2023年から株式会社おもちゃ箱が日本総代理店となった南ドイツのアロマブランド「PRIMAVERA(プリマヴェーラ)」。植物の持つ癒す力に注目した品質の高いアロマアイテムを展開しています。
創業当時から厳しい基準を設け品質にこだわり、心と身体の健康のためにホリスティックに働きかける製品づくりを行っています。得た知識やノウハウを積極的に共有することを重要と考え、オンラインコースなどを通じてアロマのプロフェッショナルの育成にも取り組んでいる会社です。
植物療法への理解、自然への愛、そして人間への尊敬を創造的に分かちあうプリマヴェーラについてグローバルコミュニケーションエキスパート&グリーンメイクアップアーティスト、カリム・サッター氏が来日し、総代理店である株式会社おもちゃ箱の主催でセミナーが開催されました。講演の様子をレポートでご紹介します。
目次
プリマヴェーラとはどんな会社?
プリマヴェーラは、1986年春に南ドイツアルプスの麓でスタートしました。当時はオーガニック製品もまだまだ少ない時期、植物の癒す力に着目して製品を作り始めました。
オーガニック市場が未熟な時代、1986年南ドイツで誕生
プリマヴェーラは1986年春、南ドイツで誕生しました。当時はオーガニックエッセンシャルオイル18種、ベースオイル5種、インセンス5種というラインナップで、オーガニック市場が未熟な時代にオーガニックショップへの販売をしていました。厳しい品質管理をし、自然原料のみで製造しています。
現在は約1,000名のスタッフがおり、南ドイツでは中規模の会社となっています。創業のメンバーは今も一緒に働いています。本社には日々250名ほどの社員が通勤しているそうです。
植物療法への理解、自然への愛、人間への尊敬を大切にしている
プリマヴェーラはイタリア語でローマ神話の「春の女神」を意味します。植物療法への理解、自然への愛、そして人間への尊敬を創造的に分かち合うという意味を持っています。
ブランドロゴは、ローマの春の女神を描写したもので、再生と豊作を約束する象徴でもあります。女神プリマヴェーラは春の訪れを祝福し、春に芽生える新緑の芽は、バイタリティーや新たな可能性をあらわしています。そして、ピュアな品質であることの象徴にもなっています。
ドイツ本社は生物多様性の象徴の場、建物もサスティナブル
創業当時は、世の中では最短で事業を成功させることが重視される時代。そんな中でも気候保護を優先し、創業当時から自然環境に対しての配慮を大切にしてきました。周りからは馬鹿にされるようなこともありましたが、創業当時から自然への尊敬を一貫して続けてきたことで、今となっては非常に意味のあるスタートだったと誇りに思っています。
ドイツで初めてサスティナブル建築のオフィスビルとして受賞、自然への敬意は本社建物にも
本社はドイツ初のサスティナブル建築のオフィスビルです。風水やエネルギー学に基づいたサスティナブル建築を取り入れています。2013年にはグリーンブランドアワードを受賞しました。
排出した二酸化炭素量を吸収するカーボンニュートラルな建築で、本社の周りにはプリマヴェーラが愛する生物多様性の場が広がっています。103,000 本のヒーリング植物、5つの天然池、 57種の動物、171種の植物(そのうち14種が絶滅危惧種)があります。
住所は「ネイチャーパラダイス1」、バラの祭典には毎年4,000人が来場する生物多様性を表現したプリマヴェーラ本社
このサスティナブル建築の本社がある場所ですが、住所名はなんと「ネイチャーパラダイス1」。自然の楽園という意味の住所が表現するように、植物や池があり、生物多様性を表現した場所になっています。6月の終わりには4,000人もの来場者が訪れる大きなバラの祭典が行われます。
プリマヴェーラの哲学
植物が持つ癒しの力を理解し、自然への深い敬意をもってアロマアイテムを生み出しているプリマヴェーラの哲学をお聞きしました。
植物の力を受け取り体も心も癒す、ホリスティック・ヒーリング
花や葉、茎、根などには小さなオイルのしずくがあり、エッセンシャルオイルを蓄えています。揮発性があり、油溶性の成分です。その成分は、植物がさまざま生化学的機能を発揮するために必要な物質であり、私たち人間でいうとホルモン分泌のようなものです。
人々は5,000年も前から植物からとれるエッセンシャルオイルを使用しており、身体的・精神的な効果が証明されています。古代エジプトではバラのお風呂もあったと言われています。自分を癒すもの、そして最後の時まで寄り添うものとして重宝されてきました。
プリマヴェーラは植物の力を受け取り体と心と魂に伝えることで癒す、ホリスティク・ヒーリングを提案しています。
「種から土、そして肌へ」原材料から消費者に届くまでの透明性
プリマヴェーラは植物の真の力を引き出すために、肌と感覚に働きかける植物の知識だけでなく、世界中のオーガニックファームとのパートナーシップを大切にし、土壌~種~店頭陳列~肌に届くまで品質管理や製造過程をクリアにしています。
2段階の品質検査を設けており、製品としての成分の検査だけでなく、肌に使えるかどうかの点でも検査を行っています。こうして作られた製品については知識やノウハウを伝達するようにしています。
