京都市上京区の西陣織の街で知られる地域に、古民家を改造した八百屋カフェ「ベジサラ舎」があります。京都に限らず各地から取り寄せた野菜や果物、食品などを扱う店舗内にはカフェもあり、食事やスイーツを味わうことができます。オーナーの中本さんは未経験にもかかわらず、ある想いを胸に「ベジサラ舎」をオープンし、理想の店舗づくりを続けています。今回は、八百屋を始めた経緯や店舗経営のエピソード、そしてベジサラ舎のこだわりなどを伺ってきました。

美味しいトマトを食べたことがきっかけで八百屋をスタート

中本さんが「ベジサラ舎」を始めようと思ったきっかけは、あるトマトとの出会いでした。滋賀県の道の駅で買ってきたトマトがとても美味しくて、「この味をもっと多くの人に広めたい!」と思ったことから八百屋を始めることにしたそうです。その後、中本さんの親類の方が西陣織りの紡糸工房に使っていた町家を改造し、2017年に小さな八百屋をオープンしました。

中本さん:もともとおもてなし料理の教室をやっていたのですが、テーブルを彩ることよりも野菜の素材自体に魅了され、トマトとの出会いもきっかけで八百屋を始めることにしたんです。最初はトマトといくつかの野菜だけを扱う小さな八百屋でした。誰がどんな想いを持って作っているのかがわかる野菜を扱って「顔が見える商売」がしたかったので、美味しい野菜を作っている農家さんがあると聞けば直接出向いて取引させてほしいとあちこち回りましたね。

(野菜には味やおすすめの調理方法などを書いたPOPを掲載)              

農家さんによっては仕入れる量が決まっていたりするところもありますが、数点から仕入れさせてくれるところも多いですし、そのうち取引先の農家さんがほかの農家さんを紹介してくださるようになったりして仕入れ先が増え、売り場も拡張するほどになりました。

野菜作りへのこだわりや思想なども農家さんによって異なりますが、そういうことも色んな農家さんと話していくうちに学べましたし、自分のお店のコンセプトと合う仕入れ先を見つけることもできましたね。今は私だけじゃなく、スタッフが「あそこの野菜は美味しいよ」と聞いてきたら仕入れにいったり探しに行ったりするようになりました。

(レジ横では量り売りのお味噌を販売)                

店内には調味料や乾物などもあり、野菜選びと同じように安心して食べられるものやモノ作りへの想いが込められている食品などを販売しています。例えばブラウンシュガー1STの商品もその一つ。

中本さん:ブラウンシュガー1STさんの商品は「わが子に食べさせたいかどうか?」を基準に食材を選ぶことをコンセプトにされていますが、私も子育てをする中でその想いに共感するようになり、この企業さんの商品を選ぶようになりましたね。

(ブラウンシュガー1STのナツメグやメープルシロップ、ドリンクなども販売)              

食べて納得して買ってもらいたくてカフェをオープン

ベジサラ舎では同じ店舗内にカフェレストランも併設しています。テーブルとお座敷のある空間は町家ならではの落ち着いた雰囲気があり、そこで出しているメニューはどれもベジサラ舎で販売している野菜や果物を使ったものです。

中本さん:このお野菜たちのおいしさを知ってもらいたいのと、その場で味に納得して買ってもらいたくてカフェレストランも開くことにしました。ですので、ベジサラ舎で扱っている野菜を使った料理をお出ししています。実際に来店される方の2,3割は食事をされて、そのあと野菜も購入してくださっていますね。遠方からわざわざ足を運んでくださりまとめ買いしてくださる方もおられます。

(店内にあるカフェスペース)             

店舗の宣伝はインスタグラムだけだそうですが、それに加えて口コミでお店のことを知り、来店される方も多いとのこと。

中本さん:「美味しい野菜があると聞いたからきました」とおっしゃる方もおられますし、やっぱりお客様の口コミというのは影響が大きいですね。野菜は配達もしていますが、それも殆ど口コミで配達先が広がっています。身近な方から聞いてくださるほうが信頼性もあると思いますし、来店効果は高いなぁと感じますね。

(毎月メニューがかわるランチ)             

カフェの経営も未経験でしたが、飲食業の経験があるスタッフを中心にその時旬の野菜を活かした料理をみんなで考え、毎月メニューを変えて提供しています。

そして秋くらいにはデリコーナーもオープン予定だそうで、野菜を買うだけではなく野菜の美味しさを感じてもらえる店舗作りがさらに広がっていきます。

スタッフに恵まれたことが店舗づくりの鍵に

ベジサラ舎は八百屋に2名とカフェに3名、そしてシフト制のスタッフを合わせて10名で運営しています。未経験で八百屋とカフェを始めた中本さんですが、店舗の経営を続けてこられた秘訣を尋ねると「スタッフに恵まれたことが一番大きい」という答えが返ってきました。

中本さん:店をやろうかなと思った時にママ友に声をかけて、そこから二人三脚でスタートしました。もしひとりで始めてたら自分ができる範囲のことしかしなかったと思いますが、常にバックアップしてくれて、時には背中を押してくれたり励ましてくれたりするので今のお店の形ができてるんだと思います。だから、辛いことがあったかもしれないけどそれを辛いと思わずに楽しみながら今までやってきましたね(笑)。

常に大変なことはあるけれど、全部笑い話にしながら楽しくやってきた、という中本さん。取材したこの日も常に笑顔で楽しそうにお客様やスタッフと話しながら和気あいあいとした雰囲気が店内にあふれていました。

マルシェへの出店で新しいお客さんとのつながりも

ベジサラ舎は毎月西陣で開催されているマルシェにも出店したり、移動販売などもしています。そこでお店のことを知って、店舗にこられる方も多いようで、店舗の認知に繋がっています。

中本さん:マルシェは声をかけてもらったら出店するようにしていますし、移動販売も週1回決まった場所で販売しています。移動販売は高齢の方もよく来てくださいますね。店舗まではちょっと遠いので行けないけど美味しい野菜を食べたい、といった声もいただいているので場所を決めて続けています。

(ご近所の方に好評の移動販売)                

無農薬や有機肥料で育てられた野菜が並ぶベジサラ舎には、美味しい野菜を求めて絶えずお客様が足を運んでこられていました。なかにはサイズや形が規格外で一般には出荷できない野菜もベジサラ舎では扱っており「ちょっと小さいけど味は絶品でなかなか手に入らないから、すごくお買い得ですよ」「これはそのままでも美味しいけどレンジで簡単にジャムにするのもオススメですよ」と野菜の魅力や食べ方をお客さんに伝えながら販売されています。

そんな中本さんの話を聞いたお客様も「ここに来たら何でもほしくなるわ(笑)」「話を聞いてたら買いたくなるわ(笑)」と楽しそうに買い物をされる姿が印象的でした。

これからもベジサラ舎から野菜のおいしさや魅力をたくさんの方に届けていきたいという中本さんの活動に注目していきたいと思います。

ベジサラ舎

 住所:〒602-8491 京都府京都市上京区西社町179

インスタグラム:https://www.instagram.com/vejisara.sha/

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