ファッションの物販で成功するためには、商品に合った什器・備品の選定がとても大切です。インテリアにこだわりのある雑貨店や美容室・カフェなどのオーナーにとっては、店舗の魅力と効率を高めるためにどう選ぶかが重要なポイントとなります。

この記事では、はじめてのファッション物販を成功につなげるための什器・備品選びの3ステップを図解とともにご紹介していきます。視覚的にわかりやすく、初心者の方でも簡単に取り入れられる内容で、店舗運営の向上につなげられたらうれしいです。

はじめに:アパレル物販において什器・備品選びは重要

ファッション物販では、什器・備品の選び方によって店舗の魅力や運営の効率が大きく変わります。

什器はトルソー、ハンガーラック、陳列棚といったもので、これらは商品の展示や店舗運営をサポートするための家具や設備のことを指します。備品はそれを補完する小物類(ハンガーなど)です。

きちんと選べば、ディスプレイの提案時もオシャレになります。什器・備品選びをしっかりと行うことで、顧客の購買意欲を引き出し、商品の魅力を最大限に伝えることができます。

たとえば、魅力的なトルソーやマネキンを使うことで商品の見え方に工夫ができ、視線を引きつけます。また、限られた店舗スペースを最大限に活用するために、什器の配置や種類も吟味する必要があります。この什器・備品選びのむずかしさを解決するために、この記事では、成功へ導く3ステップを具体的に解説します。

これから説明するステップを実践することで、店舗の魅力が高まり、顧客満足度の向上を目指せることでしょう。視覚的に理解しやすい図解を交えて提案していきます。

ぜひ参考にしてみてください。

ステップ1:トルソーとマネキンの選び方

ファッション物販で成功するためには、トルソーとマネキンの適切な選択がとても大切です。これらの什器をうまく選ぶことで、商品の魅力を引き出し、顧客の購買意欲を高めることができるからです。本ステップでは、これらの什器を効果的に選ぶポイントを紹介し、オーナーの皆さんが自らの店舗にぴったりな什器を選ぶための秘訣をご紹介します。

トルソーの種類と特徴

トルソーにはいくつかの種類があり、それぞれの特徴や用途に応じて選ぶことが重要です。例えば、腕付きのもの(付いていないもの)、全身のトルソー(上半身のみのもの)、顔が付いているもの(ついていないもの)、関節部が動かせるアクティブなタイプ(固定ポーズのもの)、パーツのみのトルソー(手・足・フェイス・バストアップ)といったように、スタイルもいろいろあります。

■アーム付きのトルソー

アーム付 トルソー(取り扱い企業:サカベ

アパレルを扱うならおすすめしたいのが、アーム付きのトルソー。Tシャツや長袖など袖の長さなどもわかり、パンツやスカートなどのボトムスなども履かせるのがかんたんです。

■アームなし(腕が付いていない)トルソー

手軽に取り入れたいなら、すっきりとしたシルエットの腕が付いていないトルソーもおすすめです。トップスなどは上から被せるように着用させることができるので取り扱いもしやすくスムーズです。

■全身トルソー

こだわりのあるお洋服などの提案には、全身トルソーがおすすめ。取り扱いになれるまではコツがいりますが、コーディネートさせたときのシルエットの美しさが目を惹きます。

■顔つきのトルソー

帽子やストール、マフラーなど小物も含めた提案をするなら、顔付きの全身タイプのマネキンがおすすめです。顔があることで装いのイメージが一気に具体的な提案につながります。

■関節部が動かせるトルソー

関節部分を動かすことができるマネキン。ポージングなども変えられるので、リアリティあふれる提案はもちろん、装いの雰囲気に応じてみる人に新鮮な印象を与えることができそうです。

また、素材も布製、ポリプロピレンやウレタンを使用したもの。ツヤのある質感、マットな質感など…トルソーひとつでもたくさんあります…。お店での提案の仕方などをイメージし、揃えていきましょう。

マネキンのサイズと種類

マネキンは商品の魅力を最大限に引き出すために欠かせないアイテムです。マネキンのサイズは商品の見え方を左右します。適切なサイズのマネキンを使うと、服のシルエットが美しく見えるようになります。

マネキンは大きくレディース、メンズ、キッズの3つに分類されます。それぞれに合った使い方をすることで、商品の良さを引き出すことができます。また、ターゲットに応じたサイズ展開などもあるので、ヤング層向け、ミセス層向け、キッズもトドラー、スクールなど…取り扱い商品のサイズ感に応じてマネキン(トルソー)を意識して選ぶようにしてみると、提案商品の訴求力が変わります。

