近年、アパレルや雑貨店などの小売業界では、お客様をおもてなしする接客において、個々の販売員のスキルだけでは限界があるという認識が広まっています。来店されるお客様のニーズが多様化し、ECサイトとの競争が激化する中で、店舗が選ばれ続けるためには、スタッフ全員が一丸となってお客様をもてなし、感動体験を提供する「チーム全体での接客力」が不可欠になっています。

この「チームビルディング」という考え方は、単に売上を向上させるだけでなく、スタッフ一人ひとりの働きがいやモチベーションを高め、店舗への定着率を向上させる上でも非常に重要です。個人のカリスマ性に頼りすぎた運営から脱却し、組織として強固な接客体制を築くことは、結果として顧客満足度を高め、持続的な店舗成長へとつながります。

この記事では、店長様が抱える「エーススタッフに頼りきりになっている」「新人育成がうまくいかない」といった属人化や人材育成の悩みを解決し、お客様からもスタッフからも「また来たい」と愛される店づくりの具体的なヒントを、明日から実践できる形でご紹介します。強力なチームを築き、店舗の未来を切り開くためのステップを一緒に見ていきましょう。

目次

なぜ今「チームビルディング」がアパレル・雑貨店に必要なのか?

アパレル・雑貨店を運営するにあたり、これまでは個々のスタッフの接客スキルに依存する「個人プレー」が主流でした。しかし、現代の小売業界では、この個人プレーの限界が顕著になっています。例えば、店舗のエーススタッフが不在の際に売上が大きく落ち込んだり、特定のスタッフに顧客が集中してしまい、他のスタッフの成長機会が奪われたりするケースは少なくありません。これは、店舗運営が特定の個人に属人化している状態であり、エーススタッフの退職や体調不良といった事態が発生すると、店舗全体に大きな打撃を与えてしまうリスクを抱えています。

また、近年では人材不足が深刻化し、経験豊富なスタッフを常に確保することが難しい状況です。さらに、お客様の購買行動やニーズは多様化し、SNSでの情報収集やオンラインストアの利用も一般化しています。このような変化の速い時代において、個人のスキルだけに頼る運営では、変化に対応しきれず、持続的な成長は見込めません。

そこで重要になるのが「チームビルディング」です。チームビルディングは、これらの現代的な課題に対する有効な解決策となります。個々のスタッフが持つ強みを最大限に活かし、互いに連携することで、店舗全体の接客レベルを底上げし、どんな状況でも安定したパフォーマンスを発揮できる店舗づくりが可能になります。お客様にとっても、誰が対応しても質の高いサービスを受けられる安心感につながり、結果として店舗のファンが増え、持続的な売上向上に貢献していくでしょう。

属人化を防ぎ、店舗全体の接客レベルを安定させる

チームビルディングを導入する大きなメリットの一つは、接客品質の「属人化」を防ぎ、店舗全体のレベルを「標準化」できる点にあります。特定のカリスマ店員がいる店舗では、そのスタッフが売上の大半を上げてしまうという状況がよく見られます。お客様もそのスタッフを指名して来店するようになり、一見すると繁盛しているように思えるかもしれません。しかし、もしそのスタッフが異動したり、退職したりした場合、残された店舗は売上の激減という厳しい現実に直面する可能性があります。

このような状況を避けるためには、接客のノウハウやお客様の情報を個人が抱え込むのではなく、チーム全体で共有する仕組みが不可欠です。例えば、接客中に気づいたお客様の好みや以前の購入履歴、世間話で出た情報などをチームで共有することで、どのスタッフが対応しても「私を覚えてくれている」という特別感をお客様に提供できます。これにより、個人のスキルに左右されることなく、店舗として一貫した質の高い接客を提供できるようになります。

