開業時は十分な運転資金を確保しておくことがポイントです。

でも実際に運転資金ってどのくらいあればいいの?金額は?!

ということで今回も、創業融資の専門家『サロン・飲食店創業支援センター』代表の砂田さんに、飲食店の運転資金の計算方法について教えてもらいました。

よろしくお願いします~!

「はい。運転資金を正確に把握するためには、経営計画を立てることになりますが、まずは簡単に把握する方法をご紹介します。以下、順番に計算してみましょう。」

 

運転資金の超簡単!計算方法

①想定売上を決める

客単価から月の売上を予測計算します。

売上予測は多すぎても少なすぎてもいけません。

現実的な数字を想定売上としましょう。

 

②原価率の仮決定

原価率を仮で決定します。原価率とは売上に占める原価の割合です。

例えば売価500円のコーヒーを提供する場合、それを提供するためのコーヒー豆等の原価が150円であれば、

150円÷500円=0.3

つまり原価率は30%となります。

飲食店の場合ですが一般的に原価率は30%前後と言われていますので、分からないという方はいったん30%前後で仮設定してもらうとよいと思います。

 

③売上原価を計算する

売上原価とは売上に対し仕入れなどでかかる原価のことです。

上記①で設定した想定売上に②で求めた原価率をかけます。

①想定売上が月150万円で、②原価率が30%であれば、150万円×30%=45万円

売上原価は45万円です。

 

④経費総額を計算する

ここでは1カ月にキャッシュアウトしていく諸経費を計算します。

減価償却費(*)などの実際にお金が出ていかない項目は無視してOKです。

(*)減価償却費とは、建物や機械設備など,企業が長期間にわたって利用する資産を購入した場合,その購入価額をいったん資産として計上した後,当該金額を資産の耐用年数にわたって規則的に費用として配分される金額のこと(コトバンクより)

具体的には下記の項目にかかる1カ月あたりの経費を順に書き出していき、最後にその合計を求めます。(※簡易計算のため難しい項目は省略しています)

 

・人件費(正社員・アルバイト等の給与)

・通勤費(正社員・アルバイト等の交通費)

・店舗損害保険料(まとめて○年契約の場合は1カ月ベースに)

・通信費(電話代・郵便代・切手代など)

・リース料(POSレジ・システム利用料など)

・家賃

・旅費交通費(ご本人の交通費)

・水道光熱費

・広告宣伝費(食べログ・ぐるなび・広告など)

・支払手数料(税理士報酬など)

・清掃費(ゴミ処分代・清掃費など)

・消耗品費(細々した出費すべて・概算で5万円ほどの計上で十分)

・新聞図書費(店舗に置く雑誌購入費など)

・交際費

これらの1カ月にかかる費用を全て書き出し、最後に合計します。

 

⑤売上原価+諸経費(1カ月あたりの運転資金)

③で求めた売上原価と④で求めた諸経費を足します。

ここででてきた金額が1カ月あたりの運転資金額ということになります。

運転資金を考える際は、売上による資金の増加は考えません。

想定売上を目標に経営したけども売上が0だった。それでもこれだけのお金はでていきますよ、という数字を上記で求めています。

この金額を1カ月あたりの運転資金とお考えください。

 

「最後に何カ月分確保するかという点ですが、私の推奨レベルは6カ月ですので、×6をした数字が運転資金として確保しておきたい金額となります。ぜひ計算してみてくださいね!」

ーこの運転資金も確保できる金額を見込んで融資金額を決めるわけですね!

砂田さん、ありがとうございました!


サロン・飲食店創業支援センター
http://sougyo-support.com/

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