「〇〇ペイ」というをよく耳にする今年…キャッシュレス決済ができる店舗が増えているな…となんとなく実感はするものの、一体どのくらいのお店が導入されているのか…リアルな現状が気になりませんか?

先月、卸・仕入れサイト「スーパーデリバリー」では、全国の小さなお店(小売・サービス事業者)を対象に、キャッシュレス決済の導入に関するインターネット調査を行いました。

本日は、その結果をまとめ、報告します!自店におけるキャッシュレス決済の導入する上でのヒントや今後のキャッシュレス決済との付き合い方などの参考になれば幸いです。

[データ報告情報]<キャッシュレス導入に関する実態調査報告> 全国の小規模サービス業・小売業の7割以上がキャッシュレス決済を導入済み QR決済も普及が進む(PDF)

アンケート回答者の属性

全国47都道府県の事業者から526件の回答(業種の内訳はサービス業・小売業が87%、残りは飲食業や建設業、宿泊業、福祉業の事業者から)をいただきました。そのうち、92%の事業者が1~10名以下の従業員で構成されるため、今回の報告では従業員10名以下で構成される小さなお店の視点でまとめさせていただきます。

全国のお店の7割超がキャッシュレス決済を導入していた!キャッシュレス導入の本当のところ

Q1:貴店ではキャッシュレス決済(現金以外の決済)を導入されていますか?(回答数:526件)

導入状況 件数 割合
はい 383 73%
いいえ 143 23%

現金以外の決済方法(キャッシュレス決済)を導入している事業者は、思いのほか多く、7割を超える高い水準となりました。

キャッシュレス決済の導入数1位はクレジットカード、2位はQRコード決済

Q2:現在導入しているキャッシュレス決済について教えてください。(複数回答可能、Q1:はい回答者383件)

決済方法 導入件数 導入率
クレジットカード 332 87%
QRコード決済 266 69%
電子マネー 137 36%
銀聯カード 68 18%
デビットカード 62 16%
プリペイドカード 28 7%

キャッシュレス決済として一番多く導入されているのは「クレジットカード(VISA、MasterCard、JCB、AMEXなど)」で87%となりました。次いで「QRコード決済(PayPay、LINEペイ、メルペイ、楽天ペイ、d払いなど)」が69%、「電子マネー(Suica、Edy、iD、QUICPay、nanaco、WAONなど)」が36%という結果になりました。

キャッシュレス決済を導入済みの事業者のうち、70%が複数の決済方法を併用していました。その全員が「クレジットカード」を導入していることから、最初に「クレジットカード」を導入したうえで、他の決済方法も追加していく動きが主流だと考えられます。

一方で、13%の事業者は「QRコード決済」だけを導入しており、一連のキャンペーンなどを通して小売・事業者への「QRコード決済」の普及が進み、キャッシュレス決済導入の新たな層が開拓されているといえそうです。(決済方法としてQRコード決済のみを選択した事業者は50件)

[関連記事]「えぇ!?まだキャッシュレス決済の対応してないの?」とお客様に言われる前に対応したい「キャッシュレス・消費者還元事業」の概要と「QRコード決済」導入サービスをご紹介します!

キャッシュレス決済の売上比率は10%未満が約5割、「特に効果を感じていない」事業者が半数を超える

Q3:キャッシュレス決済の売上は店全体の何%か教えてください。(Q1:はい回答者383件)

キャッシュレス決済が占める売上の割合 件数 事業者数の割合
0% 14 4%
1~10%未満 162 42%
10~20%未満 56 15%
20~30%未満 50 13%
30~40%未満 38 10%
40~50%未満 9 2%
50~60%未満 18 5%
60%以上 36 9%

キャッシュレス決済が売上全体の何割を占めるか質問したところ、「10%未満」という回答が一番多い結果となりました。今回の調査では、例えば「関東圏」「都市部」で利用が集中するというような地域格差は特に見られず、全国的に売上への影響はあまり大きくない結果となりました。

Q4:キャッシュレス決済を導入して感じた効果を教えて下さい。(複数回答可能、Q1:はい回答者383件)

