ワイン専門の輸入企業「株式会社稲葉(以下、稲葉)」。2024年2月5日(月)に開催された「春のおすすめワイン試飲会」に参加しました。「稲葉」が取り扱うワインは、世界中から厳選した1,000種類。今回の試飲会では「春」をテーマにしたワインが100種類をご紹介していただきました。試飲会の様子をお届けします。

株式会社稲葉について

昭和50年代、ワインがまだ日本に普及していなかった頃、株式会社稲葉はドイツワインの美味しさに魅了され、将来性を感じてワインの輸入を始めました。独自のワインを求めてドイツへ渡り、品質の高いワインを造り続ける情熱的な生産者と出会い、そして直輸入を開始しました。現在では、約1,000種類のワインをドイツ・フランスを中心に輸入し、各ワイン生産者との深い関係性を築いています。

ワインを通じて人と人を結ぶ熱い思いによって、稲葉はヨーロッパの醸造元へ年々足を運んでいます。ワインの品質を見守るため、生産者との絆を大切にし、年中サンプルワインを厳選する社内試飲会を開催。品質の高さを最優先に、日本市場において受け入れられる価格と味を重要視し、バラエティに富む味わいのワインを提供しています。

(公式ホームページ:https://www.inaba-wine.co.jp/

「春」のおもてなしに取り入れたい100種類のワイン

100種類のワインの中には、デイリーワインとして楽しめる1,000円代のワイン、ハレの日などお祝い事に乾杯したくなるような華やぎのある味わいのワイン、お友達へのギフトにも取り入れたいパッケージから惹かれるワイン、「稲葉」が今注目されている提案ワインがそろっていました。

あいにく、訪問した2024年2月5日は雪でしたが、会場は多くの方でにぎわっていました。予約時間を待つ合間に撮影したものなので、比較的空いている時のもの。それでも人が多かったのですが…この後、5分後くらいには、さらに活気あふれる試飲会になっていました。

会場には、飲食店の方から、お酒のバイヤーの方など、お酒の取り扱いに長けたお取引先が来場されていました。みなさん、1本1本、ワインを味わいながら感想のメモを真剣に取られている姿が印象的でした。

さて、私は、ワインに対してそこまで知識があるわけではありません。

そんな私でも、ワインを試飲しながら「このワインはいつものワインにちょうどいい。」「このワインは爽やかな味わいで気が付いたら飲みすぎてしまいそう…。」「女子会やお友達とのホームパーティーに招待されたら、持参したら喜ばれそうなワイン」「食事との相性がよさそう」「作り手の思いが感じられる繊細な味わいのワイン」と…試飲するたびにワインを通じた情景が広がっていきます。

ただ、うれしい悩みなのですが…「稲葉」のワインはすべて美味しくて、コストパフォーマンスの高いワインが多いのです。あれこれ悩んでいるうちに、私がバイヤーだったら、ついつい発注してしまいすぎそうだなと感じる試飲会でした(苦笑)

試飲会の中から、気になったワインをいくつかピックアップしてご紹介していきます。提案の参考にしてみてください。

「稲葉」2024年春のワイン試飲会からおすすめをピックアップ

試飲会の中から、いくつかワインをピックアップしてご紹介します。

[掲載商品]フェフェ コンテ トロザン ブラン(白ワイン)・フェフェ ヴァン ド フランス ルージュ(赤ワイン)※今後掲載予定※

黒猫とオレンジのラベルに惹かれるワインです。

葡萄は酸化を防ぐため、気温の低い夜間に収穫を行います。収穫後、すぐに圧搾し、品質のよい果汁のみを選別しワインにします。圧搾後の果汁を落ち着かせ、澱引きした後、15度に温度コントロールしながら発酵させ、綺麗な澱と共に熟成させます。ライムや白い花を思わせる爽やかなアロマが広がります。口当たりはジューシーで非常にバランスが取れています。生き生きとした余韻が楽しめます。

フェフェ コンテ トロザン ブラン

まずは「フェフェ コンテ トロザン ブラン」。フルーティーで爽やかな香りがとても良い白ワイン。バランスがとてもよく、すっとなじむような味わいが春の陽気にぴったりです。

収穫後、葡萄は除梗、破砕します。発酵はコンクリートタンクで行います。その間、色とタンニンを抽出するために定期的にルモンタージュを行います。澱と共に4ヶ月熟成させてからボトリングします。輝きのあるルビーレッド、ラズベリーやカシスを思わせるチャーミングなアロマが広がります。少しスパイスの要素も感じられます。口当たりは丸みがあってしなやか、豊かな果実味が感じられ、とても親しみやすい味わいです。

フェフェ ヴァン ド フランス ルージュ

ほどよい果実味に癒される赤ワイン。とても飲み心地がよく美味しいです。

[関連商品]ロゼ

春といえば「桜」。桜のピンクとロゼのピンク色のカラーがとても相性がよく、思わずこちらのコーナーでは、ロゼワインと桜の風景が妙にマッチしました!