ディスプレイでトルソーを活用する方法

ディスプレイでトルソーを上手に使うことで、商品の魅力を最大限に引き出せます。商品のスタイルに合わせて配置を工夫したり、目立つ場所に配置することで顧客の目を引くことができます。

また、アクセサリーを効果的に使ったりライトアップを取り入れると、商品の見せ方を一段と引き立てます。こうしたテクニックを活用して、店舗の魅力を高めましょう。

ステップ2:什器とディスプレイ用品を選ぼう

什器やディスプレイ用品を選ぶ際には、店舗の運営効率と顧客の体験を向上させることを意識しましょう。限られたスペースを最大限に活用し、商品の魅力を引き出すために、適切な什器やディスプレイ用品を選ぶことが大切です。

什器の種類とアパレル店舗への適用

アパレル店舗でも什器は特に重要です。棚やレジカウンター、試着室などは、お店のスペースを有効活用するために欠かせません。顧客が動きやすい配置を考えながら、最適な什器を選びましょう。

ディスプレイラックの活用

ディスプレイラックにはシェルフや陳列棚、回転ラックなどがあります。それぞれの特徴を理解し、展示したい商品に応じて選ぶことで、顧客の視線を引きつける効果があります。

オープンラック」とは、扉や背板がないタイプの棚です。側面がないので、売り場の中央などにも設置しやすいのがポイントです。

陳列棚」といっても商品はいろいろ。上記のように棚に段差があって陳列時の提案がしやすいもの。陳列棚の下に在庫ストック用の引き出しがあるもの。ハンガーラックと上部ディスプレイが可能な提案できるもの。

Tシャツやサンダル・タオルなどの提案にも使えるワイヤーカゴのついた棚。ファッション小物や雑貨などの提案にも適したゴンドラ什器。一気に売り場らしくなるような連結什器。このように棚ひとつでも多岐に渡ります。

ハンガーラックとハンガーの選び方

ハンガーラックやハンガーを選ぶときは、商品の特性や店舗のレイアウトを考慮することが重要です。お店の提案イメージにあった素材や形状を選んで、店舗の美観と機能性を高めましょう。

ハンガーひとつでも、木製、スチール製などがあります。カラーもダークブラウンや、アンティークゴールドなども展開されているので、お店の雰囲気に合わせて選ぶと良いでしょう。

スカートやパンツなどを取り扱いされる方は、ボトムス用のハンガーもあわせてチェックしておきましょう。

「ハンガーなんてどれも同じじゃない?」と思いがちですが…意外とハンガー選びひとつでもお店の美観に関わるので、洗練された雰囲気にしたい方や商品が価格よりも高見えする(コスパが良いなと感じていただけるような)提案をされたい方ほど、ハンガーにこだわることをおすすめします。

続いてハンガーラックです。こちらも可動式のもの、固定タイプのものがあります。またパイプ部分の質感がブラックのものスチールカラーのもの、木製タイプのものなどいろいろ。こちらもハンガー同様に質感とサイズにこだわりながら選ぶことをおすすめします。

試着室の導入も検討しておくべき

お洋服で気になるのは、サイズ感と似合うかどうか。それを体験するには、試着室の存在は欠かせません。特にボトムスはウエスト・ヒップまわりのフィット感や丈の長さのバランスなどこだわりのある方も多い商品のひとつです。ワンピースなどでも丈感が気になりますし、トップスも着丈の長さも気になる方も多いでしょう。そんな時に、試着室があると提案もスムーズになります。

合わせて、フィッティングルームを用意する場合は、フェイスカバーがあると商品の汚れ防止になります。

「試着室を設置するスペースがない…」という時は、全身が映せる大きなミラーなどを置いておくだけで、お客様への提案がスムーズになります。

売り場にあった什器を設置するための4つのステップ

什器といっても、素材や大きさ、提案できるものがいろいろあることに気が付いた方も多いでしょう。お部屋の中の家具のように、一度購入するとスペースの場所を使うアイテムなので、慎重に選ぶことが大切です。什器選びをするための4つのステップをまとめました。

(ステップ1)売り場のイメージを固めます。

(ステップ2)イメージを固めたら、提案する商品群とすり合わせます。

その際に、どのような什器が必要なのか、理想とするのかを手書きなどでまとめる

(ステップ3)売り場の面積を計測、レイアウトを考えます。

ネットで購入する際などは、お気に入り登録をしてページをまとめるなどしておいたり、気に入った什器をステップ2でまとめた資料の中に入れて並べてみると、売り場のイメージがさらに鮮明になっていくことでしょう。