キャッシュレス決済で感じた効果 件数 割合
特に効果は感じていない 213 56%
販売の機会損失が減った 113 30%
客単価が上がった 72 19%
リピート利用が増えた 41 11%
集客効果があった 30 8%

先ほどお伝えしたように、キャッシュレス決済による売上の金額がそこまで大きくないことや、導入したものの利用者がまだ少ない状況から、「キャッシュレス決済で感じた効果」については、「特に効果は感じていない」という回答が半数を占める結果となりました。

一方で、売上比率は低くても「販売の機会損失の減少」や「客単価の上昇」といった複数の効果を実感している事業者もいるため、今後利用者が増えることで、さらなる効果が期待できそうです。

キャッシュレス決済を導入しない事業者の理由は「必要ない」「手数料が高い」から…

Q5:キャッシュレス決済を導入しない理由を教えてください。(複数回答可能、Q1:いいえ回答者143件)

キャッシュレス決済を導入しない理由 件数 割合
自店には必要ないから 44 31%
決済手数料が高いから 40 28%
お客様からのニーズがないから 37 26%
初期導入コストがかかるから 31 22%
導入までの手続きが煩雑だから 25 17%
維持コストがかかるから 22 15%
売上金の入金サイクルが長いから 18 13%
その他 33 23%

取り扱う商品や事業内容から「キャッシュレス決済は必要ない」と考える事業者や、顧客から要望がない、客層として年配の方が多くキャッシュレス決済を知らないなど「ニーズがない」ことを理由にキャッシュレス導入を見送る事業者が多いことがわかりました。他には、「決済手数料が高い」「初期導入コストがかかる」「手続きが煩雑」などが理由としてあがっています。

キャッシュレス決済全般や、消費者還元事業(ポイント還元事業)に対する不安の声

その他、キャッシュレス決済全体や10月より実施予定のポイント還元事業に対する意見を自由記述で求めたところ、165件ものコメントが寄せられました。

その中でも、「キャッシュレス決済がどんどん進めばいい」とキャッシュレス決済を歓迎するというの声を答えたのはわずか2件程度…。

キャッシュレス決済に関しては、「オペレーションが不安」「端末がどんどん増えて従業員が対応できるか」「子どもが利用する場合の対応」などキャッシュレス決済を導入する上での運用を不安視する声や、「手数料を支払うことで利益が減少するので歓迎していない」「売上金の入金サイクルによっては現金化が遅れるため資金繰りが苦しくなるのではないか」など事業への影響を不安視する声が多くありました。

キャッシュレス決済のポイント還元に関しては「購買につながると期待している」との声がある一方で、「仕組みが理解できていない」「レジで混乱が起こりそう」「ポイント還元の説明をお店でするのは面倒(そもそも説明すべきものなのかがわからない)」「一体誰が得をするポイント還元なのかわからない」「どう販売促進に生かすべきなのかわからない」といった回答も多く寄せられており、全国の小売・事業者の複雑な心境が伝わる結果となりました。

編集後記

今回の調査では、キャッシュレス決済の導入が全国各地で加速傾向にあるということがわかりました。

その一方で、消費税増税に伴う軽減税率制度や、キャッシュレス決済に伴うポイント還元事業など…お金にまつわる制度が複雑に絡まる中で、小売・事業者のキャッシュレス決済に対する情報の整理が追い付いていないというご意見が多かったように感じます。

そのような中で、全国各地の商工会や自治体などでも「キャッシュレス決済説明会」などが積極的に行われており、アンケートの自由回答の中には「これから地元商工会で行われるキャッシュレス決済説明会に参加して勉強してから行動する」との声も多くみられました。

キャッシュレス決済の導入がアンケート結果だけを見る限り加速してはいますが、売上の比率を見ていると現金の比率がまだまだ大きいのも事実です。そんな時期だからこそ、今、キャッシュレス決済についての必要な情報を今のうちに整理して、お客様とお店にとって必要なキャッシュレス決済方法を吟味し、導入を進めていけると良いですね。

 

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