私たちの生活に欠かせないと言ってよいほど身の回りにあふれているプラスチック製品。スーパーで魚やお肉が載っているお皿も、お風呂場にある洗面用具も、ボールペンも水筒も、、、プラスチックでできている物ばかりです。非常に身近なプラスチック製品ですが、その後ゴミとなり、海での深刻な環境問題になっています。

2023年の世界環境デーは「プラスチック汚染」がテーマとなっています。問題点や解決策を知ることで、自分たちが環境のためにできることを探し、お店からお客様へのメッセージとして提案してみませんか?

6月5日は世界環境デー、2023年は「プラスチック汚染」がテーマに

毎年6月5日は国連が定めた「世界環境デー」です。毎年異なるテーマが設けられており、2023年は「プラスチック汚染」がテーマです。

世界環境デーとは?

「世界環境デー」は、1972年6月5日からスウェーデンのストックホルムで開催された「国連人間環境会議」を記念して定められました。国連では、日本の提案を受けて毎年6月5日を「世界環境デー」とし、日本では1993年から「環境基本法」において「環境の日」と定めています。なお、1991年からは6月を「環境月間」としており、全国の自治体や企業でさまざまなイベントや取り組みが行われています。

(情報元:環境の日及び環境月間 環境省

「プラスチック汚染」とは?

ポイ捨て、不法投棄、プラスチック製の研磨剤や洗濯時に衣料品から出るプラスチックの繊維などが川や海に流出することで、海洋環境を汚染しています。2050年には世界のプラスチック生産量は3~4倍になり、世界の海のプラスチックゴミの量はすべての魚の量を上回ると言われています。(参考:WWFジャパン 海洋プラスチック問題について

丈夫な素材で自然分解しにくいことで海洋汚染問題に

プラスチックは合成樹脂とも呼ばれ、石油のナフサから作られています。プラスチックのメリットは、いろんな形に成型でき、軽量で頑丈であることです。紫外線や熱に弱いというデメリットもありますが、自然分解しにくいために土に埋めても腐りません。土に埋めた場合、紙は2~5か月、綿は1年、皮革製品は25年~50年、金属は100年以上かかって土に還りますが、プラスチックは数百年かかると言われています。(参考:田崎智宏「つかう?やめる?かんがえようプラスチック」)

それだけプラスチックは頑丈なのです。海に流れ着いた場合、なかなか分解されず、海洋の生物が誤飲したり傷つけられてしまう事態が起きています。

マイクロプラスチックやマイクロビーズの問題

プラスチック汚染でも特に厄介な問題なのが、直径5ミリメートル以下の「マイクロプラスチック」です。マイクロプラスチックの問題はその小ささがゆえに回収することが本当に難しいことです。

マイクロプラスチックはプラスチックの原料や工業製品の仕上げに使われる工業用研磨材、洗顔料や化粧品に使用されるスクラブ剤、プラスチック製品が砕けてできたプラスチックの破片、家庭での衣類などの洗濯によって布から落ちた糸くずなどがあります。非常にさまざまなものからマイクロプラスチックは発生しています。海洋ゴミのマイクロプラスチックはプラスチックゴミが紫外線によって劣化し、海流によって細かく砕かれて発生します。

「プラスチック汚染」の問題を解決する方法

プラスチックの生産量と廃棄量は世界中で増加しています。プラスチック汚染の問題を止めるためにまず簡単にできることは、プラスチックの利用を減らすことです。それからゴミにせず、資源としてリサイクルすることです。

プラスチックの使用をやめる、減らす「脱プラスチック」

まず見直したいのは、プラスチック製品の使用を減らすことです。繰り返し使える素材のものに変えられないか考え、選んでみましょう。特に使い捨てのプラスチック製品をやめ、繰り返し使える素材に置き換えできないか見直してみましょう。

例えば、プラスチック製のストローは使わない、ペットボトルではなくマイボトルを使用するといったことから「脱プラスチック」を実践できます。日常生活のすべてからプラスチックをなくすのは難しいですが、いつも使っているプラスチックを使わないことや頻度を減らすことをみんなが行えば、プラスチックの使用量を減らせます。

プラスチック生産量と廃棄量の増大
• 1950年以降生産されたプラスチックは83億トンを超え、63億トンがごみとして廃棄された
• 回収されたプラスチックごみの79%が埋立 あるいは 海洋等へ投棄されている
• リサイクルされているプラスチックは9%に過ぎない
• 現状のペースでは、2050年までに120億トン以上のプラスチックが埋立・自然投棄される

