海と共に日常を過ごす茅ヶ崎市。自然を愛する方々が多く住んでいる茅ヶ崎市に、地域のお客様が多く訪れる事前予約制のお店があります。今回は、自宅の玄関を量り売りも行うエシカルなお店に変身させた「meguru」さんを訪問しました。他のお店ではなかなか見ないような商品を扱うこのお店について、店主の高沢さんへ開業の経緯やエシカルに対しての考えを伺いました。

開業のきっかけとホタテパウダーとの出会い

店主の高沢さん

──まずはお店を始められた経緯について教えてください。

高沢さん:2020年の3月に3人目の子どもが生まれたのですが、その頃はちょうどコロナ禍の真っ只中。このままいつまで続くんだろう?と不安になっていました。会社を辞めて数年経っていたこともあり、自分で仕事を作りたいと考えていたんです。

その頃ちょうど「ゴミ問題」のニュースが増えていて、私自身もそういうことに関わりたい気持ちが強くなりました。たまたま知り合いだったホタテパウダーの生産者さんと「この地域はエコや環境に関心のある人が多いし、量り売りのお店がもっとあっても良いのでは」と話して、玄関先で始めようと思ったのが最初です。

— そのホタテパウダーとはどのようなものですか?

高沢さん:青森で採れたホタテの貝殻を高温で焼いて粉砕したものです。貝殻は産業廃棄物として山積みにされることも多いのですが、自然な素材なので昔から暮らしに活かされてきました。縄文時代の貝塚では、貝のアルカリ性によって土が酸性化せず、大事なものが保存されやすかったとも言われています。

この性質を活かして水に溶かすとアルカリ性になり、洗濯や掃除にも使えるんです。油汚れや皮脂汚れが落ちやすいので、暮らしに取り入れる人が増えています。

— 昔の暮らしを参考にして現代の廃棄物を生活に取り入れることができるのはおもしろいですね。

量り売りしているホタテパウダー

商品選びと「地域でめぐらせる」工夫

— お店で扱う商品はどのように選ばれているのでしょうか?

高沢さん:基本は、自分が普段から愛用しているものですね。お店を始めるときに自宅のキッチンを見渡して「これはいい!」と思うものをメーカーに直接問い合わせて仕入れました。例えばリネンのクロスは海外のものだと思っていたら、実は日本製で。メーカーさんに思いを伝えたら取引させてもらえることになりました。

ご自身で直接問い合わせて取引を開始したリネンのクロス

— 他に商品を選定する際に意識されているポイントはありますか?

高沢さん:できるだけ自分のいる地域のものを巡らせていきたいと思っているので、地域のレストランで出た油から作った石鹸や、福祉施設で染色に使った布をリボン状にして販売するなどしています。ポイントとしては背景ごと伝えられる商品を選んでいます。

—スーパーデリバリーもご利用いただいていますが、利用を始められたきっかけはありますか?

高沢さん:おもちゃ箱さんのソネットという洗剤の商品を仕入れたく、おもちゃ箱さんより紹介いただき利用を始めました。スーパーデリバリーさんを通じて、仕入れサイトというものがあることを知りました。今は洗剤以外の仕入れにも利用させていただいております。仕入れたいと思ったメーカーさんへ直接問い合わせるとスーパーデリバリーさんから買ってくださいと案内されることも結構あります。

—洗剤をきっかけに他の商品の仕入れにもご利用いただきありがとうございます。引き続きよろしくお願いいたします。

マイクロプラスチックを海に出さないような商品を意識

— 他にもお店の説明にはマイクロプラスチックを海に出さないような商品を扱っていると記載がありましたが、そのような商品を扱いたいと思ったきっかけを教えていただきたいです。

高沢さん:日課のように海へ歩きに行く中でマイクロプラスチックを拾うようになり、それをきっかけに商品としても扱うようになりました。お店では拾ったマイクロプラスチックを量り売りしています。通販でも販売しています。

— マイクロプラスチックを通販で購入される方はどのような目的で購入されるのでしょうか?

高沢さん:海がない地域に住む方が子どもに見せたいと購入してくださることもあります。売上は美化活動の団体に寄付しています。

また、金沢市の障害者施設が制作しているマイクロプラスチックを使ったアクセサリーも扱っています。ものを売るだけでなく、環境や地域への還元につなげたいと考えています。

展示、販売しているマイクロプラスチック

通販は「新月」に

—新月通販という通販をされているのを拝見したのですが、お店を始めたときから通販もされていたのでしょうか

高沢さん:お店を始めて2〜3ヶ月経った頃、フォロワーさんから「通販してほしい」と言われるようになり始めたものです。

—「新月」という名前にした理由はありますでしょうか?

高沢さん:毎月新月の時期のみ販売しているからです。毎日は難しいので夫と相談して「月に1回、新月のときだけオープンしよう」と決めました。新月は新しいことを始めるのに良いといいますし、3日間限定なら無理なく続けられます。

—特別感もあり無理なく続けられるとてもユニークな通販ですね

暮らしや心に余裕を持つことの大切さを伝えたい

— お客様はどのような方が多いですか?

高沢さん:
半分は地域の方々で、あとの半分はInstagramを見て来てくださる方です。SNSで発信することはとても大切だと感じています。

—SNSでの発信で大事にしていることはありますか?

高沢さん:環境問題についてどれだけ伝えようとしも、自分が生きたいように生きられていなかったり、経済的に余裕がなかったりする人にとっては考える余裕がないんですよね。だからまずは「自分自身が満たされていること」が大切だと思っています。そのための講座を開いたりもしていますが、私はこの発信を通じて「暮らしや心に余裕を持つ」ことの大切さを伝えたいと思っています。

— 新月の通販や、マイクロプラスチックを活かしたユニークな取り組みなど、今後も新しいチャレンジが楽しみです。本日はありがとうございました!

meguru -low waste shop- 生活雑貨量り売り

住所:神奈川県茅ケ崎市(本店)、他支店あり(岐阜、八ヶ岳、小田原、倉敷、沖縄)※詳細はインスタグラムのDMにてお問い合せください
営業時間:インスタグラムに掲載のカレンダーを参照の上、DMにて来店予約

Instagram:https://www.instagram.com/meguru_low_waste_shop/

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