ドッグカフェを開業しよう！必要な資格・費用、運営のコツとは？

数年前から犬や猫、ウサギなどと触れ合える動物カフェや、愛犬と同伴で入れるドッグカフェなどをよく見かけますが、ペットブームの影響でその数は増えています。特にドッグカフェは年々需要が高まっています。ペットの家族化や若い世代の飼い主が増えていることから、愛犬と一緒に食事ができたり、気兼ねなく一緒の時間を過ごせる場所として人気が出ているからです。

こういったニーズを受けてドッグカフェを開業する方も多く、ペットショップがカフェを併設するケースや、通常のカフェがペット同伴スペースを設けるケースなど、様々な形で増えています。

そこで今回は、ドッグカフェを開業するにあたって必要な資格や費用、そして店舗運営をする上でのコツなどをお伝えします。

1 増加するドッグカフェ
- 1.1 犬と触れ合える犬カフェ
- 1.2 愛犬と一緒に入れるドッグカフェ
2 ドッグカフェの開業に必要な資格や許可
3 ドッグカフェの開業に必要な資金とは？
- 3.1 初期費用とランニングコスト
- 3.2 資金の調達方法
4 ドッグカフェの開業ポイント
- 4.1 ルールを設けよう
- 4.2 メニューやサービスで差別化しよう
5 トリミングサロン・ペットショップ・ドッグカフェなどの動物関連事業者の仕入れはスーパーデリバリー

増加するドッグカフェ

ペットブームの影響もあり年々増えている犬カフェやドッグカフェですが、その形態によって開業に必要となる資格や経費は異なってきます。また、提供するサービス内容も大きく異なります。どちらもワンちゃんと楽しい時間を過ごすことができるカフェですが、具体的にどのような違いがあるのでしょうか？

犬と触れ合える犬カフェ

犬カフェは猫カフェやうさぎカフェのように、お店にいるワンちゃんと触れ合うことができるカフェのことです。お店のオーナーの愛犬や、ペットショップやブリーダー施設が飼っているワンちゃんたちと遊んだり、触れ合うことができます。犬カフェの中には「豆柴カフェ」など、犬種に絞ったカフェもあります。

犬カフェなどの動物カフェには、自宅で犬や猫などのペットを飼いたいけど飼えない人や、動物に癒しを求めて訪れる方が多くいます。またこれから犬を飼ってみたいけど経験がないため、まずは一緒に過ごす時間を味わってみたい、といった理由で足を運ぶ方もいます。

愛犬と一緒に入れるドッグカフェ

ドッグカフェとは、ワンちゃんと一緒に入店できるカフェのことです。飼い主の方が愛犬と一緒の時間を過ごすことを前提にしたカフェです。一般的なカフェと同じように飲食のメニューがあるほか、犬用のメニューが充実しているのも特徴の一つです。他にも、ドッグランのようにワンちゃんと遊べるスペースを設けた店舗もあり、飼い主と愛犬が楽しい時間を過ごせる場所として人気が高まっています。

ドッグカフェのなかには、一般用のスペースと犬同伴スペースを分けている店舗もあります。もともと普通のカフェがテラス席を犬同伴用にしているケースも多く、どちらのお客さんにも居心地よく過ごせる場所を提供しています。

ドッグカフェの開業に必要な資格や許可

ドッグカフェを開業するにあたっては「食品衛生責任者」と「飲食店営業許可」の２つの資格と、「農林水産省への届け出」「開業届」の２つの届出書が必要となります。

食品衛生責任者

食品衛生責任者の資格は、飲食店営業許可を取るために必須の資格となります。この資格は保健所等が開催する講習会で、一定の履修項目を受講すれば取得することができます。現在新型コロナウィルスの影響で受講枠が通常よりも少なくなっているため、ドッグカフェの開業を検討されている方は早めに受講の予約をしておくと良いでしょう。

飲食店営業許可

通常のカフェと同じように、店内で作っている料理等をお客さんに提供し、飲食をしてもらう場合に必要な資格となります。飲食店営業許可書は管轄する保健所に申請を行います。申請の後、問題がなければ許可証が発行されます。営業許可書の交付には申請から1週間ほど時間を要するので、お店のオープン時期から逆算して用意すると良いでしょう。