チーム全体で接客スキルや知識を共有し、お互いに高め合うことで、店舗の接客レベルは底上げされ、安定します。結果として、特定のスタッフが不在でも売上が大きく落ち込むことがなくなり、店舗全体の売上を着実に向上させることができるでしょう。お客様も安心して来店できるため、店舗への信頼感と愛着が深まります。

スタッフ満足度が顧客満足度につながる好循環を生む

チームビルディングは、スタッフの満足度(ES:Employee Satisfaction)を高め、それが最終的に顧客満足度(CS:Customer Satisfaction)の向上につながるという好循環を生み出します。スタッフ同士が互いをサポートし、困った時には助け合い、良い点を認め合う風土がある職場は、個々のスタッフにとって働きがいを感じられる場所です。このような環境では、スタッフは安心して働くことができ、仕事に対するモチベーションも自然と高まります。結果として、離職率の低下にも繋がり、人手不足に悩む店舗の大きな支えとなるでしょう。

スタッフが仕事に満足し、生き生きと働いている姿は、お客様にも確実に伝わります。笑顔で活気のある店舗、スタッフ同士の連携がスムーズでプロ意識の高い接客は、お客様に心地よさと安心感を与えます。例えば、アパレル店でコーディネートに悩んでいるお客様に、複数のスタッフがそれぞれの視点からアドバイスをしたり、雑貨店でギフト選びに迷っているお客様に、チームで知恵を出し合って最適な商品を提案したりする姿は、お客様にとって非常に魅力的に映るでしょう。

このように、スタッフがチームとして機能し、互いに協力し合うことで生まれる良好な雰囲気や質の高いサービスは、「このお店は居心地が良い」「また来たい」というお客様の感情を育みます。結果として、お客様は単に商品を購入するだけでなく、その空間での体験全体に価値を見出し、店舗のファンになってくれるのです。スタッフの満足度が顧客満足度を向上させ、それがさらなる店舗の発展へと繋がる、理想的な循環が生まれます。

チームで顧客情報を共有し、リピーターを育てる仕組みができる

チームビルディングがもたらす第三のメリットは、お客様を「リピーター」へと育成する仕組みを店舗全体で構築できる点にあります。多くの場合、お客様の購入履歴や会話の内容、好みといった情報は、担当した一人のスタッフの中に留まりがちです。これでは、そのスタッフが不在の際や、別のお客様を接客している際に、お客様は「自分のことを覚えていない」と感じてしまい、特別な体験を提供することが難しくなります。

チームで顧客情報を共有する仕組みがあれば、お客様がいつ来店しても「いつもありがとうございます、この前のトップスは活躍していますか?」といった具体的な声かけが可能になります。例えば、アパレル店では、前回購入したアイテムとのコーディネート提案を別のスタッフが行ったり、雑貨店では、以前話していた趣味に合う新商品を複数のスタッフが提案したりすることができます。お客様は、店舗のどのスタッフからも「自分のことを大切に思ってくれている」と感じ、深い信頼感と愛着を抱くようになるでしょう。

こうした「個人に依存しない、店舗全体でのリピーター育成戦略」は、お客様にとって来店するたびにパーソナルなサービスを受けられる特別な場所となり、店舗へのエンゲージメントを高めます。お客様は単なる来店客ではなく、店舗のファンとなり、継続的な売上に貢献してくれるだけでなく、友人や知人にも店舗を紹介してくれるなど、新たな顧客獲得にも繋がる貴重な存在へと育っていくでしょう。

【STEP1】個々の接客スキルを磨く!明日から使える基本テクニック

強力なチームを築き、店舗全体のパフォーマンスを向上させるためには、まずスタッフ一人ひとりが高い接客スキルを身につけることが不可欠です。個々のスキルアップがチーム全体の底上げにつながり、結果としてお客様に提供できる価値も高まります。この章では、新人スタッフの方でも、日々の業務の中で実践できる基本的な接客テクニックを具体的にご紹介します。お客様との信頼関係を築く「ファーストアプローチ」、潜在的なニーズを引き出す「傾聴力」と「質問力」、商品の魅力を効果的に伝える「提案力」、そして購入の決断を後押しする「クロージング」の4つのステップを通じて、明日からすぐに使える実践的なスキルを習得し、お客様とスタッフ双方にとってより良い店舗体験を創造するヒントを見つけていきましょう。

