や発酵食品なども展開しています。

商品の原材料となるヘチマ水や米、ハーブなどを自社農場でも栽培。人並ならぬ自然への想いや商品に込められているメッセージ、そしてブランドストーリーをスーパーデリバリーを担当している渡邊さんにお伺いしました。

アトピー肌のわが子のために作った手作り石けんが会社のはじまり

──ネオナチュラルと言えば、自然由来の化粧品メーカーというイメージを持っています。もともとはどのアイテムが始まりだったのでしょうか?

渡邊さん:当社の代表の娘さんが当時1歳でアトピーを発症し、その娘のために手作りで石けんを作ったことが始まりです。当時、代表の高柳は建設業界でコンサルタントの仕事をしていて、化粧品とはまったく違う領域にいました。ただ、設計をしたり物を作ったりするは得意分野。そして、自然が大好きということで、わが子の笑顔を見たいと石けんづくりを始めたという経緯があります。

──それは驚きです!それだけの想いがあって作られた石けんなのですね。

渡邊さん:その想いはネオナチュラルの「皆様に元気で豊かなナチュラルライフをお届けする」という企業理念として続いており、自然の力や肌本来の仕組みをいかした、人にも環境にもやさしい製品づくりにつながっています。

お客様の健康や美を引き出すために化粧品だけでなく洗剤や食品、農場運営まで行う

──ネオナチュラルの商品ラインナップには、消臭・除菌スプレー、甘酒なども売れ筋になっています。化粧品以外の商品も展開されていますが、それはどうしてなのでしょうか?

渡邊さん:さきほどお伝えした企業理念の通り、お客様に本当に伝えたいのは人間が本来持っている恒常性(体が健康でいるために元に戻ろうとすること)を大切にして、健康や美しさを手に入れることです。健康な肌や身体を手に入れていただくために、化粧品を通してアプローチしていますし、身体の中からアプローチと考えれば、発酵食品の甘酒といったように、ジャンルを超えてお客様の健康と美をサポートしたいと考えています。

──なるほど、さまざまな方面からお客様の健康や美を支えたいということなのですね。最近だと、自社有機農場の中に里山でのキャンプができる施設もオープンされましたよね。

渡邊さん:はい。2024年5月に「善玉菌リトリート」という考えに基づき、日本で唯一の里山内のキャンプ&体験施設「HOLY FUNGUS(ホーリーファンガス)」をオープンしました。日常から離れ、自分の身体や心と向き合っていただける体験型の施設で、ヘチマ水の収穫や稲刈り、ビオトープや川遊びなど、自然の中での遊びを楽しめます。

普段、おうちで何気なく飾っているお花にも、じつは善玉菌がいるんです。里山には、農場の堆肥や里山の土壌には善玉菌がいて、自然環境の中にいる善玉菌が身体によいことをしてくれると言われています。

──森や山は、空気がきれいで気持ちいいと感じたり、マイナスイオンで癒されるとよく言いますが、善玉菌の働きもあるんですね。

「菌」の力に着目、ネオナチュラルのエシカルな商品

──お肌の常在菌に着目し、自然由来の成分で肌を育てていくアイテムがたくさんありますが、その中でもエシカルなアイテムはどちらでしょうか?

渡邊さん:一つ目は、母袋有機農場シリーズ「美百水」です。こちらはネオナチュラルの母袋有機農場で栽培されたオーガニックヘチマ水を12か月間熟成し、そのまま詰めた化粧水です。水で薄めることもなく、防腐剤などほかの成分も入れず、100%有機ヘチマ水となっています。

[紹介商品]美百水 150nL メーカー希望小売価格(税抜)¥1,800

──100%有機ヘチマ水というのはとってもシンプルですね!

渡邊さん:たった一つの成分ですが、ヘチマ水は江戸時代から「美人水」と言われ、古くからデリケートなお肌にもやさしく、しっとりしたお肌に導いてくれると重宝されてきました。水のようにしゃばしゃばとしたテクスチャーですが、付けた後はしっとりします。夏の間は、冷蔵庫で冷やしておくと、ひんやり心地よくお使いいただけます。

ヘチマ水には天然の界面活性作用と防腐作用があるので添加物を加える必要がありません。また、お肌を元気にするサポニンなどの豊富な栄養素が角質層まで浸透するので、きめの整った透明感のある印象に導いてくれます。

化学成分を使用せずに、ヘチマ水のみで作られた化粧水なので、皮膚常在菌の働きを邪魔せずに、肌本来の仕組みを支えることができます。

──ネオナチュラルの製品にはヘチマ水が原材料に使われているものが多いと思いますが、自社農場の母袋有機農場ではヘチマ水はどのくらい生産されているのですか?

