2020年7月に開始した「レジ袋有料義務化」から5年が経過し、エコバッグを持参するのは当たり前な時代になりました。飲食店ではプラスチック製のコップなどの容器やカトラリーなどの使い捨てを減らそうとマイボトルの利用の推奨や繰り返し使える素材での提供が増えています。

商品をひとつ選ぶのにも「環境配慮」や「エコ」という観点が少しずつ重要視されているいま、改めて脱プラスチックとは何かを知り、脱プラスチックの視点から取り入れたいエシカル、サスティナブルなお店作りのコツをまとめてみました。「脱プラ」アイテムについて一緒に学びながら関連商品に触れてみましょう。

どうして環境問題で「プラスチック」が注目されるのか?

プラスチックはその軽さや加工のしやすさから、身の回りのたくさんの商品に使われています。軽いため、輸送時の二酸化炭素の排出が少ないという側面もありますが、環境負荷が問題視されているのはなぜでしょうか?

温暖化の要因であるCO2(二酸化炭素)を排出

プラスチックの原料は石油です。石油のもとである原油を分解すると「ナフサ」という素材が出ますが、プラスチックはその「ナフサ」から作られています。このナフサを分解する段階で燃焼時にCO2が発生します。(経済産業省資源エネルギー庁「カーボンニュートラルで環境にやさしいプラスチックを目指して(前編)」より引用)また、プラスチック製品がごみとなって焼却廃棄となった場合も、プラスチックは石油由来であるため、焼却するとCO2を排出することになります。

この焼却処分を減らすことでCO2の排出を減らそうと、プラスチック分別回収を行っている自治体もあります。分別する手間はありますが、リサイクルをすることで資源としてして再利用できるようになります。

自然分解されにくいため海洋汚染につながる恐れ

プラスチックゴミは、製造・流通する段階、消費される段階、処分される段階で排出されます。家庭から出されるプラスチックゴミの多くは、食品容器や商品パッケージなどですが、投棄やポイ捨てによって、川や海にゴミが流れていきます。

また、5ミリ以下の小さなプラスチックを「マイクロプラスチック」と言いますが、マイクロプラスチックは洗顔料や歯磨き粉などに含まれるスクラブ剤で使用されていたり、紫外線や波の作用で細かくなってプラスチックゴミが作られます。非常に細かいため、マイクロ化する前の対策が肝心であると言われています。

海に流れ着いたプラスチックごみは天然の有機物ではなく、構造的にとても丈夫であるため、自然分解されず、ゴミとして漂流し続けてしまいます。このままいくと、2050年には魚より海洋ごみの量が多くなると言われています。海の生物がポリ袋を餌と間違えて食べてしまったり、漁網に絡まり傷いてしまい死んでしまったという話は、ご存じの方も多いのではないでしょうか。

「脱プラスチック商品」で環境にやさしい暮らしを提案しよう

生活に密着しているプラスチック製品ですが、一人一人が意識してできることから脱プラスチックに取り組むことが大切です。環境に優しい脱プラスチックの商品を通して、エシカルなライフスタイルを店頭で提案してみませんか?

「竹歯ブラシ」などオーラルケア製品

脱プラアイテムの代表格である歯ブラシ。成長が早く、使い終わった後も土に還るサスティナブルな素材である竹製の歯ブラシが注目されています。コンパクトなヘッドのタイプや持ちやすいハンドルなど、環境配慮と使いやすさが両立している商品もたくさんあります。

自然に還る植物由来のスポンジ・ブラシ

排水から出てしまうマイクロプラスチックを防ぐために、植物由来のスポンジやブラシが注目されています。ヘチマは水切れの良さや汚れを絡めとる特性から、食器を洗う際やお風呂洗いに有効です。

デザインやカラーで楽しい、保存容器やラップ

家庭でついつい出てしまうプラスチックごみと言えば食品の保存に使うラップではないでしょうか?便利ではありますが、繰り返し使うことができないため、ごみになってしまうのが残念な点です。そこでラップの代わりとして提案したいアイテムが「みつろうラップ」です。手の温かさで柔らかくなり、あらゆる型にぴったりフィットするので野菜の切り口やおにぎりにも活用でき、洗って繰り返し使えます。またラップの代わりにフタつき容器を活用するのもおすすめです。

歯磨き粉やシャンプーなどのパッケージでもプラスチックフリー

シャンプーやボディーソープなどは、詰め替え用が販売されていたりとプラスチックの利用を減らす取り組みがすでにありますが、リサイクルできるアルミチューブや紙パッケージの商品も増えてきています。パッケージのプラスチックフリーという点でも魅力的ですが、ブランドの背景にある環境を大切にするとともに豊かなライフスタイルを提案してくれるブランドメッセージにも注目です。

ラッピングにはリサイクル素材や再利用できるものを

脱プラスチックの商品を販売する際、特にギフト用で使う袋やラッピング資材も脱プラスチックを心掛けたいところです。多彩なカラーとサイズ展開で簡単にラッピングできるリボン付きの不織布のギフト袋はプラスチックからできているものも多く、脱プラスチックを心掛けるお店では避けたいアイテムです。

ゴミが出ないように最小限の資材でラッピングすることを基本とし、プラスチック素材は使わない、再利用できる素材・アイテムを使うなどの思いやりを表現してみましょう。

「脱プラスチック」商品を提案するなら販売方法も脱プラを意識しよう

ご紹介した脱プラスチック関連商品やラッピング資材の他、お店ではディスプレイにも脱プラスチックを取り入れてみませんか?

欲しいものを必要な分だけ購入し、ビニールやプラスチックなどのゴミを減らす買い物の方法として、日本国内でも増えつつあるのが、「バルクショップ」という量り売りのお店です。お菓子やコーヒー豆、調味料やお米などの食品や、日用品として欠かせない洗剤やハンドソープなどを、持参した容器に入れて購入できます。

マイバッグの持参が定着し、さらなる環境を思いやるライフスタイルを取り入れようとする消費者は増えつつあります。過剰な梱包や包装はしない、繰り返し使える容器やディスプレイ資材を活用するなど、エシカルな販売方法を少しずつ始めてみてはいかがでしょうか。

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