信頼関係を築くファーストアプローチ

お客様との最初の接点であるファーストアプローチは、その後の接客の成否を左右する非常に重要な瞬間です。単に「いらっしゃいませ」と声をかけるだけでは、お客様は警戒心を抱きやすく、すぐにスタッフから離れてしまうことも少なくありません。ここで大切なのは、お客様に「売り込み」を感じさせず、リラックスして店内をご覧いただけるような雰囲気づくりです。

具体的なテクニックとしては、まずお客様の視界に入らない位置から、お客様が商品に手を伸ばしたり、立ち止まったりしたタイミングで、さりげなく声をおかけします。例えば、雨の日であれば「足元の悪い中お越しいただきありがとうございます」と天候に触れたり、お客様が手に取った商品について「そちら、先週入ってきたばかりの新商品なんですよ」と一言添えたりするのも良いでしょう。アパレル店であれば、試着室から出てきたお客様に「とってもお似合いですね」とポジティブな声かけをすることで、会話のきっかけをつくることができます。

雑貨店の場合は、お客様が特定のコーナーで長く立ち止まっているのを見計らい、「何かお探しですか?」ではなく、「プレゼント選びでしょうか?」「新生活の準備ですか?」など、具体的な状況を推測した質問を投げかけることで、お客様は「自分のことを見てくれている」と感じ、安心して会話に応じてくれるようになります。お客様のペースを尊重し、押しつけがましくない自然なアプローチを心がけることで、お客様との信頼関係を築く第一歩となるのです。

お客様のニーズを引き出す「傾聴力」と「質問力」

お客様に最適な商品を提案するためには、お客様が何を求めているのか、どんな悩みを持っているのかを正確に把握することが不可欠です。そのためには、「傾聴力」と「質問力」を磨き、お客様の潜在的なニーズやウォンツを引き出すことが重要になります。お客様の話に真摯に耳を傾け、共感を示す姿勢は、お客様が安心して本音を話してくれる土壌を作ります。

傾聴においては、相槌を打ったり、お客様の表情に合わせて表情を変えたり、お客様が言ったキーワードを繰り返したりすることで、「あなたの話をしっかり聞いています」というメッセージを伝えます。例えば、お客様が「普段使いできるカジュアルなバッグを探していて…」と言われたら、「普段使いですね、ありがとうございます」と繰り返すことで、お客様は「理解してもらえている」と感じ、さらに話を進めやすくなります。

質問力に関しては、大きく分けて「オープンクエスチョン」と「クローズドクエスチョン」を使い分けます。「どういったものをお探しですか?」「どのようなシーンでお使いになりますか?」といったオープンクエスチョンは、お客様から具体的な情報や漠然とした希望を引き出すのに有効です。一方で、「こちらの色でよろしいですか?」「今すぐお持ち帰りになりますか?」といったクローズドクエスチョンは、お客様の意思確認や、選択肢を絞り込む際に効果的です。これらの質問を適切に組み合わせることで、お客様は自身の要望を整理でき、スタッフはより的確な提案へと繋げることができるのです。

購入を後押しする!アパレル・雑貨の提案力向上術

お客様のニーズをしっかりと引き出せたら、次は商品の魅力を最大限に伝え、購入を後押しする「提案力」が求められます。単に商品の機能やデザインを説明するだけでなく、その商品がお客様の生活をどう豊かにするか、どんな「コト」を提供するのかを具体的にイメージさせることが重要です。お客様は、商品そのものではなく、商品を使うことで得られる未来の体験や感情に価値を見出します。