[掲載商品](画像左)コスティエール ド ニーム ロゼ キュヴェ トラディション・(画像中央)パルデバジェス ロサド・(画像右)タヴェル ロゼ

酸味とフレッシュさのバランスの良いロゼは、白ワイン・赤ワインとはまた違った魅力を感じます。ロゼの提案を始めるなら「桜や春の花々と合わせて、春がぴったりなのかもしれない…」そう思わせてくれるほど、美味しいロゼでした。

[掲載商品]プライヴェート キュヴェ ブリュット(画像左)・ポルタ モンティカーノ ロゼ エクストラ ドライ(画像右)

続いて、いただいたのはスパークリングワイン。「ザルデット」のワインは以前、社内でも試飲したことがあり、とても美味しかった記憶。

プライヴェート キュヴェ ブリュットは、爽やかな味わいのスパークリング。フレッシュで細やかな泡立ちがとても心地よく上品でした。リーズナブルな価格ながら、これはコストパフォーマンスが高いでしょう。

地元の多くの栽培者から多くの種類の葡萄を提供してもらい、そのモストをいろいろなバリエーションでブレンドして、自分の名前で売るプライヴェート キュヴェとしました。トレヴィーゾ地区の葡萄を使っています。収穫は9月の半ばに、すべて手摘みで行ないます。セラーに運ばれた葡萄は最新の空気圧プレスで非常にやわらかくプレスし、極上の果汁だけを抽出します。プレスされたばかりの濁った果汁は5?10度に保たれたステンレスタンクで休ませます。10?12時間後、透明な果汁を澱から分離させ発酵に移ります。18?20度にコントロールしながら15?20日間発酵させます。一次発酵させたキュヴェに選別酵母と糖分を少し添加します。二次発酵の過程は、14?16度で、20?25日間続きます。二次発酵で泡を発生させた後、?4度に冷却し3日間置き、フィルターをかけ、瓶詰めします。生き生きとした細かい泡立ち、輝きのある麦わら色。豊かな花のアロマが際立ち、フレッシュで、飲んだ瞬間に美味しさが広がります。洗練されていてエレガント、シンプルですが、しっかりとしたストラクチャーがあります。パーティで活躍するワイン。

ポルタ モンティカーノ ロゼ エクストラ ドライは、以前もいただきましたが、桜のシーズンに取り入れたい爽やかな味わいのロゼ。泡立ちもエレガントで乾杯用のスパークリングとしてもおすすめしたいです。

長年プロセッコを造り続けてきたファビオ ザルデットは、これまでにない、伝統的ではないスタイルのスプマンテを造ろうと思い、出来たのがこのロゼ エクストラ ブルットです。ヴェネト州、トレヴィーゾ近郊で栽培されている土着品種ラボーソ ヴェロネーゼを使っています。「ラボーソ」とはヴェネトの言葉で「怒りっぽい」という意味があります。晩熟な品種のため、収穫は10初旬に行います。短時間果皮とともにマセラシオンを行い、美しい淡いロゼカラーにしています。きめ細かな泡立ち、マラスカチェリーやスグリのチャーミングなアロマが広がります。口に含むと集約があり、とてもエレガント、心地よい酸味がとても爽やかです。ラボーソは酸がしっかりとある品種のため、残糖がやや高めのエクストラ ドライに仕上げています。

[関連商品]テッレ デル バローロ

ワインの紹介とともに並ぶPOP販促物。ワインとは、生産者の思いとともに飲むとより一層美味しいものだということを実感するひとときです。

[掲載商品]バローロ ラヴェーラ

ラヴェーラは、バローロエリアの南西に位置するノヴェッロ村にあり、一部バローロ村にまたがる規模の大きな畑です。テッレ デル バローロはノヴェッロ村に3.64haを所有しています。土壌は非常にもろく、白いマール主体で粘土が混ざる組成です。土壌が密に詰まっているので、樹勢が抑えられ、葡萄はバランスよく熟すことが出来ます。10月に収穫します。除梗、破砕した後、28〜30度に温度管理しながら14〜18日間発酵させます。タンクを移しながらラッキングし、樽に移しマロラクティック発酵させます。熟成は38ヶ月。そのうち18ヶ月はフレンチオークの樽とスラヴォニアンオークの大樽を使用します。さらに12ケ月瓶熟させます。輝きのあるルビーレッド。赤い果実のアロマにペッパーやクローヴなどのスパイスの要素が混ざり合っています。口に含むと心地よい酸が感じられ、洗練されてエレガントな味わいで持続性があります。小さな赤い果実やスパイスの香るフレッシュな余韻があります。「ラヴェーラはよりフレッシュでタンニンがまろやかです。一番親しみやすいバローロと言えます」と醸造責任者のダニエーレ ポンツォは話していました。

