飲食店や宿泊施設でも見かけることが増えてきた「ペット同伴可」の文字。ペットと過ごす時間をお店側も大切にしたいという考えが広がっています。また気候変動や森林伐採により野生動物たちへ影響があると報道されることが増えてきました。こういった背景もあり、絶滅危惧種をモチーフにした商品や、保護猫活動につながる商品など、動物に関わる商品が多くなってきています。これらを包括するのが「アニマルフレンドリー」という言葉で、動物実験や畜産動物の飼育環境など、動物にまつわる倫理的な問題も含みます。

こうした変化を受けて、事業者にとっても「動物にやさしいお店づくり」は、これからのお店づくりを考えるうえで欠かせないテーマになりつつあります。この記事では、これからお店を始めたい方や、既存のお店をより動物にやさしい形に変えていきたい方に向けて、アニマルフレンドリーな店舗運営を実現するための具体的な方法と、その取り組みを無理なく続けるためのヒントをご紹介します。

アニマルフレンドリーな店とは?

「アニマルフレンドリー」とは、直訳すると「動物にやさしい」という意味の言葉で、動物に負担をかけない、あるいは動物と気持ちよく過ごせる状態を指します。お店づくりにおけるアニマルフレンドリーには、「ペット同伴で楽しめるお店づくり」と、「動物に配慮した商品を扱うお店づくり」の大きく分けて2つのタイプがあります。この記事では、この2つのタイプを整理したうえで、メリット、具体的な方法、取り組みを続けるコツを解説していきます。自店で取り入れたいアニマルフレンドリーの方法を探すヒントとしてお役立てください。

犬や猫などペット同伴可能なお店

一つは、犬や猫などのペットと一緒に来店・利用できるお店です。「ペット可」「犬OK」「同伴大歓迎」といった形で案内されることが多く、カフェなどの飲食店やホテル・旅館などで見受けられます。お客様にとっては、ペットを留守番させず、お出かけや旅行など大切な時間を一緒に過ごせることが大きな価値になります。ペット同伴を可能にするにあたっては、飲食店であれば保健所・自治体への事前確認、テナントに入るお店であれば施設管理者の確認が必要となります。事前に確認しておきましょう。

動物に配慮した商品を扱うお店

もう一つは、動物実験を行わない化粧品や、アニマルウェルフェア(動物福祉)に配慮して育てられた家畜由来の食品、動物由来の素材不使用の衣料品など、動物に配慮されている商品を選ぶお店です。こちらは、仕入れる商品や取り扱う原料を通じて動物への配慮を実践する取り組みです。

「クルエルティフリー」「アニマルウェルフェア」との違い

アニマルフレンドリーと似た言葉に「クルエルティフリー」「アニマルウェルフェア」がありますが、これらは主に商品の生産方法や原材料における動物との向き合い方を表す言葉です。

「クルエルティフリー(Cruelty-free)」は、主に化粧品や日用品において、製品の開発・製造過程で動物実験を行っていないことを指します。「アニマルウェルフェア(Animal Welfare、動物福祉)」は、主に畜産動物を対象に、「飢えと渇きからの自由」「痛み・傷害・病気からの自由」などの考え方に基づき、動物が心身ともに健康で、その動物らしい行動がとれる環境で飼育されている状態を指します。

たとえば、「動物実験をしていない化粧品」はクルエルティフリーであり、「ストレスの少ない環境で育てられた鶏の卵」はアニマルウェルフェアに配慮した商品といえます。そして、こうした商品を積極的に取り扱ったり、ペットと一緒に過ごせる環境を用意したりするお店のあり方を、まとめて「アニマルフレンドリー」と呼ぶことができます。

アニマルフレンドリーな店を始める3つのメリット

アニマルフレンドリーな店舗運営は、動物への配慮にとどまらず、集客の力や、他店との差別化にもつながる多くのメリットをもたらします。

顧客からの共感と新たな顧客の獲得につながる

ペットを家族の一員として大切にする世帯が増えるとともに、動物実験や工場畜産のあり方に問題意識を持つ消費者も増えています。こうした価値観を持つ顧客にとって、「ペットと一緒に過ごせる」「動物に配慮した商品を扱っている」というお店の姿勢は、選ばれる理由そのものになります。共感をベースにした顧客は一度ファンになると離れにくく、SNSなどを通じてお店の取り組みを自ら発信してくれる存在にもなり得ます。

競合との差別化

ペット同伴可能なお店はまだ限られており、「ペットと一緒に入れる」というだけで、他店にはない選ばれる理由になります。同様に、クルエルティフリーコスメやアニマルウェルフェア認証食品といった動物に配慮した商品をラインナップに加えることも、価格や品揃えだけで比較されない独自のブランドストーリーを築くことにつながります。

客単価・来店頻度の向上

ペット同伴可能なお店は、これまで「ペットがいるから」と外出を諦めていた顧客層の来店機会そのものを生み出します。特にファミリー層やペット連れの顧客は滞在時間が長くなりやすく、ペット用のフードやグッズを一緒に購入するなど、客単価の向上にもつながりやすいのが特徴です。動物に配慮した商品を扱う場合も、その背景にあるストーリーへの共感から、リピート購入につながるケースが少なくありません。

