和歌山県・紀美野町という、大阪から車で一時間くらいの山間部にある小さなショップ&カフェ「Amrita」。「暮らしのなかに、善いもの・善いこと」をコンセプトにオーガニック食品・エコ雑貨を扱っています。

お店の周辺には話題のパン屋さんや古民家カフェなどがあり、休日にはグルメや綺麗な田舎の景色をもとめて30代~60代くらいの女性グループ、カップル、ファミリー層などが訪れる場所だそうです。

店長の山下さんは以前、NPO・財団の活動でインドやミャンマーを中心に子育てや子供たちの学校建設の仕事に携わっていたそうです。その頃からエシカルやフェアトレードの取り組みに関心があり、3年間スリランカにあるフェアトレード事業を展開する企業に勤めていました。

そこで得た経験をもとに和歌山県で自分のお店を開業し、食品や雑貨などの卸販売やカフェ雑貨店を経営されています。今回は山下さんに、エシカルやフェアトレード商品を扱い始めたきっかけや商品の選び方、店頭での接客のコツ、オススメの商品などを伺ってみました。

フェアトレードを学びたくてスリランカへ

―もともとNPO団体や財団で働いていたおられたそうですが、フェアトレードやエシカル商品に関心をもたれたきっかけは何でしょうか?

山下さん:大学・大学院のときに、NPO・NGOでの教育活動を研究していたことあり、卒業後数年間は東京の非営利組織で働いていました。英語が話せたことからインドの子どもたちの里親募集や、ミャンマーの子どもたちの学校建設などの仕事に携わることになり、寄付を募って現地に届ける仕事をしていました。

そのうち、寄付だけで事業をすることが本当に途上国の支援になっているのか?という思いが出てきたのです。そのときにたまたま目にしたフェアトレードの製品をみて、「一度フェアトレードが学べる現場で働いてみたい」との思いが沸き上がり、当時知り合いのつてをたどってスリランカの企業に履歴書を送りました。

その際に、私の実家がお寺で自分も仏教の僧侶であったことや、母方の祖父母が農家だったので小さいころから農業を手伝うのが好きだったことを踏まえて、履歴書のなかに「フェアトレード、有機農業、エコツーリズムや仏教体験に興味がある」という文言を書きました。それが当時のスリランカの企業の会長の目に留まって、面白い日本人だということで、採用されました。

(スリランカでの農業者とのミーティング風景)

現地の経験から輸入・卸販売をスタート

―スリランカでは3年間働いたそうですが、どんな仕事をされていたのでしょうか?

山下さん:仕事の内容は、農家の人にオーガニック農業への切り替えをしてもらうように田舎の農家を回ったり、彼らが収穫した野菜を片道5時間もかけて都会のコロンボのオーガニックマーケットまで売りに行ったりすることから始まりました。そのなかで知り合った人脈を頼りに、フランスやドイツの旅行会社と協力して、スリランカの田舎の農業経験や農業文化が学べるヴィレッジ・エコツアーを企画開催もしていました。

(シナモン工場にて製造工程を学ぶ山下さん)

そのなかで感じたのは、小さな田舎の農家の人が一生けん命に働いても、本当に日々のわずかなお金しか入ってこない過酷な環境だということ。だけど、彼らはスリランカの野菜やハーブについて本当に素晴らしい知識をもっています。例えば、私が生理痛で体調が悪かった時に、「このハーブをこうやって飲むと生理痛が楽になるよ」などと教えてくれたことはとても印象的だった出来事です。それで、「おばあちゃんの知恵」のような伝統的な知識を詰め込んだ、スリランカ固有のハーブや野菜・果物をお茶や加工食品として日本に紹介できないかな?と考えはじめたことが輸入・卸を開始するきっかけになりました。

(フェアトレードの紅茶園の様子)

帰国後カフェと雑貨店を開業

(土日限定のカフェで出しているスリランカのカレー。スリランカのお母さんに教わったレシピ。)

―スリランカから帰国後は会社を設立して和歌山で卸事業とカフェ雑貨店を始められたそうですね。

山下さん:2019年に地元の紀美野町でAmrita株式会社を立ち上げて卸販売を開始しました。事務所と倉庫を貸してくださる方がいて、アンテナショップのスペースもお借りできることになったので、昨年の7月から小売も始め、週末だけのカフェ&ショップをやっています。

卸業ではオーガニックのハーブティーやスパイス、ココナッツシュガーのほか、スリランカ製のMomiji Naturalさんの布ナプキンなども扱っています。柄も豊富で可愛いので、店舗で目をひくエコ雑貨です。小売りではオーガニックのチョコレートやコーヒーなどを販売しています。

(スリランカの有機ハーブティー)

当初、仕入れはすべて対面でスリランカや東京のトレードショーなどで買い付けてこようと思っていたのですが、タイミング悪くコロナ禍での開業となり、それができなくなって途方に暮れていました。そのときに出会ったのがスーパーデリバリーでした。スーパーデリバリーを使っていくうちに、小売業も対面だけでは今後不安もあると感じ、ネットショップも開設することにしました。今年の5月にオープン予定で今準備をしています。

同時に卸事業も展示会の開催なども難しいので、スーパーデリバリーで販売を開始することにしました。こちらも現在準備中ですが、1点からサンプル買いもしていただけるので、よければぜひお試しください!

 

つづきは後編

 

エシカルをテーマにしたライブ配信を開催!

~エシカルショップ『Amrita』オーナーとの対談企画~ フェアトレード・エシカル商品を販売するコツ・ポイントとは?!

スーパーデリバリーでは2021年4月13日(火)~5月10日(月)に「エシカルコレクション」と題し、さまざまなジャンルのエシカルな商品をご紹介します。4月23日(金)11時からは、今回お話をお伺いしたAmritaの山下さんにも登壇いただき、より詳しい店舗運営のコツやオススメ商品などをお話いただきます。ほかにも、出展企業によるおすすめのエシカル商品の紹介など、エシカルやフェアトレードに関する情報を数日にわたってお届けします。この機会にエシカルやフェアトレードについて学びたい、という方もぜひご参加ください。

詳細はこちらからご確認いただけます。

 

エシカルな商品の仕入れはスーパーデリバリー

オーガニック、フェアトレード、伝統工芸品など様々なジャンルのエシカルな商品が揃っています。

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