またドッグカフェの場合、衛生面上の観点から通常の飲食店よりもしっかりとした衛生管理を求められるケースがあります。例えば愛知県名古屋市ではドッグカフェの衛生管理に対して、『「ドッグカフェ」に対する衛生指導要綱』といったものを定めています。

ドッグカフェを開業する際には、事前に店舗がある自治体にこのようなルールの存在を確認しておくほうがよいでしょう。

農林水産省への届出

店内で犬用のご飯やおやつを作って販売する際には、ペットフード安全法の規定により農林水産省への届出と帳簿が必要になります。犬だけではなくほかの動物の場合も同様です。また、店内で提供するだけでなくテイクアウト用として販売する際も同様に届出書を出しましょう。

開業届

どのような業種であっても、事業を開始するには開業手続きをする必要があります。開業手続きには「個人事業の開業・廃業等届出書（開業届）」と「所得税の青色申告承認申請書（青色申告の場合）」が必要になります。開業届は事業の開始1ヶ月以内を目安に、税務署に提出するようにしましょう。開業届を出すことで確定申告の際に青色申告をすることができます。青色申告をすると、最大65万円の青色申告特別控除が受けられるなどのメリットがあるため、同じタイミングで提出するのがよいでしょう。

上記の資格や届出書以外にも、例えばオーナーが愛犬を店内に常駐させる場合や、動物カフェを運営する場合には動物取扱責任者や第一種動物取扱業といったものも必要になってきます。ペットカフェやドッグカフェも年々多様化しているため、開業予定の方は事前に保健所に相談しながら計画を立てるのがオススメです。

ドッグカフェの開業に必要な資金とは？

ドッグカフェを開業する場合、通常のカフェと同じように店舗の賃料や工事内装費、店内施設や調理施設などにあてがう資金が必要になります。それに加え、ドッグカフェならではの設備も必要となるので、運転資金などを考えると通常のカフェよりも多額になるケースが見られます。

初期費用とランニングコスト

ドッグカフェを開業するにあたっては、店舗取得費、内装工事費、店舗設備、調理器具、広告宣伝費などの資金が必要となります。これに加え、材料原価・人件費・家賃・水道光熱費など運転資金も必要となってきます。

ドッグカフェの場合は通常のカフェと異なり、衛生面への配慮がより一層求められます。先に記載した『「ドッグカフェ」に対する衛生指導要綱』では「犬の食器と人が使う食器を洗う場所を分けること」「調理場と客席との間に区画を設けること」などといった規則を設けています。これらのルールを守った店舗づくりをするためも、ドッグカフェの場合はある程度の資金を用意しておく必要があると言われています。立地や店舗の規模にもよりますが、おおよそ1,000万円以上の資金を用意しておくとよいとも言われています。

資金の調達方法

ドッグカフェを開業したいけれども自己資金が足りない！といった場合には、日本政策金融公庫から融資を受けることもひとつの手段です。日本政策金融公庫とは「日本公庫」とも呼ばれ、政府が100%出資する公的な金融機関です。日本政策金融公庫は中小企業や個人事業主の事業支援や開業支援に力を入れているのが特徴で、最大3,000万円まで無担保無保証人で借り入れができます。

そのほかにも、日本商工会議所が公募している小規模事業者持続化補助金に申請する方法もあります。商工会や商工会議所が事業計画の作成を支援し、施策をサポートしてくれる補助金です。幅広い事業の⼩規模事業者が対象となり、使い勝手のよい補助金とされています。

ドッグカフェの開業ポイント

最近はドッグカフェを開業する方も増えていますが、お店をオープンする前にはワンちゃん同士のトラブルが起きないように、愛犬との店内での過ごし方などのマナーやルールを設定しておく必要があります。特に犬連れ以外のお客さんが来店されるお店では、クレームが起きないように事前にしっかりと決めておくことでトラブル回避にも繋がります。

またドッグカフェを開業する方も多いので、他店との差別化ができるよう独自のメニューなども考案しておくと良いでしょう。