例えばアパレルの場合、「このブラウスは肌触りがとても良いんですよ」と素材の説明をするだけでなく、「手持ちのスカートにも合わせやすいですし、休日のカフェ巡りにもぴったりですよ。着るだけで気分が明るくなります」といったように、着用シーンや得られるメリットを具体的に伝えます。お客様は、「このブラウスを着てカフェでくつろぐ自分」を想像しやすくなり、購買意欲が高まります。

雑貨の場合も同様です。例えば、アロマディフューザーを提案する際に「香りが拡散します」だけでなく、「寝室に置けば、毎晩リラックスした気分で深い眠りにつけますよ」と、使用後の心地よさを伝えます。また、食器を提案するなら「この食器を使うと、いつもの朝食が少し特別な時間になりますよ。テーブルに並べるだけで、食卓が華やかになります」といった表現で、お客様のライフスタイルに寄り添った提案をすることで、お客様は自分ごととして商品の価値を感じ、購入へとつながる可能性が高まるでしょう。

決定率を上げるクロージングのコツ

接客の最終段階であるクロージングは、お客様の購入の決断を後押しする大切なプロセスです。クロージングは、決して無理に商品を売りつけることではありません。お客様が商品選びで抱えている迷いや不安を取り除き、本当に納得して購入できるようサポートすることが、クロージングの本質です。お客様が購入を迷っているサインを見極めることが、成功への第一歩となります。商品を何度も手に取って見たり、黙って考え込んだり、他のスタッフの意見を求めたりする様子は、お客様が購入を検討しているサインと捉えられます。

クロージングの具体的な会話術としては、お客様の選択をサポートするいくつかの方法があります。例えば、「もし迷われているなら、〇〇の理由でこちらがおすすめです」と二つの選択肢の中から具体的な理由を添えて一つを推奨する「二者択一法」は、お客様が選びやすくなります。また、「多くのお客様が、〇〇の点を気に入ってくださっていますよ」と、他のお客様の声や成功事例を伝える「結果実例法」も、お客様に安心感を与え、購入への一歩を後押しします。

お客様が特定の不安を口にされた際は、「おっしゃる通り、〇〇について不安に感じられる方もいらっしゃいます。ただ、この商品は〇〇な点があるので、ご安心ください」と共感を示した上で、具体的な安心材料を提供することも有効です。クロージングの目的は、お客様自身が「買って良かった」と心から思えるよう、最適な選択をサポートすることにあります。お客様の背中をそっと押すような、丁寧で安心感のある言葉選びを心がけましょう。

【STEP2】個人プレーから連携プレーへ!「チーム接客」の具体的な方法

この章では、一人ひとりの接客スキルを店舗全体の「組織力」として最大限に引き出す「チーム接客」について具体的に掘り下げていきます。お客様一人に対して、一人のスタッフが最初から最後まで対応するこれまでの個人プレーから、店舗にいるすべてのスタッフでお客様をもてなし、より高い満足度を提供する連携プレーへと移行するための具体的な方法をご紹介します。

店長一人が抱え込みがちな「エーススタッフ頼りの運営」から脱却し、店舗全体のパフォーマンスを向上させるチーム接客は、お客様にとっても、そしてスタッフにとっても、より魅力的な店舗体験を創造します。個々のスタッフが持つ強みを活かし、互いにサポートし合うことで、お客様へのきめ細やかな対応が可能になり、結果として店舗全体の売上向上にも繋がるでしょう。

チーム接客とは?スタッフ全員でお客様をもてなす接客スタイル

チーム接客とは、お客様一人に対して複数のスタッフがそれぞれの専門性や役割を分担し、連携して最高のサービスを提供する接客スタイルです。例えば、お客様がご来店された際に最初に笑顔で声をおかけするスタッフ、商品知識が豊富で具体的な機能や素材を説明するスタッフ、お客様の好みやライフスタイルを伺いコーディネートを提案するスタッフ、そして最後に気持ちよくお見送りするスタッフといったように、それぞれが強みを活かして連動します。

