おいしいお米と清らかな水、そして厳しい冬の寒さから作られる美酒が石川・富山・福井の北陸には揃っています。今回はこの3県からおすすめの日本酒をご紹介します。魚介料理を引き立てる淡麗辛口、能登では濃い味付けの郷土料理に合うお酒など、おすすめのおつまみと合わせてご覧ください。

日本屈指の酒どころ、北陸の日本酒とは

北陸地方には、石川県や富山県などの日本酒を代表する名産地があります。それぞれの地域によって微妙な違いがありますが穏やかな風味が特徴で飲みやすく、食事との相性が良い日本酒が揃っています。またその土地柄、寒冷な気候と酒造りの技術が組み合わさり複雑な旨味を生み出しています。香りのバランスが良くフルーティーなニュアンスで表現されるものなど、特徴的な日本酒も楽しめます。

石川県の日本酒の特徴とは

石川県の日本酒は辛口でキレがあるものが揃っています。独特の辛口さがありながらも、後味がすっきりとしていて飲みやすいのも特徴です。また米の旨味をしっかりと引き出すことができるため、豊かな旨味があります。

軽快でキレの良い辛口の「加賀鳶 極寒純米 辛口」

加賀鳶 極寒純米 辛口」は、酒造りに最も適した厳冬の時期に低温発酵でじっくりと仕上げた純米酒です。軽快でキレの良い辛口でありながら、おおらかに米の旨味が広がる「旨い辛口」です。キレのある味わいと清涼感のある風味が絶妙に調和し、食事のお供や普段の飲みにも適しています。

相性の良いお食事やおつまみは、コクのあるしっかりとした味わいのあるもの。例えばタレ系のやきとりや焼き魚全般です。手軽なおつまみだと「めいっぱい 焼鳥 たれ 携帯缶」などがおすすめです。

酸味とコクをもつ「加賀鳶 山廃純米 超辛口」

伝統の手造り山廃仕込みで丹念に仕込んだ純米酒の「加賀鳶 山廃純米 超辛口」。絶妙の酸味と深みのあるコクをもつ、鋭く切れる超辛口です。そのキレのある辛口な味わいから、多くの料理と相性が良いとされています。特に脂っこい料理や濃いめの味付けの料理との相性が良く、食事の味を引き立てることができます。

例えば辛口同様にコクやこってりした味わいの食事にはもちろんのこと、鮭やソーセージと合わせるのもおすすめです。「缶つまSmoke 鮭ハラス」なら、燻製の香りが「加賀鳶 山廃純米 超辛口」の芳醇な香りと合わさり、飲み手を引き付ける味わいが楽しめます。

軽快に旨味がふくらむ「加賀鳶 純米大吟醸 藍」

「純米大吟醸」とは、最高品質の酒米を使用して純米酒を醸す中でも最も高級な部類に属する酒の分類です。この製法は精米歩合が極めて高く丁寧な醸造工程が行われるため、非常に高品質な日本酒が生まれます。「加賀鳶 純米大吟醸 藍」は軽快に旨味がふくらむキレの良い飲み口はが肴に良く合う「旨さの吟醸」です。上品な花の香りやフルーティーな香りが広がり、口に含むと軽やかで繊細な味わいが広がります。

繊細な味わいとバランスの良さから多くの料理との相性が良いとされていて、日本料理や繊細な味わいのフレンチ料理との相性も良いお酒です。唐辛子をピリッと効かせて味わい深く沖漬風に仕上げた「缶つま 日本海獲り ほたるいかの沖漬風」などと合わせるのもおススメ。

優しい香りとサラリとした飲み口の「加越 加賀ノ月 純米吟醸 満月」

優しい香りとサラリとした飲み口、キレのよいドライな後口とほのかな旨味が感じられる「加越 加賀ノ月 純米吟醸「満月」 」。お食事やおつまみと一緒に合わせて尚美味しく、お酒に不慣れな方からのんべえさんまで幅広い方に楽しんで頂けます。2012年と2013年のノーベルナイトキャップ(ノーベル賞公式晩餐会のアフターパーティ)のドリンクとして使われた一品です。

こちらは冷酒でお刺身、常温でさつま揚げなどの練り物、唐揚げなどの揚げ物と合わせることで魅力が増します。行楽シーズンにはスナック感覚のおつまみ「日本橋菓房 老舗酒問屋が目利きした旨いつまみ 鶏皮のからあげ 塩味」などとも合わせてみてはいかがでしょうか。

石川県オリジナル酒米から醸した純米大吟醸原酒「清酒 加賀ノ月 百万石乃白 純米大吟醸」

石川県オリジナル酒米「百万石乃白」と「金沢酵母」から醸した純米大吟醸原酒。「清酒 加賀ノ月 百万石乃白 純米大吟醸」はほのかに香るバナナ香、舌の上で感じるフルーティーな旨味が特徴で、ジワジワ広がる辛みを帯びた余韻に心も身体も温まります。イタリアで開催された「ミラノ酒チャレンジ2023」ではプラチナ賞を受賞し、海外でも高評価を得た日本酒です。