アニマルフレンドリーな店を始めるための方法

ここからは、「ペット同伴可能なお店」と「動物に配慮した商品を扱うお店」、それぞれについて、具体的な取り組み方をご紹介します。どちらか一方からでも、無理のない範囲で始めることができます。

ペット同伴可能なお店にするための方法

受け入れルール・設備を整える
ペット用の椅子やケージ置き場、水飲み場、リードフックなどを用意し、ペットもお客様も過ごしやすい動線を確保します。体重やケージ使用の有無など、受け入れ条件をあらかじめ明確にしておくことで、来店前の顧客の不安を減らすことができます。

スタッフの対応方針を明確にする
ペットが苦手なお客様やアレルギーをお持ちのお客様への配慮も含め、席の配置や声かけのルールをスタッフ間で共有しておきましょう。ペット同伴エリアと非同伴エリアを分けるなど、すべてのお客様が快適に過ごせる工夫も重要です。

動物に配慮した商品を扱うお店にするための方法

動物実験をしていない・動物由来原料を使わない商品への切り替え
コスメであればクルエルティフリー認証を受けたブランド、ファッションであれば動物由来の皮革や羽毛を使わないヴィーガンレザーやフェイクファーなど、雑貨であれば動物由来原料に頼らない製品を、商品ラインナップに取り入れていきます。たとえば、豚毛や馬毛などの動物性のブラシではなく、ナイロンを採用した歯ブラシは、動物由来原料を使わないという観点でアニマルフレンドリーの一例です。

[画像商品]【軽くて磨きやすい/FSC認証】竹歯ブラシ コンパクト(取扱企業名:オーガニックリビング

動物福祉に配慮した商品を取り扱う
ケージを使わずに育てられた平飼い卵や、放牧で育てられた畜産物、動物たちにとってストレスや苦痛を与えずに、本来持っている習性や行動要求を満たすことに配慮した製品があります。

[画像商品]創健社 榛名山のおいしい水が育んだ 平飼い卵のマヨネーズ 200g(取扱企業名:創健社

また衣料品ではニット製品の原料であるウールにおいて「ミュールシング」という問題があります。より多くの羊毛を採取するために品種改良されたメリノ種は、皮膚面積が広いため全身の皮膚に深いシワができます。おしりや陰部のシワに糞尿がたまるとハエなどがつき、死に至るほどの皮膚病になることもあります。それを防ぐために子羊の時に無麻酔で該当の部分の皮膚を切り取ることを「ミュールシング」と言います。ミュールシングは、羊にとって大きな苦痛とストレスを与えることになるため、アニマルウェルフェアの観点から「ノンミュールシング」の製品を選ぶことも動物を大切にする方法の一つです。

[画像商品]【26年秋冬新作】<フェアトレード>ナマステミトン(取扱企業名:sisam(シサム工房)

売上・収益の一部が動物保護活動に還元される商品を取り扱う
直接的に動物実験や飼育環境に配慮した商品でなくても、売上の一部が動物福祉団体への寄付につながる商品を取り扱うことも、アニマルフレンドリーな商品選びの一つです。動物モチーフのかわいい商品が多いので、商品そのものを楽しみながら、購入が動物福祉への貢献にもつながる点を伝えることで、顧客の共感を得やすくなります。

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[画像商品]BIRD BOOKMARKER 刺繍しおり リーフ柄 シマエナガ(取扱企業名:ヒサゴ
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認証マークや取り組みの背景を情報発信する
クルエルティフリー認証やアニマルウェルフェア認証は、意味を知らなければその価値が伝わりません。なぜその商品を選んだのか、どのような点が動物に配慮されているのかを、POPやSNS、ブログなどで丁寧に伝えることで、顧客の理解と共感を深めることができます。

無理なくアニマルフレンドリーな店を続けるためのコツ

アニマルフレンドリーな店舗運営は、一度始めれば終わりというものではなく、続けていくことが何より重要です。

「まずは店内の一角にペット同伴OKの席を設ける」「まずは一部の商品からクルエルティフリーコスメに切り替える」など、小さな一歩から着手することをおすすめします。続けるためのコツとしては、共感の輪を広げていくことです。自分がやりたいと思ったアニマルフレンドリーのお店作りをお客様に伝えてみましょう。「なぜこの取り組みを始めようと思ったのか」という背景にある想いを、SNSやブログ、店内のPOPなどを通じて発信することで、共感をより深く引き出すことができます。共感が初来店のお客様もリピートのお客様も増やすきっかけになるはずです。そしてそれらの小さな成功体験の積み重ねが、次の取り組みへのモチベーションにつながります。

アニマルフレンドリーなお店の商品の仕入れなら、スーパーデリバリーの「エシカルコレクション」

アニマルフレンドリーなお店づくりのために、少量から注文できる動物に配慮した備品や商品に切り替えてみませんか。

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