環境省>「プラスチックを取り巻く国内外の状況」の資料より引用

使い捨てをやめて「リサイクル」

プラスチックゴミは燃やせば二酸化炭素と水になってしまいますが、使用したプラスチックをゴミにせず、もう一度使うためにリサイクルする方法もあります。中でもペットボトルはリサイクルの仕組みが整っており、キャップ、ラベル、ボトルで分別し、資源としてリサイクルに活かすことができます。

最近では、リサイクル素材を使った製品を作っているファッションブランドも増えています。商品のラベルに「プラマーク」が付いているかを確認してゴミにせずリサイクルに回したり、商品タグや店頭の情報を確認してリサイクルされた商品から選んでみましょう。

新しいものを使ったり買うことに対しての罪悪感を感じる人も少なからずいると思います。不安や心配を取り去り、気持ちよく買い物できる売り場づくりをリサイクルという方法も検討してみてはいかがでしょうか。

二酸化炭素と水に還る「生分解性プラスチック」

生分解性プラスチックは、自然界にいる微生物の働きによって、最終的に水と二酸化炭素に分解されます。つまり、ゴミとなったあと自然界へともどっていくプラスチックです。廃棄物の削減にもつながります。スーパーや飲食店で出る調理で残る食品のごみや食べ残しなどを生分解性プラスチックの収集袋で回収し、堆肥化・ガス化することにより、食品のごみが堆肥やメタンガスに再資源化されます。収集袋は生分解されるので、廃棄物の削減に繋がるのです。(参考:日本バイオプラスチック協会「生分解性プラスチック入門」

レジ袋や飲食店で使用されているカトラリーやストローをよく見ると「生分解性」と書いてあるものが増えています。同じプラスチックであっても環境に負荷がないものを選ぶことで、利便性と環境面を両方考慮して使う方法の模索も広がっています。

プラスチック汚染を解決していくサステナブルな商品

プラスチック汚染を解決していきたいと、国内外のブランドやメーカーからサステナブルな商品が続々と出てきています。商品の背景を知ることで、プラスチック汚染の身近さを伝えることもできます。できることから見直そうというメッセージを添えてお客様に伝えてみてはいかがでしょうか。

プラスチックフリーのサステナブルな歯磨きタブレット

歯磨き粉に含まれる研磨剤は「マイクロビーズ」と言われるとても小さなプラスチックからできています。歯磨き粉の多くはプラスチック製の容器に入っており、中身を使い切るとゴミとなってしまいます。

[掲載商品]georganics トゥースペーストタブレット 120タブ(取り扱い企業:ダイショートレーディング

イギリス発のオーラルケアブランド「georganics(ジオーガニクス)」は、創設者のAlex(アレックス)が、合成成分を含まないナチュラルでサステナブルな歯磨き粉を開発したいと考えて生まれたオーラルケアブランドです。

このプラスチックフリーのサステナブルな歯磨きタブレット「georganics トゥースペーストタブレット 120タブ」は瓶詰されており、1年の使用量で換算すると約8本分のプラスチック製の歯磨き粉のチューブを使わなくて済みます。また、ジオーガニクスの製品に使われる素材は自然に還るものや再利用できるもので作られています。

-残らないよう作る
ジオーガニクスの全ての製品は、完全に生分解性および堆肥化可能なクラフト紙の段ボール箱でパッケージ化されています。プリントも植物性インクを使用しており、ポリスチレンは一切使用していません。

-3つの‘R’
リサイクル、レフィル、リパーパス。パッケージに使用しているガラスとアルミ素材の瓶は、食品を保存したり、かわいらしい小型植物を植えるなど、あらゆる場面で永遠にリユースし続けられます。

ダイショートレーディングブログ「IT’S MY THING」より

プラスチックボトル無し!肌にも地球にもやさしい固形シャンプー

エシカルな商品として話題の固形シャンプーは、プラスチックボトルを使用しないサステナブルなアイテムです。環境への意識の高まりから詰め替え用の商品も当たり前になっていますが、そもそもプラスチックボトルをやめてしまう「固形シャンプー」という手段もあります。

せっけんやシャンプーなどを製造する化粧品メーカー「マックス」の「The BAR」シリーズは、プラスチックボトルを使わない環境配慮のパッケージが魅力的です。さらにシャンプーに使っている原材料にも地球にやさしい成分を使用し、動物性由来の成分を含まないヴィーガンアイテムでもあります。

