オーガニックコスメと聞いて「自然素材から作られたお肌にやさしくて環境にも良いもの」というイメージを多くの人が持っていますが、どのように作られ、どのような基準でオーガニックといえるのか?という具体的な部分まではよくわからないという人の方がまだまだ多いのではないでしょうか。
コスメはお肌に直接つけるものだからこそ、その素材や作られ方、どんな良さがあるかをしっかり知ったうえで安心して選びたいものです。そんな思いは商品をお客様に販売するお店や事業者はより一層高まります。
今回、国産オーガニックコスメ企業「ネオナチュラル」では、オーガニックコスメを安心して取り扱っていただけるよう取引先向けにオーガニックコスメを分かりやすく解説するセミナーをオンラインで開催しました。
目次
国産コスメメーカー「ネオナチュラル」がオーガニックコスメを解説するセミナーを開催
ネオナチュラルでは、自社の有機農場を運営し、化粧品などに使われる原材料の一部を自社生産しています。今回は、スーパーデリバリーを担当いただいている渡邊さんがセミナー講師となり、オーガニックのことやネオナチュラルのオーガニック商品についてご紹介しました。
国産オーガニックコスメを作る「ネオナチュラル」とは?
ネオナチュラルは、岐阜県郡上市母袋(もたい)の里山に「ネオナチュラル母袋有機農場」を運営しています。有機JAS認証を受けた自社農場で、土づくりから丁寧に育てた自然原料を生産し、自然派商品を作っている化粧品メーカーです。創業して28年の企業でこれまで延べ10万人に提案し、化粧品にとどまらず、自社農場で育てたお米を使った甘酒など発酵食品も展開しています。お肌からそして身体の内側から美しくすこやかな毎日をサポートする商品を作っています。
オーガニックの意味やオーガニックコスメの認証を解説
日本でもオーガニック商品は増えて続けており、体によい、環境に優しいといった認識も広がり、オーガニックを選ぶ人も増えています。今回のセミナーではオーガニックとは何かを分かりやすく、化粧品メーカーの目線で説明していました。
オーガニックってどういう意味?
オーガニックとは日本語で「有機」という意味です。農薬や化学肥料に頼らず、本来持つ土壌の力や自然の恵みを活かした農法や考え方、ひと言でいうと「環境に負荷をかけない農法・考え方」です。農薬や化学肥料を使わないことで、本来自然が持っている力を受け取ることができ、人にも地球にもやさしいというのがオーガニックの良さです。
日本には明確なオーガニックコスメの認証基準はまだない
日本では食品のオーガニック認証である「有機JAS」があり、登録認証機関が検査において認められないと「オーガニック」や「有機」という記載ができません。
一方コスメについては、日本にはオーガニックコスメに関する法的な制度はありません。また各種団体が認証制度を設けてはいますが、ヨーロッパのように統一したものは国内にはありません。そのため原料にオーガニックが1%でも入っていても100%でもオーガニックと謳うことができます。認証基準のない日本でオーガニックと書かれているコスメを選ぶ際は、使用されている原材料を見たり、作り手の考えや背景を知ることがより一層大切になってきます。なお、自然派コスメでよく見かける「無添加」という言葉ですが、これは石油系合成界面活性剤、防腐剤、鉱物油などを使用していない商品で謳われています。
海外では国際オーガニック認証の「COSMOS認証」(Cosmetic Organic Standardの略)があります。フランス、ドイツ、イギリス、イタリアの団体が取りまとめた国際的な基準で、ネオナチュラルでもCOSMOS認証を取得している商品もあります。
ネオナチュラルのスキンケア商品の大きな特徴
ネオナチュラルでは、人は地球の一部と考え自然の体の仕組みを考えたモノづくりをしています。
有機JAS認定された自社農場で原材料を育てる
標高620mの里山にあるネオナチュラルの「母袋農場」は、自社運営のオーガニック農場です。有機JAS認定を受けており、ネオナチュラルの社員が土づくりから取り組んでいます。化粧水に使用されているヘチマ水などがこの農場で生産されています。
近くには美しい川が流れ、豊かな自然が広がる農場では、栄養豊富な土壌から安心安全な原材料を生産しています。ネオナチュラルでは販売する取引先や愛用者を招き、農場体験も実施しています。自然を感じ、その自然から作られる原材料の現場を直接目で見て体感できる場であり、健康的なライフスタイルを提供する象徴にもなっています。
