住まいに関わる資格として、建築士や宅建士のほかに「インテリアコーディネーター」があります。「インテリアコーディネーター」は長年人気で、特に女性の資格取得者が多く、住まいに関する仕事全般に生かせる資格です。

今回は、インテリアコーディネーターの資格を取得して活躍できる仕事や業界についてご紹介していきます。

インテリアコーディネーターの資格の活躍の場

さて、インテリアコーディネーターの資格を取得するとどんなメリットがあるでしょうか?

実はインテリアコーディネーターは資格を持っていなくても、住宅やインテリアの知識があればできる仕事です。ただし、資格を保有していることでお客様への安心感や信頼感は格段に上がります。また、住宅業界やインテリア業界での仕事経験がなくても、資格を持っていれば住宅・インテリア業界へ就職しやすくなり、資格取得の勉強で得た専門的な知識を生かすことができるので有利です。

インテリアコーディネーターの資格を取得して、どのような場所で活躍できるのかをご紹介していきます。

おうちを建てたその先の暮らしを提案する「住宅メーカー」

活躍の場としてもっとも多いのが住宅メーカーです。自社で企画デザインした住宅製品を持っており、自前の生産設備で建材の大量生産を行っている会社のことです。ハウスメーカーとも言われます。
住宅メーカーでは、専属のインテリアコーディネーターがいたり、住宅展示場や営業マンがお客様のインテリアの相談を受ける場合があります。また、住宅メーカーの関連会社や別会社からインテリアコーディネーターを派遣する場合もあります。

住宅を購入されるお客様の好みのテイストや住まいへの希望をヒアリングし、インテリアに必要な建具や住宅設備などをコーディネートして提案します。その後見積もり、契約、発注、現場確認というのが一連の流れです。住宅メーカーの場合、ある程度仕様が決められていることが多く、その中からアイテム選びを手助けします。

システムキッチンやお風呂場などの水回りの住宅設備から、玄関、ドア、壁紙、窓、床などの建具や建材、カーテンや照明などを既製品から選びますが、商品知識だけでなく予算内に収める工夫や住宅環境を考慮して専門家としてのアドバイスもします。

知識と経験でお客様の不便を解消、住まい空間改善のプロ「リフォーム会社」

より深い知識や経験が求められるのが、リフォーム会社での仕事です。新築住宅と比べて制約が多い仕事でもあります。

リフォームでは水回りや電気、耐震などの必要な知識を積極的に学び、お客様を取り巻く環境や未来を想像して提案するスキルがより一層必要です。高齢化社会になるにつれて介護の知識も必要とされています。

市場規模としては、新築市場の停滞と引き換えにリフォーム市場が伸びていくと言われています。家族構成の変化、加齢による住まいへの理想の変化などから生じるお客様のお困りごとや悩みごとをヒアリングし、理想的な環境に改善していく仕事です。

コーディネートに加え企画力やデザイン力が役立つ「設計事務所、デザイン事務所」

設計事務所やデザイン事務所では、お客様のご要望をお聞きして、一から作り上げる注文住宅やリノベーション、店舗デザインを行います。

ここでもインテリアコーディネーターは活躍しており、住宅メーカーと比較すると住宅設備や建具、家具の選択範囲が広いため、より多くの経験と知識が求められます。既製品だけでなく、オーダーメイドの家具を提案したりと自由度が高いため、よりデザイン力が求められます。

またデザイン事務所では、建物内の空間の仕上げまで対応します。そのため、ご商売を引き立てるための内装デザインやインテリアコーディネートの知識も必要です。場合によっては、ショップカードのデザインなどを請け負うなど、ご商売空間のデザインをトータルで対応することもあります。

モデルルームの演出やインテリア相談の対応も「不動産会社」

不動産会社のインテリアコーディネートと聞いて思い浮かぶのは、モデルルームです。新築マンションは販売代理会社もしくはデベロッパーが物件を販売します。モデルルームの多くは、それらから依頼を受けたデザイン事務所や内装工事会社、フリーランスのインテリアコーディネーターがインテリアコーディネートを行うことが多いです。

購入時の特典としてインテリアコーディネートをサービスしたり、家具付きの住宅として販売することも増えています。その際にインテリアコーディネーターの仕事を生かすことができます。

不動産には新築や中古、賃貸や分譲といった種類があります。新築の分譲マンションの場合は建設中の建物とは別にモデルルームを作り、物件を見に来た来場者に物件の下見とインテリアコーディネートの一例として展示しています。
一方で中古物件や賃貸物件の場合は、家具やインテリアアイテムを配置して理想の住まい空間を演出し、早期契約しやすくする「ホームステージング」という手法も日本全国で広がっています。このホームステージングでもインテリアコーディネーターの資格を生かすことができます。

[関連記事]不動産物件価値を底上げする!ホームステージングとは?ワンルーム賃貸物件で体験してみた!