[掲載商品]左下:The BAR ソリッドシャンプー 80g / 左上:The BAR ソリッドコンディショナー 82g / 中央下:The BAR ソリッドシャンプー Mild Fragrance 80g / 中央上:The BAR ソリッドコンディショナー Mild Fragrance / 右下:The BAR ソリッドシャンプー Sakura 80g / 右上:The BAR ソリッドコンディショナー Sakura 82g(取り扱い企業:マックス

固形であることでの地球へのメリット
・「プラスチックフリー」液体のように流動性がないためプラスチックボトルが不要
・「CO2削減」商品がコンパクトになるため輸送時のCO2排出量削減に貢献
・「水の削減」液体製品に比べ生産時の水使用量を99%削減(The BAR solid shampooにおいて)

マックス社ホームページより引用

シャンプーボトルのように場所を取りません。旅行や海へ出かける際にも、コンパクトに持ち運びができます。固形シャンプーはプラスチックボトルに入っているような従来の液体シャンプーと比べ水分が95%かっとされており、シャンプーとしての機能成分がぎゅっと凝縮されています。固形コンディショナーについては、従来の液体コンディショナーのように水分が含まれていません。固形にすることで機能成分を凝縮し、高いヘアケア機能を持つ成分を高配合できています。

箱から空けるとシャンプーの良い香りが…!固形シャンプーから香りが広がるので、自宅のお風呂場はよいシャンプーの良い香りがほんのり漂っていました。

お店の備品も紙製に。お客様の共感されるエコなお店を目指すアイテム

購入した商品を開封する際、「こんなに梱包しなくてもいいのに…」と思ったことはありませんか?簡易包装を心掛け、使用する素材もプラスチック汚染にならないものを選びたいものです。

簡易包装にしてゴミを減らしたり、紙製や植物由来の原料のバイオマスプラスチックなどを使用することは、環境配慮を心掛けるお客様にとってはお店の姿勢に共感してもらえるポイントになります。

自然環境保全に配慮した紙製品などを展開する「ヒサゴ」の「撥水紙ラベルA4 30面」は、フィルムラベルを紙ラベルに変えて脱プラスチックに取り組めるサステナブルなアイテムです。

レーザプリンタや全色顔料インク専用のインクジェットプリンタで印刷が可能で、水滴が付いてもインクのにじみが少なく、-20℃まではがれない特殊なのりを使っているので冷凍・冷蔵庫でも使える撥水の紙ラベルです。30面の他に丸型や大きめのサイズなど、様々な用途にお使いいただける全12アイテムで展開しています。

[掲載商品]【脱プラ!冷凍・冷蔵品の食品表示・食材管理用ラベル】撥水紙ラベルA4 30面(取り扱い企業:ヒサゴ

水引やのし袋や紙加工製品や包装資材などを作っている「今村紙工」では、紙製のエコなアイテムが揃っています。トレーシングペーパーの110gを使用した紙製のクリアホルダーは、中が透けて見えるので従来のクリアホルダーの代わりに使えます。

店頭では、レトロな雰囲気漂う古紙100%を使用した平袋がおすすめです。お店のスタンプを押してオリジナルの袋にも使えます。

[掲載商品]トレーシングペーパーファイル 30枚入り / 古紙100% 平袋 2号 (取り扱い企業:今村紙工

環境問題にお店としてどう取り組むかは、陳列する商品だけでなく、こうした備品からもお客様に伝えることができます。環境への優しい心遣いは、SDGsや環境問題への意識の高まりにより、お客様も望んでいる人が増えていますので、包装や梱包にも意識して選んでみましょう。

プラスチック汚染にならないか?意識して商品を選んでみよう

プラスチック汚染によって海洋生物の生態や魚を食べる私たちへの健康への影響も危惧されています。まずできることは、プラスチックの過剰な利用を止めることや資源として再利用できるか確認することです。目の前にある物を意識して選ぶことからプラスチック汚染をストップする行動を起こしましょう。海辺のごみ拾いイベントに参加してみたり、コンポストに挑戦してみたりするのも一人一人ができるプラスチック汚染の解決への大きな行動だと思います。

エシカルコレクション「脱プラスチック」

卸・仕入れサイト「スーパーデリバリー」では、エシカル・サステナブルなアイテムを集めた「エシカルコレクション」特集を開催しています。脱プラスチックのアイテムをありますので、気になる商品をぜひチェックしてみてください。

店頭で使えるPOPも無料でダウンロードできます。活用してみてください。

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卸・仕入れサイト「スーパーデリバリー」は、200社を超えるメーカー企業のオーガニック、リサイクル、ヴィーガンなどのエシカル、サスティナブルな商品を8,000点以上扱っています。

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