アトピーや敏感肌にも使える石けんを…1歳の娘のために作った石けんが始まり
ネオナチュラルの創業のきっかけは、石けん作りでした。代表の高柳さんの娘さんがまだ1歳のときにアトピーを発症し既存の商品に疑問を持ったことから、天然成分100%でアトピー肌の赤ちゃんが使える石けんづくりが始まりました。
その時、石けん職人の池田さんと出会い、ひと釜ずつ丁寧に手作りする「池田さんの石けん」シリーズができました。職人の池田さんは石けんの仕上がりを確認するため、石けんを食べて微妙な違いを確認するそうで(石けんは食べ物ではないので、あくまでチェックのため口に入れているだけ)、口に入れても害がないほど安心して使える石けんが出来上がりました。
ネオナチュラルでは「10種の無添加をお約束」をしています。
肌トラブルの解決には皮膚常在菌が鍵であるとネオナチュラルは考えています。もともとお肌にはバリア機能があり、即効性を謳う合成成分のコスメは石油系合成界面活性剤を使ってそのバリアを壊してお肌に成分を伝えます。そのため、肌トラブルを自らの力で解決する皮膚常在菌のバランスが乱されてしまいます。
私たち人間の体内には、腸内細菌である「腸内フローラ」と皮膚常在菌である「肌フローラ」が存在しています。「腸内フローラ」はお通じやお肌の調子、免疫力、がんリスクや性格太りやすさに関係しており、なんと1,000種、100兆個を持っています。「肌フローラ」はうるおいやキメ、肌年齢、肌トラブルの起きやすさに関係し、200種類、1兆個を持っています。
皮膚常在菌(肌フローラ)は、「善玉菌」「悪玉菌」「日和見菌」の3種類があり、そのバランスによって肌質が変わってきます。
善玉菌である「表皮ブドウ球菌」は、皮脂と水分を栄養に天然の保湿成分をつくり出しており、よい汗は実はお肌にとって化粧水のようなものです。そして、乾燥や紫外線などから肌を守りバリアを作ります。肌を弱酸性に保ち、ターンオーバーの手助けをしてくれます。つまりこの善玉菌は、しみやくすみ、たるみなどの肌の老化を予防するために必要な要素なのです。
一方で、悪玉菌である「黄色ブドウ球菌」は食中毒の菌として聞いたこともあるかと思いますが、お肌に悪さをします。肌がアルカリ性に傾くと増えてくるのがこの悪玉菌です。実はお肌が乾燥してくると弱酸性からアルカリ性に変わり、かゆみなどを引き起こす毒素のエンテロトキシンが発生します。ニキビや炎症の原因となり乾燥肌になってしまいます。アトピーの方は皮膚が乾燥するとかゆみが出るため保湿が大切と言われているのはこのためです。
つまり、美しい肌への近道は「肌フローラケア」が大切であり、善玉菌を育むためにネオナチュラルでは3つの製品づくりのお約束をお伝えしています。
【善玉菌を育むための3つの製品作りのお約束】
・化学成分は基本使用しない(合成界面活性剤、防腐剤、酸化防止剤、香料など一切不使用)
・善玉菌の働きを大事にする(皮脂を落としすぎない、肌のバランスを整えるなど善玉菌を育む)
・自然素材でやさしく育む(肌の弱い方でも安心して使えることを大事にし、伝統的な自然素材を使用)
日頃のスキンケアの中で、例えば洗顔をし過ぎていたり、メイクでお肌に負担をかけてしまっていることも皮膚常在菌(肌フローラ)のバランスを乱す原因になります。お手入れ方法を含めてコスメ選びをすることが大切です。
日本の伝統的な素材を使い、肌が持つ本来の力を引き出す
日本で伝統的に使用されてきた化粧水の素材に「ヘチマ」があります。江戸時代には「美人水」と呼ばれていたヘチマですが、「ヘチマサポニン」という成分が肌の活性化を促すことによって、ターンオーバーを整える働きがあります。肌の細胞活性化は早すぎると未熟な状態でお肌が出てきてしまい、遅すぎるとしみなどの問題が出てきてしまうため、正常なターンオーバーのリズムを作ることも大切です。
ヘチマですが、自然の防腐作用があるので生のままで2~3年保存できます。ネオナチュラルの化粧水では、1年間じっくり熟成させて成分を安定させたヘチマ水を商品に使用しています。
ヘチマ以外には近年注目されているハーブの一種である「沖縄月桃」も使用しています。抗菌性があり、華やかでさわやかな香りがありますが、この香りにはバラにも含まれるアロマテラピー効果のあるゲラニオールという成分が含まれています。
それから「馬油」も使用しています。日本では古くから火傷や傷に塗ったり、アトピー治療においても使用されています。人の皮脂に近い性質のため肌にやさしくなじむのが特徴です。
