調剤薬局の枠を超えた新しい形の薬局をオープン！「薬に頼らない体づくり」を提案する金子薬局駅前通り店を取材しました。

今回は埼玉県川口市にある、有限会社金子薬局の駅前通り店を取材してきました。金子薬局は市内に2店舗あり、今回取材した駅前通り店はオープンしてまだ1年ちょっとの新しいお店です。母体である金子薬局本店は、創業60年の地域密着型の調剤薬局として経営してきましたが、駅前通り店では新しい形の薬局として様々な取り組みを行っています。

今回は店長の安住さんに、金子薬局駅前通り店ならではのサービスについて伺ってきました。

1 薬に頼らない体づくりを提案する薬局
2 意外なものを取り扱って来店してもらうきっかけ作りを
3 さいごに
4 薬局・医療施設の備品・資材・仕入れは「スーパーデリバリー」！

薬に頼らない体づくりを提案する薬局

―金子薬局駅前通り店の特徴を教えてください。

安住さん：本店は地域に密着した調剤薬局として、年齢層の高い方を中心に来店いただいているのですが、処方箋だけの薬局という役割を超えたものを提供できないかな、と考えて1年ほど前にこのお店をオープンしました。

駅前通り店では、「薬に頼らない体づくり」をお客さんに提案しています。処方箋のお薬を提供していますが、飲まなければいけない薬が増えないように、店内で血管年齢やコレストロールを測定できるようにしたり、お客さんの健康相談に乗ったりしています。

今年は「一生遊べる体づくりを応援」というキャッチコピーのオリジナルカレンダーなんかも作りました。

―具体的にどんなことを提案されているのでしょうか？

安住さん：血管年齢やコレストロールの測定結果をみて、食事の改善を提案することもあります。その際に、オススメの健康食品や食品を紹介して販売することもありますね。例えば中性脂肪が気になる方にはサバ缶を紹介したり、血圧が気になる方には塩分がカリウムのお味噌を紹介したり、お菓子も一般的なチョコレートより和漢やオーガニック製品をすすめる、といったことをしています。

ほかにも、認知症予防にアロマが良いという情報があったので、お客さんにもアロマ商材の使用を提案して販売することもあります。

意外なものを取り扱って来店してもらうきっかけ作りを

―薬局での物販と言うとOTC薬品の販売が一般的かと思いますが、意外なものも販売されているのですね。

安住さん：そうですね。来店される方にも“薬局なのに面白いね”と言ってもらえることがあります。ほかの薬局との差別化を図るためにもいろんな商品を置いていますが、お客さんにもそれがだんだんと認知されてきたのか、処方箋がなくてもオススメした商品を買いに来てくださるような方も増えました。

食品以外にも、入浴剤や通気性の良いマスクなども扱っているので、ギフトとして購入してくださる方もいます。特に夏場は蒸れない冷感マスクが人気で、スーパーデリバリーでも仕入れていましたが、今でもリピート商品として売れていますね。

―販売する商品の選定や接客のコツはありますか？

安住さん：お客さんに販売する商品は、まず自分が食べてみたり使ってみたりと、試してから勧めています。食品にしても雑貨にしても、自分が欲しいかどうかで選んでいることが多いですね。売れなかったら自分やスタッフが使えばいいかな、と思って仕入れています（笑）。

また、どんな商品があるのか健康ショップなどを見て回って魅力的な商品を探すこともあります。それから、近隣に大型のドラッグストアがあるのですが、そことの差別化をするためにも大手には置いていないもの、という視点も意識していますね。

お客さんに興味を持ってもらうためには、効果や用途を紙に書いたPOPを商品の棚に貼ったりしています。例えば「女性に嬉しい！」とキャッチコピーを付けて興味をそそる切り口で紹介したり、、。あとは、陳列も目に留まりやすいところに置くといったことを意識しています。

―ほかにも、金子薬局駅前通り店ならではの取り組みがあれば教えてください。

安住さん：コロナ禍ということもあり、来店することを戸惑う方もいらっしゃいますし、仕事の都合などで薬局が空いている時間に来店できない方もおられます。そういった方のために、処方箋をLINEで送っていただけるようにしています。また、処方箋を入れてもらえるポストも設置し、24時間受付ができる状態にしています。薬は配達もできますし、来店いただいても待ち時間なしに受け取ってもらえるようにしています。

こんな時なので、非接触型の薬局というのもコンセプトの一つになっていますね。