ゴールデンウィークや夏休み、シルバーウィークなどの連休は、ふだんお店の前を通らない人にも足を運んでもらえる、店頭集客の大きなチャンスです。とはいえ「セールやポイント還元以外に、何か打ち手はないか」と悩む仕入れ担当者・店主の方も多いのではないでしょうか。

そんなときに検討したいのが、店頭でのイベントやワークショップの開催です。商品を「買う」だけでなく「体験する」機会をつくることで、商品やものづくりへの理解が深まり、参加したお客さまがその後リピーターになるケースも少なくありません。スーパーデリバリーを利用する小売店の中にも、取り扱っている手芸用品を使った手作り教室や、取引のある作家を招いたオーダー会・展示販売を定期開催し、集客の柱にしているお店があります。

本記事では、業態別のワークショップ・イベントのアイデアと、連休・季節に合わせた企画のヒント、開催を成功させるためのポイントをまとめてご紹介します。自店の商材や客層に合わせて、取り入れられそうなものから検討してみてください。

なぜ店頭イベント・ワークショップが集客につながるのか

ワークショップの効果は、当日の売上だけではありません。まず、参加を目的に来店する「新規のお客さま」を呼び込めること。イベントは「買う予定はないけれど行ってみたい」という来店動機をつくれるため、セールとは異なる層にアプローチできます。

次に、商品の価値が伝わりやすくなること。素材の特徴や作り手のこだわりは、棚に並んでいるだけではなかなか伝わりませんが、実際に手を動かして体験すると納得感が生まれ、その後の購入や指名買いにつながります。さらに、参加者同士やお店との距離が近くなり、「あのお店の常連」というコミュニティ的なつながりが生まれるのも大きな効果です。参加したお客さま同士が仲良くなり、後日一緒に再来店してくれるケースもあります。

また、イベントの様子はSNS投稿のネタとしても優秀です。告知から当日レポートまで一連の発信ができるため、店頭に来られないフォロワーへのアプローチにもなります。

業態別に見るワークショップ・イベントのアイデア

ここからは、取り扱い商材の業態別に、店頭で開催しやすい企画のアイデアをご紹介します。いずれも「いま扱っている商品」を活かせるものを中心に挙げているので、新たな仕入れをせずに始められるものも多いはずです。

雑貨店・文具店

オリジナルノートづくり、スタンプやマスキングテープを使ったカードづくり、手帳のデコレーション講座など、文具・紙ものは少ない道具で始められる企画の宝庫です。店頭で扱っている商品をそのまま材料として使えるため、体験がそのまま商品の魅力紹介になります。母の日・父の日前の「メッセージカードづくり」、年末の「年賀状・ぽち袋づくり」など、季節の行事と組み合わせると告知もしやすくなります。

手芸・クラフト用品を扱うお店

ビーズアクセサリー、刺繍、編み物、レジンなど、手芸系は「初心者向けの小さな完成品」を用意するのがポイントです。ブローチやキーホルダーなど1〜2時間で完成するものなら、初めての方でも達成感を得やすく、材料の追加購入にもつながります。取引のある作家がいる場合は、作家を講師に招いた教室やオーダー会も有効です。作家のファンが新規客として来店し、お店の存在を知ってもらうきっかけになります。

インテリア・DIY関連のお店

小型シェルフやスパイスラックづくり、木製カトラリーの製作、塗料を使ったリメイク講座など、DIY系のワークショップは幅広い層に人気があります。工具を販売していないお店でも、インテリア雑貨や家具を扱っていれば「飾り方講座」「グリーンの寄せ植え」「壁面ディスプレイの作り方」といった切り口で企画できます。完成品を自宅に持ち帰ってもらえるため、暮らしの中でお店を思い出してもらえるのも利点です。

