農薬や化学肥料に依存せず、土壌や自然の力を生かし、遺伝子組み換えもしないことで、人にも環境にも配慮できる持続可能な社会の実現を目指す「オーガニック」。
日本ではオーガニックと聞くと健康志向なイメージを持つ方も多いですが、オーガニックは生物多様性を大切にし、その土地の力を生かすので地球環境にとっても配慮できる生産方法と言えます。オーガニック商品をお客様に提案することは、環境問題や人権などの社会問題などの解決の一手にもなります。豊かな地球を残していくための「オーガニック」について、お店の視点でお話ししていきたいと思います。

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目次
「オーガニック」とは
オーガニックとは、化学合成農薬や化学肥料などの使用を最小限に抑え、遺伝子組み換えや人工的な処理などを受けていない原料を使用することです。「オーガニック」は「有機」と同じ意味です。
有機農業の場合は、落ち葉や枯れ枝などから作った腐葉土や、動物の汚物、わらや籾がらなどを混ぜて発酵させた有機質肥料を使い、作物を育てます。害虫退治には天敵の虫を使うなど、畑のたくさんの動植物が共生し、生態系を保つことができるのも有機農法のメリットです。農薬の使用による農家の健康への影響を減らすメリットもあります。
なお、有機農業においては、やむを得ない場合に限り約30種類の農薬の使用が認められていますので、「有機栽培=無農薬」という理解は誤解を生じる可能性があるため注意しましょう。
では、有機農業が主流にならないのはどうしてでしょうか?
その一つの理由は、収穫量を増やすためです。慣行農業では、化学肥料を使うことで土壌を即効的に整えるので量産できます。ただし、過剰に使いすぎると作物が受け取れなかった化学肥料が土壌にたまってしまい、それが雨水や地下水で川や海に流れ出し、川や湖、海などの生態系に悪影響を及ぼします。
オーガニックは土地も大切にするという魅力が大きいですね。
オーガニック商品を仕入れて販売する際に気を付けること
オーガニックといっても、食品や化粧品、繊維類などさまざまなカテゴリーがあります。日本では、食品だけに「有機JASマーク」という認証マークが存在しており、それ以外には法的なルールはありません。改めて仕入れ時や販売時に気を付けたいポイントを見ていきましょう。
「オーガニック」「有機」と謳える”食品”は、有機JASラベルが付くものだけ
オーガニック商品の中でも人気である「オーガニック食品」。
日本では農林水産省が定めるJAS法に基づいた「有機JAS」があり、農産物、加工食品、飼料、畜産物および藻類が認証の対象製品で、有機JASに適合した生産が行われていることを第三者機関が検査し、認証された事業者は「有機JASマーク」の使用が認められます。
この有機JASマークが付いていない食品については、オーガニック食品と名乗ることはできません。「オーガニックチョコレート」や「有機しょうゆ」といった表記は、有機JASマークが付いている食品だけに許されています。ですので、店頭で商品を紹介するときも、有機原材料を使っているだけなのか、有機JAS認証を得たオーガニックを謳える商品なのかを区別しておきましょう。(参照:農林水産省ホームページ「有機食品の検査認証制度」)
なお、有機JASでは
・原材料の生産工程管理において、遺伝子組み換えの種苗や認可外の農薬などは使われていないか?
・科学的に合成された添加物や薬剤をできるだけ避け、薬剤に汚染されないように生産や小分けがされているか?
