京成線・志津駅から歩いて3分ほど。住宅街が並ぶ大通りに面した場所に、白い外観が印象的なキャンドルショップ 「Olim Candle」があります。前職は幼稚園の先生をしていた店長の佐久間さんが、ハンドメイドキャンドルに出会い2025年にオープンしたお店です。
大きな窓から見える店内には、季節のキャンドルやアンティーク調の什器があたたかく並び、通りを歩く人の足をふと止めたくなるような、やさしい雰囲気が漂っています。
今回は佐久間さんに、開業した経緯やゼロからの集客、お店の認知対策についてお話を伺いました。

目次
産後のメンタルを救ってくれた”灯り”との出会い
佐久間さんがキャンドルに出会ったのは、産後の時期、気持ちが不安定になっていた時でした。
「毎日天井を眺めながら涙がでてきてしまう・・・そんな日々のなかで、ふとキャンドルの灯りに出会い、その灯りの暖かさに癒されて不安定な気持ちが少しずつ落ち着いてきたときに、キャンドルの灯りが持つ温もりを周りにも届けたい。そんなふうに思ったのがキャンドル作りの始まりです。」と佐久間さん。
自分をそっと支えてくれたキャンドルの灯りに魅了され、「自分でも作ってみよう」と思い立ったのがすべての始まり。
独学やスクールで学び、作品を友人にプレゼントするうちに、「マルシェに出てみたら?」と声をかけられ、友人に誘われて初めての出店を経験しました。

その後、ネットショップも開設しましたが、ご主人から「コミュニケーション能力を活かして対面で販売したほうが向いていると思うよ」と背中を押されたこともあり、現在の場所にお店をオープンしました。
開業準備中の様子をインスタグラムで発信
お店の場所は、以前から佐久間さんが「いつかここでお店を持てたら」と思っていた物件でした。自宅からも近く、前を通るたびに気になっていた場所。
その物件がちょうど空き、まさにタイミングよく「今だ」と思った瞬間に契約へ進んだと話します。

物件契約からオープンまでは約3ヶ月。
その期間の様子を佐久間さんはインスタグラムで発信していました。
もともと洋服の仕立て屋だった店舗。職人の方や佐久間さん自身で好みの内装に変えていく様子や、アンティークショップに什器を探しに行った日のことなど、少しずつお店が形になっていく過程を投稿していきました。その結果、フォロワーや地元の人からの応援が増え、オープン後には「準備中の様子をインスタグラムで見ていて気になっていたの!」と声をかけてくださる方もいたそう。
発信を続けることで、オープン前からお店を知ってくれる人が増え、「開業したら行ってみたい」と思ってくれるきっかけにもなったといいます。

ローカルだからこその集客の工夫
インスタグラムで発信することで、場所を問わず多くの人にお店を知ってもらうことができます。ただ、Olim candle のターゲットはあくまで地元のお客様。まずは、この地域に暮らす人たちにキャンドルの魅力を伝え、お店の存在を知ってもらいたい──そう考えた佐久間さんは、店舗の窓に大きなQRコードを貼り出しました。
お店の前には車通りの多い道路があり、信号待ちのあいだにふとお店の様子を伺う人も少なくありません。「そのときに、少しでもお店のことを知ってもらえたら」という想いから、この取り組みを始めたのです。また、最近は駐車場も用意できたため、その案内も張り出しています。
その甲斐あって、信号待ちのタイミングでそのまま駐車場に入り、お店に立ち寄ってくれた方もいるのだとか。

開業準備では起業塾に通い、お金の流れや広告の活用について学んだそうです。
地元フリーペーパーや冊子への広告掲載もその一つ。そこから来店した人にアンケートをとり、
「どんなアイテムがあったら嬉しい?」といった声を集めて参考にしてきました。
最初はキャンドルを目当てに来る人が多かったものの、最近ではギフトとして受け取った人が「気になって来ました」と訪れるケースも増えているそうです。地域の中で少しずつファンが広がっている様子が伝わってきます。

什器はアンティークショップやフリマ、雑貨はスーパーデリバリー
店内には、アンティーク家具や木の風合いが素敵な什器がバランスよく配置されています。これらは佐久間さんがあちこち探し回って見つけたもの。どれもハンドメイドキャンドルの雰囲気と合っていて、世界観が出ています。

商品は最初からたくさん揃えていたわけではなく、「まずは最低限のものから」少しずつ増やしていったそうです。メインの商材はハンドメイドキャンドルなので、お客さんの様子や売れ行きを見ながら、佐久間さんが日々お店で作成しています。
店内には季節に合わせたキャンドルが並び、今の時期はクリスマスを意識したデザインの商品も多く見られます。
やわらかな灯りと相まって、店内全体がどこかあたたかさを感じる空間になっていました。

店内にある雑貨はスーパーデリバリーで仕入れており、キャンドルホルダーやキャンドルの灯を消すスナッファーなど、キャンドル周りの雑貨類などを日々探しているのだとか。
また、キャンドル目的ではないお客様にも手に取っていただける商品を用意しており、こちらのロウビキ加工を施したノートは「仕事の制服のポケットにも入るから使いやすい」とサイズ感も好評で人気が出ているのだとか。

(山本紙業 RO-BIKI NOTE)
キャンドルが目的でなくてもふらっと立ち寄りやすくなり、「今日はどんなものが並んでいるんだろう」とお店に来る楽しみが自然と増えていく、そんな空間づくりが感じられました。

(志成販売のオーナメント)
内装のインテリアとして天井や壁にディスプレイされているこの雑貨は、今後ラッピングにも使えないか検討しているそうです。
ギフトにこのオーナメントをそっと添えることで、キャンドルそのものだけでなく、贈る時間まで含めた特別感を演出することができます。
お店の世界観をそのままラッピングにもつなげていく、そんな工夫が感じられました。
キャンドルのある日常を、これからも
Olim candle では、キャンドルを「買って終わり」ではなく、暮らしの中で使い続けてもらうことも大切にしています。
店内には、写真のようにキャンドルを継ぎ足して使える販売スタイルも用意されており、「日常の中で気軽に灯してほしい」という想いが感じられました。


また、定期的に開催しているワークショップでは、キャンドル作りを体験しながら、その魅力を直接伝えています。
自分で作ることでより身近に感じられたり、灯す時間そのものが楽しみになったり。
販売だけでなく、体験を通してキャンドルと出会うきっかけも大切にしていることが伝わってきます。
継ぎ足し販売やワークショップなど、何度でもお店に足を運びたくなる工夫が少しずつ重ねられていて、そこには「この場所で、キャンドルのある暮らしを伝え続けていきたい」という佐久間さんの想いが込められています。

産後のつらい時期に救われた、ひとつの灯り。
その経験を原点に、自分の想いを形にしてきた佐久間さんとOlim candleが、これからこの街でどんな時間を紡いでいくのか。
また訪れたくなる場所として、今後の広がりがとても楽しみなお店でした。
Olim Candle
住所:〒285-0846 千葉県佐倉市上志津1667−7
インスタグラム:https://www.instagram.com/olim_candle/

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