こうした伝統的な自然素材を使うことで、本来持つバリア機能を大切にしながら肌フローラを育める商品を展開しています。店頭では、自然派化粧品であり、日本の伝統的な素材を活用したエシカルな商品ということもアピールできるのではないでしょうか。
ネオナチュラルの商品をご紹介
前半はオーガニックコスメやお肌のことを学びましたが、セミナーの後半はネオナチュラルの商品について説明がありました。
10年先も美しい肌を目指す「Natures for(ネイチャーズフォー)」
自然素材を主として、肌の仕組みを根幹から支え、100年先まで続くすこやかさを目指す「Natures for(ネイチャーズ フォー)」。あなたのため自然で、本質で、ありのままのキレイをお手伝いすることがコンセプトとなっています。
オーガニック成分を使うだけでなく、お肌の働きを支えることを大切にしています。ヘチマや沖縄月桃など国産伝統オーガニック素材を使い、素材はシンプルにし、肌なじみや香りもよく自社農場で有機栽培した自然素材が自然と一体感を感じる気持ちの良い使用感と香りを生み出しています。
[紹介商品]モイストクレンジングオイル 180mL メーカー希望小売価格(税抜)¥3,350
人気のアイテムの1つは「モイストクレンジングオイル」です。美容オイルにもなるような成分で皮脂を落としすぎないクレンジングで肌フローラを育みます。粒子の違う大小のオイルがメイクや毛穴汚れをスッキリ落としながらも、洗い上がりはしっとりとした使い心地です。一般的なメイクも落とせます。
[紹介商品]ヒーリングローション 120mL メーカー希望小売価格(税抜)¥3,270
つづいて「Natures for(ネイチャーズ フォー)」で人気のアイテムは、見た目にさわやかな青いボトルの「ヒーリングローション」です。水一滴すら使わないシンプルで濃厚な成分の化粧水ですが、使用感はパシャパシャと軽めなので夏にも向いています。へちま水、ダマスクバラ花水、ゲットウ葉水、アルゲエキス、ローズマリー葉エキス、モモ葉エキス、マグワ根皮エキス、ユキノシタエキス、クマザサ葉エキスの9種類の自然素材を使用しています。ヘチマそのものの防腐効果があるため、防腐剤を一切使用していません。夏期は冷蔵庫で保管がオススメで、冷たくひんやりとした化粧水は夏にピッタリです。
[紹介商品・左]オーガニックモイストローション 120mL メーカー希望小売価格(税抜)¥3,460 / [紹介商品・右]UVスキンケアミルク 30mL メーカー希望小売価格(税抜)¥2,960
とろみのある「オーガニックモイストローション」は国際オーガニック認証のCOSMOS認証を取得しています。日本人の肌に不足しがちな水分を保持する力である「ヒューメクタント」を補う美容成分、シロキクラゲエキスやアロエエキスを配合しており、角質層までやさしく浸透し、水分を逃しにくくし、潤い続く肌を保ちます。
また、石けんで落とせるのもうれしい「UVスキンケアミルク」は日常的な夏の紫外線対策に使いたいアイテムです。78%がスキンケア成分でできており、紫外線吸収剤を使用していないのでお子様のお肌にもやさしくできています。UVカット効果、化粧下地、乳液の3つの役割を1本で果たしてくれるアイテムです。
赤ちゃんと一緒に使える「neo baby(ネオベビー)」
赤ちゃんとママがいっしょに使える自然由来成分100%のスキンケア用品「neobaby(ネオベビー)」シリーズ。生後3か月たつと、乾燥してくる赤ちゃんのお肌に水分油分を補います。赤ちゃんの肌はとても敏感でデリケート、そしてママも出産前後でホルモンバランスが崩れやすく、肌が敏感になりがちです。成分だけでなく、忙しいときでもさっと出して使えるよう容器も工夫され、赤ちゃんとママのスキンシップが楽しくなるやさしい自然素材の香りを添えています。
[紹介商品・左]フローラケアローション 125mL メーカー希望小売価格(税抜)¥2,800 / [紹介商品・右]ニコリベビークリーム 40mL メーカー希望小売価格(税抜)¥2,450
「フローラケアローション」は、水分油分を1本で補えるアイテムです。乳化剤を使用していないため、よく振ってから使います。もちろんお母さんも一緒に使っていただけます。指1本で空けられるボトルは、お風呂上りの慌ただしい時間にうれしい配慮です。
