2025年10月~12月は、年末商戦に向けた需要の拡大と、主要食品の深刻な価格高騰が重なり、多くのカテゴリで仕入れ単価が上昇する結果となりました。特に「米」の再騰や冬物衣料・ギフト需要の活発化が、全体の指数を押し上げています。
本レポートは、卸・仕入れサイト「スーパーデリバリー」における商品の仕入れ単価(1個あたり)の動向を、2019年を基準(=100)とした価格指数として分析したものです。
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目次
仕入れ価格動向調査の概要
- 分析対象データ: 卸・仕入れサイト「スーパーデリバリー」における商品取引データ
- 指標: ジャンル別 仕入れ価格指数(2019年の平均価格を100とする)
- 分析対象期間: 2025年10月1日~12月31日
仕入れ価格指数の動向:年末需要と「食」の再騰
2025年10月~12月期の価格動向は、「季節要因による上昇」と「特定品目の高止まり」が顕著に表れました。
最大のトピックは、前期(7月~9月)に一度落ち着きを見せた「米」が再び急騰し、過去最高の360.12を記録したことです。また、年末のギフト・パーティー需要により、「ケーキ・スイーツ」「チョコレート」が大幅に上昇しました。
アパレル面では、冬物へのシフトに伴い「トップス」の単価が上昇。一方で、9月の需要期を終えた「防災用品」や「文具・事務用品」、季節外となった「傘・日傘」などは価格を下げる結果となりました。
ジャンル別 価格指数:2025年10月~12月
前期(2025年7月~9月)および前年同期との比較は以下の通りです。(指数は小数点第2位で四捨五入)

| ジャンル | 2025年10-12月 | 2025年7-9月 | 2024年10-12月 | 2019年基準 |
| 米 | 360.1 | 260.91 | 154.4 | 100 |
| ベビーウェア・小物 | 248.6 | 199.57 | 199.4 | 100 |
| ケーキ・スイーツ | 191.6 | 164.81 | 151.9 | 100 |
| ホビー | 218.9 | 197.97 | 201.3 | 100 |
| トップス | 148.6 | 113.93 | 142.6 | 100 |
| チョコレート | 136.8 | 105.11 | 127.7 | 100 |
| 防災用品 | 187.7 | 217.47 | 176.6 | 100 |
| 文具・事務用品 | 141.1 | 163.16 | 126.6 | 100 |
| 傘・日傘 | 106.0 | 132.56 | 98.3 | 100 |
| オーラルケア | 125.9 | 133.44 | 139.1 | 100 |
| DIY用品 | 92.5 | 107.15 | 112.1 | 100 |
価格の上昇が目立つカテゴリ
米 (+38.0%)
前期の低下から一転、指数は360を超え、2019年比で3.6倍という驚異的な水準に達しました。新米の流通時期を経てなお価格が上昇しています。しかし、今後は新米表記がなくなりと価格は下がる可能があります。
トップス (+30.4%) ・ チョコレート (+30.1%)
季節要因が強く反映されました。「トップス」は単価の高い厚手のニット類への仕入れシフトが要因として考えられます。
「チョコレート」は、バレンタイン商戦に向けた早期仕入れと、数年前から続く世界的なカカオ豆価格の高騰がダブルパンチとなり、指数を大きく押し上げています。
ベビーウェア・小物 (+24.6%)
前年同期(199.4)と比較しても大幅な上昇となりました。少子化が進む一方で、孫へのギフト需要などを含め、子供一人にかける費用は増加傾向にあります。 出産祝いといったギフトニーズに加え、ただ安いのではなく高機能素材を採用した単価が高い商品の取引が活発化していることが、主な要因と推測されます。
ケーキ・スイーツ (+16.3%)
クリスマスや年末年始のイベント需要により、1年で最も高い指数を記録しました。原材料費の上昇分が、季節限定の付加価値商品という形で価格転嫁されている様子がうかがえます。
価格の低下が目立つカテゴリ
防災用品 (-13.7%) ・ 文具・事務用品 (-13.5%)
9月の「防災の日」や新学期に向けた需要が一段落したことで、仕入れ単価が落ち着きました。特に防災用品は、前期の過熱気味な需要からの反動減と考えられるでしょう。
傘・日傘 (-20.0%)
季節外となったことで需要が急減し、価格指数も大きく低下しました。在庫処分やオフシーズン向けの低価格取引が中心となった結果と考えられます。
DIY用品 (-13.7%)
100を割り込む92.5まで低下しました。年末の大掃除や修繕需要は根強いものの、高単価な大型資材から消耗品中心へと取引の内容が移行しています。これは物価高騰に伴う節約志向の影響で、趣味のDIYなど「不要不急の大きな支出」に対し、消費者の購買姿勢が慎重になっている可能性があります。
まとめ
2025年10月~12月期の価格動向は、「生活必需品のコストプッシュ」と「季節イベントによる需要増」が鮮明に交差する結果となりました。
- 価格上昇カテゴリ(米・食料品・冬物アパレル)特に食料品の価格高騰は深刻であり、仕入れコストの圧縮が難しい状況です。セット販売や付加価値の提案など、単価上昇に見合った販売戦略が不可欠です。
- 価格低下カテゴリ(DIY・季節外商品)需要が落ち着いている今こそ、次期シーズンを見越した在庫の確保や、低単価を活かした集客施策を検討するタイミングと言えます。
2026年に向けても、原材料費や物流コストの影響は続くと予想されます。スーパーデリバリーは引き続き最新のデータを提供し、皆様の適切な仕入れ判断をサポートしてまいります。
(補足)
- 本レポートの価格指数は、スーパーデリバリーにおける実際の取引データに基づき、各カテゴリ内の商品単価(1個あたり)を加重平均して算出しています。基準年は2019年(1月~12月平均)=100です。
- これは卸売段階での価格動向を示すものであり、消費者物価指数(CPI)や企業物価指数(CGPI)とは異なります。
- 指数はカテゴリ全体の平均的な動向を示すものであり、個別の商品価格の変動とは必ずしも一致しません。
- 価格指数の変動率は前期比をパーセントで表記しています。