渡邊さん:1シーズンで2トン作られています。収穫時期になると、一升瓶をヘチマの切り口に括りつけ、ヘチマ水がぽたぽたと滴るのを待って収穫しています。

ヘチマはヘチマ水の収穫だけでなく、ヘチマの実からヘチマたわしをつくったり、葉っぱからヘチマ茶をつくったりと、余すことなくヘチマの恵みを活用しています。採れた種で、翌年の栽培にも使っています。

──自然由来の原材料だからこそ、余すことなく最後まで活用できるというのもサスティナブルなモノづくりですね。続いてのエシカルなアイテムについても教えてください。

渡邊さん:二つ目は、neobaby(ネオベビー)「善玉菌酵素洗濯洗剤」です。

こちらは、肌トラブルの原因の一つに洗濯洗剤があるという視点から生まれた洗剤です。

[掲載商品]善玉菌酵素洗たく洗剤 1.2kg メーカー希望小売価格(税抜)¥1,200

──どういったところがエシカルでしょうか?

渡邊さん:河川の水質浄化に、乳酸菌、納豆菌、酵母菌などの菌が使われています。その自然由来の菌を活用した洗剤です。合成界面活性剤や蛍光剤、合成香料などを使用していないので、生分解性が高く、水や土壌を汚染する心配がありません。

──お肌に優しいだけでなく、環境にも優しいんですね。

渡邊さん:あとはお財布にも優しいです。

というのも、合成洗剤とは違って泡立ちが少ないのですすぎは1回でOKです。水道代と電気代の節約になります。それから、洗剤の1回の使用量も一般的な洗剤の半分から3分の2程度と少量で済みますし、ごわつきにくいので柔軟剤も少量もしくは無しでお使いいただけます。

泡立ちが少なくて汚れ落ちを心配するかもしれませんが、乳酸菌、納豆菌、酵母菌を独自配合した「善玉菌酵素」と、パパイン酵素の二つの自然由来の酵素の力で汚れをしっかり落としてくれます。

雑菌をしっかり除去して、雑菌の餌となる皮脂汚れや石けんカスが残りにくいので、ニオイが出にくくなり、爽やかに洗いあがります。衣服の黄ばみの原因は、衣服に残った皮脂汚れや合成界面活性剤が酸化することなんです。善玉菌酵素洗濯洗剤は真っ白なシャツも長持ちします。

自然由来の成分で汚れを落とすので、赤ちゃんやお子様の肌着はもちろん、お肌の不調でお悩みの方にぜひ使ってみていただきたい洗濯洗剤です。

──3つ目のアイテムは、「浄化の森スプレー」ですね。神聖な雰囲気のネーミングも気になります。

渡邊さん:当社の母袋有機農場があるのは岐阜県郡上市です。岐阜県産材としては東濃桧や長良杉など国内でも有名な木材がありますが、それゆえ森林の面積も広く、間伐材が多く出る地域でもあります。その間伐材から抽出されたエキスを使用し、樹木が持つ抗菌作用を活用したアイテムが「浄化の森スプレー」になります。

[掲載商品]浄化の森スプレー200mL メーカー希望小売価格(税抜)¥890

──どういったところがエシカル・サスティナブルなのですか?