このアプローチの最大のメリットは、一人のスタッフでは提供しきれない多角的なサポートが可能になる点です。たとえば、お客様がアパレル商品をご覧になっている間に、別のスタッフがその商品に合う雑貨やアクセサリーをご提案したり、過去の購入履歴から好みをお声がけしたりすることもできます。これにより、お客様は「自分を大切にしてくれている」と感じ、一人ひとりのニーズに深く寄り添った、パーソナルな体験を得られます。

結果として、お客様はより深く店舗に愛着を感じ、「また来たい」という気持ちを抱きます。スタッフ間でもお互いの良い部分を学び、助け合うことで、個々のスキルアップだけでなく、チーム全体の士気向上にも繋がり、顧客満足度の飛躍的な向上に貢献するでしょう。

実践!お客様とスタッフを巻き込む「巻き込み接客術」

チーム接客をより効果的に実践するための一つのテクニックが「巻き込み接客」です。これは、接客中のスタッフが、意図的に他のスタッフや、場合によっては近くにいる他のお客様を会話に引き込むことで、店内に一体感と活気をもたらし、お客様の購買意欲を高める手法です。

具体的な例を挙げましょう。アパレルの接客中に「このワンピース、〇〇さん(他のスタッフの名前)もすごく似合いそうって言ってたんですよ!〇〇さんもこのカラーの服、お似合いになりますもんね」と、お客様に合う理由を他のスタッフの意見を借りて伝えることで、客観的な視点と信頼性を加えることができます。また、雑貨店であれば「こちらのアロマオイル、先日も別のお客様が『寝室で使ったらぐっすり眠れるようになった』とおっしゃっていました」と、第三者の体験談を共有することで、商品の魅力や効果をリアルに伝えることが可能です。

この巻き込み接客は、お客様に「このお店はみんなで自分をもてなしてくれている」と感じさせ、安心感や特別感を与えます。同時に、スタッフ同士の自然なコミュニケーションが生まれることで、店舗全体の雰囲気が活気づき、お客様もリラックスしてショッピングを楽しめるようになるでしょう。無理に売り込むのではなく、お客様が自然と商品に魅力を感じ、購買へと繋がるきっかけを作る、効果的なテクニックなのです。

成功の鍵は「情報共有」とポジティブな「フィードバック」

チーム接客を円滑に機能させるためには、スタッフ間での密な「情報共有」と、互いの成長を促す「ポジティブなフィードバック」が不可欠です。お客様の好みや過去の購入履歴、来店時の会話内容などの情報は、特定のスタッフだけが知っているのではなく、チーム全体で共有する仕組みが重要になります。

具体的な方法としては、毎日の朝礼や終礼で前日の特記事項やお客様情報を簡潔に共有したり、顧客ノートや共有タブレットを活用して誰でもアクセスできるようにしたりすることが挙げられます。また、お客様が特定のスタッフと会話している内容を、近くにいる他のスタッフがさりげなくインカムで共有し、必要に応じてサポートに入れる体制を整えることも、お客様にシームレスな接客を提供するために非常に効果的です。

さらに、チームの連携を強化し、全体の接客スキルを向上させるためには、スタッフ同士がお互いの良い接客を具体的に褒め合う「ポジティブフィードバック」の文化を育むことが大切です。「〇〇さんの、あのお客様への声かけのタイミング、すごく自然で素敵でした!」「〇〇さんが提案したコーディネート、とても参考になりました」といった具体的な言葉は、スタッフの自信とモチベーションを高め、次への成長に繋がります。日々の業務の中で、互いの良い点を見つけ、積極的に伝え合うことで、チームはより強く、お客様にとっても魅力的な店舗へと進化していくでしょう。