インテリアの相談を受けて商品選びで解決「インテリアショップ」「ショールーム」

普段の生活でもっともインテリアに触れる機会が多いのは、家具やインテリア用品を取り扱うインテリアショップではないでしょうか。家具やインテリアメーカー直営の店舗やショールームでもインテリアコーディネーターの資格が役立ちます。

ショールームと言っても非常に多くの種類があり、システムキッチン、トイレ、カーテン、照明などのメーカー直営のショールームもあれば、複数のメーカーやブランドを総合的に取り扱うショールームもあります。また、展示している商品を見て選ぶという意味では、家具店やインテリアショップもその中の一つです。

ショールームでは、完成した住まい空間に対してインテリアコーディネートの相談に乗り、商品選びの手助けをします。間取りや住環境などの情報を接客を通してきめ細やかにヒアリングし、展示中の商品やメーカーのカタログから商品を探して、お客様の希望に沿った商品を選び出します。
最近では、新築住宅の契約特典としてインテリアショップのスタッフが住まいのトータルコーディネートをしてくれるサービスを付けて差別化を図っている会社もあります。

経験や人脈を生かしてインテリアコーディネーターとして「独立・フリーランス」

会社に所属している間に知識と経験を積み、仕事の案件をもらえるような人脈ができると、独立開業する人も多くいます。

実際、建設会社や住宅メーカーの多くはインテリアコーディネートを行う会社にインテリアコーディネートの部分を請け負ってもらっています。そのため、インテリアコーディネートの依頼を受けるためには、住宅関連会社とのつながりが必要です。

割合としては少ないですが、ホームページやSNSで一般個人のお客様から直接依頼を受けるインテリアコーディネーターもいます。いずれにしても、実績や経験がないと依頼は来ないため、資格を取得後すぐに独立ということはありません。

[関連記事]銀行員からインテリアコーディネーターへ。ママだからこそできるインテリアコーディネートとは!?

インテリアコーディネーターの資格取得の仕方

受験は年1回。一次・二次試験の合格で取得。合格率は24.1%。

インテリアコーディネーターの試験は、公益社団法人インテリア産業協会が主催しており、年1回の実施されています。一次試験は筆記、二次試験はプレゼンテーションと論文です。
2020年11月6日現在、インテリアコーディネーターの資格保有者は全国で58,194名。2020年度の合格率は24.1%で、2016年度から2020年度は毎年7,500~9,000人弱が受験しています。

試験合格後、初回登録料は14,300円(税込)で初回登録年月日から5年間の有効期限となっています。その後も更新の際は研修や更新登録料がかかります。
(引用元:都道府県別インテリアコーディネーター(IC)・キッチンスペシャリスト(KS)登録者数公益社団法人インテリア産業協会「インテリアコーディネーター資格試験>試験結果」公益社団法人インテリア産業協会「資格・登録更新>IC登録・更新」より、2021年11月16時点での情報)

仕事をしながらの勉強する社会人の受験者が多いことや実技試験もあり、合格率は2割程度となっています。ハードルの高さを感じますが、計画的に勉強をして合格したいですね。

暮らしの演出・提案に欠かせないインテリアコーディネーター資格の魅力

ご紹介したようにインテリアコーディネーターの活躍の場は非常に多く存在しています。経験を重ねることで知識が広がり、お客様への提案力も上がっていきます。また経験と人脈ができれば、フリーランスとして独立開業も可能です。
フリーランスで働くことができると出産や子育てなどライフステージに合わせて仕事量を調整できるので、女性の資格保有者が多い理由が分かります。そして何より、”インテリアが好き”という気持ちを仕事でき、プロ意識の高い魅力的な資格です。

インテリアコーディネーターも商品選びに利用している事業者向け仕入れサイト「スーパーデリバリー」

家具・インテリア雑貨に食器やファッションまで、あらゆる商品を掲載中!
インテリアコーディネーター、リフォーム事業者なども商品や備品購入に利用している事業者向けの卸・仕入れサイトです。

事業者なら卸価格で仕入れられます!
詳細・ご登録はこちら

※掲載している記事、画像につきまして、使用上問題のある場合はご連絡いただければ削除など対応いたします。