食品・食器を扱うお店

取り扱い商品の食べ比べ・飲み比べ会は、準備の負担が比較的軽く、商品の違いを直接伝えられる企画です。パスタやオリーブオイル、コーヒー、紅茶、調味料など、種類の多い商材ほど「選び方講座」との相性が良く、学んだお客さまがそのまま指名買いしてくれる流れをつくれます。食器を扱うお店なら、テーブルコーディネート講座や「器と料理の合わせ方」といったテーマも提案できます。メーカーが開催するテイスティングセミナーに参加して、その内容を自店の売場やPOPに活かすのもひとつの方法です。

アパレル・服飾雑貨のお店

スカーフやストールの巻き方講座、アクセサリーの重ねづけ提案会、パーソナルカラーを切り口にしたスタイリング相談会など、アパレルは「着こなしの提案」自体がイベントになります。商品知識のあるスタッフの接客力をそのまま企画化できるため、追加コストを抑えながら客単価アップにつなげやすいのが特徴です。

連休・季節に合わせた企画のヒント

同じワークショップでも、開催時期に合わせてテーマを変えると、告知の切り口が生まれ、毎年の定番企画として育てやすくなります。以下は、主な連休・シーズンごとの企画例です。

時期客層の特徴企画例
ゴールデンウィーク家族連れ・帰省客など、ふだん来ない層が街に出る親子で参加できるものづくり体験、こどもの日にちなんだ工作、新生活向けのインテリア講座
夏休み子ども連れの平日来店が増える、自由研究需要自由研究になる工作・実験系ワークショップ、涼を感じる雑貨づくり、夏のテーブルコーディネート
シルバーウィーク行楽シーズン、敬老の日・秋の行事が近い敬老の日のギフトづくり、秋色のアレンジメント、ハロウィン準備のデコレーション講座
年末年始前ギフト・準備需要が高まる、客単価が上がりやすいクリスマスリースやオーナメントづくり、年賀状・ぽち袋づくり、お正月のしつらえ講座

ポイントは、連休の「1〜2週間前」から告知を始めることです。連休の予定は事前に決まることが多いため、直前の告知では候補に入りにくくなります。年間の販促カレンダーにイベント開催日と告知開始日をセットで組み込んでおくと、毎回の準備がぐっと楽になります。

開催を成功させるためのポイント

小さく始めて、定番化を目指す

最初から大がかりな企画にする必要はありません。定員4〜6名、所要1時間程度、参加費は材料費程度、といった小規模な形で始めれば、準備の負担も空振りのリスクも抑えられます。大切なのは1回で終わらせず、反応を見ながら内容を調整して繰り返すことです。「毎月第3土曜はワークショップの日」のように定例化すると、お客さまの来店習慣にもつながります。

メーカー・作家を巻き込む

自店だけで企画を完結させる必要もありません。仕入れ先のメーカーの中には、店頭イベント用の材料キットの提供や、講師派遣・レクチャーに対応してくれる企業もあります。取引のあるメーカーや作家に「店頭で商品を使ったワークショップができないか」と相談してみると、思わぬ協力が得られることがあります。メーカー側にとっても商品の魅力を直接伝えられる場になるため、双方にメリットのある取り組みです。

SNSで「告知から当日レポートまで」を発信する

イベントは開催して終わりではなく、発信まで含めてひとつの企画です。事前の告知投稿、準備の様子、当日の風景、完成した作品の紹介と、1回の開催から複数のSNS投稿ネタが生まれます。参加者が自分の作品を投稿してくれれば、お店の認知が自然に広がる効果も期待できます。撮影と投稿の可否は当日にひとこと確認しておくと安心です。

まとめ

店頭でのイベントやワークショップは、新規のお客さまとの出会いをつくり、商品の価値を体験として伝え、お店とお客さまの距離を縮める取り組みです。連休や季節の行事に合わせて小さく始め、繰り返しながら自店の定番企画に育てていくことで、セールに頼らない集客の柱になります。

まずは、いま店頭にある商品の中から「体験に変えられそうなもの」を探すところから始めてみてはいかがでしょうか。材料や関連商品の仕入れには、スーパーデリバリーもぜひご活用ください。

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