【STEP3】店長が実践したい!スタッフのやる気を引き出す仕組みづくり

この章では、店長自身の役割に焦点を当て、スタッフのモチベーションを高め、チームとして成長し続けるための「仕組みづくり」について深く掘り下げていきます。これまでにご紹介した接客テクニックやチームプレーを単なる一時的な取り組みで終わらせず、店舗の文化としてしっかりと根付かせるための具体的なマネジメント手法をご紹介します。店長がすべての業務を一人で抱え込むのではなく、スタッフ一人ひとりの主体性を引き出し、それぞれの強みを最大限に活かすためのヒントを提示します。これにより、スタッフ全員が「自分ごと」として店舗運営に参加し、活気あふれる売場を作り上げることを目指しましょう。

スタッフの成長を促す目標設定と役割分担のコツ

スタッフの主体的な成長を促すためには、一人ひとりに合わせた目標設定と適切な役割分担が欠かせません。単に「売上目標〇〇円」といった画一的な数字目標を掲げるだけでなく、スタッフが「何をしたいか」「何が得意か」に合わせた個人目標を設定することが重要です。たとえば、SNSが得意なスタッフには「インスタ投稿の担当」として店舗の発信力を高めてもらったり、VMD(ビジュアルマーチャンダイジング)に興味があるスタッフには「ディスプレイ改善のアイデア出し」を任せたりするなど、具体的な役割を与えることで、自らの成長を実感しやすくなります。

店長の業務を適切にスタッフに分担し、それぞれに責任と裁量を与えることは、単なる業務負担の軽減以上の効果をもたらします。これにより、スタッフは「自分もチームの一員として貢献している」という意識を持つようになり、自己肯定感とエンゲージメントが向上します。さらに、店長がスタッフを信頼し、仕事を任せる姿勢を見せることで、強固な信頼関係が築かれ、それが店舗全体の生産性向上とスタッフの長期的な定着に繋がります。任せる際には、丸投げではなく、適切なサポートやフィードバックを欠かさないことが成功の鍵となります。

楽しみながらスキルアップ!効果的な接客ロールプレイングの進め方

接客ロールプレイングはスタッフのスキルアップに不可欠なトレーニングですが、ともすればマンネリ化しがちです。これを楽しみながら実践的なスキルが身につく効果的な内容に変えるためには、いくつか工夫が必要です。まず、単調な会話練習ではなく、具体的なお客様像を設定しましょう。「ギフトを探しているけど何にするか迷っているお客様」や「特定のアイテムを探しているけれど、自分には似合わないと思っているお客様」など、具体的なシチュエーションを設定することで、スタッフはよりリアルな対応力を養うことができます。

ロールプレイングは時間を区切って集中して行い、終了後には「ダメ出し」ではなく、ポジティブなフィードバックを心がけてください。まずは「良かった点」を具体的に伝え、「〇〇な声かけは、お客様の警戒心を解くのにとても効果的でしたね」のように、具体的な行動と効果を結びつけて褒めましょう。その上で、「もっとこうすれば良くなる点」を一つか二つに絞り、「〇〇という質問の仕方をすれば、もっとお客様の深層ニーズを引き出せたかもしれませんね」と、具体的な改善策を提案します。

また、スタッフ同士で評価し合う形式を取り入れたり、良い接客にはポイントを付与するなどのゲーム感覚の要素を取り入れることも有効です。これにより、スタッフは楽しみながら、お互いの良い点から学び、自身の課題を客観的に認識できるようになります。定期的に行うことで、着実に店舗全体の接客レベルを底上げし、お客様に「このお店のスタッフはみんな対応が良い」と感じていただけるようなチームを育てることができます。

「ありがとう」が飛び交う職場に。承認文化がチームを強くする

チームの結束力を高め、ポジティブな職場環境を作る上で最も重要な要素の一つが「承認文化」です。これは、スタッフ一人ひとりの貢献や努力を認め、感謝を伝え合う文化を指します。店長が率先して、スタッフの日々の小さな貢献や良い行動に対して「ありがとう」「助かったよ」と具体的に感謝を伝えることから始めましょう。「お客様への〇〇な気配りが素晴らしかったよ」「レジの混雑時に、〇〇してくれて本当に助かった」など、具体的な行動を褒めることで、スタッフは自分の仕事が正しく評価されていると感じ、モチベーション向上に繋がります。

