いま増えつつある「薬局×アロマアイテム」。心の健康もサポートする薬局の取り組みとは？

いま、調剤薬局でアロマ関連のアイテムを扱う店舗が増えつつあります。今回は、アロマテラピーの資格を持ち、登録販売者として店頭でアロマ関連のアイテムを提案されている金子薬局駅前通り店の安住さんに、患者さんの反応やアロマを扱い始めた理由などを伺いました。

1 身体だけじゃなく、心の健康もサポート
2 増えつつあるアロマのニーズ
3 アロマオイルを選ぶ際のこだわりとは
4 ワークショップでオリジナルも提案
5 いま注目のアロマを店頭でも扱ってみませんか？
6 調剤薬局・ドラッグストアなど医療関連事業の仕入れはスーパーデリバリー

身体だけじゃなく、心の健康もサポート

今回取材した金子薬局駅前通り店では、「薬に頼らない体づくり」をお客さんに提案しています。販売登録者として店頭に立つ安住さんはアロマセラピストの資格をお持ちで、来店される患者さんの健康相談にのりながら、アロマ関連のアイテムを提案されています。

安住さん：もともと病気や入院している方のケアをするようなセラピストになりたくて、アロマの資格を取りました。アロマセラピーにはメンタル面の不調のケアや、認知症予防の観点から注目が集まっています。私も今は薬局の店頭で来店される患者さんに対し、悩みに応じてアロマの効果をご説明し、アロマオイルを中心におすすめのアイテムなどをご提案しています。

これまでもお薬だけに頼らない体づくりができるよう患者さんの健康相談に乗ったりしていますが、身体だけではなく心の健康もサポートできればと、生活にアロマを取り入れることを提案しています。

増えつつあるアロマのニーズ

金子薬局駅前通り店では以前からアロマ関連のアイテムを店頭で販売していますが、最近は手に取る患者さんが増えてきたそうです。

安住さん：前は店頭に置いていても見るだけの方が多かったのですが、徐々にアロマの商品があるという認知も広がってきたのか、手に取ってくださる方が増えてきました。特にリピーターの患者さんやお客さんなどはお声がけしてアロマの効果などをお伝えすると、手にしてくださることが多いですね。店頭に置いているアロマオイルの効果がわかりやすいように、効能効果を書いた紙をそれぞれのビンに貼っています。

最近近くにメンタルクリニックが出来たこともあり、精神的なお悩みを抱えておられる患者さんが「気持ちがリラックスできるなら」と興味を持ってくださることも増えました。ほかにも、更年期の方などが「あまり薬に頼りたくなので、癒される効果があるなら」と購入されることもよくあります。

ほかにも、アロマを認知症予防として導入している医療現場もあるので、店頭でもそういったアドバイスをしながら提案しています。

アロマオイルを選ぶ際のこだわりとは

アロマオイルは香りによって効能効果が変わってきます。安住さんは数あるアロマオイルの中から、同じ香りでも成分や原産地をみて選んでいるそうです。

安住さん：効能効果的にオーガニック100％の認定精油のアロマオイルを選んでいます。アロマオイルの香りは原産地によって異なります。オイルの元となる植物がその土地土地で生きていくために備えている成分は異なるので、違いが出てくるんです。例えばラベンダーにしても、採れる場所によってはスース―するものもあれば、フローラルの香りが漂うものなど違いがでてきますし、効能も異なっているんです。それに、採れる年代によっても変わってくるんですよ。ブランドによっても異なりますから、仕入れる際には成分表が詳しく書いてあるものを選ぶようにしていますね。スーパーデリバリーだとフレーバーライフ社さんのアロマオイルを仕入れることが多いです。

香りは心を癒してくれる、前向きになれるような香りが人気ですね。ラベンダーやオレンジスイートのほか、柑橘系も好まれます。ほかにも、人気の香りをブレンドしたものや、安眠効果のあるものも置いています。コロナの影響もあって、そういった香りを求める方が増えているように感じます。

［掲載商品］フレーバーライフ　エッセンシャルオイル　ラベンダー・フランス（販売企業/フレーバーライフ社）/サンダルウッド精油「サ行」オーガニックエッセンシャルオイル】（販売企業/Blume.（ブルーメ））/オイルS（※画像左）エッセンシャルアロマオイル（販売企業/Faciliter la vie)

ワークショップでオリジナルも提案

安住さんは店頭で患者さんオリジナルの香りをブレンドして提案されることもあるようで、ワークショップなども開催されています。

安住さん：店内にアロマコーナーを設けているのですが、そこで患者さんの悩みを聞きながらアロマオイルを使ったオリジナルのバスソルトを作って販売しています。今はコロナの影響で開催できていませんが、そのうちアロマを使ったコスメもワークショップを開いて作っていきたいなと考えています。こういうちょっとしたイベントをすることで、患者さんの気分転換にもなりますし、来店してくださる楽しみも提供できるかなと思うので。

今後もお客さんの要望なども聞きながら、オリジナルコスメづくりなど様々なイベントを展開していきたいとおっしゃる安住さん。金子薬局駅前店の取り組みには、これからも注目したいと思います！

金子薬局駅前通り店

〒332-0034　埼玉県川口市並木３丁目４−２３ヌーヴイシハラ

いま注目のアロマを店頭でも扱ってみませんか？

いま医療や福祉の現場では、体や心の不調の軽減に働きかける力があるとして、アロマの導入に注目されています。薬局でも同様に、店頭でアロマ関連のアイテムを扱う薬局店が増えています。アロマオイルは専用のアロマポットやアロマストーンなどがなくても、数滴ハンカチやタオルにつけて使うことができ、スプレータイプのものはマスクに付けることで気分転換ができるアイテムとして人気がでています。

調剤薬局は他店との競争が激しくなっていますが、薬の処方以外でも来店いただけるきっかけ作りとして、参考にしてみてはいかがでしょうか。