近年、インバウンド需要が増え日本を訪れる外国人観光客が急増中です。来年には大阪万博が予定されており、さらなるインバウンド需要の高まりが予想されています。それを背景に各地で増えているのが「免税店」です。小さな個人商店では免税店になれないと思っていませんか?実は申請をすれば店舗規模の大小を問わず、免税店になれるんです。
今回は免税店になるためのステップをお伝えしていきます。免税店の申請をしてお店のインバウンド対応をはじめましょう。
目次
免税店とは?
免税店とは…外国人観光客などの非居住者に対し、特定の物品を定められた条件で販売する場合、消費税を免除して販売できる店舗のことを「免税店」と呼びます。消費税課税の事業者であれば申請できるので、大手企業だけではなく個人事業主の小さなお店でも課税事業者であれば免税店申請ができます。
免税対象者、免税商品、免税金額について
免税対象者としては、外国人観光客以外に2年以上外国に滞在する日本人を含みます。また、外国人でも日本国内の事業所に勤務する方や6ヶ月以上日本に在住する方は対象となりません。
免税の対象商品は、国外に持ち出し通常生活で使用する「一般物品」と「消耗品」です。 無形のもの(飲食代金、宿泊代金、サービス料など)は免税の対象とはなりません。また、事業用・販売用として購入されるものも免税対象外です。
※別途、国別に設定されている輸出入の制限品もあるのでご注意ください。
免税の対象金額としては、一般物品の場合、同じ店舗における1日の販売合計額が5千円以上です。消耗品の場合は、同じ店舗における1日の販売合計額が5千円以上~50万円以下の範囲内であることが条件で、消耗品の場合はさらに日本国内で消費されないように指定された方法での包装(開封した場合に開封したことがわかるシールで封印することなど)が必要です。
免税店になるメリットとは?
免税は外国人観光客だけではなくお店にとってもメリットがたくさんあります。
集客効果が期待できる
「TAX FREE」をきっかけに、集客効果が期待できます。また近隣の競合他店との差別化にもつながります。
客単価が上がる
価格が高めの商品も「免税だから購入しよう」と購入の後押しとなります。また、あと○円購入すれば免税対象額になる、と抱きあわせ購入も見込めるため、客単価の増加が期待できます。
顧客ターゲットの幅が広がる
国内のお客様に加え、ターゲットが世界に広がります。商店街ぐるみで免税化すれば、エリアの魅力もアップ。地域の名産品をアピールするなど、地域活性にもつながります。
免税店になるための3つのステップ
免税店になるためにどうしたらよいのでしょうか。免税販売には店舗ごとに納税地を所轄する税務署長の許可を得ることが必要です。
【STEP1】申請条件を確認する
あなたのお店が免税店としての申請条件を満たしているか確認しましょう。免税販売手続きに必要な人員や場所、過去の納税状況などの条件があります。
【STEP2】税務署に申請する
税務署に免税販売の許可申請をしましょう。事業者が納税地を所轄する税務署に「輸出物品販売場許可申請書」などを提出します。
【STEP3】審査に通過すれば、あなたのお店も「免税店」です。
[免税店申請に役立つリンク集]
・消費税免税店サイト(運営:国土交通省 観光庁)
国土交通省が運営する免税店事業者のための情報サイト。各種免税手続きの多言語シートもダウンロードできます。
・免税店.jp(運営:一般社団法人ジャパンショッピングツーリズム協会)
免税店支援の総合情報サイト。免税店の申請方法や、免税店になった後も役立つ情報を発信。無料の会員登録でより詳しい情報や各種サービスが利用できます。
来日スケジュールを把握して、外国人観光客に対応する準備をしよう
日本への観光で人気の時期はいつでしょうか?外国人観光客の来日スケジュールを把握して、接客の準備や販売戦略を立てましょう。
訪日外国人数の多い時期は?来日スケジュールを把握しよう!
2023年の訪日外国人数をグラフにしました。国によって祝日に違いはありますが、やはり人気は「桜シーズン」「夏休み」「紅葉シーズン」「クリスマス休暇」です。近隣アジア圏からは短期の休暇でも旅行しやすいため、年間を通して一定の来日数があります。一方欧米では、好きな時期にまとまった休暇を取ることが多いため、長期滞在になる傾向が。中でも夏のバカンスシーズンと、11月後半のサンクスギビングデーからクリスマス休暇にかけての来日が多いようです。
また、暑い国は夏の日本よりも冬の「雪」の人気が高いなど、さまざまな観光需要があるようです。
[参照元資料]
・日本政府観光局(JINTO)国籍/月別 訪問外客数
2025年度、月別で見る来日スケジュール
月別に来年2025年の各主要国の休暇日程をピックアップしました。
インバウンドカレンダーとして参考にしてみてください。
■1月
1月1日…お正月
1月28日~2月3日…春節・旧正月[中国・中華圏]
■2月
1月28日~2月3日…春節・旧正月[中国・中華圏]
■3月
3月31日・4月1日断食明け休暇[イスラム教圏]※毎年日程変動するため予定
■4月 ※桜シーズン※
4月4日~4月6日…清明節[中国・台湾・香港 など]
4月13日~15日…ソンクラーン[タイ]
4月20日…イースター・復活祭[キリスト教圏]
■5月
4月30日~5月4日…労働節[中国・台湾・香港・シンガポール など]
5月31日~6月2日…端午節[中国・台湾・香港 など]
■6月
バカンスシーズン[欧米各国]
■7月 ※夏休み※
バカンスシーズン[欧米各国]
■8月
バカンスシーズン[欧米各国]
■10月 ※紅葉シーズン※
10月4日~10月6日…中秋節[中国・中華圏]
10月10日~10月12日…国慶節[中国・中華圏]
→中秋節と国慶節をつなげて大型連休にする人も
10月5日~10月7日…秋夕[韓国]
■11月
11月27日…サンクスギビングデー[アメリカ]※クリスマスとつなげて大型連休にする人も
■12月 ※クリスマス※
12月25日~…クリスマス・年末年始休暇
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