渡邊さん:本来捨てられるはずだった木材から、アップサイクルしている点です。

──間伐材と聞くと割りばしのイメージがありますが、樹木のエキスの抽出もできるんですね。

渡邊さん:はい。樹木には「フィトンチッド」という香気成分があって、森の空気がおいしく感じるのはこのフィトンチッドのおかげなんです。

フィトンチッドは除菌効果があり、カビや細菌を抑制するのでその場を動けない植物にとって強力な武器になります。浄化の森スプレーは、この消臭・除菌効果をいかした製品です。

エタノール不使用なので、肌が弱くてアルコールが使えない方もご利用いただけます。手荒れが気になる方にもおすすめです。ゴミ箱やペットのにおい、調理器具の使用後など空間にスプレーすれば消臭できます。またテーブルやいす、お子様のおもちゃの除菌にもスプレー後、ふき取りして使えば、お掃除にご利用いただけます。

──いろんなシーンで使える便利なアイテムですね。自然由来で廃棄されるはずだったものをいかしたというのもうれしい点です。

地域の活性化と自然との共生の輪を広げたい

──ここまでネオナチュラルさんが自然由来の原材料を使った商品を展開していることや、自然との共生を大切にしているとお伺いしてきました。ネオナチュラルとしては「エシカル」に対してはどのように向き合っていらっしゃるんでしょうか?

渡邊さん:エシカルな企業になるために自然や環境と向き合ってきたわけではなく、結果的にエシカルなものづくりにつながっていると思います。

人間も自然の一部であり、化学の力でコントロールするのではなく、肌本来の自然な力を引き出し、肌が本来の力を発揮できれば、おのずと健やかな肌が保たれると考えています。かつ、お肌や身体に対して安心安全で効果的な製品を作ろうと、研究・開発した結果としてできた商品が環境にも優しいエシカルな商品だと考えています。

自然を敬い、その力を活かしていく。この考えが自然の一部である人間の理想的な生き方であり、その上に美しい肌が成り立つと思って商品を提供しています。

──今後についてはどんな展開をお考えですか?

渡邊さん:ネオナチュラルでは、善玉菌と美肌の深い関係性に長年注目しています。化粧品や食品だけでなく「善玉菌リトリート」という考えで、キャンプ&体験施設「HOLY FUNGUS(ホーリーファンガス)」をオープンしました。

里山など自然の中にはお肌にとって有益な善玉菌が存在していることが研究でもわかっていて、「HOLY FUNGUS」で過ごすだけで、お肌も身体もイキイキとしてきます。

以前から、母袋有機農場での稲刈り体験会などのイベントは実施していましたが、常設で自然体験ができる施設を運営することで、ネオナチュラルが大切にしている自然との共生を体感できる場所をご提供できるようになったと思います。

川遊びやヘチマの収穫、ビオトープで自然と触れ合うことができます。里山の美しい風景に囲まれたサウナもありますので、サウナーの方にも楽しい施設だともいます。施設内の入浴施設にはネオナチュラルのスキンケア商品も自由に使っていただけるように置いてありますよ。

お子様が来ても楽しめますし、ご夫婦、お友達など、お好きなスタイルでお楽しみいただけると思います。

──「HOLY FUNGUS」の運営で里山に人が集まることで、農村の暮らしにも身近に感じられそうですね。

渡邊さん:はい。農場がある母袋地区は現在30~40世帯で100人以下の限界集落です。地元に住む農家さんにご協力をいただいて耕作放棄地を開墾したり、作物の栽培・収穫を指導してもらったり、お手伝いいただいています。それらが雇用の創出にもつながっています。

農作物をそのまま食べ物として販売すると利益が出にくいですが、化粧品のように付加価値を付けて販売することで利益を出しやすくすることも、企業が地域に提供できる有益なことのひとつだと思っています。また、自社有機農場に体験型施設があると、地域外から人が集まり、若者など多くの人が魅力に感じてくれるんじゃないかと思っています。そしてこの取り組みを全国のいろんな場所で展開できたらと考えています。

──日本には風光明媚な里山がたくさんありますよね。一方で耕作放棄や手入れが行き届かないために土砂崩れが起きたりと、社会的な問題もあります。この取り組みのように、自然との共生を感じるものや場所が増えていくことでエシカルな輪が広がっていくのは素晴らしいですね。今日はお話をお聞かせいただきありがとうございました。

自然の恵みで健やかに美しくなろう、本来の自分の力を引き出すことを大切にする「ネオナチュラル」

自然の力や肌本来の仕組みをいかし、人や環境にやさしいスキンケア商品、コスメ、日用品、食品を展開している「ネオナチュラル」。古きよき伝統や知恵を活用し、自然との共生できる心地よいアイテムがそろっています。お客様やお客様の家族の健康や美しさをサポートしたいと考えるお店のオーナー様にはぜひ一度手に取ってもらいたい商品ばかりです。