(ステップ4)イメージに沿った什器を探します。購入しましょう。

ポイントは、なんとなくスペースが開いているからこの空間に置けるもの。ではなく、売り場のイメージに合い、提案商品にあった什器を選ぶことが大切です。什器選びひとつで商品の輝き方は変わります。

店舗内を効率的に動けるように什器を配置し、顧客が商品を見る流れを考えたレイアウトを心がけましょう。これにより、購買意欲を自然に高めることができます。

ターゲットを意識したディスプレイ什器

レディース、メンズ、キッズとそれぞれのセグメントに合った什器を選ぶことが、顧客の購買意欲を高める鍵になります。適切な什器が商品を引き立て、顧客にとって魅力的な売り場を作ることができます。

また、小物類(帽子・靴下・アクセサリー・バッグ)などの取り扱いがある方は専用什器もチェックしてみるとよいでしょう。

什器整理用ディスプレイの活用

什器整理用ディスプレイは店舗内の整理整頓を助け、見た目を整える重要な要素です。整理された状態を保つことで、顧客が快適に商品を閲覧できる環境を提供しましょう。

アパレル販売におすすめの什器選びのコツを「ストア・エキスプレス/株式会社店研創意」の担当者にも伺っています。合わせてチェックしてみましょう。

ステップ3:いよいよ導入!店舗のレイアウトとディスプレイ

什器が決まったら、店舗のレイアウトとディスプレイを最適化することで、売上アップにつながります。商品を販売する際に必要なのが、商品を並べるだけでなく「魅せた提案(ディスプレイ)」です。視覚的にこの体験を訴求していくテクニックをVMD(Visual Merchandising/ビジュアルマーチャンダイジング)という呼び方をします。VMD(ブイエムディー)という名前を覚えただけで、今日からあなたもアパレル業界の仲間入りです!

お洋服や雑貨の提案のポイントはVMDにあり

店頭ディスプレイはVMDの中の一つの手法で、確かに大切な技術ではありますし、昔はそれだけでも良かった時代もありました。ただ、現代のVMDはそれだけではないのです。商品、接客応対、マスメディア、ソーシャルメディア、店頭ディスプレイまで、五感に触れるもの全てに一貫性を持たせて表現・伝えていくことです。

VMDを構成する3つの要素についても触れておきます。3つの要素はVP・PP・IPと呼ばれています。

VPとは「ヴィジュアル・プレゼンテーション」の略で、主にショーウインドウやメインのディスプレイのこと。

PPは「ポイント・オブ・パーチェス・プレゼンテーション」の略で、各売り場へ誘導するためにその売り場で展開されている商品をピックアップして見せるディスプレイのこと。

IPは「アイテム・プレゼンテーション」の略で、各売り場で実際に商品を手に取れる陳列表現のこと。

VP・PP・IPそれぞれの呼び名についているプレゼンテーションですが、プレゼンテーションというと、どんなイメージを抱きますか?直訳すると「表現、提示、紹介」なので、会議や商談でプレゼンテーションをするというと、どうしても売り込んだり説得したりするイメージが付きまといますよね。

しかしよくよく考えてみるとプレゼンテーションの語源は“プレゼント=贈り物”で、一方的に売り込んだりするものではないのです。VMDを構成する3つの要素、VP・PP・IP。これを考えるときも、お客様に贈り物をする気持ちで売り場での体験価値を高めるプランニングをします。(情報元:お店の体験価値を高めるプロ「藤井雅範」さんに訊いてみた!売れるディスプレイ・VMDの基礎知識

さらに詳しいディスプレイの基本については以下の記事からご覧ください。

さいごに:ファッション物販を導入しよう

この記事では、ファッション物販で成功するための3つのステップを紹介しました。トルソーとマネキンの選び方、什器とディスプレイ用品の選定、店舗のレイアウトとディスプレイの最適化です。

什器や備品選びは店舗の魅力に直接影響を与えます。これらのステップを実践することで、魅力的な店舗環境を作り上げることができるでしょう。

尚、スーパーデリバリーでは、これからアパレル商品の取り扱いを始める方に向けて、特設ページを用意しています。アパレル商品取り扱いされる方はぜひ参考にしてみてください。

特集:アパレル販売に必要な什器・備品がそろう

アパレル店舗運営用品

アパレル店舗運営用品:アパレル商品を提案するのにぴったりな什器・備品、消耗品をまとめています。お洋服やファッション小物などを提案する際に活用してください。

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