すき焼きなど旨味がのった食事やカルボナーラなどチーズ系やクリーミー系の食事にぴったりです。店頭でおつまみと合わせてお出しするときは「日本橋菓房 老舗酒問屋が目利きした旨いつまみ 奈良漬けチーズサンド」なども手軽で良さそうですね。

富山県の日本酒の特徴とは

富山県は冬季には豪雪地帯として知られ、寒冷な気候が特徴です。この寒冷な気候が日本酒造りに適しており、醸造過程での発酵や熟成の過程から富山県の日本酒は一般的に辛口でキレがあります。一方で地元の酒蔵では、独自の製法や伝統的な技術を用いて豊かな旨味やコクを追求した日本酒も造られています。

すっきりマイルドな味わいの「若葉 特別本醸造」

「特別本醸造」は高品質な酒米を使用し、一段と丁寧に醸造された日本酒を指します。精米歩合が一般の本醸造よりも高く磨き上げられた酒米から作られるため、風味や香りがより洗練されたものとなります。「若葉 特別本醸造」の味わいはすっきりとマイルドで、毎日の晩酌にもおすすめな飲みやすい日本酒です。

繊細で爽やかな味わいから新鮮な刺身など和食全般と相性が良いと言われています。また軽めのおつまみとも相性が良いので、「おうちおつまみシリーズ」などと合わせるのもお酒が進みそうです。

フルーティーな含み香を楽しめる「若葉 小仕込み 純米吟醸」

気軽に吟醸酒を味わっていただこうと別誂えに少量で仕込んだ純米吟醸の「若葉 小仕込み」。味わいはまろやかな甘さとすっきりとフルーティーな後味が特徴です。冷酒でも熱燗でも楽しめ、晩酌にもぴったり。清々しい印象を持つ純米吟醸酒は女性にも好まれる日本酒のひとつです。

相性の良い食事としては、軽めの和食や新鮮な食材を活かした料理が適しています。刺身やお造りやおひたし、てんぷらと合わせると料理がさらに美味しく感じます。乾物タイプのおつまみだと「いぶりがっこ(スライス)」や「レモ缶ひろしま牡蠣オリーブオイル漬け」などを試してみてはいかがでしょうか。

さらりとした飲み心地の「銀盤酒造 上撰 銀盤」

銀盤酒造 上撰 銀盤」は北アルプス剱岳と秘峡黒部の万年雪が溶け、日本の名水百選に選ばれた黒部川扇状地湧水郡の水と精白度の高い加工米で醸し出された本醸造酒です。スッキリとした喉ごしで飲み飽きしない味わいが特徴です。辛口の端麗な口当たりの中にも湧き水で仕込んだまろやかさと華やかさが広がります。繊細な味わいと豊かな風味で和食全般に合うほか、穏やかな風味が「生ハム」や「チーズ」などの塩気と相性良く調和します。

福井県の日本酒の特徴とは

福井県は水源が豊富で、美しい清流や良質な井戸水が多く存在します。この清涼な水は日本酒の醸造に不可欠で、福井県の日本酒に独特の爽やかな味わいをもたらします。また冬になると気温が一段と下がることから醸造過程での発酵を遅らせ、より繊細な味わいや香りを生みだします。そのため、華やかな香りやフルーティーな味わいのものから、重厚な味わいや深いコクを持つものまで様々な味わいの日本酒が揃っています。

お米の旨みを十分に詰め込んだ「姫山 純米」

姫山 純米」は福井県産のお米の旨みを十分に詰め込んだ純米酒です。雪解け水が時間をかけてゆっくりと流れ込む清冽な地下水を使用し、甘味と酸味を丸みのある味まとめあげた飲み応えのあるの味わいが特徴です。飲み方も色々と楽しめ、日頃からお酒を召し上がる方もそうでない方も幅広い層におすすめできます。

爽やかな風味なので様々な食事や食品に合わせやすく、和食であれば白身魚や光りものから焼き魚など脂がのった魚とも美味しくいただけます。洋食であればシーフード料理や魚のグリル系と一緒に提案するのもおすすめです。食前酒としても楽しめるので、「スモークサーモンインオイル」を使ったサラダなどと合わせるのもいいですね。

コクと切れの良い喉越しの「清酒 姫山 本醸造」

姫山 本醸造」は純米に比べて柔らかな口当たりと、本醸造らしい素直なコクと切れの良い喉越しが特徴です。香りが控えめなので料理にも合わせやすく、温かいおでんや煮物と合わせたりグリル料理の香ばしさなども引きたててくれます。軽めのおつまみだと、枝豆や「Vegetus」のナッツ類との相性が良く、清酒 姫山本醸造の穏やかな風味が引き立ちます。

飲み比べも楽しい!北陸の日本酒を試してみませんか

北陸地方は日本酒の名産地の一つであり、独自の酒造りの伝統や地域独自の酒米を活かした多彩な日本酒が生産されています。北陸地方の日本酒は繊細で清らかな味わいが特徴的ですが、地域や銘柄によって風味や相性の良い食事なども異なってきます。日本酒の美味しさを引き立ててくれる食事やおつまみと合わせて、地酒の飲み比べなども店頭で提案してみてはいかがでしょうか。