といったポイントを審査しており、審査を行う登録認証機関は、有機農産物を生産する農家や加工食品の製造者から認証の申請を受けて、認証の技術的基準に基づき、書類審査および実地検査を最低1年に1回を行います。
また、アメリカ、カナダ、スイス、EU、イギリス、台湾とは、相手国の有機認証品を自国の有機認証品として取り扱う取り決めもあります。(参照:農林水産省ホームページ、「有機食品等の検査認証制度>有機JAS制度について」)
法的なルールがないコスメや雑貨は要注意!海外のオーガニック認証マークで知識をつけよう
食品については有機JASマークがあると説明しましたが、化粧品やオーガニックコットンなど食品以外のカテゴリーについては、オーガニックを謳うためのルールはなく、各メーカーの判断によってオーガニックの表記をしています。
オーガニック原材料の比率も1%でも90%でもどちらもメーカーの判断で「オーガニック」と謳うことが可能なのです。
そのため、食品以上にオーガニック商品かどうかの判断基準を持ち、成分や原材料をチェックしたうえで仕入れる必要があります。日本では、「ナチュラルコスメ」や「無添加化粧品」といった表記をよく見かけます。これらをオーガニックと捉えてしまいがちな傾向もあり、お客様にオーガニックの魅力を伝えるため、また誤解を解くために、知識を持っておきたいところです。知識を持つためには、海外の認証制度「COSMOS(コスモス)認証」や「USDAオーガニック認証」といった制度があり、それらの基準を知っておくと、オーガニック商品の取り扱いがしやすくなります。次の章で商品も一緒に認証についてご紹介します。
知っておこう!オーガニック認証の種類
ヨーロッパ、アメリカを中心にオーガニック認証機関があり、それぞれ基準が異なります。法的なルールがない食品以外の商品については、オーガニックと書いてあるから…と鵜呑みにせず、生産背景や加工方法などをしっかり読むことや、国際的なオーガニック認証を参考に、知識を付けておくとお客様へのオーガニックの説明も充実してきます。以下に、オーガニック認証マークとしてよく見かけるものをまとめました。スーパーデリバリーで実際に掲載している商品に一緒にご紹介します。
有機JAS
農林水産省が制定する日本のオーガニック認証制度。農産物、加工食品、飼料、畜産物および藻類が認証の対象製品です。
EUオーガニック
農業原料と食品に適用されるEUのオーガニック認証です。加工品においては原料の95%以上がオーガニックであることが基準になっています。ほかには、化学肥料や農薬、遺伝子組み換え作物(GMO)の使用禁止、動物福祉、環境保全への配慮が認証基準に含まれます。明るい緑色の「ユーロリーフ」と呼ばれるロゴマークが目印です。
USDA ORGANIC
USDA ORGANICは、アメリカ農務省によるオーガニックプログラムで、農産物、畜産物のほか、アルコール、タバコ、テキスタイル、化粧品が対象です。
認証には、
・100% Organic(100%オーガニック)
・Organic(95%以上オーガニック)
・Made with Organic(70%以上オーガニック)
・Specific organic ingredients(70%未満)
の4つの種類があります。
コスモス・オーガニック(COSMOS ORGANIC)
「コスモス・オーガニック(COSMOS Organic)」は、内容成分の95%以上が自然由来の成分であり、完成品の20%以上は有機農法によって作られた原料であることが基準となっています。また、製品に使われるすべての成分、原料は環境に悪影響を与えない生分解性のものであることも必要です。
デメター
ドイツのオーガニック認定で、世界で厳しいオーガニック認証のひとつと言われています。ルドルフ・シュタイナーが提唱したバイオダイナミック有機栽培農法で栽培された農作物を使い、加工から保存、包装、流通にまで細かい基準があります。
GOTS(Global Organic Textile Standard)
「GOTS認証」は、「Global Organic Textile Standard」の略です。コットンだけでなく、ウールや絹などの繊維製品が対象となっています。
GOTS認証ラベルは2種類あり
・原料の95%以上がオーガニック繊維の場合は、「Organic」と記載されたラベル
・原料の70%以上がオーガニック繊維の場合は、「made with ○○% Organic materials」と記載されたラベル
が付きます。
原材料がオーガニックであるだけでなく、生地の生産・加工や保管・流通のすべての過程で、環境的・社会的な基準を満たした製品に与えられる認証です。(参照:gots_version_6_0_en1.pdf)
OCS(オーガニック・コンテント・スタンダード)
「OCS認証」は「Organic Content Standard」の略で、テキスタイル(繊維製品)に対する認証です。原料から最終製品までの履歴を追跡し、その商品がオーガニック繊維製品であることを証明するマークで、洋服などのもとになる生地や、布団やタオルなどが認証の対象になっています。
認証の種類は2つあり
・「OCS 100」は、原料は95%以上がオーガニックの場合
・「OCS Blended 」は、原料は5%以上95%未満がオーガニックの場合
となっています。(参照:https://textileexchange.org/organic-content-standard / In-Conversion Claims for OCS and GOTS )
このように、100%のオーガニックではなくても、一定の基準をクリアした製品がオーガニック製品として認定されています。オーガニック認証を取っていないオーガニック商品もあるので、商品パッケージにある説明を確認したり、メーカーのホームページで詳しい情報が無いかをチェックしてみましょう。「どの部分がオーガニックなのか」、「どのくらいオーガニックを含んでいるのか」という視点を意識することで、自身のオーガニックの知識や情報をアップデートできます。
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