スタッフと2名で「お値段も納得。やはり美味しい…。」と、うなずきながら味わうつもりが飲んでしまいました。樽の香りがほどよく、しっかりとした赤み。スパイスの感じられるような香りが何とも言えない至福の時間が訪れます。

[掲載商品]パッシティーヴォ プリミティーヴォ ビオロジコ

ワインの試飲会も終盤になってくると、味わいだけでなくラベルやPOPなどいろいろな情報が相まって、ワインの味わいもだいぶ、知ってきたな感がする頃。わかりやすいおしゃれなラベルのワインなどもあり、目で見ても楽しいのがワインの良いところ。

パッシティーヴォ プリミティーヴォ ビオロジコ」は、箔プリントのフォントがとてもスタイリッシュなオーガニックワインです。「カンティーネ パオロレオ」のイタリアワインです。

サレント南部に位置するブリンディシのサン ドーナチの畑で有機栽培されたプリミティーヴォによるオーガニックワインです。収穫の間、様々な場所の房からサンプルと採取し、果汁を分析して葡萄の糖度を測ります。8月の中旬、葡萄が完熟の状態になったところで房の上部の茎をペンチで潰し、これ以上栄養や水分が房に供給されないようにして、畑で自然に乾燥(アパッシメント)させます。この工程は「イル ジーロ デル ピッチョーロ(Il Giro del Picciolo)」と呼ばれます。この工程の後、葡萄を樹上で約12日間、そのままの状態で置くことで25%から30%の水分を失い、アロマとフレイバーが凝縮されます。収穫後、除梗、破砕した葡萄を22〜25度に温度コントロールしたステンレスタンクで8〜10日間発酵させます。発酵期間中、豊かなアロマとソフトなタンニンを抽出するため、ルモンタージュとデレスタージュを行います。アメリカンオーク樽で5ヶ月熟成後、ステンレスタンクで6ヶ月寝かせます。濃いルビーレッド、熟したレッドチェリーやブラックチェリーの豊かなアロマにスパイスやココナッツやチョコレートのニュアンスが混ざります。しっかりとしたボディ、しなやかでバランスのとれたタンニンが心地よく感じられます。

上代価格で2,000円台ととてもリーズナブルなのですが、しっかりとした味わいが感じられるワイン。気心知れたお友達へのギフトワインにもおすすめです。

[関連商品]ベルンハルト コッホ

最後に試飲したのは「ベルンハルト コッホ」のワインです。

こちらは、醸造責任者が坂田千枝さん(日本の方)。今回の試飲会では特別に数量限定で坂田さんのお名前をワインに入れた特別なキュヴェの予約も承っていました。

特別なキュヴェは数量限定でしたが、スーパーデリバリーでも「シュペートブルグンダー フォン レス クヴァリテーツヴァイン トロッケン」が提案されています。

畑はハインフェルドにあり、樹齢は約14年です。南西向きで、標高182mです。手摘みで収穫します。石灰岩土壌です。収穫量は55hL/ha。6度で30時間のコールド マセレーションを行います。ステンレスタンクで22〜30度に温度管理しながら12日間発酵と醸しを行います。ルモンタージュとピジャージュをします。10%を228Lの樽(新樽でない)に移し、ステンレスタンクと樽で14ヶ月熟成させます。ろ過も清澄もしません。ラズベリー、ブラックベリーやチェリーの香り。やさしい口当たりで、余韻に酸が調和します。「大部分をステンレスタンクで発酵させ、少しだけ樽で熟成させています。酸のバランスと口当たりの良さを大事に瓶詰めしました。どちらかというとフルーティなスタイルでイチゴやラズベリーの風味が感じられます。夏に冷やしても美味しい赤ワインです」と醸造家の坂田さんは話していました。

醸造家の方が女性ということだからなのか…不思議と繊細な味わいのひとつひとつまで楽しめるようなやさしい味わいの赤ワインです。この1本でワインを純粋に楽しみたくなるようなそんなワインだと思いました。最後にいただいたということもありますが…「稲葉」の試飲会の中で、今回印象に残るワインの1本だったと思います。

春の陽気に合わせて華やぎのあるワインの提案がおすすめ

今回は、「稲葉」のワイン試飲会の様子をお届けしました。1,000種類以上のワインの中から、春をテーマにした100種類がそろいました。春というテーマだけで、ワインの楽しみ方が無数に広がり、雪の降る中ではありますが「春になったらこんなことをしたいな」「春になったらこんなシーンでワインを飲みたいな」と想像しながら飲む時間はとても楽しいひとときでした。

今回ご紹介できたのは、ほんの少しだけでしたが、稲葉には、毎日の晩酌に取り入れたいカジュアルなワインから、ハレの日や贈り物にぴったりなワイン、特別な日のワインと…シーンに応じたいろいろなワインを取り扱っています。この機会にぜひ「稲葉」のワインをチェックしてみてはいかがでしょうか?