今回は初めての企画として、売り場づくりのプロ、株式会社ライトハウスの藤井さんにご協力いただきスーパーデリバリーの会員店舗さんを訪問して、店舗運営のお悩みを解決した事例をご紹介します。今回のお悩みは、「入店率をアップさせたい」、「ディスプレイをどうすればいいのかわからない」といったお悩みを持った店舗さんを藤井さんと訪問しました。
今回訪問したのは、大阪府内にある約10坪のハーブティーの専門の小売店舗。最寄り駅からは徒歩5分ほどの距離でアーケード商店街の中に並ぶお店です。お店自体も2024年の2月にオープンしたばかりの店舗です。姉妹で試行錯誤をしながら店舗運営をされています。
目次
悩みの種は入店率の低さ
──お店としてどのようなお悩みや課題を感じていますか?
オーナーさん:実は今、ディスプレイでとても悩んでおり、どのようにしたらよいのか、どこに相談したらよいのか頭を抱えていました。また、入店率ももっと上げなくてはと課題に感じています。
当店はハーブティーがメインのお店で、他にも雑貨とボディケア商品を販売してます。ハーブティーだけを売りにしていたら入店客数が少ないかなと思い、主に雑貨を店外の窓から見える位置に並べて入りやすくしようとしているのですが、店外ののぼりはハーブティーと書いてあるので、「結局何を売っているお店なのかあまりよくわからない」と言われることがあり、その点が悩みの一つです。また、お店に入りづらいと言われることも多いです。
──ディスプレイや入店客数の部分に課題を感じているわけですね。藤井さん、何かできることはありますか?
藤井さん:パッと見させていただきましたが、温かみのある内装ですし色々工夫を凝らしてディスプレイを行なっていらっしゃる様子は感じますね。ただ、色々工夫しすぎて逆に伝わりにくくなっている部分もいくつかあるので、そのあたりを変えていきましょうか!
何を売っているのかをお店の外から明確に伝わるようにする
藤井さん:まず店外から見える印象を変えたいですね。この入り口の前にあるのぼりが悪目立ちしすぎて入りにくさを助長しているので、ちゃんとのぼりの文字が見えるようしながら端の方に寄せたいですね。入り口の前にあるのぼりがあることでショーウィンドウも見難くなっているので、のぼりは少し動かしましょう。
のぼりはハーブティーだけど、ショーウィンドウには雑貨が並んでいることでお客さんに「何を売っているのか分からない」と思わせていますね。やはり“何を伝えたいか?”というピントがずれてしまうと何も伝わらなくなるので、まずは、“コレを売りたい!”にフォーカスを絞ることが大事です。それを伝わるように表現してみましょう!ちなみにこのお店の売りやこのお店で一番売っていきたいものは何ですか?
オーナーさん:ハーブティーです(きっぱり)。
藤井さん:わかりました。では、うちのお店はハーブティーをメインに扱っているお店だということが伝わるように、ショーウィンドウに並べるものはハーブティーに変えませんか?
オーナーさん:そうですね、ぜひ変えたいです!
藤井さん:今ショーウィンドウに並べてある雑貨類は一旦全部下げてしまいましょう。空いたスペースには、お店として一番売っていきたいハーブティーを分かりやすく並べて、伝わるようにしていきましょうか。
藤井さん:スポットライトの角度をショーウィンドウにある商品のところに当たるよう変えますね。どうでしょう?だいぶ印象変わったんじゃないですかね?
──かなり変わりました!ハーブティーを売っているのがとても伝わりやすくなりました。
オーナーさん:本当ですね、ハーブティーをショーウィンドウに全面に打ち出したことでこんなに変わるんですね!
藤井さん:他にも改善したいポイントが二つあります。一つはショーウィンドウの上部のところに、窓ガラスに書けるペンなどで「ハーブティー」と書くか、用紙に書いてあるものを貼って外から分かるようにしたほうがいいです。もう一つがお店の入り口から見える真正面の壁にもハーブティーとかハーブのビジュアルを見せてあげるとかなりわかりやすくなります。ここも改良してみませんか?
オーナー様:わかりました。その二ヶ所も変えてみたいと思うので、そこは少しお時間ください!
藤井さん:のぼりを動かしてショーウィンドウを見やすくして、ショーウィンドウに並べるアイテムをハーブティーに変えてそこにしっかりとスポットライトを当てるだけで、ハーブティーのお店なんだということが伝わるようになりましたね。
興味を感じた人が歩みを緩める
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店舗を見る
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足が止まる
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店へ入る
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商品を見る
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店内を回遊する
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スタッフと会話する
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話が広がる・・・
そのタイミングで初めて、他のことを伝えても興味を持ってもらえるのです。
その為にもまずは、“何を伝えたいか?”
”コレ!”を定めて、伝わるように表現すること。
「色々工夫を凝らしてディスプレイを行なっているのに、反応が悪いなぁ・・・」
そう感じていらっしゃるみなさん、ぜひ参考にしてみてください!
関連のあるアイテムで導線を作る
──とても勉強になりました!では店内のディスプレイで気になる部分はありますか?
藤井さん:ショーウィンドウに並べたハーブティーの横にある棚は、導線として連動させたアイテムの方がいいのでハーブティーに関連したアイテムを並べた方がいいですね。ここも少し並び替えましょうか。
テーマを決めて売り場をつくること
藤井さん:お店に入ってすぐ中央にあるテーブルなのですが、ここは何の売り場ですか?
オーナーさん:特にテーマは決めていません…..。お店を開店する初期の頃にいいなと思って仕入れたものを集めて何も考えずに並べてるだけのような感じです。
藤井さん:お店を開業する際に皆さん陥りがちなのですが、売り場にはしっかりテーマを持つことが大事です。先にテーマを決めて、そのテーマに合った商品を仕入れた上でディスプレイするような流れにした方がいいです。ここの売り場はテーマ決めましょうか!どんなテーマにしましょうか?
オーナーさん:うーん、、、ずばり”食器売り場”にします!
藤井さん:わかりました!ちょっと食器を並べてみてください。
”間”を作ることでひとつひとつのデザインが浮き立って見える
藤井さん:食器に統一されて、いい感じになりましたね!ちょっとだけ手加えていいですか?
藤井さん:テーマを決めてコーナーを作るにしても、どうしても商品グループ同士を密集させて並べてしまいがちなのですが、ゴチャゴチャと密集して並べてしまうとひとつひとつの商品の情報が入ってこないです。そのため、商品グループごとに”間”を作ることで、ひとつひとつのデザインが浮き立って見せることができます。
藤井さん:こちらのコスメやアロマ系雑貨の棚も少し間を作りますね。
──藤井さんの手によって生まれ変わったような印象を受けますが、いかがですか?
オーナーさん:本当に感動しています…。実は毎日お店に来て自分のディスプレイを見るのが嫌になっているくらい、どうしたらいいのか悩んでいたので、本当に勉強になりました。今回当店を選んでいただいたのもまるで宝くじに当たったような気分です!本当にありがとうございました!
テーマを決めて”伝わる”売り場づくりを実践してみよう!
今回は、初めての企画でお悩みをお持ちのスーパーデリバリーの会員店舗さんに藤井さんと訪問してディスプレイ改善などを実施してみました。同じようなお悩みをお持ちの店舗さんも多いのではないでしょうか?テーマを決めて”伝わる”売り場づくりを実践してみましょう!