本日はインテリアコーディネーターのたちのかなさんにお話を伺ってきました。たちのさんが自ら手掛けたご自宅に訪問し、コーディネートする際の秘訣や、こだわりについて教えてもらいました。

たちのさんは中古マンションのリノベーション再販を手掛ける株式会社マイプレイス(本社・神奈川県横浜市)が展開する「『子と住む』をもっと楽しく!」をコンセプトとしたリノベーションマンション「cotosumu」のプロデュースを行うホームプランナーとしてご活躍されています。
フリーランスになる以前には民泊や公共施設の内装も手掛けていらっしゃいます。

たちのさんがプロデュースされた「cotosumu」の物件

インテリアコーディネーターになったキッカケは「インテリアが持つ力」を実感したから

─たちのさん。本日はよろしくお願いします!それにしても本当にオシャレなお部屋ですね。

たちのさん:ありがとうございます。この自宅も私が設計の段階から携わりました。

─ご自身でですか!?お部屋に入った瞬間みとれてしまいました。たちのさんはなぜインテリアコーディネーターになろうと思われたのですか?

たちのさん:新卒で銀行員になり、妊娠と主人の転勤を機に退職したのですが、「インテリアの仕事がしたい」と思ったのは、銀行員時代に京都の老舗のカフェがリフォームするため、資金を融資する案件に関わらせていただいた時です。
融資という形でお手伝いさせてもらったそのお店が、リフォーム後にとってもオシャレなお店になって。お店で提供している珈琲やメニューは変わらないのに、お店の外観や内装が変わっただけで客層が広がり、たちまち人気店になりました。
その時に、空間が変わればそこで過ごす人の気持ちも変えることができると、インテリアが持つ力に魅了されました。そしてインテリアで人のこころを豊かにするような仕事がしたい・・・と思い退職を機に町田ひろ子アカデミーというインテリアの学校に入って勉強を始めました。

─妊娠というお話もでましたが、とても大変な時期にすごい行動力ですね!学校ではどういった事を学ばれるんでしょうか?

たちのさん:子どもが生まれてからでは、新しい事をはじめるのは難しいと思っていたので、思い切って妊娠中に決断しました。学校では本当に基礎から学ばせてもらいました。色の勉強から、照明・カーテン、間取りの事まで幅広く学びます。

─興味を持って勉強されても、そのあとお仕事に結びつけるって大変そうなイメージがありますが・・・

たちのさん:この業界で初めて採用していただいたのが、一級建築士事務所です。銀行員時代に、新卒の採用担当もしていて。その経験をかってもらって入社しました。いつか好きな仕事ができるなら、と迷いはありませんでした。
そのあと、無事に新卒採用ができて、内装の仕事も任せてもらえるようになりました。

現在はフリーランスとして、「cotosumu」というリノベーションマンションのプロデュースに携わっているのですが、こちらの仕事はcotosumuを企画されたソラスプランニング株式会社の土屋さんと子供同士が友達で、ママ友になった事がキッカケでした。

ママだからできる事。「子と住む」をコンセプトとしたリノベーションブランド「cotosumu」のこだわりって?

─先ほどの新卒採用の経験もそうですが、人脈や経験が今に繋がっているのですね。「cotosumu」について教えてもらってもいいですか?

たちのさん:「cotosumu」は株式会社マイプレイスが手掛ける「子どもと住む」をもっと楽しくするマンションブランドです。私と土屋さんはプロデューサーとして、子育てや家事に関しての102個の住まいのアイデアを出し合いました。内装デザインや暮らしをイメージしやすいよう家具や小物を使ってその魅力を引き出すホームステージングも行っています。私も土屋さんも子どもを持つ親なので、ママ視点をいかしたアイデアを詰め込んで、プロデュースしています。

─リノベーションマンションで新しい切り口での提案ですね。「cotosumu」のリノベーションマンションにはどのようなこだわりがあるんですか?

たちのさん:大変な子育て期も親子の笑顔と心のゆとりが増えるようなアイデアを詰め込んだリノベーションマンションです。私も3児の母ですが、自分の経験なども元に考えて作り上げています。私の場合はこれまでの経験を活かして、まずは住む人の24時間をシュミレーションします。
その中で、家事時間の短縮や家事育児の夫婦分担、子どもと過ごす時間の充実などの課題を見つけ、住まいのアイデアでできる解決策を考えます。
例えば、絵本の棚のディスプレイラックも、ただの収納として作るだけでなく、子どもが関心をもつように表紙が見えるようにしています。
ただの収納という考え方ではなくて、自分で選ぶ・決める力を育てる本棚となっています。背表紙だけしか見えないと、興味を持たず読まなくなってしまうことも多いです。表紙が見えると思わず手にとってみたくなり、「これ読んで!」と自ら選ぶきっかけになります。