原材料を育てるオーガニック生産者とのパートナーシップを大切に
世界22カ国に17のオーガニックファームパートナーがおり、109の植物原料を生産しています。商品の3分の2にはパートナー農園の植物原料を使用しています。
幸福の国ブータンではレモングラスを栽培
そのオーガニックパートナーファームの1つが、ブータンにあります。30年に渡るパートナーシップがあります。始まりは1990年、共同創業者のウテ・ロイベとクルト・L・ニューブリングが、レモングラス精油を探しに初めてブータンを訪れました。翌年には、初めての収穫を行い、1995年には社員35名とブータンへ香りの旅に出ました。初めての訪問から20年経った 2010年にレモングラスソーププロジェクトが実現し、2017年にはブータンから製造の知識共有のため、ドイツに訪問がありました。
こうして時間をかけて互いの理解をして信頼関係を築きながら持続可能な有機農法を支援し、地方別の知識の共有とさらなる商品開発を継続しています。
体も地球も一体、人間のニーズに合わせた調合で補完し合うアロマ製品
プリマヴェーラは、人間の「体」「心」「魂」に響く、人々のニーズに合わせた調合を行っています。私たち人間の体もこの地球も一体であり補完し合っているという考えです。
380以上の製品ラインナップから体や心に合わせたアイテムを選べる
日本未発売の商品が含まれますが、プリマヴェーラでは380以上の製品ラインナップがあります。ピュアな植物と有効成分でできているからこそ、自分だけのアロマテラピー処方を作ることができるのです。
シングルエッセンシャルオイルは135種、オーガニックボディオイル(キャリアオイル)やオーガニックフローラルウォーター各種もあります。
あなたならどう使う?カリム氏のモーニングルーティンを紹介
来日講演を行ったカリム氏は、ドイツ・ライン川下流地域のオーガニック農家で育ちました。ナチュラルオーガニックコスメ業界に携わって27年、これまで女優、歌手、フォンダ、モナコ公国シャルレーヌ王妃、バラク・オバマ氏などの著名人との仕事に関わり、VOGUE、ELLE、など数々の有名ファッション雑誌でもそのキャリアが紹介されてきました。
外見の美しさは内面の美しさの反映と考えるカリム氏自身が行っているモーニングルーティンとしては、まず目覚めたら、ライムやレモン、ゆずと言った爽やかで明るく心開かれる香りを、そして朝のシャワーにはクレンジングジェルとマウスジェルを使うとのこと。
セミナー中、真剣にカリム氏の講演を聞く参加者にもっとリラックスして聞いてほしいと、カリム氏おすすめのルームスプレーを空間にスプレーして歩いて回ってくれました。思わぬ演出に参加者もほっこり、スプレーされた香りを感じ、香りによる効果を実感した出来事でした。
セミナー特別公開、商品開発の担当者にインタビューして開発の裏側を聞いてみた
セミナーでは、本社の開発担当の方へのインタビュー動画が公開されました。なかなか聞くことができない商品企画や設計についてお聞きすることができました。
レインボーカラーで分かりやすい、「アロマコンフォート」ライン
アロマコンフォートラインは、レインボーのカラーコードがその意味を伝えています。アロマが未体験の人や個別に買って組み合わせたいという人に対して分かりやすい文章が書かれ、正確なネーミングがついており、初心者でも分かりやすいシリーズとなっています。
お悩みに特化したシリーズで、ブレンドエッセンシャルオイル、ピローミスト、マスクスプレー、アロマロールオンのラインナップがあります。
目的や利用シーンから選ぶ「ウェルビーイングシリーズ」
ウェルビーイングシリーズは、場面や気分に応じた香りが揃うシリーズです。エッセンシャルオイル、ルームスプレー、アロマロールオンのラインナップがあります。
例えば朝から夜まで、外出先での使用などを想定して手軽に使えるスプレータイプや手首やこめかみにさっと塗ることができるロールオンタイプなどの形状。私たちの身体、心、魂の特定のニーズのために活力や集中力を高めるものから安らぎやリラックスを与えるもの。趣味のヨガをするときや空気をきれいにしたいといった特定のニーズに。そして個人の香りの好みや季節に合わせてといった提案のシリーズです。
31%資源を節約、100%リサイクルできる環境を考慮したリニューアルパッケージ
環境を考慮してリニューアルした新しいパッケージでは、リニューアル前のチューブと比較して31%資源の節約ができています。素材は100%リサイクル可能なものを使用しています。日本では未発売のチューブ容器の商品ですが、天然資源を保護する新しくサスティナブルな試みが行われています。
すべての商品が自然原材料のみで作られているオーガニックアロマ「プリマヴェーラ」の商品をチェックしよう
今回のセミナーでは、プリマヴェーラが自然由来の成分にこだわりがあることはもちろん、ピュアな成分にこだわり、植物から得られる癒しの体験をより分かりやすくし提案している企業だということがよくわかりました。ドイツではアロマのプロも使っている「プリマヴェーラ」ですが、アロマの知識がある方も、これからアロマを提案したい方もどちらにも寄り添うアイテムです。ぜひその香り、品質の高さを手に取って実感してみていただきたいです。