さらに、スタッフ同士でもお互いの良いところを見つけて褒め合う仕組みを作ることも効果的です。例えば、「サンクスカード」を導入し、感謝のメッセージを書いて贈り合うことで、日頃なかなか言葉にできない感謝を伝え合う機会を創出できます。また、毎日の朝礼で「今日のグッドニュース」として、前日のスタッフの良かった点やお客様との嬉しいエピソードを共有する時間を設けるのも良いでしょう。このような習慣を積み重ねることで、店舗全体に感謝と承認の気持ちが満ち溢れ、互いにサポートし合う強固なチームへと成長していきます。

まとめ:強いチームで、お客様にもスタッフにも愛されるお店をつくろう

これまでお伝えしてきたように、アパレルや雑貨店において売上を伸ばし、顧客満足度を高めるためには、個々の接客スキルを磨くだけでなく、それを最大限に活かす「チームビルディング」が不可欠です。特定のエーススタッフに頼りすぎる運営では、そのスタッフが不在の際に売上が落ち込むといったリスクを抱えがちです。しかし、チーム全体でお客様をおもてなしする体制を築けば、どのスタッフが対応しても一貫した高品質な接客を提供できるようになり、店舗全体の売上安定と向上につながります。

店長一人が全ての業務を抱え込み、孤軍奮闘するのではなく、スタッフ一人ひとりの強みを引き出し、役割を分担することで、チームとして成長し続けることができます。スタッフが互いに協力し合い、認め合う文化が育まれれば、スタッフ自身のモチベーション向上にもつながり、生き生きと働くスタッフの姿はお客様にも良い印象を与えます。結果として、スタッフ満足度と顧客満足度が高いレベルで循環する「愛されるお店」が実現できるのです。

お客様に「また来たい」と思っていただけるような心地よい空間と、スタッフが「ここで働きたい」と思えるような職場環境は、決して遠い夢ではありません。チームビルディングを通じて、スタッフ全員で店づくりに取り組み、お客様からもスタッフからも愛され、地域に根ざした持続可能な店舗を実現していきましょう。

チームの魅力を高めるアパレル・雑貨の仕入れは「スーパーデリバリー」で!

チームビルディングによって接客力が向上し、お客様との信頼関係が深まった店舗が次に取り組むべきは「商品力」の強化です。お客様のニーズをチーム全体で共有し、それに沿った魅力的な商品を効率的に仕入れることは、店舗の個性を際立たせ、お客様の「また来たい」という気持ちをさらに高める重要な要素になります。

そこでご紹介したいのが、アパレル・雑貨の仕入れサイト「スーパーデリバリー」です。スーパーデリバリーを活用すれば、チームで意見を出し合いながら、幅広いジャンルの商品の中からお客様の心に響くアイテムを簡単に見つけることができます。季節のトレンドをいち早く取り入れたアパレル商品から、毎日の生活を豊かにするような個性豊かな雑貨まで、チームで相談しながら新しい商品を探す時間は、スタッフにとっても楽しみの一つとなるでしょう。

チームで共有したお客様の声や、店舗のコンセプトに合った商品をスーパーデリバリーで見つけ、魅力的な品揃えを実現してください。仕入れの効率化はもちろんのこと、他店との差別化を図り、店舗独自の魅力をさらに高めることで、お客様に「このお店はいつも新しい発見がある」「私が求めているものがきっと見つかる」と感じていただける、唯一無二の店舗を作り上げていくことができます。強いチーム力と魅力的な商品力で、お客様を惹きつけ、愛され続けるお店を目指しましょう。