あとは子どもって、幼稚園や保育園ではお片付けってちゃんとできているんですよね。自分の鞄は自分のロッカーに戻しに行ったり。
それって幼稚園や保育園には自分専用の収納場所があるからだ、と気づきました。その気づきをキッカケに、身支度や片付けを自ら進んでしたくなる「キッズロッカー」を作りました。扉があると開ける動作が必要ですが、幼稚園や保育園のロッカー同様オープンにしました。背面の色をそれぞれ変えたのは、自分専用のお気に入りの場所にしてもらいたかったからです。
そうすると、ちゃんと片付けてくれるんです。また大人が手伝わなくても、子どもが自主的に片付けができるようにラックなどの高さは手の届く高さで調整しています。

─収納としての見栄えだけでなく、子どもがどう感じてどう育ってくれるかというところまで考えられているんですね。こうやって子どもが自主的に動いてくれると、お母さんもうれしいですね。

たちのさんの家も、子どものおもちゃは子どもが自分でしまえる高さの場所に設置。ちゃんと自分でお片付けしてくれるそうです!

たちのさん:他にもこだわりはたくさんあります。例えば、インテリアグリーン(観葉植物)を取り入れることって、子育て中の家庭にとってとてもハードルが高いことなんです。子どもたちはとても好奇心が旺盛なので、家にグリーンを置いていたりすると、土をいじってしまったり引っ張ってしまいますよね。それで家に植物を取り入れられないっていうお母さんの声をよく聞きます。これは実際の「cotosumu」の物件の写真です。

エアープランツや、ハンギングプランツを取り入れました。子供の手の届かない場所なら、いたずらや危険なことが起きる心配もありません。グリーンには空気を綺麗にする効果や気持ちをリラックスさせる効果があります。あと空間に、緑を取り入れるだけでぐっと印象が変わります。
子どもがいるからといってあきらめる必要はなくて、工夫次第で取り入れる事ってできるんです。

我が家のリビングでも1歳の子どもがいますが、グリーンを取り入れています。鉢にかぶせているのは珈琲豆が入っている麻袋です。ネットでも安く簡単に手に入ります。
子どもが土をいじれないようにしているんです。

[関連商品]インテリアグリーン

─「cotosumu」って、子どもを中心としたものではなく、「子どもと楽しく住む」という家族みんなの事を考えた物件なんですね。

インテリア・エレメンツのコーディネートで意識するのは統一感

─たちのさんの家を拝見していても思ったのですが、インテリアもとても素敵ですね。

たちのさん:ありがとうございます。大切にしているのは統一感ですね。私が行っている統一感の出し方は、まずインテリアのコンセプトを決めて・・・例えば「ナチュラル」×「モノトーン」とかですね。
次にそのコンセプトにあった家具・小物を選んでいくのですが、「これだ!」というようなイメージ通りのものを一つ見つけます。
それは、家具や小物、インテリアアートである場合もあります。これを「キーエレメント」と呼んでいます。
そのキーエレメントから、家具や小物を選んでいくとおのずと統一感が出ていきます。材質やテクスチャーが異なると、キーエレメントが活きてこないので、材質も選びます。
例えば、木材も種類・色・風合いが異なると全く違ったイメージになります。無垢材の家具をキーエレメントに選んだなら、出来る限り無垢材を使ったコーディネートにしたいですね。

─テイストやカラーイメージでまずはコンセプトを決めていらっしゃるんですね。ばっくりとしたイメージから作り上げるよりも、キーエレメントを決めた方が色合いや材質などでまとまりもイメージしやすく、合わせる小物なども選びやすくなりますね。

インテリアがもつ可能性

─先ほど、住む人の24時間をシュミレーションしてプランニングされるというお話がありましたが、まさにたちのさんのご自宅はその思いが詰まっているのではないでしょうか。

たちのさん:詰め込みましたね。(笑)例えば洗濯機の上には、このように収納スペースを作っています。ハンガーなども形を揃え、絡みにくいものをチョイスしたり、ハンガーを一時的に掛けられるラックを設置しています。主人もこれまで洗濯物をするのも、煩わしくて苦手だったのですが、移動スペースを最小限にしたり、出し入れなど作業をしやすくする事によって手伝ってくれるようになりました。子どもたちの片付けにおいてもそうですが、今抱えている課題を、インテリアや空間で工夫をこらすことで解消できる事ってあるんです。

公共施設の内容や、リノベーションマンションのプロデュース、ホームステージング、個人宅のコーディネート。いずれをとっても、「誰が」という視点をキーに、いかに具体的にイメージをふくらませる事ができるかが大切だと思っています。
自宅も、こだわりはまだまだありますが「私の家族」にとって理想的なインテリアコーディネートができているのではないかな、と思います。

──インテリアの持つ力は、冒頭の京都の老舗のように新しい可能性を与えたり、「cotosumu」のリノベーションマンションのように、住む人に寄り添った工夫や演出によって物件の価値を高めたり、日常生活の課題を解決できたりと可能性を秘めているんですね。

それを引き出す、インテリアコーディネーターさんのお仕事の難しさと、魅力を知れました。たちのさん、本日はありがとうございました。

 

 

 

「子と住む」をもっと楽しく!リノベーションマンション「cotosumu」

たちのかな様 Instaglam


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