「ニコリベビークリーム」は馬油クリームでお顔も体も全身の保湿に使えます。肌を保護する救急箱のようなクリームで、馬油、オリーブオイル、ホホバオイルを最適なバランスで使用し、カモミールやラベンダーなど肌荒れやほてりをケアするハーブを使用し、肌トラブルを防ぐとされるアロエやルリジサを配合しています。乾燥から肌を守り、すこやかにし、すべすべな状態を保ちます。
「ニコリベビークリーム」に使用している馬油は、純度の高いもので、7段階で丁寧に精製することで馬油特有の臭みやべたつく使用感を解決しています。肌に塗った瞬間さらっとなじむ感覚と内側から潤う感覚です。
ネオナチュラルの原点、職人が食べてチェックする「池田さんの石けん」
「池田さんの石けん」は、肌なじみのよい馬油を原料に使用した、洗い上がりしっとりの馬油石けんシリーズ。肌のお悩みや使用感に合わせて、竹炭や八女茶、サクラの蜜など自然素材の材料を加えています。
[紹介商品・左]さくら蜜石けん 105g メーカー希望小売価格(税抜)¥1,391 / [紹介商品・中央]竹炭石けん 105g メーカー希望小売価格(税抜)¥1,391 / [紹介商品・右]八女茶石けん(洗顔用)80gメーカー希望小売価格(税抜)¥1,391
伝統的な窯炊き製法で一釜ずつ手作りしていますが、自然素材を使用するため、合成成分とは違ってどうしても素材の品質のぶれが生じます。そのため、料理と同様に製造にも微妙な調整が必要になるため、石けん職人である池田さんは一釜ごとに何回も試食をして、仕上がりを確かめています。
化粧品のノウハウを日用品に応用「NEO GREEN(ネオグリーン)」
ネオナチュラルでは「NEO GREEN」というお肌にも環境にもやさしい日用品も展開しています。ネオナチュラルのオーガニックコスメづくりで培った技術から生まれアイテムで、虫よけや洗剤など毎日の生活で使えるアイテムを展開しています。
[紹介商品・左]アロマミスト 110mL メーカー希望小売価格(税抜)¥1,120 / [紹介商品・右]浄化の森スプレー200mL メーカー希望小売価格(税抜)¥890
「アロマミスト」は虫除けスプレーとして使えます。合成成分を使わず植物由来でできており、殺虫成分ディートは不使用で、8つの植物エキスを配合した自然成分100%のアウトドアスプレーです。衣類や網戸やカーテンにスプレーして使用します。また、消臭・芳香のあるレモンユーカリのスッキリとした香りが特徴で、気になるにおいや室内の芳香、除菌にも役立ちます。森林浴効果があるスギやヒノキのエキスを含んでいるのもポイントです。
「浄化の森スプレー」は、アルコール不使用で天然成分100%、除菌や消臭ができるお掃除アイテムです。殺菌、微生物活動抑制作用がある樹木などが発散する成分「フィトンチッド効果」で清々しい微かな木の香りがかすかに広がります。
玄関、下駄箱、靴、生ゴミ、トイレ、菌やにおいが気になる場所にスプレーしたり、電子レンジの拭き掃除や浴室のカビ防止にお使いいただけます。まな板の除菌には直接吹きかけ30秒〜1分放置し水で洗い流してください。多用途で使っていただける賢いアイテムです。
身体の内側から美しくすこやかな毎日をサポートする発酵食品「美活甘酒『はだ恵り』」
[紹介商品]美活甘酒「はだ恵り〜楽〜」450g メーカー希望小売価格(税抜)¥1,120
「美活甘酒『はだ恵り〜楽〜』」は米糀でできた甘酒です。酒かすのようなお酒の香りはせず、ノンアルコールなので、お子様も一緒に飲むことができます。使われている主原料の米の一部の栽培と収穫、製造までをネオナチュラルの自社農場で一貫して行っています。
発酵時間を長めにすることで、アミノ酸やオリゴ糖が多く含まれています。腸内環境を改善するために取り入れたいオリゴ糖や、お肌のケアのためにも摂取しておきたいアミノ酸を1日1杯でおいしく、しかも効率よく摂取できる甘酒です。「美活甘酒『はだ恵り〜楽〜』」は、カモミールやラベンダーのハーブ風味がついておりリラックスした気持ちで飲むことができおすすめです。
国産コスメメーカー「ネオナチュラル」
国内に自社運営で、しかもオーガニック農場を持つ「ネオナチュラル」。生産の様子を見ることができたり、お肌を研究し続ける姿勢に、商品づくりへの情熱や丁寧さを感じます。トライアルできる「スキンケア1ウィークセット」も販売していますので、まずはお店オーナー自ら試してみるのがおすすめです。オーガニックコスメを検討されている事業者様に手に取っていただけたらと思います。