ここ数年のペットブームの影響からペットに関連するサービスが増えていますが、トリミングサロンやペットサロンもその一つです。そこで今回は、自宅でトリミングサロンやペットサロンを開業する方法やメリット・デメリットなどについて解説します。

いずれトリマーとして独立したいと考えている方も多いなか、自宅での開業は時間の融通もききやすく始めやすいと注目されている方法です。実際に開業する際の注意点なども踏まえチェックしてみてください。

トリミングサロンの開業に必要な資格と届け出

トリミングサロンを開業するには、他の事業と同様に「開業届け」を提出する必要があります。また、トリミングサロンは飼い主の方からペットを預かって施術するため、動物の販売や保管時に必要な「動物取扱業登録の届け出」が必須となります。

動物取扱業登録の届け出

動物取扱業登録は、動物を扱う事業を行う際に必要な書類です。登録する際には店舗のスタッフの中から一名「動物取扱責任者」を指定して、店舗の管轄となる都道府県または政令市の「動物愛護管理行政担当部局(保健所)」に届けを出します。

申請後は検査を経て「登録証」が交付されるため、登録証と動物取扱責任者の氏名をサロン内に掲示すれば、開業が可能となります。

動物取扱責任者の資格

動物取扱責任者になるためには、次の要件のいずれかに該当する必要があります。 

1.獣医師免許の取得者

2.愛玩動物看護師免許の取得者

3.実務経験+教育機関の卒業

4.実務経験+動物に関する資格

トリミングサロンの場合、実務経験は「トリマーとして半年以上の実務経験を持っていること」を指します。

自宅でトリミングサロンを開業するメリット・デメリット

トリミングサロンにはいくつかの形態があります。例えばペットショップに併設型のサロンや路面店など独立型のサロン、車内で施術する出張型のサロンなど様々です。その中でも自宅で開業するトリミングサロンにはどのようなメリットやデメリットがあるのかチェックしておきましょう。

自宅でトリミングサロンを開業するメリット

自宅でトリミングサロンを開業するメリットはいくつかありますが、なかでも一番のメリットは家賃がかからないことです。また、開業費用も抑えることができます。

テナントを借りてトリミングサロンを開業する場合は、改装費のほかに敷金や保険などが発生しますが、自宅の場合はそういった諸経費を抑えることができるため、少ない資金で開業を考えている方にオススメです。

もう一つ大きなメリットとしては、自分のペースで仕事ができる点です。自宅兼店舗の場合は通勤時間もなく、テナントなどに合わせた営業時間の設定をする必要もないため、定休日なども自由に設定できます。そのため時間を有効活用しやすく、子育てや家庭との両立をしながら働きたいという方にも利点があります。

自宅でトリミングサロンを開業するデメリット

一方で、自宅でトリミングサロンを開業するデメリットもあります。ひとつは、場所を選べないということです。店舗を借りる場合は集客や売上げを考えて、地域の人口や周辺のトリミングサロンの数、またドッグランやドッグカフェなどペットに関連した施設の有無を確認したうえで立地を選びます。自宅で開業する場合、これらの条件に該当しない場合は店舗を借りた経営も視野に入れると良いでしょう。

また、家族や近隣住宅への配慮も必要です。動物アレルギーがないか事前に確認しておくことや、犬の匂いやトリミング時の毛の処理などから衛生面でもどのような対処をするか考えておくと良いでしょう。さらに、犬の鳴き声などへのクレームが入らないよう事前に開業する旨を近隣の方にも伝えておき、理解してもらう必要があるでしょう。

自宅開業に必要な資金と準備

自宅でトリミングサロンを開業する場合には、店舗を借りる場合と異なり費用を抑えることができます。ただし改装費や設備の導入費、光熱費などの日々の運転資金などは少なからず発生します。そこで、着実に開業準備を進めるために開業資金計画を立てましょう。

開業資金の準備

自宅でトリミングサロンを開業する場合、主に費用がかかるのは「改装費」「設備投資」「宣伝費」「運営費」となります。一般的にテナントなど店舗を借りて開業する場合、開業資金の目安は1,000万ほどと言われています。これは地域や立地によって異なり、自宅を改装して開業する場合は内容にもよりますが、1/10程度で収まるケースもあります。

トリミングの際に使用する道具や設備ですが、ドッグバスやトリミングテーブル、ドライヤーやハサミなどは平均20~40万前後とも言われています。

また、宣伝はチラシやフリーペーパーへの掲載、ホームページの作成などが挙げられますが、最近ではSNSのInstagramを活用した集客例も増えています。SNSの場合は費用もかからないので資金の節約にもつながります。

店舗の改装や開店準備

自宅で開業する場合は、近隣に迷惑が掛からないよう防音対策やにおい対策をする必要があります。特にトリミング中はよく鳴く可能性もあるため、施術室は防音にしておくほうが良いでしょう。さらに、サロン内はカットした毛や爪などで汚れることも多く、シャンプー時に水汚れなどもおきるため防水性や殺菌性が高い壁紙、床材を用いると掃除もしやすくオススメです。加えて、犬の足の負担を考えて滑り止めが加工された床材なども取り入れると飼い主であるお客様にも安心されます。

トリミング時にはシャワーが欠かせませんが、特に長い抜け毛などが排水設備に詰まらないよう太めの配管にしたり排水口カバーなどで対策しておくと、掃除もスムーズに行えます。

トリミングサロンを自宅で開業する際の注意点

トリミングサロンの自宅開業は、費用面を抑えられることや時間の融通が利くなど、店舗を借りて開業するよりも手軽に始められるという魅力があります。ただし、自宅の間取りによっては入り口が狭くてドッグバスなどの設備が導入できない、契約している電気容量では施術時に足りないといったケースも出てきます。そのため、設備の配置や大きさなどを事前に確認したうえで、店舗の場所を検討すると良いでしょう。

また、トリミングサロンを継続いしていくうえではどれだけのお客様に来店いただき、リピートいただけるかが重要になってきます。そのため、自宅開業の場合は店舗契約と異なり経費を抑えることができますが、経営が軌道にのるまでの運転資金などを確保したうえで開業すると良いでしょう。

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