「モノ消費からコト消費へ」という言葉、最近幅広い業界でよく使われていると思いますが小売業界ではどんな「コト消費」を提案されているのでしょうか。また「コト消費」は「モノ消費」へと繋がっているのでしょうか。

今回はナチュラル系の雑貨店「ライナス」さんが定期的に「コト消費」としてワークショップを開催されているということで、その内容や集客、ワークショップの効果などを聞いてきました。

(真っ白の外壁にブルーがアクセントの爽やかな印象の店舗。最寄駅は東急東横線の学芸大学駅。駅から徒歩15分くらいの立地。)

 

きっかけは「お店を知ってもらう」「安定的な集客」のため

 

雑貨店の「ライナス」さんはオープンして今年で4年目。

店長の百瀬さんが現在の場所にお店を開いたきっかけは

・お店ののんびりした雰囲気と立地の雰囲気があっている

・家具屋さんやアンティークショップが多い界隈

・自分のお店のターゲット層がいそうなエリア

・ほどよい家賃

といった理由。ただ、最寄りの駅から少し離れていることもありもっとお店の場所や存在を知ってもらたいと考えていたときに、ちょうど店内には少しスペースもあることからワークショップを思いついたそう。

そしてもう一つの理由は、「天候に左右されずお客さんに来てもらいたい」ということ。ワークショップは基本的に予約制。キャンセルが出ることもあるようですが、予約をしている手前天気が悪くても来てくれる方が多いそうです。

(店長の百瀬さん。以前は雑貨屋さんで働いていた経験もあるそう。)

講師探しや集客はSNSを活用

 

ライナスさんでは月に4、5回ワークショップを開催されています。ワークショップの内容は毎回異なり、テーマによってさまざまな講師をお店にお招きして参加者に教えてもらっているのだとか。

講師の方はお付き合いのあるお花屋さんの方もいれば、百瀬さんがインスタグラムなどのSNSで見つけて直接依頼されているそう。

開催するテーマに合わせてインスタで人気の方を探して依頼しているそうですが、講師が専業じゃなくてもお願いすれば引き受けてくれるのだとか。

そして講師となってくれる方がフォロワー数の多い方であれば、その方のファンの方がワークショップに参加してくれることもあるそうで、SNSがもつ影響力をうまく使われています。

ワークショップ開催の告知は店頭にポスターを貼ったり、お店のホームページやSNSに載せたりしているそうですが徐々にお店の認知もあがってきて毎回定員になることも多いそうです。

(お店の外にも、店内にもワークショップの案内を貼られていました。写真に写っている雑貨はワークショップで実際に作られた作品だそうです。)

他にも1度参加したお客さんが次の開催の時に友達を連れて来てくれたり、参加者の口コミを聞いてきてくれる人もいるんだとか。

ちなみにライナスさんのインスタにはワークショップの様子を載せているそうですが、アップした画像をみてワークショップに参加してくれる人もいるそうです。”同じ情報をフェイスブックにも載せているけど、インスタのほうが「いいね」がつきやすい”とのこと。インスタのほうがユーザーが特定されないから押しやすいのでしょうか??

 

コト消費として満足度の高いワークショップを用意

 

ライナスさんが開催されているワークショップは、一見手間がかかっているように見えて誰でも簡単に作れる物を用意されています。例えば、ドライフラワーやプリザーブドフラワーを使ったリースだったり、ミニチュアガーデン。

(ワークショップで使うアイテムを普段は店内の装飾にされています。)

(ワークショップで作るリースはこれより少し大きめのもので、お花もその時期によって使用するものが異なるそうです。)

ジャムなどの空き瓶を利用して作るスノードームや、お子さんも一緒に作れるフォトスノードームなどもありました。

(季節によってスノードームの中身を変えて製作。)

最近人気なのはTシャツやカットソーなどの布を裁断したときに出る余りの生地を糸にした「Zpagetti(ズパゲッティ)」を使って編むバッグや小物入れ、スリッパなどだそうで、これはお客さんの要望から開催したそう。

(あまりに人気でキャンセル待ちの回もあるそうです!)

 

ワークショップの価格は3000~4000円くらいを目安に設定されていますが、お客さんの中には子連れの方も多いので、お子さんを対象にしたワークショップの場合は1000円くらいに設定することもあるのだとか。

参加しやすい価格設定にして、完成度の高いものが作れたり、お客さんのリクエストに応えたものを用意することで満足度も高まりますし、リピートにも繋がっていきますね。

 

ワークショップを開催するメリットは「ついで買い」

 

店舗でワークショップを開催する一番のメリットは、やはり店内での「ついで買い」だそうです。

百瀬さん曰く「参加される半分くらいのお客様がついで買いをしてくれる」とのこと。

そのため、ワークショップの内容もお店のターゲットと合っているかどうかを考えて開催されています。

また、店内の商品も作家さんのハンドメイド商品を販売するコーナーを設けたりしてワークショップに来られる方の好みに合いそうなアイテムも揃えられていました。

ワークショップを開催するには講師の方を探したり、当日使うものを事前に準備したり、参加される方にお茶を出したりなど手間がかかる部分もあるようですが、回数を重ねるごとにお店の認知が上がっているのも実感されているようです。

集客面でもまだまだ手段を模索中とのことですが、単なる「モノ」の販売だけでは得られない集客や売上への効果を「コト」の提供で実現されているショップでした。

 

■LINUS(ライナス)http://linus13.com/

東京都目黒区中町1-26-9 MJビル1階

TEL:03-6412-8695

ワークショップの様子はフェイスブックからもチェックできます。

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